去る9月14日、知事は、九州地方整備局に対し、
「足踏みしている事業認定手続きについて、早急に進めていただくよう」
電話で要請を行っていた、ということを、私たちは10月5日に確認しました。
この行動は、国交大臣が要望した「地域の方々の理解を得る努力」とは正反対のもの、
地権者の気持ちを逆なでするものです。
とても看過できません。
そこで、私たち5団体は、次のような公開質問書を県知事宛に送付しました。
回答期限は10日後としました。
10日あれば、お答えいただけますよね?
中村知事の誠意ある回答をお待ちしています。
2012年10月8日
長崎県知事 中 村 法 道 様
石木ダム建設絶対反対同盟
石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会
水問題を考える市民の会
石木川まもり隊
石木川の清流とホタルを守る市民の会
石木ダム事業認定に関する公開質問書
去る6月11日に国土交通省は、長崎県に対して石木ダム建設事業に関する国土交通省の対応方針を伝え,あわせて「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」旨を通知しました。
ところが新聞報道等によると、貴方は9月14日の県議会一般質問に対する回答で、国土交通省九州地方整備局に対し「あらためて事業認定手続きを早急に進めていただくように要請する」と表明し、直ちに事業認定手続き促進要請を行ったそうです。私たちは貴方のこの行動を容認できません。国土交通省が求めている「理解を得る努力」を何ら行っていないではありませんか。私たちは貴方の不誠実で一方的な行動に怒りさえ感じます。
認定庁が動かない、いや動けないのはいろんな理由があるからです。そのひとつに国土交通省は長崎県の行動を監視する責務があるからです。上記の通知文が意味することについて6月27日に社民党の中島隆利衆議院議員 吉田忠智参議院議員が国土交通省の担当幹部(水管理・国土保全局の森北佳昭・治水課長、泊宏・河川計画調整室長)からヒアリングを行いました。
2012年6月27日の中島隆利衆議院議員 吉田忠智参議院議員の国土交通省ヒアリング 主な質疑応答 (答:森北佳昭・治水課長、泊宏・河川計画調整室長) 質問:国土交通大臣から長崎県知事への通知文書は国土交通大臣の意思であると解してよいか。 答: 国土交通大臣の意思が入ったものである。 質問:国土交通大臣の通知についてあとのフォローをどうするのか。 答: 新聞報道によれば、県は地域の理解に向けては誠心誠意努力すると述べているので、国土交通省としては見守っていく。通知を出したから終わりということではない。 質問:もし長崎県が通知を無視して、地元の理解を得る努力をせずに強行した場合はどうするのか。 答: 仮定の話には答えられない。 質問:長崎県が事業推進のための補助金の増額申請をしたときに、長崎県の姿勢が通知とは異なると判断された場合はどうするのか。 答: 仮定の話には答えられないが、国土交通省としては長崎県の姿勢を見守っていく。 |
その時の主な質疑応答は次のとおりです。(提供:水源開発問題全国連絡会)
上記のとおり、国土交通省から長崎県への通知文「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」は、国土交通大臣の意思が入ったものであり、それゆえに国土交通省としては通知を出して終わりということではなく、長崎県の姿勢、すなわち、通知文の趣旨に沿って努力することを国土交通省が見守っていることを、担当幹部が明らかにしました。
仮定の話に答えられないということでしたが、長崎県がこの努力を怠った場合は国土交通省として何らかの対応をすることになるのではないかと推測されます。
そこで下記の質問にお答えください。先の長崎県による「事業認定手続き促進要請」行動は、私たちに不信感を与えています。誠意ある回答を期待します。
1 国土交通省から通知された対応方針「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」に対しどのような努力をされましたか。
2 私たちは、長崎県が事業認定申請を取り下げて、石木ダム建設事業について白紙の状態で話し合うことを求めます。公開の場で双方が納得のいくまで討論し合うことは、「地域の方々の理解を得る努力」のひとつとして評価されると思いますがいかがですか。
3 石木ダム事業は諸々のデータを精査すればすでに破たんしています。この際勇気ある撤退を検討する時期と思いますがどうですか。
以上の3点に対するご回答を10月18日(木)までに下記の連絡先へ文書でお寄せくださるようお願いいたします。