4年ぶりに石木ダム事業評価、県公共事業評価監視委員会

今日、4年ぶりに長崎県公共事業評価監視委員会で石木ダム事業の再評価がおこなわれました。

私たちが同委員会開催日程を知ったのは約1週間前のこと。

びっくり!そして、大慌てで、意見書作成に取り掛かり、何とか先週末までに各委員のお手元へ。

もちろん6月に出版されたばかりの石木ダム対策弁護団によるブックレット「ホタルの里を押し潰すダムは要らない」も同封して。

期待半分、諦め半分で・・・。

 

第三者委員会とか、再評価委員会なるものに、私たちは何度期待したことだろう。

せっせと資料を送り、思いを伝える手紙を添えて。

でも、そのたびに期待は裏切られ・・

第三者と言いつつ、その委員を選出した行政と一体化していたり、

評価委員会と言いつつ、ただ行政の提出した案の追認をするだけだったり、

それが常識のようになってしまっている。。。

 

しかし、昨日の委員会は少し違っていました。

土木部長の挨拶に続き、河川課企画監が説明を始めてすぐ傍聴席から声が噴出、

委員長が何度も皆を制し、傍聴者はルールを守るように!でなければ退出願わねばならなくなる、

と言ったのですが、声は止まらず約30分も紛糾、異例の事態となりました。

 

それは、企画監が説明の冒頭、「今回の評価は工期の変更に伴う再評価で…」と言ったからです。

「再評価というのは事業そのものの再評価であるべき!」

「工期の変更を認めるための会議ではないはず!」

「県は訂正してください!」

企画監は言い直しをしましたが、「今回は社会情勢の変化、工期の変更に伴う事業評価」との表現に、

傍聴席はまだ納得できませんでした。

なぜなら「工期の変更に伴う事業評価」ということは、石木ダム建設工事をすることが前提になっている、つまり石木ダム有りきの再評価に聞こえるからです。

石木ダムの必要性の議論抜きに真の再評価は有り得ないからです。

あくまでも事業の再評価です。少なくとも私としては、石木ダム有りきとは思っていない

との委員長の言葉に、やっと皆は納得し、説明が再開されました。

 

 

資料は膨大だったので、少しずつ区切って県からの説明、その後委員から質問、それに対する県の回答、といった形で丁寧に進められていきました。

記憶に残っている質問や意見としては、

☆事前に県の資料も反対派の資料も目を通したが、どこまでいっても平行線に思える。公益性の判断は既に国から出されているのに、我々がそれに対して評価すべき立場にあるのだろうか?

☆私たちの意見がどれだけの効力があるのかはわからないが、これだけの資料が用意されているので、これについて議論はすべきだと思う。

☆佐世保市による24年度再評価の後のこれまでの実績と予測の数値がほしい。

(企画監より、24,25,26各年度の値が口頭で示された)

☆佐世保市の生活用水が少ないのは事実だが、それを他都市並みにと考えるのはどうなのか?そもそも水を使わないのはいいことだと思うが。

(会場から、そうだ、そうだの声)

☆工場用水が26年度から27年度にかけて急激に跳ね上がっているのは何故か?

(大口需要者の経営方針の変更で水をたくさん使う日が出てくることがわかったからとの説明あり)

☆それはピーク時の値であって、それが平均有収水量のところに入っているということですね?

(声は聞こえなかったが、頷くかなにかして県は認めたのだろう)

☆川棚町の過去の水害被害状況が示されているが、これは川棚川下流域の浸水戸数なのか?

(そうではなく、川棚町全体の数字だとの回答)

☆代替案について費用の面での比較だけがなされているが、全体像がわからない。それぞれのメリット、デメリットが知りたい

(前回のダム検証で詳しく示したが、後ほど提出すると回答)

☆様々な計算結果や検証結果が示されているが、そのやり方を示すマニュアルを提供してほしい

(お示しすると回答)

 

等々、委員の皆さんの、きちんと理解した上で「評価」したいとの思いが窺える質問が多々ありました。

 

ただ、肝心の工期延長に関する質問はほとんどなかったように思います。

私たちは、用地取得がなぜ平成29年度中に終わることになっているのか?それが気になりました。

これまで示された工程表には、付替え道路や本体工事、試験湛水などの項目はありましたが、

用地取得時期が示されたことはなかったと思います。

29年度中に強制収用してしまうという県の意思表示とも、脅しとも取れるものです。

 

それにしても、委員会は、継続審議となっただけでなく、

さらに、より理解するために現地視察が必要との意見が出され、8月10日の実施が決まりました!

 

公共事業評価監視委員会・・・その名に相応しい委員会も存在するのかもしれない。

土木部長の冒頭挨拶「石木ダムについては十分ご審議頂きたい。忌憚のない客観的なご意見を…」に応えるべく、委員の皆さんは今後もしっかり考え、議論し、評価してくださることでしょう。

私たちは、委員会の現地調査と次回委員会に注目しています。

 

 

今日の新聞各紙の記事を貼付します。

 

 

 

三猿同然の佐世保市水道局

 

おなじみ川原地区のシンボル、三猿の櫓です。

県職員の甘い誘いや脅しなど、いっさい「見ざる言わざる聞かざる」の意思表示。

昭和50年代のはじめ頃に地元住民によって建てられ、この信念のもと今も強い団結が続いている。

 

それを見習ってか?このところ、佐世保市水道局も三猿状態です。

『ダム検証のあり方を問う科学者の会』からの二度にわたる意見書を無視!

水需要予測について具体的に指摘され批判されても、何の反論もせず、

ただ「見直すつもりはない」の一点張り。

まさに「見ざる、聞かざる、言わざる」のお猿さんそのまんまです。

 

お猿さんならそれでもいいけれど、

公営企業である水道局がそんなことでいいのですか?

水道局は市、つまり行政と一体になって運営しています。説明責任を果たすべきです。

 

そうしないのは、科学者の会の指摘(佐世保市の水需給計画は非科学的・恣意的で、

石木ダムを造らんがためのもの)が当たっているからでしょうか。

それを自覚しているから、反論する術もなく、無視せざるを得ないのでしょうか。

 

しかし、「科学者の会」の先生方にしてみれば、怒り心頭です。

ご多忙な現役&OBの一流の科学者の先生方が、西の果ての一都市の水事情について、

これほど真剣に分析研究し、提言をまとめてくださったというのに・・・

それを無視されたのですから!

 

8月1日、ついに先生方は、

この再評価を審議した「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」に呼びかけました。

以下、その申し入れ文書です。

 

 

2013年8月1日

佐世保市上下水道事業経営検討委員会

委員長  後藤 惠之輔 様

委員   各位

 

 

佐世保市水道の新水需給計画に関する公開討論会の申し入れ

 

「ダム検証のあり方を問う科学者の会」は去る3月11日に朝長則男佐世保市長に「佐世保市水道の新水需給計画についての意見書」を、7月8日に「佐世保市水道の新水需給計画についての意見書(その2)—長崎市・水需給計画と比べてあまりにも非科学的な佐世保市・水需給計画の抜本的な見直しを求める—」を提出しました。その要点はつぎのとおりです。

① 佐世保市水道の水需要は近年は減少の一途を辿っており、今後も人口の減少とともに縮小していくことは必至である。長崎市水道も水需要の動向は同じであって、長崎市は実績の傾向を踏まえ、水需要が長期的に減少していくとの予測を行っている。

② ところが、佐世保市は、水需要が将来は反転して一挙に急増していくという架空の予測を行っている。佐世保市が長崎市のように実績重視の科学的な予測を行わないのは、石木ダム計画への参画を理由づけるために他ならない。

③ さらに佐世保市が長崎市のように利用の実態に合わせて保有水源を正しく評価すれば、佐世保市水道の保有水源は大幅に増加するので、水需給に十分な余裕が得られ、石木ダムは全く無用のものとなる。

 

この意見書に対して、川久保昭・佐世保市水道事業及び下水道事業管理者から7月24日付けで文書による回答があったものの、「現時点において水需要予測の見直しは必要ないものと判断しています。」と答えるのみで、当会が指摘した問題点については一切の説明がなく「回答」の名に全く値しないものでした。

 

佐世保市水道の新水需給計画に関しては貴委員会が3月14日に市に答申書を提出し、その計画を承認しており、この計画の是非について貴委員会も重要な責任を負っています。

 

つきましては、佐世保市水道の新水需給計画について、貴委員会のメンバーと私たち「科学者の会」のメンバーが率直な意見交換、議論を行うことが必要と考えますので、その公開討論会の開催を貴委員会の各位に申し入れます。

公開討論会の日時、場所は相互の都合を調整したうえで決めたいと思います。

貴委員会の方々が学者の良心としてこの申し入れを受けることを強く要望します。

8月16日(金)までに文書でご回答ください。

 

ところが、期限を過ぎても、回答が届かない。

10日過ぎても届かない。

科学者の会は、委員会の事務局である水道局の経営管理課に問い合わせたそうです。

 

〇 8月1日付けで委員8人用に送った申し入れ書は各委員に配ったのか。

   後藤委員長に送ったところ、各委員が個別に対応することではないので、

   次回の委員会で話し合って対応を決めることにするという指示があった。

   したがって、各委員には配っていない。10月の委員会で配布する。

〇 次の委員会はいつ開かれるのか。

   毎年、10月に水道局下水道局の決算報告のために開かれる。今年の日程は未定である。

 

このやり取りを知って、私は、佐世保市民として恥ずかしくてなりませんでした。

私が知っている水道局職員の皆さんは、こんな不誠実な方々ではありません。

自分たちの考えは絶対であり、いかなる異論も批判も受け付けない、聴く耳は持たない?

いつからこんな体質に変化していったのでしょう。

誰がそうさせているのでしょう。。

 

 

付録:「ダム検証のあり方を問う科学者の会」メンバー

今本博健(京都大学名誉教授)(代表)

川村晃生(慶応大学名誉教授)(代表)

宇沢弘文(東京大学名誉教授)

牛山積(早稲田大学名誉教授)

大熊孝(新潟大学名誉教授)

奥西一夫(京都大学名誉教授)

関良基(拓殖大学准教授)(事務局)

冨永靖徳(お茶の水女子大学名誉教授)

西薗大実(群馬大学教授)

原科幸彦(東京工業大学名誉教授)

湯浅欽史(元都立大学教授)

など賛同者 125人

 

水需要予測は何のためにやるのか

26日、待ちに待った回答が届きました。

去る7月8日、私たち2団体が提出した公開質問書
https://ishikigawa.jp/blog/cat09/704/

に対するお答えです。

 

 

 

なんと、16日間もかけて出された回答がこれとは・・・

誠意の欠片もありません。

私たちが示した具体的な質問に何一つ答えなかっただけでなく、

水需要予測は、国庫補助事業として継続採択していただくために行ったもの」であり、

その内示が示されたので「見直しは必要ない」と明言しています。

 

それが水道局の本音だったのですね。

水需要予測は、市民のために適切な水需給計画を立てることが目的ではなく、

石木ダムを造るため、その補助金をもらうためにすぎないんだと自認したわけです。

そこまで正直に書かれるとは予想もしませんでした。

 

これを見た地権者のお一人は、こう言いました。

この回答書はひどいものですね。

トップ次第でこんなに変わるものですか。。

私たちはほとんど関わって来ませんでしたが、

以前の佐世保市はこんなではなかったように思います。

 

これでまた、佐世保市と地権者との溝は一段と深くなってしまいました。 

 

見直すなら、今でしょ!!

2日前、『科学者の会』の意見書提出に同行した私たちは、ついでに?

私たち市民からの公開質問書も提出させていただきました。

タイトルは「佐世保重工業の使用水量の将来予測に関する公開質問書」
https://ishikigawa.jp/blog/cat09/704/

平たく言えば、

「SSKの水使用量がなぜそんなに急増するのか教えてください」というもの。

 

このブログでも、以前この問題について書いています。
https://ishikigawa.jp/blog/cat09/697/

全く詐欺に等しいやり方でしたから、(`Δ´)!こんな感じで書いてます。

 

1.SSKの全体売上は半減しているのに、

  「修繕船部門の売上比率を2倍にする」との発表を利用?して、

  「修繕船の売上高を約2倍に見込んでいる」と説明して、

  2015年度以降のSSK全体の使用水量が5倍に激増すると予測したのです。

 

2.しかも、修繕船部門においては、なんと、なんと!

  4年間で13倍にも増えると予測!(331m3→4412m3)

  開いた口がふさがりませ〜ん!

 

そして、今年5月、SSKの経営計画がわずか半年で見直されました。

予想以上に経営状態が厳しくなったからです。

人員削減をはじめ新たな経営計画が示され、

結果、2015年度の艦艇・修繕船の売上高は95億円に下方修正されました。

それは、4年前の実績の1.1倍です。

 

売上が2倍になると思い込んで?計算した水需要予測に、大きな狂いが生じます。

早急に、新たな条件で計算し直さなければなりません。

一日も早く見直し、より正確な水需要予測を立ててください。

と、お願いすると、

対応した水道局の事業部長さんは、こうおっしゃいました。

「今は見直す時期ではない」と。

 

はぁ?!

時期ではない?

時期はいつなのですか?

事業認定が告示されてから?

数年後、その予測の誤りが明白になってから?

 

それでは全く遅いでしょ!

それはもう予測ではないでしょ!

見直すなら、でしょ?!

 

にほんブログ村 地域生活(街) 九州ブログ 長崎県情報へ

クリックしてね

にほんブログ村 環境ブログ 自然保護・生態系へ

 

科学者の会 佐世保市に再び意見書を提出

今日、「ダム検証のあり方を問う科学者の会」が、佐世保市に意見書を提出しました。

そのタイトルは、佐世保市水道の新水需給計画についての意見書(その2)

          —長崎市・水需給計画と比べてあまりにも非科学的な

           佐世保市・水需給計画の抜本的な見直しを求める—

です。

そう、3月にも意見書を提出されたので、今回は2回目、だから「その2」なのです。

 

意見書はこちら ↓
https://ishikigawa.jp/blog/cat09/703/ 

同時に提出した私たち市民からのSSK水需要予測に関する公開質問書はこちら ↓
https://ishikigawa.jp/blog/cat09/704/

 

全国125名の蒼々たる科学者からなる同会が、一度ならず二度までも佐世保市に意見するのは、

佐世保市の水需要予測があまりにも酷すぎるから。

前回は「極めつけの虚構」と言われました。

今回は、「無理に無理を重ねた最悪の予測」と評されました。

 

今年3月、佐世保市と同じように再評価をやり、

その結果、水需要予測が前回よりも大幅に減少し、

もう本明川ダムに頼る必要はなくなったと結論づけた長崎市水道局。

その資料を取り寄せ、予測の方法を佐世保市の場合と比較分析した結果、

わかったことがたくさんありました。

佐世保市がおこなった予測の出し方の異常さがより明確になりました。

それをズバリ突いた意見書でした。

 

どこからお金が出るわけでもなく、

誰に頼まれたわけでもないのに、

多くの時間と労力を割き、佐世保市民のために、石木ダム問題のために、

まとめてくださった貴重なご意見。

それを、水道局は、前回、無視をしました。

何の回答も何の感想も出さず、ただだんまりを決め込んだ。

 

ひどいと思います。

だから、今回は7月22日までに文書で回答してくださいと書かれていました。

しかし、水道局はそれを守るとは最後まで言いませんでした。

この意見書は市長にも水道局長にも渡し、皆さんのお話は伝えます。

しかし、文書で回答するかどうか、ここではお約束できません。

 

理由は、「我々の主張は公聴会の場で述べ、今は事業認定の結果が出るのを待っている状況だから」。

でも、それは、国交省の問題。

私たちは、佐世保市が厚労省に提出した再評価結果に疑義があるので質問し回答を求めているのだ、

と何度説明しても、「事業認定の手続き中」を理由に、逃げていました。

 

きっと、自信がないのでしょうね。

いえ、自信どころか、指摘された問題の数々が理解できるからこそ、

とてもじゃないけど、公開討論会などできないのでしょうし、

どう回答していいのかもわからないのではないでしょうか。

 

その後、記者会見などすべてが終わって、交流会の席で、今本先生はおっしゃいました。

万が一、強制収用などという強権が発動されたら、

僕も石木に座り込みますよ。

そんなことは絶対させない。

これは僕の科学者としての信念です。

県知事さん、佐世保市長さん、こういう学者もいるってこと、覚えておいてくださいね。 

 

にほんブログ村 地域生活(街) 九州ブログ 長崎県情報へ

クリックしてね

にほんブログ村 環境ブログ 自然保護・生態系へ

ヨソクという名のサギ

長崎市の水需要減少によるダム計画からの撤退のニュースに接して、

あらためて佐世保市の水需要予測を点検してみて、気づいたことがあります。

 

今回の工場用水に関する予測がひどすぎることはすでに指摘してきましたが、

いまの率直な感想は「サギ(詐欺)だ〜」と言いたいです。 

 

なぜかと言うと、佐世保市が示した工場用水の需要予測はこうでした。

   2011年度実績=1890m3/日 → 2015年度予測=6604m3/日

わずか4年間で、3.5倍にも急増です。why?

それは、SSKが経営方針を変え、修繕船の売上を2倍に増やす計画があるので、修繕船を洗うための水の使用量が激増すると考えたのだそうです。その考えで予測した結果、

   SSKの2011年度実績=1166m3 → 2015年度予測=6604m3

なんと、5.7倍に水増し! 

売上が倍増すると、なぜ水の使用量が5倍以上になるのか???

呆れ返った『ダム検証のあり方を問う科学者の会』に「極めつけの虚構」と批判され、

予測をやり直すべきという意見書を提出されても知らん顔、

科学者の声に真摯に耳を傾けようとはしませんでした。

 

ところが数日前、SSK(佐世保重工業)の新中期経営計画とにらめっこしていたら、

その売上2倍という情報そのものが事実ではないことに気づきました。

SSKのこの資料をご覧下さい。

 

 

この円グラフに示された「艦艇・修繕船」の売上(赤い部分)は、

確かに13%(2011年度実績)から25%(2014年度)に倍増していますが、

これは売上の割合であり、売上額そのものではありません

売上高そのものは、 

 

 

661億円(2011年度実績)から、400億円(2014年度予測)に減少しているのです。

ということは、修繕船の売上そのものは

86億円(661億の13%)から100億円(400億の25%)、つまり、わずか1.16倍にしかならないのです。

2倍になるのは売上比率で、売上額は1.2倍にも満たないのに、

売上が2倍になるからドック入りする船の数も2倍になると説明し、

その結果、水の必要量は5倍以上になると予測!

これを詐欺と言わず、何と言えばいいのでしょう?

こんな予測を誰が信じるでしょう?

 

水道局長さん、市長さん、ホントにホンキで、こんな予測を出されたのですか? 

おそらく誰一人本気ではないでしょう。

 

なぜこんなデタラメな詐欺のような予測を平気で出せたのか…

それは、誰も責任を取らなくて済むからでしょう。

 

SSKのような一般企業は、そうではありません。

厳しく問われます。

自分の地位や将来がかかっています。

だから、わずか半年前の経営方針でもすぐに修正・撤回をするのです。

 

水道局長は数年で交代。

5年後の再評価の時期にはもういない。

次の局長が、「前回の予測と現在の実績は大きく乖離していますが、その理由は…」

と、リーマンショックや異常気象などのせいにしてきた先輩同様、言い訳すればいいのです。

 

誰も責任を問われず、誰も責任を取らない。

それがサギ同様のヨソクを許しているのだと思います。

そのヨソクに基づいてダムが造られ、自然も地権者の暮らしも破壊されたら… 

 

にほんブログ村 地域生活(街) 九州ブログ 長崎県情報へ

クリックしてね

にほんブログ村 環境ブログ 自然保護・生態系へ

 

今こそ再評価!

今朝の長崎新聞です。

先日に続いて本明川ダムの規模縮小について、

今回はQ&A方式で、わかりやすく書かれています。

 

この中で、利水が撤退した理由は、

想定していた水の需要が見込めなくなったから、と伝えています。

 

そして、利水の見直しに至った背景について、

記者は「もともと過大だった感は否めない」と見ており、

なぜ今修正したのかについては、

「将来つじつまが合わなくなるのが目に見えていた」ので、

「今撤退しておくのがぎりぎりのタイミングだと判断したんじゃないかな」と推測しています。

 

同感です。

そして、それは、佐世保市にも当てはまることです。

  もともと水需要予測は過大だった。

  このままでは将来つじつまが合わなくなる。

しかし!佐世保市は今回も修正しなかった。

撤退するタイミングも逃してしまった。

 

なぜでしょう?

なぜ佐世保市は修正する勇気を持たないのでしょう?

 

今も将来も不要なものを莫大な費用をかけて造ることのツケは、

必ず市と市民に降りかかってくるのに・・

 

一般企業の場合は、予測の誤りに気づけばすぐに修正します。

SSKがそうです。

 

佐世保市は、今回の水需要予測で、工場用水を激増させました。

「科学者の会」からは「極めつけの虚構」とまで酷評されましたが、

その虚構をひねり出したのは、SSKの経営方針でした。

 

 

昨年10月にSSKが発表した「向こう3ヵ年の経営方針」では、

修繕船の売り上げを、13%から25%に倍増するということでした。

そこに水道局は目を付け、SSKの工場用水の需要を大幅にアップさせ、

工場用水全体を急増させたのですが、

ところが、そのSSKが、昨年度の予測は甘かった、そんなに売り上げは伸ばせそうもない

と、先月見直しをしたのです。

そして、5月17日「新中期経営計画」を発表しました。

 

ご覧下さい。

新たな計画では、修繕船の売上は、昨年度の23%から3年後には27%にする、

つまりわずか4%のアップということです。

 

今年1月、佐世保市が示したSSKの工場用水の予測では、

3年後にはなんと現状の5倍!にまで水増ししていました。。

 

SSKが売上の下方修正をしたのですから、

佐世保市も、その修正を受けて水需要予測を見直すべきではないでしょうか?

売り上げはわずか4%しか増えないのに、

水の使用量は5倍にもなるという予測を、まさかそのまま…ってことはありませんよね〜 

 

にほんブログ村 地域生活(街) 九州ブログ 長崎県情報へ

クリックお願いします(^人^)

にほんブログ村 環境ブログ 自然保護・生態系へ

 

再評価の報告を撤回するよう申し入れ

18日、佐世保市が石木ダムの「事業継続」という再評価報告書を国へ提出したことを受け、

私たち「石木川まもり隊」は「水問題を考える市民の会」と共に、申し入れを行いました。

 

                                   2013年3月19日

 

佐世保市水道局長 

川久保 昭 様

                                     石木川まもり隊   

                               水問題を考える市民の会

 

  石木ダム建設事業の経営検討委員会による「再評価」についての申し入れ

 

3月14日、水道施設整備事業再評価(第3回目)として開催された経営検討委員会は、石木ダム建設事業の継続を妥当とする委員会の判断を示し、報道によると、同日その旨の答申を行いました。

この間、私たちは、経営検討委員会は組織としても、委員の構成からみても再評価を行う資格の無いことを指摘し、同委員会に諮問して行う再評価を直ちに中止すること、そして厚生労働省の求める第三者委員会を立ち上げて再評価を行うことを数次にわたって貴局に要請してきました。

しかし貴局は、経営検討委員会による再評価を強行しました。市民の声に耳を貸そうともしない強権的な貴局の態度に対し強く抗議します。

経営検討委員会による「再評価」の実態はどうだったでしょうか。

第3回の会合の最後に、後藤委員長が「もっと時間が欲しかった。反対、賛成双方の声を聞くことができたかも知れない」(15日付け長崎新聞)と発言しています。これは、事業者が設定したスケジュールに追従するしかなかったことを吐露した発言で、自らが関与した再評価に正当性を欠くことを告白したものです。私たちは、委員長に対し、経営検討委員会への再評価に係る「諮問」を返上すべきことを申し入れていましたが、その通りの結果となりました。

遠田副委員長が、「治水と利水の違いについて説明してください」と発言しました。これは、ダム問題や利水問題に専門的知識を有しないままに再評価をしたことを告白 する発言であり、同委員会が「再評価」を行う資格がなかったことを示しています。

細田副委員長は、結論を出す第3回目の会合を欠席しました。他の5人の委員も、ダム問題や利水問題について専門的意見は述べませんでした。

 

「ダム検証のあり方を問う科学者の会」は、貴局の新水需要予測が科学的根拠のないことを明白に指摘した意見書を、同委員会にも提出しましたが、これに応える審議は 行いませんでした。

経営検討委員会は、窮屈なスケジュールの中、3回の会合で石木ダム建設事業の継続を妥当とする答申を行いましたが、その審議は専門的な内容もなく、「再評価」の名に値しません。また3回の会合を通して、経営検討委員会が単なる追認機関に過ぎない ことも明らかになってしまいました。

同委員会は第三者委員会とは似て非なるものです。同委の答申は、厚労省の求める再評価としては“無効”であると言わざるを得ません。

貴局は、経営検討委員会の答申を踏まえ、対応方針をとりまとめ「石木ダムによる利水事業の継続」を厚生労働省へ報告するとしていました。

そして、報道によると、佐世保市は、長崎県を経由して、「事業の継続」を同省に報告したとのことですが、私たちは、前述の理由により、この報告は撤回することを  求めます。

併せて、専門性と中立性が担保された第三者委員会を立ち上げて、「再評価」を行うことを求めます。

                                          (以上)