アーサー・ビナードさんが語る ダムの利権構造

吉田照美ソコダイジナトコ

 

12月22日の文化放送「吉田照美 ソコダイジナトコ」に出演したアーサー・ビナードさん。

(アメリカ生まれの日本語詩人。絵本やエッセイも。講演もおもしろい)

八ッ場ダムを作れば東電に税金が流れる仕組みがあることを説明しました。

 

首都圏の人にとってはビックリ仰天、まさに「ソコダイジナトコ!」なのでしょうが、

それだけでなく、全国のダム問題に共通するお話がいっぱいあって、

もちろん、石木ダムともそっくりな誤魔化しがいっぱいあって、

興味深く聴きました。

正味15分ほど。お暇なときに聴いてみては?

 

一部抜粋すると・・・

 

政治家を変えればちょっとよくなるかなーってチェンジがちょっと来るかなーと思ったら、政治家が実権を握ってるんじゃなくて官僚が実権握ってて

結局政治家を替えても全然意味なくて、政治家が小物になると、より操りやすいやつになって

結局誰も責任取らない、誰も決断しない。つまり今、永田町にいる、その、議員たちは議員じゃない、政治家じゃないってことですね

(あのダム検証は)科学的裏付けが不十分じゃなくて、科学的裏付けがゼロで、しかもでっち上げたものと比べてるだけ何ですよね。

(首都圏の水需要はずうーっと減少している)データがあって、誰が見ても分かりやすいデーターなんだけど(それは無視して)今後その水が足りなくなるから利水目的でこれは絶対必要だ、といっている

それから八ッ場ダムを肯定するために代替案を出してくるんだけれども、その代替案は静岡県の冨士川から東京に水をひいてくるっていう・・
もう荒唐無稽もいいところの、そういう計画をでっちあげておいて。それで比較して、あ、八ッ場のほうがいいじゃん、安上がりですよねー、っとかいうそういう結論(笑)

そもそも新たな治水、利水対策が必要なの? むしろその美しい川を殺さないことが必要なんだよ。今、本体工事まだやってないから

アメリカは昔、僕が生まれる前ですけどねえ。あのー大恐慌っていうのがあって。1929年に。ウォール街、うわあって。ズドーンと落ちて。でそこからダムの巨大な利権構造が創り上げられて。どんどんどんどんダムやってたんだけど。あのー、まあ、その、利権構造の作り方、その、インチキ資本主義のからくりの回し方が似てる、っていうかダムが一応原型なんだよね

で、ダムで作った原型を、核兵器で使って、原発で使って。で、だからまあアメリカは軍産複合体っていうより巨大な利権構造が出来たから、別にダム、やんなくてもいいって。だからいま、逆にダムを壊す仕事で、あの、ゼネコンちょっと儲けさせてるような感じなんだよね

 

ダムの利権構造はアメリカからの輸入品だったのか…?  

 

千プコ

 

『ベトナムニュース The Watch』 によると、

2006年6月、Kon Tum省Plei Krong水力発電所がKrong PoKo川の流れを止め、ダムを造った。

地域住民6,000人は、Sa Thay県Ho Moong村の丘陵に移住させられた。

その土地は痩せていて、この5年間不作が続いた。

住民は毎日家族総出で森に入り薪を探し、動物を獲り、野草を摘んでコメと換えている。

「新しい土地での生活は、これまでの何倍も良くなると言われたのに。帰りたくても、もう水の下だから」

と、住民の一人は語った。

今年11月の時点で、村の80%あまりが貧困世帯に属し、村の若者800人あまりに仕事がないという。

 

このニュースを見て思い出しました。

チプコのメッセージを。

チプコ運動って知ってますか?

インドのダム開発に反対する女性たちが、命の森を守るため樹木に抱きついて抵抗した運動です。

多くの女性たちが木と共に水に沈んだと言われています。

 

なぜチプコが命をかけてまで森を守ろうとしたのか、その思いを、

”チプコ運動の父”と呼ばれたスンダルラル・バフグナ氏が、1992年のモントリオール会議で語りました。

 

私たちはチプコと呼ばれている

チプコとはインド語で”抱きつく”という意味

私たちは木が切られないように木に抱きつく

木と共に切られてすでに200人の仲間が死んだ

今、あなたがたの国からたくさんの人が来て、たくさんの木を切り、たくさんのダムを作ろうとしている

ダムが出来ると森が沈み、私たちは生きていけない

このようなことが行われないために、私たち10万人のチプコは水に沈む覚悟をした

よく聞いて欲しい

私たちは決して貧しくない、私たちは豊だ

私たちは何も欲しくない、ダムも電気もお金も

あなた方は経済という宗教に取り憑かれてしまった

神様はお金、儀式は開発、生け贄は地球

神様からの贈り物は飢えと公害と戦争

開発は自然を殺し、一時の富をもたらすが永遠の生活と幸せを失う

私たちは開発ではなく、幸せを求めている

小さな土地と少しの水、少しの食べ物で十分なのだ

幸せはお城の中でなく、自然の中にある

悩みは欲の中にあり、幸せとは欲から解放されること

あなた方はどうして、その当たり前のことを忘れてしまったのか?

あなた方はどこに行くのか?

Yes to life!  No to death!