石木ダムについて行政側と議論する時、いつも思うことがある。
なぜ、お役所は現実を見ないのか?
現実を無視するのか?
水使用量の実績値は毎年減り続けているのに、今後は上がり続けると予測する不思議!
理由を聞くといろいろ説明される(核家族化、下水道の普及、経済回復など)が、
何年たってもその予測通りの結果(水需要の増加)は得られない。
なのに、その説明は今も繰り返されている。
こんなことは、一般企業では決して許されない。
企業にそんな経営企画課長がいたら、即降格か配置換え。
これが天気予報士なら、即クビで、
占い師なら廃業ものだ。
でも、お役人は安泰。
どんな不自然な予測でも、ハズレ続きの予測でも許されるらしい。
つい最近、八ッ場ダムに関するケタ外れの予測を知ってびっくり!
下の表を見て下さい。
(「ダム日記2」11月21日付け記事より
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-3e81.html)
これは、八ッ場ダムの費用対効果を分析する時に使われている数字です。
巨額の費用をかけて建設するダムにはそれなりの利益、
つまり、ダムができることによってどのくらい洪水被害が軽減されるのか、
それを予測する必要があるわけです。
1983年当時、会計検査院が出した被害軽減想定額は年平均128億円でした。
それが、2008年の国交省による想定では、10,344億円です。
わずか25年間でなんと80倍!
これについて、「八ッ場あしたの会」の渡辺洋子さんが詳しく調べておられますが、
「水害統計」によれば、利根川全体の1961〜2007年の47年間における
年平均被害額の実績値は181億円(現在価値への換算額)
だそうです。
実際には181億円の被害しか出てないのに、
予測では10,344億円も軽減できる!って?
なんじゃ、コレ!
って感じですよね。
こんな数字がお偉い官僚、エリート集団の中では妥当な数字として認められるんだぁ…
不思議です。
ああ、不思議…