4月11日、佐世保市水道局の説明を聴くための第2回の集まり。
石木ダム反対のゼッケンを付けた地権者の皆さんもマイクロバスで駆けつけました。
しかし、実のところ、私たちは半分あきらめていました。
説明を聴くために来たけれど、水道局はもう説明はしないだろうと。
前回3月14日のときは、少しだけ答えてくれたけれど、
今回の回答書には、「個別の数値や資料について、ひとつひとつをご説明することについて承諾したものではありません」と書かれていたからです。
佐世保市もやはり県と同じ対応をするのか…と、がっかりすると同時に、
私たちは抗議文を手渡すことにしました。
抗議文を読み上げる平山弁護士と文書に目を通しながら聴き入る水道局職員
かかる貴市の対応は、貴市の主張する石木ダム建設の必要性・公益性について、
地権者をはじめ佐世保市民の理解を得る必要はないと述べているに等しいものと、
言わざるを得ません。
このような貴市の態度は、口先だけで理解を求めると言っているにすぎず、
本心では、地権者の理解を求めるつもりなどなく、強制的に土地を収用すればよい
との考えが透けて見えるものであると言わざるを得ません。
ところが、その後、2回目の公開質問状に沿って担当弁護士が質問していくと、
水道局の担当職員は正直に答え始めました。
数字や資料こそ用意されてはいませんでしたが、
質問されたことには、言葉を選びつつ、きちんと答えようとしていました。
それは、水道局の皆さんは、説明は十分ではないけれど、
こちらの話を聴こうとする意思はお持ちなのだからだと思いました。
私たちが何を聴きたいと思っているのか、
そして私たち、特に地権者にはそれを訊く権利があるということを
理解して下さったのだろうと思いました。
その答えの中で印象的だったのは・・・
1.SSKの修繕船ドックの1日水使用量4,412m3について
その積算根拠となる資料はSSKから何も提出されていないことがわかりました。
過去9年間の修繕船隻数を聞きとってメモしたり、
2ヶ月に1回のメーター調査で修繕船使用水量を予測したり、その程度。
「1隻当たりどのくらい使うのかはもらってないし、ssk自身も分かっていないと思う」
との言葉に呆れつつも、正直だな〜と妙に感心してしまいました。
2.SSKから提出された唯一の資料は、その数値4,412m3/日をSSKも認めたという文書。
こちらの要求に応じてコピーが提出されましたが…
その日付は4月8日。再評価を終え、国に提出した後の時点での確認です。
貴社の水需要の予測値はこのくらいでいいですかね?と尋ねるなら再評価の前にすべき。
再評価委員会や国に提出後に確認して、SSKから違うと言われたら、
どうするつもりだったんでしょうね〜
3.「私たちは市民の代表である市議会で十分説明している」と言った局長に、
弁護士さんが「議会で答えたら、市民に直接答えなくてもいいということか?」
「ダム建設には市民の負担も大きい。市民の疑問に直接答える必要があるのではないのか?」
と問われ、「おっしゃる通りです」と言って、私たち市民の話を聴いてくれました。
その中の1つ。水道白書の話。
平成7年に出された水道白書。そこにはこう書かれていました。
平成25年度の1日最大給水量予測=133,000トン
安定水源量=82,500トン
その差5万トン以上。だから石木ダムが必要。
ところが、平成25年度の1日最大給水量実績値=79,930トン
予測値と実績値の差=5万トン以上。
実績では安定水源量で賄えている=足りているのでは?
時間が無くて、お答えは得られませんでしたが、
きちんと耳を傾けていただきました。
それが大事なことだと思います。お互いに耳を傾け合う。
そこを抜きにして、理解し合えるはずはないのだから。
それが初めの一歩です。