11月17日、「石木ダムを断念させる全国集会」を開催した川棚町公会堂は大きな熱気に包まれていました。
来場者は約700名。地元川棚町だけでなく、県内外から、こうばる住民を応援する人々が集まりました。
当日のプログラムです。
前半は、講演が2つも!
どちらも大好評でした。
その1. 水源開発問題全国連絡会共同代表の嶋津暉之氏
・石木ダムによる川棚川の治水効果は極めて小さい。なぜなら、川棚川の上流域の洪水は防げないし、下流域の内水氾濫も防げない。
・計画を超える雨が降った場合には、むしろ流域に大きな被害をもたらすことも予想され、堤防の嵩上げなどの河川整備こそ急ぐべきである。
・佐世保市の水需要予測は過大な架空予測であり、実際の給水量は人口減などで減少の一途をたどっている。
・佐世保市民にとって石木ダムは無用の長物であり、市民に大きな負担を強いるだけ。
として「石木ダムは治水利水の両面で不要」と断じ、客席では多くの人が頷いていました。
その2.前滋賀県知事で参議院議員の嘉田由紀子氏
知事時代、6つのダムを中止or凍結させた実績をもとに、
・政策実現のためには、職員との対話、科学的データ、県民の共感が大事
・これからはダムに頼るのではなく、命を守る流域治水が重要
・これまでに居住者のいる建物を行政代執行してダムを造った事例は無い
・「できるかできないか」ではなく「やるかやらないか」
つまり、「知事の裁量で見直しをすればダムは止まる」と指摘、参加者はますます聴き入っていました。
10分間の休憩をはさんで、後半のトップバッターは、石木ダム対策弁護団の高橋謙一弁護士。現在進行中の2つの裁判について解説。判決がどうであれ、こうばる住民の人権は守られるべきものであると強く訴えました。
続いては、超党派の国会議員による『公共事業チェック議員の会』から、3名の方が駆けつけ、連帯あいさつ。いずれも衆議院議員の、初鹿明博さん(立憲民主党)、大河原雅子さん(立憲民主党)、田村貴昭さん(日本共産党)です。
また、予定が重なり参加できなかった福島みずほさん(社民党)と松平浩一さん(立憲民主党)からはメッセージが届き、司会者が代読しました。
応援しているのは国会議員だけではありません。
続いて登壇したのは、「石木ダムの強制収用を許さない議員連盟」の方々。
代表の城後光さん(東彼波佐見町議)は「これは住民の人権に関わる全国的な問題。さらなる議員の参加者を促し、行政にプレッシャーを掛けていきたい」と述べました。
そして、議員連盟と入れ替わり登壇したのは、全国からやってきたダムに反対する仲間の皆さん。
近くはお隣の熊本県から、遠くは八ッ場ダムの地元群馬県からも。皆さんは自分たちの足元のダム問題にしっかり取り組みながら、他県のことにも注目し、学び、声を上げてくださっているのです。頭が下がります。
それを一番感じていたのは、もちろん、こうばるの皆さんでしょう。
住民を代表して、松本好央さんが今の思いを率直に語りました。
土地も取られ、家も取られてしまった今だからこそ川棚町民、佐世保市民の皆さん、長崎県民の皆さん、そして全国の皆さんに知ってもらえるチャンスだと思っています。
知事の一言で強制代執行ができてしまう今だからこそ、人としての在り方、石木ダムが本当に必要なのか?きちんとした説明はなされているのか?河川課長の発言はどういう事なのか?問うていく時だと思うのです。
今日ここに集まって下さった皆さんと共にこれから先も力を合わせ、こうばるを守り続けることを誓います。
「私たちは、明日以降もこれまでと変わらない日常をこうばるで送り続けます!」
会場からは、割れんばかりの拍手が起こりました。
最後に集会宣言を採択し、17時少し前に閉会。
集会宣言はこちらです。集会宣言
3時間半に及ぶ長い集会でしたが、客席の皆さんはステージに釘付け。
真剣な表情で、それぞれの話にしっかり耳を傾けていました。
「地元の方の話に感動した。絶対に石木ダムは止めなければ!と改めて思った」
「反対派議員がこんなにいるとは思わなかった。ようやく議会も変わるかも…期待したい」
などの声を、多くの方から頂きました。
そして、「講演を聞いて石木ダムが要らないことがよくわかった。今日参加できなかった友人に資料を渡したい。もう1部買えないだろうか」などの要望も。特に議員さんたちは、これでしっかり勉強したいとのこと。
この報告をご覧いただいている皆さんの中にも、講演資料のご希望があれば、是非こちら(michi30@hyper.ocn.ne.jp)までご連絡ください。当日は資料代として500円頂きましたが、集会後は講演資料のみの場合、300円でご提供いたします。ただし、郵送の場合は、別途送料がかかります。
売り上げは全て、石木ダム訴訟の裁判費用にカンパいたしますので、ご了承下さいますようお願いいたします。
この日、ここに集まった全ての人、こうばる住民も、川棚町民も、佐世保市民も、長崎県民、県外の人も、町議・市議・県議・国会議員も、誰もが「こんなに住民を苦しめる事業は、もはや公共事業ではありえない」「こんなムダな事業に我々の貴重な税金を費やしてなるものか」と思いました。
こうばるを守る闘いは、私たちの暮らしと人権を守る闘いであることを、あらためて確信しました。
既に全ての土地と家屋が強制収用され、明け渡し期限が過ぎても、誰一人出て行かない「こうばる」住民の団結は不動です。
もう何も失うものはありません。
これからは、取り戻すのです。
財産と人権を取り戻す闘いの始まりです。
11月17日の集会に集った私たちは、その闘いを全面的に支援します。
みなさん、支援の輪をますます広げていきましょう!!
事業が撤回されれば、長崎県株上がるんだけどなあ
ですよねー!! (‘◇’)ゞ