昨夜の報道ステーションで、徳島県阿南市の洪水被害とダムの関係について語られていました。
避難場所に指定されていた加茂谷中学校の2階まで浸水し、道路はまるで海のよう。
http://blog.goo.ne.jp/kamoda2jhs
住民は3階へ避難し無事でしたが、なぜここまで那賀川はあふれてしまったのでしょう?
住民の方は長安口ダムの放流の影響を口にしていました。
今回ダムの貯水率が90%になった時点で、毎秒5411トンの水が放流されたそうです。
以前も同様の放流をおこなったときに洪水になったとか・・
Wikipediaによると、
那賀川流域は剣山山系を流域に持つが、この山系は土砂が崩落しやすい地域であった。さらに産業構造の変化や海外からの安価な輸入木材が国内に流通するに伴い林業が衰退、植林されたスギ林はメンテナンスされず放置されていった。森林は適度に間伐されることで適度な保水力を有し土砂災害や土砂流出を抑制するが、このような複合的な要因で那賀川上流部では土砂の崩落が続出した。現在でも当該地域は国土交通省砂防部が指定する全国14の重荒廃地域の一つに指定されている。こうした土砂は長安口・小見野々・追立の各ダムに流入し、深刻な堆砂問題をひき起こした。特に追立ダムの場合、坂州木頭川が運搬する土砂が膨大であり貯水池は堆砂で完全に埋没。高さ15メートル以上あるにも拘らず現在ではダムとして認められていない。また小見野々ダムでは上流の歩危峡が堆砂で埋没、河床上昇による水害の被害を木頭村が訴えるようになった。そして長安口ダムでも堆砂が徐々に進行していった。
とのことです。
これでは、ダムは治水対策になるどころか被害を大きくしているように思えます。
過去(1971年)にも同様の被害があり、当時は毎秒5500トンの放流で、鷲敷町が浸水。
ダム操作の過失が水害を増幅したとして徳島地方裁判所に提訴。「長安口ダム放流被害訴訟」です。
地裁は過失を認め、国と県に損害賠償を命じましたが、国と県は高松高裁に控訴、
その後最高裁まで進み、住民の敗訴が確定しました。
ここにも書かれているように、
国策による林業の衰退、森林の荒廃が保水力を弱め、水害の要因を作っているのに、
国や県というところは、どうしても自分たちの過ちを認めようとはしません。
私たちの身近ではイサカン然り、石木ダム然り、
途中で間違いだと気づいても、あらゆる言い訳を並べて押し通す。
無駄な公共事業を進め続ける。
その結果、自然破壊を促進し、その影響は洪水となって、渇水となって私たちに降りかかる。
事前にそれをくい止めようとすると、公共工事を妨害する不届き者として訴えられる。
それがこの国の今の現実。
でも、諦めず、ダメなものはダメと抗い続けたいと思います。
あとで後悔したくないから。