九州地方整備局へ申し入れ

今日、3月12日、地権者の皆さんは、福岡にある九州地方整備局へ申し入れに行きました。

私たち「石木川まもり隊」からも4人、川棚・波佐見町・長崎市から5人、計9人の支援者も同行しました。

申し入れの趣旨は、以下の通りです。

 

                     申 入 れ 書

 自民党政権の返り咲きで事業認定手続きが動きだし、公聴会が三月二十二、二十三日

に開催されます。私たちは「今までと同じようにここに住み続けたいだけなんです」「私たち

は死んでもこの地を出て行きません」と、半世紀に亘ってふるさとを守り続けている純粋な

意志貫徹の気持ちを皆なで訴えようと公聴会に参加することを決めました。だが公述でき

るのは、反対同盟十七人の応募に対しわずか三人でした。

 余りにも少な過ぎます。私たちは非常に不満です。人前でドキドキしながら不慣れな公述

をすることに誰もが戸惑いながら、それでも「自分たちの土地が、生活が奪われることに繋

がる事態はどうしても許せない」「真実を訴えればきっと判ってもらえる」と、意を決しての

応募だったからです。

 公募時点で、電話やメール等で二十組枠を外すことや地権者の公述は全員認めるべきだ

との要望を各方面から出しましたが、選考は方針通り行われました。先に行われた「今後の

治水対策のあり方に関する有識者会議」の石木ダム事業再検証結果に「石木ダムに関して

は、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力する

ことを希望する」という付帯意見が付けられたことを重く受け止めれば、九州地方整備局は

地権者からの公述応募に対しては全組行わせるのが筋です。

 計画から既に半世紀を過ぎた事業です。様々な意見があり、過ぎ去った歳月にそれぞれの

人間模様があります。公益性の判断だけで済む問題ではありません。土地収用法は公聴会

の開催の回数を制限していません。公聴会の日程を変更するなどして、少なくとも起業者とは

反対の意見を持つ地権者(応募した十七人全員)の公述を認めるべきです。

   二〇一三年三月十二日

                 石木ダム建設絶対反対同盟 第三十四回団結大会参加者一同

 

国土交通省九州地方整備局長 吉 崎  収 様

 

               

対応してくださったのは、建政部総務課の4人の皆さんでした。

事業認定の担当者は、皆さん全員、出張とのこと。

担当課である計画建設産業課の課長さんや、

その上司である県政部長さんも、すべて出張だそうで、

「私どもがお聴かせいただき、担当者にしっかり伝えます」と繰り返すばかり。

 
地権者の一人が言いました。
 
出張は間違いないですか?
出勤簿は確認したんですね?
情報公開請求したら、わかるんですよ。
間違いなら、早く訂正したほうがいいですよ。
責任問題になりますよ。
嘘はあとからバレますよ。
 
職員の歯切れが悪くなりました。
 
地権者の皆さんは、「話のわかる人を出してほしい、伝えますだけでは帰れない」
と言いました。
 
そのとき、職員の一人が言いました。
 
個人的な意見になってしまうんですが、
地権者の立場になれば、私も皆さんと同じような気持ちになると思います。
あくまでも一個人としてですが。
 
一瞬しんとして、雰囲気が変わりました。
 
地権者も、私たちも、この方なら信用してもいいのかも、
 
ここで訴えたことを、きちんと伝えてくれるかもしれない、
 
そんな気がしてきて、とにかく、時間まで、
 
公聴会でもっと地権者に公述の機会を与えて欲しい、
 
できれば全員、無理なら、あと数組、女性や老人の公述も入れて欲しい、
 
あるいは、公聴会の場ではなくてもいいから、担当者が現地を訪れ、
 
そこで暮らしている人々の意見を聞き取りしてほしい。
 
など、それぞれが訴え、時間通りに終了しました。
 
 
 
私たちの話に耳を傾けてくださった4人の職員の皆さんが、
 
約束通り、しっかり伝えていただいて、お返事くださることを信じたいと思います。