昨朝、埼玉の友人からFAXで新聞記事が送られてきました。
何だろうと思って見たら・・・
東京新聞の「こちら特報部」の記事で、そこに石木ダムのことが書かれていたのです。
地図や写真入りで石木ダム問題が大きく取り上げられています。
半世紀に及ぶ反対運動を続ける住民の思い(ふるさとの豊かな自然を守りたい)、
県の主張(川棚川の治水には石木ダムが必要)、
それに反論する科学者(ダムの有無にかかわらず洪水はおきる、堤防などの対策をすべき)、
佐世保市の主張(安定的に取水できる水源が足りない)、
市民の反論(人口減少に伴い、水需要は減っている)、
などの意見を公平に紹介し、
「それでも県がダム建設に突っ走るのはなぜか」と問いかけています。
それに対し、水源連の嶋津暉之共同代表は、こう答えています。
補助ダム事業は、国交省官僚の地方支配の『くさび』だ。
脱ダムの方針をひっくり返してでも公共事業を続けたいのだろう。
それを受けて、林記者は、こう書いています。
事業主体こそ地方だが、治水のための事業費の半額を国交相が負担するほか、
地方負担分の一部も地方交付税で埋め合わせる。
官僚が補助金の金づるを握り、一方、公共事業が欲しい地方とが組む構図だ。
と、その腐れ縁のカラクリを見事に説明しています。
隣のページには、山形県の最上小国川ダムについての解説と、
民主党政権は努力はしたが、政治主導する知力も覚悟も欠いていたこと、
大震災を契機に、野放図な公共事業のばらまきが息を吹き返しつつあること、
政権奪回を目指す自民党は、今後十年間で200兆円をダムや道路に投じようとしていること、
それに対し、法政大の五十嵐教授は、
「無駄なダムや道路を造り続ける、その先に待ち構えているのは、悲惨な財政破綻です」
と警鐘を鳴らしていることなどが書かれていました。
デスクメモには、
ダムは新しく造るどころか、海外では壊す時代に入っている。
人口減や節水家電で水が余り、巨費の割に治水効果も低い。
一方で、どれほどの生態系を破壊してきたものか。
と書かれ、最後に、
「もう、コンクリートの壁は要らない」
と、きっぱり。
こんな骨太の報道がもっと増えると嬉しいな〜