「石木ダム建設促進川棚町民の会」結成以来初めての大規模な集会が開催されました。
会場はJAながさき川棚支店で、500人規模の集会と聞いていましたが、
前の方は空席が多く、たぶん200人くらいだったのでしょうか・・・?
それでも、たくさんの町民の方々がお集まりでした。
あ、私のような佐世保市民や長崎市民もごく数名混じっていました。
すみません。
町民でなくても参加させて頂いたことに、まず感謝します。
同会の結成は2008年12月だそうですから、
約3年9ヶ月ほど大きな活動はなさっておられなかったのに、なぜ今?
という思いがあって、是非傍聴させていただきたいと考えたのです。
会長の挨拶から始まって、
山口・川棚町長、石塚・長崎副知事、朝長・佐世保市長による来賓挨拶、
5人の川棚町民による意見発表など続きました。
おっしゃっていたことは、ほとんど皆さん同じ。
・川棚町民の命と財産を洪水被害から守るために、
また佐世保市民や川棚町民の安定的な水源確保のためにも、
そして県北地域の経済発展のためにも石木ダムは必要なダムである。
(県の説明通り)
・ダムの検証も終わり国も継続を認めたのだから、 早く事業認定手続きを進めてほしい。
(促進派の皆さんなので当然の思いでしょう)
・ふる里を失うという地権者の辛さを思うと心が痛むが、
その苦渋の決断をして出て行かれた8割の地権者の犠牲を忘れてはならない。
その犠牲に報いるためにも一日も早く建設してほしい。
(他人の心情を美化したり決めつけたりして語るのは止めてほしい
出て行った方々の中にもふるさとの存続を願っている人はいる)
などなど耳タコのような話がほとんど。
そんな中、ちょっと新鮮に感じた話として、次の2点がありました。
A:今まで川棚町民はどこか傍観者的で、他人事のようだった。
石木ダム問題を町民一人ひとりが自分の問題としてしっかり考えていくべき。
B:ハイリョ(配慮)とエンリョ(遠慮)は違う。感情論にとらわれていてはいけない。
県の対応を見ているとややもすると遠慮しているように見える。
県には毅然とした勇気ある態度で臨んでほしい。
Aについては同感です。
まさにその通り。
建設予定地であり、治水の受益者でもある川棚町民が、
石木ダムのこと&石木川のことを当事者としてもっと真剣に考えて欲しい…そう思います。
川棚川の治水対策として、石木ダムが最適なのか?
ダムができたために洪水被害が大きくなったと嘆く住民はたくさんいます。
荒瀬ダムや県内では雪浦ダムなどの体験者の話も聴いてみませんか?
この夏の北部九州集中豪雨でも、大きな被害をもたらしたのは、
ダム計画があったために必要な護岸工事を怠った、その結果堤防が決壊したそうです。
そんな話も聞いてみませんか?
行政の話を鵜呑みにするのではなく、
川棚町の人の命と財産と、そしてかけがえのない自然を守る方法を
是非みなさん自身で考えて欲しいと心から思いました。
Bについては、少しドキっとしました。
町民の口から、そろそろ強行策に打って出よと、県にけしかけているようにきこえました。
促進派の町民にすれば、そういう思いは当然有ったのかもしれませんが、
これまでそれを公開の場で聞いたことはありませんでした。
その変化は、促進派の焦りのようにも感じられます。
それに関することで、副知事の発言にも注目すべきことがありました。
14日の県議会において、一般質問を受け知事は、足踏みしている事業認定手続きについて、
あらためて九州地方整備局に対し「早急に進めていただくよう要請する」と答えていましたが、
実は、「即日、要請を行った」そうです。
ということは・・
まもなく佐世保でも同様の行動が取られるでしょう。
市議会も動くかもしれない。
当然、促進佐世保市民会も…。
それらの怒涛のような「早く進めよ」の要請に惑わされることなく、
九州地方整備局におかれては、冷静に状況を判断して対応していただきたいものです。
審査をするには、正確なデータや資料が必要ですが、
県や市は、その提出を怠っているのですから。
新たな資料が出されるまで、審査を進めるべきではありません。
その後、元地権者で「石木ダム地域住民の会」の岩永会長と、
「箕島の会」(長崎空港が建設された島の元地権者の会)の元会長さん、お二人の講演がありました。
「町民の集い」の最後に読み上げられた大会宣言は、
工事の早期着工と事業認定手続きの早期再開を望むもので、
それは事業者の願いそのものでした。