今日、平成24年度予算案が閣議決定された。
八ッ場ダムは本体関連工事費が18億円、その他の事業費が117億円の計135億円。
前田国交相は記者会見で「効果的な事業であることが検証されたので予算化した」と語った。
どこが?どこが効果的な事業なのか?
治水面でも利水面でも必要性は皆無。
それだけでなく災害誘発の危険性も高いとして、「ダム検証のあり方を問う科学者の会」から公開討論会を何度ももちかけられたが、すべて拒否。
それは、ダム建設の正当性が説明できなかったからだろう。
国交相のダム事業検証とは、所詮その程度の形ばかりのものだった。
有識者会議もお飾りに過ぎなかった。
安住淳財務相は、国債発行に依存した予算編成が「そろそろ限界に来た」として、「消費税率引き上げをぜひやらせていただきたい」と、記者会見で語っていたが、こんなムダな事業予算が切れないようなら、いつまでたっても赤字財政は変わらないだろう。
政治の無力のツケを国民にシワ寄せしないでもらいたい!
群馬選出の民主党の中島政希衆院議員は、八ツ場ダム建設再開は2009年の衆院選の「政権公約に明白に違反し、国民の信頼を裏切るもの。到底容認できるものではない」と述べ、これに抗議しての離党を表明した。
民主党の中もいろいろだ。
長崎県内の民主党議員の多くが、八ッ場ダム建設再開の知らせを朗報として受け止めただろう。
次は石木ダムにgoサインを出してくれと、期待に胸を躍らせているだろう。
しかし、そうは問屋がおろしません!
政権与党議員とは国民の声ではなく官僚の声に耳を傾けるものであり、
公共事業とは国民のためではなく利権のために行われるものであり、
有識者会議とは忌々しき御用学者の集まりであると、
鈍い私たちでも悟ってきた今、
もう、国交省の結論など全く期待していない。
この期に及んでも尚、八ッ場ダム建設の行方を見つめ続ける科学者がいる。
こうした形で建設再開の方針が表明されたからと言って、私たち「科学者の会」が、これで八ッ場ダム問題と縁が切れるというわけではありません。これから私たちにはしなければならないさまざまな仕事が残されています。一つは事業が進む中で、すべての局面の監視と提言です。事業は必ず失敗するはずですから、その失敗をできるだけ未然に防ぐ手立てを講じなければなりません。
たとえ本体着工に至り、また本体が完成したとしても、私たちはそれを続けるつもりです。そして八ッ場ダム事業の失敗が国民の誰の目にも明らかになった時、それはダム撤去へと向かうことになるはずです。私たちはその時まで、八ッ場ダムと関わり続けるつもりです。
また、市民団体「八ツ場あしたの会」は23日、前田武志国土交通相への抗議声明を発表した。
今回の政府による決定は、官僚の暴走、政治の無力を私たち国民に強く印象づけるものでした。八ッ場あしたの会では、こうした状況を踏まえ、今後起こることが予想される様々な深刻な問題の追及に努め、さらに多くの人々に八ッ場ダム問題を伝え、八ッ場ダム事業の中止をめざす活動を続けていく所存です。
私たちの思いも同じだ。同じ思いで石木ダムを見つめている。
私たちはもう官僚や政治家には期待しない。
私たちはただ真実を、市民県民に伝え、理解を広げ、民の力で石木川を守りたい!