明日です!長崎県石木ダム問題の裁判!
長崎地方裁判所で事業認定取消訴訟の証人尋問が開かれます。
第一回目の治水に引き続き、二回目の尋問に登場するのは田中英隆氏(佐世保市元水道局事業部長・平成24年度水需要予測作成責任者)です。
タイムスケジュールは以下の通りです。
12/25(月)
整理券配布9:30~9:40
9:40〜傍聴抽選
9:50~門前集会
10:20~尋問開始
17:00~裁判終了後報告集会(長崎地区労会館)
みなさん、傍聴よろしくお願いします。
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カテゴリー: 訴訟
県担当者を証人尋問
12月5日、石木ダム事業認定取消訴訟第10回口頭弁論。
いよいよ山場の証人尋問がスタートしました。
門前集会に集まった人々の数が関心の高さを示しています。
(いつもの倍くらい?)
この日は、治水面に関する尋問です。
証人は、川棚川(石木川は川棚川の支川の1つ)水系の河川整備基本方針策定時の担当者で、現在は河川課企画監を務める県の職員・浦瀬俊郎氏です。
まず宣誓書を証人が読み上げ(テレビドラマなどでよく見るシーン ^^ )
その後、被告(国)側代理人による主尋問が始まりました。
・証人の経歴、特にダムや川棚川にどれほど関わってきたか
・同河川整備基本方針策定においてどのような分野を担当していたのか
・その方針策定の経緯や根拠、計画規模の決め方、手引きとしたもの
等々について、丁寧に時間をかけて尋問。
証人は、いつものように、立て板に水といった感じで淀みなく答え、「川棚川の治水計画は、国交省河川砂防技術基準や中小河川計画の手引きに則ってやっており、正当である」ことを強調していました。
10分の休憩を挟んで、いよいよ原告側代理人による反対尋問です。
最初に尋問に立ったのは、田篭弁護士。
問題にしたのは計画規模について。
もしも川棚川の計画規模が1/50(50年に1回の大雨に耐えられるような治水計画)だったら、石木ダムは要らないはず。なぜ1/100の規模にしたのか?規模を決める際の指標に使ったデータは何か?
ところが証人は、素直には答えません。
簡単な答え(イエスorノー)を求められているのに、的外れな自論を長々と展開したり、弁護士が資料を読み上げて「ここには…と書かれていますが」と言って質問に入ろうとすると、「いえ、違います」と、書かれている内容そのものを否定するような発言があり、質問以前の段階で時間を取られてしまうことがしばしばありました。(今思えば作戦だったのかもしれません)
驚いたのは、指標として算出した氾濫区域の
⓵面積
➁宅地面積
➂人口
➃資産額
⓹工業出荷額
などは、みな直近のデータが使われていたのに、その氾濫区域を想定する際に基本となる河道データは昭和50年のものだったという事実。
田篭:基本方針策定時の河道ベースで考えるべきではないですか?
証人:いや。石木ダム事業計画ができたのは昭和50年だから、それを基準としています。
田篭:では、他の指標も昭和50年時点で見るべきではないですか?
証人:被害額については現状及び将来のことも踏まえて評価すべきなので直近のデータをベースにします。
と、指標データの年代が違っても何の問題があるの?と言わんばかり。
ビックリ!(@_@) それが行政の常識なのでしょうか?
河道整備は年々進んでいますので、昭和50年当時と平成17年頃では全く状況が違います。
他の指標データと同じように直近の河道データで算出すれば、氾濫区域はぐっと小さくなるはずです。
氾濫区域が小さくなれば、そこの面積も人口も資産も全て小さくなるはずで、被害は減少します。
被害の度合いを大きくし、計画規模を大きくするための卑怯な裏技です。
続いて、尋問に立ったのは、緒方弁護士。
(報告集会での両弁護士。左が田篭弁護士、右が緒方弁護士)
緒方弁護士:こちらの質問に対してごまかそうとすることは予測していましたが、全然違うことを言うとは予測していなかったので、内心どーしよーと思ってしまいました。(正直!)
緒方弁護士の尋問は、かなり高度な内容で、私たち一般人にはなかなか分かりにくいのですが、洪水到達時間については、証人の主張にますます「???」でした。
昭和42年洪水の場合のシミュレーショングラフを提示して、
緒方:降雨ピークの時間帯は12時~1時で、基準点(山道橋)でのピーク流量の時間帯は午後1時となっていますね。つまり洪水到達時間は1時間ほどですよね?
証人:いや、県としては到達時間は3時間で検討しています。
その根拠は何なのか?なぜそう言えるのか?その説明はないまま、ただ、「県の考えや手法はこうだ」と主張するのみ。理屈や他者の理解など不要だと言わんばかりに聞こえました。
緒方:ところで、石木ダム合流地点より上流は1/30の計画ですが、100年に1度の大雨が降った時、上流域は堤防の外側(陸地側)に溢れ出ていくので、基準点に流れ着く流量は減るのではないですか?
証人:いえ。流域の地形上、いったん外に溢れても、また川棚川にほとんど戻ってくるはずです。
(なんと都合のいい解釈!思わず吹き出しそうになりました)
最後は平山弁護士でした。
平山:基準地点で1320㎥/秒の流量があったとして、石木ダムがなくても堤防のかさ上げや河道掘削工事をすれば流せるのではありませんか?
証人:堤防の嵩上げは破堤のリスクが高まるので、計画洪水で安全に流すべきだと考えています。
(嵩上げの高さや距離など具体的に検討もせず、ハナから眼中にない。あるのは石木ダムのみという感じ)
平山:仮に石木ダムができたとして、想定降雨があった場合、内水氾濫・支流氾濫が発生しないと断言できますか?
証人:絶対とは言えないが。99,9%おきないと思います。
平山:しかし、川棚町は1/10の計画規模で内水氾濫の対策を行っていますよ。知っていましたか?1/100の雨が降れば、当然内水氾濫はおきるのではありませんか?
証人:・・・・・
もう一度、被告側代理人から尋問があり(証人が言い足りなかった部分、あるいはうまく言えなかった部分を補足するためのようでした)、その後裁判官からも質問があり、終了したのは、予定時間を大幅に過ぎて、5時17分!
急いで報告集会会場(アマランス)へ移動です。
弁護団からの説明の後、いろんな質問や感想、意見が飛び交いました。
傍聴者からは、こんな発言もありました。
Aさん:治水は本当に難しくて、これまで勉強してきた私たちにもなかなか難しかった。裁判長は弁護団と証人のやりとりを本当に理解されたのでしょうか?次回の裁判では裁判官により届くような尋問をやってほしい。
Bさん:証人の証言には全く合理性がなかった。行政の都合に合わせて、あちらにしたりこちらにしたりという感じ。シミュレーションもしていない。する必要がないと言う。しかし、事業認定は強制収用を可能にするもの。いい加減な対応で申請すべきではない。証言を聞いていて腹が立ちました。
最後に地権者を代表して岩下さんから一言。
今日は寒い中たくさんの方にお集まりいただき、ありがとうございました。
現地の状況は・・・です。これからもご協力よろしくお願い致します!
さて、次回は12月25日(月)10:20~。
利水についての証人尋問です。
午前中はお昼まで被告側の主尋問。
原告側の尋問は午後1:20~。
治水よりは利水の方が絶対分かりやすいです。
面白いと思います。
お時間の都合のつく方は、ぜひまた、長崎地裁でお会いしましょうー!
工事差止訴訟 第3回口頭弁論
11月13日、工事差止訴訟の第3回口頭弁論。
この日も多くの方が、中には福岡や熊本、東京からも傍聴希望者が集まりました。
しかし、今回は被告側の弁論の日。
相変わらず書面の提出だけで、意見陳述はありませんでした。
11月6日付で提出された準備書面4通はこちらです。
長崎県準備書面(1) 原告の第2準備書面(治水面で不要)への反論
長崎県準備書面(2) 原告の第3準備書面(覚書遵守違反)への反論
長崎県準備書面(3) 原告の第4準備書面(権利侵害)への反論
佐世保市第1準備書面 原告の第1準備書面(利水面で不要)と第4準備書面(権利侵害)への反論
報告集会では、まずその内容についての簡単な説明がありました。
県は、治水計画は適法になされており、覚書についても違法性はないと明確に否定し、佐世保市も、違法性はなく、原告の主張は事業認定制度そのものを否定することになると主張している。
中でも私たちが注目していたのは、前回裁判長が被告に説明を求めた「人格権などの権利侵害を否定する根拠について」でしたが、これに対する県の主張は、
現在の生活を営む権利は「環境権」に当たるが、環境権は権利者の範囲が不明確で権利内容も曖昧で確率されていないので、侵害を認められない。
また佐世保市の主張は、
本件は事業認定された事業であり、そのこと自体が違法性の欠如を示すものであり、受忍限度を超えた利益の侵害は有り得ない。
というものでした。
これらに対する私たち原告の反論は次回となりますが、その日程を巡って興味深いやり取りがありました。
実は次回は12月27日の予定だったのですが、原告側から変更を願い出たのです。
その理由は高橋弁護士によると…
事業の必要性について長崎地裁の方で12月~1月に証人尋問が予定されています。尋問が終われば結審は近い。我々は今この尋問に全力を注ぎたい。しかし、佐世保の裁判に対してもいい加減な書面は出したくない。それで時間をもらいたかった。また、その結果を踏まえて、こちらの訴訟でも主張したいと思ったのです。
それに対して佐世保市の代理人は異議を唱えました。
「石木ダム建設は既に事業認定がなされている。よって事業の必要性に踏み込むまでもない。この裁判では権利侵害の有無だけで良い」と。たぶん佐世保市は利水治水の問題に入りたくなくて、門前払いにしたかったのだろう。
しかし裁判長は、「原告は権利が侵害されているかどうか判断する上で、事業認定の手続きがどういうものであったのか、それも考慮して判断するべきだと考えているのではないか」とフォロー。
佐世保市の代理人弁護士もそれ以上は反論せず、次回は1月22日(月)16:00~と決まりました。
弁護団からは、事業認定取消訴訟の証人尋問についても案内がありました。
12月5日(火)13:30~ 長崎県土木部河川課企画官:浦瀬俊郎氏
(こちらは確定)
12月25日(月)10:00~ 佐世保市元水道局事業部長:田中英隆氏
(こちらもほぼ確定)
そして質疑応答の後、様々な情報交換がありました。
まず、石木ダム学習会についてのお知らせです。
11月18日(土)18:30~ 川棚町・福浄寺
11月26日(日)11:30?~佐世保市相浦町 川迎町公民館
なんと!いよいよ長崎市でも学習会が始まります!
12月9日(土)18:30~長崎市民会館 視聴覚室 20171209いしきを学ぶ
川棚や長崎の学習会を支えているのは、実は熊本の「川辺川を守る県民の会」で、その代表の中島さんから一言頂きました。
川辺川ダムは世論の力で止まりました。川棚でも石木ダムを止める世論形成ができないかということで、月に1回勉強会をやっています。これまでに10回やりました。これが世論にどれだけ影響しているかはまだ掴み得ていませんが、一段落したら町民大集会をやってみたいと思っています。
また、映画「ほたるの川のまもりびと」について「シネマコンネ99」の森田さんから、佐世保先行無料試写会のお知らせがありました。
こうばるの皆さんの笑いあり涙ありの日常の暮らし、その中に入り込んでいる半世紀にわたるダム反対の闘い。それがしっかり描かれていて感動しました。是非見に来てください。
日時:11月27日(月)28日(火) 各13:30~と19:00の2回上映(計4回)
会場:BlueMile(長崎県佐世保市栄町7-5エクランビル2F)
無料です。予約受付中。0956-76-8266(てとて舎)へ
そして、石木ダム公開討論会を求める署名活動について、パタゴニア日本支社環境部の中西さんからもご挨拶。
5万筆を目指して署名を集めています。私たちは映画その他のアクションに取り組みながら、地元の方を孤立させない活動に努めています。署名の方は12月が1次集約となっております。ご協力よろしくお願いします。
インターネット上の署名はこちらです。
http://bit.ly/2ih5RBa
最後は地元地権者の炭谷さんからご挨拶。
熊本やパタゴニアやいろんな方々のおかげでかなり世論が広がってきたし、またそれを県はかなり気にしているな~と感じています。
先日ダム事務所の所長が「公共事業というのは住民の皆さんの理解を得てやるのが本当なんだということをつくづく感じています」と言いました。
県職員の中にもこの事業に疑問を感じ始めている人がいるはずです。
「石木ダムはおかしい」の声がさらに広がっていけば、厚い壁も突破できるのではないかと思っています。
今後ともよろしくお願いします。
私たちもそう信じています。
皆さん、映画だけでも観に行きませんか?
そして、もっと知りたいと思ったら、勉強会や裁判傍聴に参加してみませんか?
そして、現地に出かけてみたいと思ったら、是非ご連絡くださいねー
お待ちしています! (‘◇’)
証人尋問、実施決定!
秋晴れの日差しが眩しい長崎地裁前。
事業認定取消訴訟第9回口頭弁論を前に、いつものように門前集会。
今日も傍聴に来られない地元地権者を代表して、支援者への感謝を述べる川原地区総代の炭谷猛さん。
今日、やっと証人尋問の実施が決まりました!
報告集会では、その経緯と結果について平山弁護士と高橋弁護士によって説明されました。
結果は以下の通りです。
12月5日(火) 13:30~17:00
証人=長崎県土木部河川課企画官:浦瀬俊郎氏(河川整備基本方針策定責任者)
12月25日(月) 10:00~最長17:00
証人=佐世保市元水道局職員:田中氏(平成24年度水需要予測作成責任者)(当時水道局事業部長だった田中英隆氏でしょうか?)
*ここで最長と表現されたのは、もしかしたら、もう1人、慣行水利権に関する証人が追加されるかもしれないため。その人物が25日に参加できない場合は12月11日を予備日として確保。
2018年1月9日(火)
証人=小泉明氏(首都大学大学院教授 水環境工学):認定庁である国土交通省九州地方整備局の依頼により、佐世保市の水需要予測が妥当であるとのお墨付きを与えた学者。
ただし、小泉氏はこの日忙しくて長崎まで出頭できないとのこと。1月9日以外の日を提示しても、12月も1月も忙しくて行けないらしい。こちらの裁判官や弁護士が東京へ出張して行う所在尋問となるか、あるいは、テレビ画面を通じて遠隔地を結んで行うテレビ会議尋問になるか、未だ検討中です。
ホントにそんなに忙しいの?とついイヤミを言いたくなりますが、小泉教授はまだマシな方。もう1人の滝沢智教授(東京大学大学院教授 都市工学)に至っては、尋問を受けること自体に拒否的な対応を示しているそうです。
これには板井弁護士が「喝!」
非常に残念だ。意見書を依頼された者は反対尋問にもきちんと応える覚悟で書くべき。それができないのなら意見書を撤回すべき!
日頃穏やかな板井弁護士の怒りの籠った発言に、私たちもちょっとビックリ。心の中で拍手しました。
しかし、報告集会の場では、私たちにもチクリと苦言を呈されました。
証人尋問の究極の目的は、証人の発言に信用性が有るのかどうかを問うものだが、その尋問から逃れようとする学者の言ってることは怪しい。(何らかの理由を付けて出頭しようとしないのは自信がない証)
しかし、判断するのは裁判所。
その裁判を多くの人がチェックをすることが大事。
1月9日の裁判が東京でということになれば傍聴はできない。果たしてそれでいいんだろうか?と裁判所に気付かせなければならない。そのためには、もっともっと多くの人が裁判所に足を運んでもらいたい。
ごもっとも…(-_-;)
皆さん、次回は12月5日です。13:30~です。
近づいたらまたご連絡しますが、浦瀬企画官がどう説明し、どう答えるのか、しっかり見届けようではありませんか。ぜひ、カレンダーに印を付けておいてくださいね~
その前に、11月13日は、地裁佐世保支部で工事差止訴訟の裁判があります。こちらは14:00からです。(門前集会は13:30~)
こちらにもぜひ多くの方がご参加頂けますよう、よろしくお願いいたします!
2回目の通行妨害禁止
工事差止訴訟第2回口頭弁論 佐世保の予測は「水増しの水増し」
今日は石木ダム工事差止本訴の第2回口頭弁論。
前回同様、地元地権者の参加は2名のみでした。
他の皆さんは、裁判当日も工事車両の前に座り込んでの抗議を続けざるを得ないからです。
そんな地権者の皆さんに代わって、今日は多くの佐世保市民が裁判を傍聴しました。
川棚町や長崎市、西海市からも…だけじゃなく、福岡市や神奈川県からも!
そんな熱心な原告のためにも、少しでも裁判をわかりやすくしたい!と、石木ダム対策弁護団の先生方は毎回、法廷で陳述を行います。それは膨大な準備書面の内容を短くわかりやすくまとめた「要旨」を読み上げることです。
民事訴訟においては、「口頭弁論」といっても、ほとんどは書面のやりとりで終始します。
確かに石木ダム裁判でも、被告側(国であったり、長崎県や佐世保市であったり)の陳述は「書面の通りです」などというものばかりで、その書面を裁判当日までに見る機会のない傍聴者には、相手がなんと主張しているのか知る由もありません。
そこで当方弁護団は裁判所に提出した書面の要旨を作成し、傍聴者が理解できるよう、それを法廷で読み上げてくれます。おかげで私たちは何とか裁判の流れや双方の主張のポイントが見えてきます。
今日は、この2つの要旨が読み上げられました。
要旨のさらに要点を言うならば、次の3つでしょうか。
➀佐世保の水需要予測は、石木ダム建設のための数字合わせに過ぎないでたらめなもので、特にSSKの予測は「水増しの水増し」であり、「このような違法なダム建設を止めることは裁判所の責務」である。
➁治水面においては計画規模や基本高水流量の設定が不自然で不合理で恣意的である。そして、ダムの代替案においては、こちらもコストを「水増し」している。
➂原告らは覚書の当事者(当時の総代)ではないので覚書の効果がないという県の主張は不合理。「総代」というのは地元住民の代表という意味だから。
また、最後に裁判長が被告側へ何か述べていましたが、声が小さくてほとんど聞き取れませんでした。報告集会での平山弁護士の説明によると、
被告(県と佐世保市)は、原告の主張(人格権などが石木ダム工事によって侵害される)に対し、「工事差止の根拠とならない」と主張しているが、そう考える根拠を次回の書面の中で具体的に示してください。
というような趣旨だったそうです。
双方の議論を嚙合わせるために裁判長は、被告の主張の根拠についてより具体性を求めた。具体的な根拠が示されれば、それに対して原告側も反論し、争点がわかりやすくなってくるから。
とのことでした。なるほど~確かにそうですね。
それにしても、三者(裁判長・原告側代理人・被告側代理人)のやり取りが聞こえづらいのはどうにかならないのでしょうかね~ほとんどの傍聴者が不満に思っていることなのですが…
石木ダム裁判は一番大きな法廷でおこなわれるので、裁判長と傍聴者の距離が遠く、どうしても聞き取りにくいのです。
特に被告側代理人は裁判長の方に向かって話すので、かなり大きな声で話してくれないと傍聴席まで届きません。
なぜ法廷ではマイクを使えないのでしょうか?
録音用のマイクを使っているからでしょうか?
どうにか工夫できないものでしょうか?
開かれた裁判にしようと思うなら、形だけの公開では意味がありません。
報告集会では、その点について何人もの方から要望が出されましたが、裁判所のルールなので、石木ダム弁護団がどうこうできるものではないようです。
ただ、聞こえないときは「聞こえません」と言ってもいいそうです。
そうしたら、裁判長も被告側代理人も大きな声で言い直してくれるはずだと。
次回から、聞こえないときは、聞こえないと言いましょう。
ただし、優しく、冷静にね!
♥すみません。聞こえないので、もう少し大きな声でお願いしまーす♥と。
私たちはみんな裁判官や被告代理人を見つめていますよ。
皆さんの声に耳を傾けていますよ。
という意思表示を込めて。
次回は、11月13日(月)14:00~です。😊
裁判長、証人尋問認める!
今日の裁判は11:45開始。こんな時間に始めるということは、あっという間に終わるんだろうな~との予想通り。ほんの数分で終わりました。
でも、実は重要な数分でした。
裁判長がどのような方針を示すのか、私たちは期待と不安に胸ドキドキで耳を澄ませていたのです。なぜなら…
前回、私たちの代理人は意見陳述の中で治水利水に関する主張を述べ、それを立証するために複数の証人尋問を求めました。
それに対し被告は8月28日、当方が求めた全ての証人に対しその必要はないとの意見書を提出しました。理由はこれまでの裁判でお互い論じあって証拠を出し合っているからそれで十分!というもの。
それを受けて、さて、裁判所はどのような答えを出すのでしょう?
裁判長が示した方針は、こうでした。
- 利水に関して、平成24年度水需要予測の担当者1名。
- 佐世保市の予測は正しいという意見書を提出した学者1名。
- 治水に関しては、川棚川河川整備基本方針を定めた責任者か、あるいは改定に関わった責任者のどちらか1名。
以上、計3名への尋問を認めたいということでした。
(一部にしろ、こちら側の要求が受け入れられたのです!)
それに対し当方弁護団は、できれば、慣行水利権を保有水源から除外した当時の責任者も認めて頂きたい等の希望を述べつつ、9月末までに意見書として提出することを伝えました。
次回は10月31日15:30です。
報告集会では、まず、いつものように事務局の平山弁護士から経過報告と今日の裁判の内容についての説明がありました。
そして、「裁判所がこちらの要求を全て退けるのではなく、数人であれ、呼んで話を聞こうとする姿勢は評価できる。また、その尋問の日は12月5日と11日が予定(仮押さえ)された」と。
それを受けて高橋弁護士の補足説明。
国は「両教授とのパイプがないので来ていただけるかどうか打診するのに時間がかかる。連絡を取るのにひと月かかる。佐世保市水道局の担当者ともすぐ連絡が取れるかわからない」などと言ったが裁判長は、「いや、できるはず。なるべく早く連絡を取ってください」と言った。また、裁判所の方から2日の日程を押さえたのは、きちんと聞こうとする意思の表れ。12月の法廷は極めて重要な場となるだろう。
続いて田篭弁護士。
治水についての証人は、川棚川の河川整備基本方針を作成した最初の人と改定をした人の両方に話を聞きたいが、どちらか一人となると、改定時に関わった人に聞きたい。
尋問は、1人の証人に対して双方の代理人が問い質すもので、裁判の山場。ぜひ多くの人に見てもらいたい。
その後、会場からも意見や疑問が出されました。
Aさん:証人尋問がいかに重要か私は有明訴訟で知った。向こう側の証人が実は一度も有明海を見たことがない人だったので、いろいろ質問されるとしどろもどろになって、その主張の不当性が十分に伝わってきた。石木ダムの証人尋問にも大いに期待している。
Bさん:佐世保市で勉強会をおこなっており、毎回水道局にも案内状を出すが来てもらえない。理由はダムの必要性等について裁判中だからという。また、パタゴニアの署名(石木ダムについての公開討論会を開いて下さい)に関しても、裁判中を理由に協力できないなどと言う人がいる。そういう言い訳は通用するのか?
高橋弁護士:行政が裁判を理由に断るのはよくある話で、合理性がないとは言えない。裁判中だから対応してはならないというルールはないが、対応できない理由としては最も説得力のある言い訳と言えるだろう。また、公開討論会と裁判は別物。裁判で石木ダムの必要性を争っていても、同じテーマで討論会を開くことは何ら問題ない。
板井弁護士:川辺川ダムの時は、熊本県が主催して国土交通省と住民が討論会を何回もおこなった。最初は4000人くらいだったかな?結果として国が負けたようなものだった。裁判を理由にして断るのはよくあることだが、できないわけではない。また地方自治体の労働組合というのは大体首長さんの言うことをきく。彼らと論争をするのではなく、話し合う機会を作る条件を探っていくことが大事。やり方の問題だと思う。
地権者の炭谷さん:現地では8月18日の工事再開以降、本庁や県北振興局からも職員を動員し、その数は以前の2倍くらいになっている。数の力で座り込んでいる人を徐々に排除するようになった。工事を急ぐことと裁判と何か関係があるのだろうか?
板井弁護士:行政訴訟には事情判決という制度がある。熊本の路木ダムがそうだった。熊本地裁は路木ダムは違法だという判決を下したが、福岡高裁は違法ではないとした。なぜか。実はその時にはダムができていた。つまり、ブツができてしまったら、それは認めるということになっている。それが事情判決。これを県も狙っているのではないか。
路木ダムの場合建設予定地に誰も住んでいなかった。だから反対運動も難しかった。川辺川ダムの場合は住民がどんどん出て行って最後は1人だけになった。石木ダムは13世帯も残っている。これはすごいこと。
大事なことはそこに住んでいる人が体を張って闘う。利水や治水などの受益者と言われる人たちがその問題に向き合って闘う。そのことを抜きにしてダム問題は解決しない。それをしなければ裁判に勝つことはできない。それぞれができることで力を合わせていこう。
(‘◇’)ゞ (”ω”) (^O^)/ !(^^)!
佐世保市役所前で『石木川』第1号、配布
今朝8時頃、佐世保市役所近辺でビラ配り実施。
ビラ配りと言っても、ペラペラの1枚ものではありません。A4サイズの4ページもので、そのタイトルも『石木川』第1号。石木ダム問題を伝えるニュースレターのようなものです。
こちらが1ページ目で、よかったら、石木川第1号 👈をクリックして全体に目を通して頂ければ幸いです。
そもそもの発端は7月10日の裁判報告集会での参加者の声でした。「今日の意見陳述の内容を多くの人に知らせたい」「チラシのようなものを作って街頭で配布したらどうだろう」「県や佐世保市はこの裁判の当事者なので、そこで働く職員の方には是非知らせたいですね」ということで、意見陳述書を印刷することになったのです。ところが、準備を始めているときに、現場での真夜中の重機搬入や、それに関連して地権者と県による3年ぶりの協議などが立て続けにおきたので、裁判の意見書だけでなく、現状を伝えることも大切!との声が高まり、このような形になりました。
配布しているのは全て一般の佐世保市民。平日の朝ですから、若者はいません。みな60代以上の熟年世代ですが、なんと21人も!集まって下さいました。
参加者が多いと市役所の表玄関だけでなく、裏口や駐車場前でも配布でき、
保健センターや、水道局、県北振興局前でも配布させていただきました。
おかげで、約900部があっという間になくなってしまいました。
配布活動に参加された皆さん、残暑の日差しの厳しい中、お疲れ様でした。
また、出勤時のお急ぎのところ、気持ちよく受け取ってくださった職員の皆様、ありがとうございました。
約900人中何人の方が読んでくださったかな… (‘_’)
証人尋問に反対する国、そのわけは…
7月31日午後1時半、石木ダム事業認定取消訴訟の第7回口頭弁論を膨張するために集まった人の列。久々に大人数です。それは、いま工事が中断されているから。地権者をはじめ支援者の多くも、今日は安心して傍聴できると、暑い中喜んで駆けつけました。
法廷では今日も当方代理人弁護士2名が意見陳述をおこないました。
利水面については高橋弁護士(下の写真は報告集会での画像)が、
佐世保市がおこなった水需要予測のでたらめさや慣行水利権を排除する不合理さを指摘し、その事実を明らかにするために、佐世保市水道局の水需要予測の担当者(当時)、佐世保市長、SSK社長らの証人尋問を申請したいと述べました。
治水面では田篭弁護士が、
計画規模の不合理性(それまでの1/30から石木ダム計画が持ち上がったら急に1/100に変更)や基本高水流量算出のまやかし(基本高水流量が1400㎥/秒となるのは、100年に1度ではなく、500年~1000年に一度の確率)などを指摘し、それらの点を明らかにするために、川棚川水系河川整備基本方針・整備計画策定の各担当者や事業認定庁の責任者の証人申請を考えていると述べました。
ところが、これらの証人尋問について、被告(国)側は必要性がないと反対しましたが、具体的な根拠は語らなかったので、次回期日1週間前までにこの件に関する意見書を提出するよう裁判長が求め、被告代理人は応じました。
また、被告側からの証人尋問について裁判長から問われると、今のところその予定はないと答えました。
なぜ国は証人尋問に反対するのかな?~なぜ自分たちも証人を立てようとしないのかな?~と思っていましたが、その疑問は報告集会のときに謎が解けました。
馬奈木弁護士によると、
行政訴訟において、教科書では政策の正しさは行政が立証しなければならないとなっているのに、現実の裁判はそうではない。
行政は正しいという推定の下でおこなわれている。(推定無罪)
だから、その間違いは原告の我々が検察官の立場で立証しなければならない。
そうしないと勝てない。だから立証の手段を尽くさなければならない。
ところが立証しようとして証人を求めても、行政側が必要ないと言い、それを裁判所も認め、調べないまま終わってしまい、判決の時になって立証不十分で負ける場合がある。我々が負ける裁判というのはそういう場合である。
刑事事件で被告人が黙秘権を行使するように、国側は今、自ら何も語らない、何も与えない、何も明らかにしようとしない、そいう態度を貫いている。
けしからん!
国会と同じ。資料は何も残っていません。何も記憶にありません。安倍内閣がやっていることを司法の場でもやろうとしている。こんなことは許されない。我々は徹底的に闘う。資料をちゃんと出せと言う。出させなさいと裁判所に迫る。
(‘◇’)ゞ
なるほどー。そういうことだったんですねー。
奥が深い。というか、私たちが何も知らなかっただけかもしれませんが。
これから1つずつ学びながら、弁護団と共に、しっかり闘っていきたいものです。
工事差止訴訟、初弁論
石木ダム工事差止裁判がいよいよ開始。
7月10日午後3時半の門前集会の様子からお伝えします。
弁護団長の馬奈木弁護士から原告団へ:
石木ダムは要らないということは分かっているのに、あえて行政は造ろうとしている。税金を食い物にしている。このような県政は許せない。県民、市民の力を示そう。頑張って勝ち抜こう。
今日の裁判に地権者もみんな参加したかったが、来れませんでした。抗議行動が手薄になると、県が何をするかわからないからです。私たちは、朝7時から夕方5時頃まで毎日座り込んで抗議しています。梅雨が明けると暑い夏が始まり、かなり厳しいですが、私たちは頑張ります。石木ダムは要らないと確信しているから。皆さん、今後とも応援して下さい。よろしくお願いします。