先月長崎大学では、環境科学概論や環境社会学の講義の中で、
石木ダム全国集会(2013年11月9日)の動画が上映されました。
その内容は、
①石木ダム建設予定地住民いしまるほずみさんによる報告
(紙芝居による地元の紹介と漫画風コラム「ダムのツボ」)と
②水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之氏の講演
(石木ダムは必要か〜利水と治水について〜)
が収録されているものです。
それを見た学生さんたちの感想が送られてきましたので、ご紹介します。
学生さんたちの理解力はさすが!です。
全国集会で講演をされたお二人はもちろん、
全国集会実行委員会のメンバーとしても、
全国集会での講演内容が、あの場にいなかった人にも伝えられ、
活かされていることを、たいへん嬉しく思います。
● 石木ダム建設についての動画を見てとても複雑な気持ちになった。というのも、明らかに県が強引にダム造りをすすめているとしか見えなかったからだ。確かにダムをつくると、そのために職の需要が高まるなど県全体の景気の上昇が見込まれる。しかし、だからといって本来必要性の小さいダムをつくっていいというわけにはならない。県がダム建設の目的として挙げている、今後起こりうる水不足の対策や、川の治水というのがいい例だった。これから水不足に陥る可能性は低かったし、治水の面でも効果の少ない場所に建設を予定していたり、ダム建設だけに固執しすぎていると考えられる。私は県に就職しようと志望しているので、残念な気持ちでいっぱいになった。
● 佐世保市の水の需要量は減少傾向にあり、人口の減少などで今後も需要水量が減少する可能性が高い。しかし、市は水需要の架空予測と保有水源の過小評価で石木ダムは必要と主張している。治水においては、石木ダム建設のための治水を目的としているが、実際、必要とされるのは河川の氾濫の防止であり、流域住民の安全確保である。以上のことと、またダムができることで、市民はダムや取水、導水、浄水、送水などの水道施設の建設費を負担しなければならないと思うので、こういった必要のないことに巨費をかけるべきではないと考える。
● ダム建設をしたいがために、水源の利用状況をねじまげたり、より良い治水を考えなかったりという行政の姿勢に驚いた。住民の安全がかかっているのに、全く暮らしのことを考えていない。反対運動がこれだけあるのに立ち退かせられる状態というのが横暴で信じられない。
● 石木ダム全国集会での利水、治水の話では、特に佐世保市の1日最大給水量の(将来)予測が現実からかけ離れたものであることを知り、大変驚いた。現在の状況から考えても今後は節水が進行し、人口も減少しているため、1日最大給水量は減ると考えられるが、市の新予測では石木ダム完成予定年度に合わせるようにV字回復している。また、ダムの設置場所も理論的ではない。その場所で本当に必要とされているのは氾濫防止策である。専門家(嶋津さん)がこのように言っているのだから、ダムが本当に必要なのか考え直し、より効率の良い対策を行うべきであると思った。
● You tubeの動画を見たのちに、長崎市民としてもっと詳しく知りたかったので、自らでも石木ダムの利水と治水の面についてさらに詳しく調べてみた。まず利水の面では節水型機器の普及や佐世保市の人口の減少により水需要自体が減少しているから、渇水になっても対応が可能な範囲にあり、また治水の面でも石木ダムを建設するよりも、下流部における氾濫防止策を練ったほうが良いのではないかと思った。私が石木ダムについて学ぶなかで印象的だったのは、佐世保市の人口減少である。現在、長崎県では若者の流出は問題になっているし、私自身も高齢化の波を感じつつある。その中で、石木ダムを利水という面から建設したいのなら、まず若者の確保政策を実施するべきではないかと感じた。
● 石木ダム建設のために利水の面では実際とは違う水需要の架空予測や保有水源の過小評価を佐世保市がしていることや、治水の面では河川整備計画が流域住民の安全確保を二の次にしていることなどを踏まえると、石木ダムはあまり必要ではないと私は思った。
● 利水の点では、水量の架空予測による様々なシチュエーションにおけるダムの必要性の議論があった。治水の点では、提出された計画は全てダム事業を目的としており、住民の生活を度外視しているものである。本当に、ダムを建設すべきか、住民の意見に重きをおいて再検討するべきだと考えた。
● 今回の動画を見て、改めて石木ダムの建設は不要であると思った。これからの人口減少や節水、漏水対策のレベル向上を考えれば、水の需要が増えることは考えにくい。不安定水源とされている水源も安定水源と変わらない。むしろ本当に必要とされる治水対策をするべきである。
● 佐世保市は水需要の架空予測や保有水源の過小評価をしすぎていると思った。石木ダムを建設したいがために、住民の安全確保が二の次になっていることがよく分かった。1人1日最大給水量のグラフを見て、その減少の大きさに驚き、よく考えてみると私が小学生のときは家でも学校でも節水するようにとよく言われていた。しかし、最近ではあまり言われなくなったと感じた。本当に必要な治水対策の実施を長崎県に求め、市民の安全対策に努めるべきだと思った。
● 石木ダム建設について、利水に関しては水の供給量が年々減少しており、今後も減少し続けることが予測されるため、保有水源は十分であると考えられ、治水に関して、大洪水の再来に石木ダムは無力と述べられていた。これらを聞いて石木ダムは必要ないと考えた。
● 石木ダム全国集会のビデオを見て、石木ダム建設は、それをすすめようとしている人たちの、水需要の架空予測と保有水源の過小評価により石木ダムは必要であるとしてつくりあげられた話でしかないとわかった。実際には、給水は減少傾向であり、人口も今後減少すること、また不安定水源と呼ばれているところも、十分利用されており、(推進派にとって)ダムが必要とされる理由でしかないとわかった。治水においても、本当に必要な対策は行われていない。ダムが与える影響を考え、不必要なダム建設に反対したい。
● 石木ダムには利水や治水などの利益は根拠がないことや、不必要なことを学ぶことができた。水道水は今までの生活で不足しておらず、ダムを建設する目的すら明確でないことがわかり、ダム建設の必要性はないのではないかと思った。そして、ダム建設(構想)の早期に市民や環境への影響について調査しておくことで、ダム建設の計画の段階まで進まなくても済んだのではないかと考えた。
● 人口の減少が続いており、水需要にも困っていないのに石木ダムを作ろうとするのは勝手すぎると思う。これは「開発による犠牲のおしつけ」であり、もっと自然や国民の声を大事にし、国民の税金を安全、安心できる社会づくりのために使うべきである。
● 石木ダム建設は渇水対策や洪水防止が目的ということであったが、水需要の架空予測などが行われており、また洪水防止もあまり効果がないようで、ダムの必要性がわからなかった。これからどんどん人口が減ること、水需要が減ることをしっかり考慮すべきである。
● 石木ダムの全国集会の講演の映像を見て、一応2年間も長崎に住んでいるのに、こんなに間近でこのようなことが起こっていることにびっくりしました。まず、市民のお金を使って建設するのに、実際とは少し違う架空の予測値を使用するのは許されることではないと思います。佐世保市の給水量は年々減ってきており、よって水の需要も減ってきているので、渇水の危険性はほぼないにも関わらず、保有水量の過小評価をし、ダム建設を推し進めようとしています。本来なら問題なく使えるはずの水源を、不安定水源としています。佐世保市は、水需要の架空予測と保有水源の過小評価によって、石木ダムの水源が必要だという話をつくりあげており、実際とは異なることを伝えるのはどうかと思います。市民への多額な経済負担もあり、利息も含めると1世帯当たり25−30万円もあり、1世帯でこれだけのお金を負担することはとても大変なので、もっと市民に寄り添って、意見を聞いて、それを反映するのが市議会(の役割)なのではないかなと思いました。
● 映像の前半の講演(ほうちゃん)は、地域住民が困ることについてリアルな意見であると感じた。先祖代々大切にしてきた自然や暮らしが壊されるのは、大きな被害である。大村湾まで影響があることに驚いた。後半(嶋津さん)は、データをたくさん示していて説得力があった。1人あたりの給水量が減っているのは、漏水への対策などの実施に加え、人びとへの節水の呼びかけなどを行った結果であると思う。(ダムの)メリットとデメリットを比べると、デメリットのほうが大きいと感じた。
● まず、石木ダムの利水について、水需要の架空予測と保有水源の過小評価が問題点として挙げられているが、市はもっと現状を正しく分析しなければならないと思う。現状から予想すると、石木ダムを建設しても、特に水の供給に大きく貢献することはないと思う。次に治水については、住民の安全確保を第一に考え、氾濫防止のため、ダムをつくる以外の対策を考えることが住民からは一番求められている。