大切なのは予測の合理性であり、結果と一致しなくても、それは別問題である。
はあ!?
全く理解に苦しむ水道局長の発言に私たちは唖然としました。
昨日の佐世保市議会企業経済委員会で審議された水道局の予算審議の中の一コマです。
来年度(平成27年度)予算案の中で水道局は料金収入の見込みを示すために配水量の予測を出します。
当局が出したデータは佐世保市全体のものでしたので、山下委員は、石木ダムに関わる佐世保地区(旧佐世保市)のデータを求めました。
その結果わかった今回の予測値と過去2回の石木ダム事業再評価時の予測値を比べてみますと、
平成27年度の一日平均配水量の予測値はこんなにも大きく乖離していました。
平成19年度再評価の場合=87,699㎥
平成24年度再評価の場合=79,208㎥
平成27年度予算の場合=70,231㎥
8年前の予測からは17,000㎥も減少し、わずか2年前に示した予測からも9,000㎥も減少です!
そこで山下委員は厳しく水道局を追及しました。
山下:これほど貴方たちの予測は誤っている。どう説明するのか?
その誤った予測に基づいて石木ダムが必要と言ってきた。
水道局長:同じ一日平均配水量といっても予算時のものと再評価の時のものは意味合いが違う。
施設の規模を決定する際の予測値は10年先を見据え、リスクも加味したものでなければならず、
予算時は直近の実績を見極めて料金収入を算出するためのものでシビアな数量になるのは当然。
両者がピッタリ合えばそれが一番わかりやすいかもしれないが、違ってもしかたない。
我々が説明すべきことは再評価での予測の合理性であり、その結果についてではない。
つまり、5年ごとの再評価では、石木ダムの補助金をもらうために、様々な理由付けをして、
過大な水需要予測をたてる、その合理性が説明できればそれで良い。
その予測が当たっていようが間違っていようが、結果は関知しない。
と言っているように聞こえます。
私はあまりにも無責任な言い逃れに吹き出しそうになりましたが、
他の傍聴者からは怒りのヤジが飛び、質問者の山下委員の憤りも頂点に達しました。
努めて平静に質問を続けておられましたが、委員会の途中で退席、病院で点滴を受けることに…。
当たっても当たらなくてもいい予測なら誰でもできる!
素人でもできる!
私でもできる!
そんな信ぴょう性のない予測に基づいてだされたのが「あと4万トンの水源不足」で、
その4万トン確保のためには「石木ダムしかない」と言ってきたってわけです。
いかに石木ダムの必要性がいい加減なものであったかが判明した瞬間でした。
その言葉を信じて石木ダムを造っても恐らくダムの水は必要ないでしょう。
そのとき彼らは言うでしょう。
「結果的には予測が外れましたが、それは……が原因で、当時としては妥当な予測でした」
民と官の違いは散々言われてきましたが、公務員や公営企業の感覚がこれほどとは…
私は初めて実感しました。