11月28日、石木川まもり隊員5名+3名の計8名で、ため池探検に出かけました。
私たちは以前から、ため池の活用ができないものか…と考えていました。
だって、佐世保市の地図を広げてみると、あちこちにたくさんの溜池が点々と…
それらはちゃんと活用されているんだろうか?
農業人口はどんどん減っていると言われているのに…
そんな会議をしたことも忘れかけた9月の終わり頃、長崎新聞にこんな記事が掲載されました。
近年、佐世保市ではため池の漏水が相次いでいる。
その理由の一つに、農業者の減少もあると書かれていました。
やっぱり…
しかし、実際どのくらい減少して、その結果、どのくらい余分な水があるのかは書かれていません。
以前調べようとした時も、個人情報だからということで教えてもらえませんでした。
ところが、この記事には市有のため池が83有ると書かれています。
市有なら教えてもらえるはず…
ということで、Y市議を通して入手した資料で、面白いことがわかりました。
ため池Aは、貯水量≒110,000㎥で、灌漑面積≒25ha
ため池Bは、貯水量≒130,000㎥で、灌漑面積≒15ha
どう考えても、ため池Bには水源としての余裕がありそうですね〜
いずれにしても、まずは現場検証?
ということで、晩秋の昼下がり、2台の車で細い山道をドライブして回りました。
初めに訪れた福田池は、貯水量72,300㎥。
少し離れた道路から見下ろすだけだったので、その大きさもピンときません。
次に訪れた津穴口池は、67,600㎥の貯水量で、福田池より規模は小さいのですが、
そばで見ると、やはり大きいです。
もっと大きい大里見池。
貯水量は、107,100㎥で、津穴口と同じ市有のため池です。
かなりの田畑が潤せますね〜
以上3つのため池は、いずれもゴルフ場のそばに、寄り添うように位置しています。
もしかして、ゴルフ場でも使っているのでしょうか?
車はいったん瀬戸越の市街地に戻り、今度は相浦川を上流に向かいます。
川谷ダムを過ぎて、宇土のあたりから左へ登っていくと、
佐世保で一番大きなため池に出ます。
郷美谷池です。
満々と水を湛えたこの池の貯水量は、なんと304,900㎥といいますから、
転石ダムの1.3倍もあるのですね〜
この橋の下を通って、灌漑用の水が下流域に流されていきます。
苔むした石橋とススキの群生に思わず見とれてしまいました。
この池は、昭和11年から6年の歳月をかけて、農業振興のために造られた大事業で、
これを計画し成し遂げた旧柚木村長の中川浅雄氏に、村民は深く感謝し、
顕彰碑が建立されたそうです。
ため池のすぐそばに、その碑はひっそりと建ち、今も水源を見守っているかのようです。
しかし、古い資料には、その貯水量は40万トンと書かれています。
貯水量が減ったということでしょうか?
だとしたらなぜでしょう?
先人の苦労の結晶の、偉大なため池を、
私たちはもっと大切に守り、活かしていかなければならないのではないでしょうか。
なんでも使い捨て、安易にコンクリートの建造物を造る時代は、もう終わったのです。
石木ダムなどに無駄な巨費を投じるよりも、
今ある小さなため池を点検整備し、水源涵養林を育てるなどの対策こそ急ぐべき!
と、中川氏の声が聞こえてきそうな気がしました。。