第2回長崎県公共事業評価監視委員会

予想以上に活発な意見が出されました。

心の中で何度も拍手!

ワクワク、そのうちもしや・・

でも結果は、想定通り!

だから、終わったときは、よけいにガックリ!でした。

 

委員Aさんが、何度も繰り返したのは、データの不足。

なぜ直近のデータがないのか?

あるならなぜ出さないのか?

また、「トレンド式では妥当な推定式が得られなかったため…とした」

などと結果だけ書かれている箇所がいくつかあるが、それでは評価ができない。

その計算に使ったデータと結果を出さなければ、それが妥当か妥当でないか判断できない。

 

まさにその通りです。

私たちが何度も訴えてきたことです。

 

河川課はいつものようにこう答えました。

「治水に関しては平成18年度の川棚川水系河川整備計画で評価されている」

「利水に関しては平成19年度の佐世保市水道施設整備事業再評価委員会で再評価済み」

 

それに対してA委員は言いました。

「じゃあ、何で今ここで評価しようとしているのか、その意味を考えてほしい」

 

そうだ、そうだ、と大きく頷く。(拍手はダメ!と言われているので)

 

A委員だけでなく、B、Cの3人の委員からいろんな質問や意見が出されました。

・ 285億円のうちすでに139億円が使われているが何に使われたのか?

・ その予算はいつの時点のものか?当初予算はいくらだったのか?

  (160億円=計画当初⇒285億円)

・ 残り146億円で本当にできるのか?計画が長引けばもっとかかるのではないか?

・ 佐世保市は本当に40,000トンも必要なのか?

・ なぜ工場用水をこのように大きく見積もるのか?

・ 実績値といってもバブル期の数値ではないか。

・ 生活用水を221に上げる根拠がわからない。
  節水都市としてアピールしていくのもいいのではないか。

・ 実現性のところで評価が下されていないのでは?

・ 現行ダム案が「−」で、岩屋川ダム案や貯水池案が「×」はおかしい。

 

等々、ほんとにたくさんの疑問が提示されたのです。

少なくとも3人の委員は県の案を良しとしていない。

残り3人が認めても、3:3で同数だ。

委員長が賛成に回って、結局最後は現行案を認めるにしても、

たぶん結論は次回に持ち越されるだろう。

それに、A委員があれだけデータに拘っているので、

新たな資料が提出されるまで、3回目の開催は遅れるかもしれない。

 

などと考えを巡らしていましたが・・・

最後は採決もせずに、現行ダム案を優位と認めると結論付けられました。

実にあっけない幕切れでした。

委員長が例のA委員と何度も押し問答していましたが、

「それは付帯意見として…」の言葉に妥協なさったようです。

 

B、C、お二人の委員の後押し、賛同意見が出るのを期待して見守っていましたが、

それはありませんでした。

 

残念です。

それでも、3人の委員の方の発言は評価したいと思います。

今夜のNHKニュースでは、このように報道されていました。

委員からは▼反対もあるなかでダムの建設が実現できるのかといった意見や▼現在の計画がもっとも優れているとするには議論が足りないといった懸念が出されました。
しかし最終的にはもっとも優れた事業とはいえないものの、いまのところほかによい案がないとして事業を継続するべきだとする結論を出しました。

 

長崎県公共事業評価監視委員会へ意見書提出

昨日開かれた公共事業評価監視委員会を傍聴しました。

定員27名に対し5名多い32名が受付。

告知では定員オーバーの場合、抽選となっていたけど、全員傍聴が許可されました。

パチパチ・・そうでなくっちゃ!

 

7名の委員のうち、1名が欠席、1名が遅刻。

浦上ダムの審議から始まりました。

A3版45ページもの資料に沿って県の説明を聴いた後、ほとんど意見も出ずに、

(委員長の方が一人で質問なさっていましたが…)

県の原案通り継続と決定。

 

え?もう終わり?

これで浦上ダムについて評価されたの?

何を監視したの?

まさか、石木ダムもこれと同じ扱いってことはないよね?

などと、休憩に入ったとたん仲間内でワイワイガヤガヤ。

 

だって、私たちは、今日意見書を提出したばかり。

それに目も通さず審議終了ってことはないでしょう…

 

審議再開。

石木ダムに関する県の説明資料は、浦上ダムの倍以上の104ページ。

その説明だけでたっぷり1時間。

他にパブコメ、住民の意見、学識経験者意見などの各要旨、

3月6日意見交換会の速記録等々、その他の資料もいっぱい。

その上、今日渡した意見書もあって、

予想通り、本格的な審議は次回へ…ということになりました。

 

この意見書は、A4版で40ページ。

これもかなりのボリュームです。

よほど関心のある人でないと読む気が起きないかも…

それで、私たちは6ページのダイジェスト版を作成し、

前日、報道関係者の方にお渡ししてました。

 

そして、委員会が始まる少し前に県政記者室へ行き、

私たちがどういう思いで、このような意見書を作成したのか、

石木ダム事業の何が問題なのか、

県が行っている検証のどこがおかしいのか、等々について説明をさせてもらいました。

そして、40ページにも及ぶ本編に関心のある方はデータを送りしますのでご連絡くださいと伝えたら、

終了後、8人の記者の皆さんから送ってほしいとの申し出がありました。

 

たいへん嬉しいです。

そして、心強いです。

一人でも多くの県民に、本当の佐世保市の水事情、本当の川棚川の治水計画を知らせてほしい。

本当のことを知れば、石木ダムが必要なものかどうか、自ずと見えてくるでしょうから。

 

また、いま一番知ってほしいのは、昨日の評価監視委員の皆様方。

どんなに上手く数字や理屈が組み立てられていても、重要なのは事実と現実。

そこを理解するところからしか、未来への展望は開けないはず。

委員のお一人お一人が、長崎の未来へ大きな責任を感じて、審議に臨んでほしい。 

 

公共事業評価監視委員会

昨日、長崎県のホームページにこのような告知がなされていました。

先日の「検討の場」が終わって間もないのに、もう対応案が策定されたのでしょう。

いよいよ石木ダム建設事業の是非が評価監視委員会にかけられます。

 

第1回長崎県公共事業評価監視委員会の開催について

2011年05月13日
建設企画課


 長崎県が実施する公共事業の再評価・事業評価を行うにあたり、「長崎県公共事業評価監視委員会」の今年度第1回目の委員会を開催します。

                       記

1.開催日時
     平成23年5月25日(水) 15時15分〜

2.開催場所
     長崎県農協会館 7階 701号室
      (長崎市出島町1番20号) 地図はこちら

3.議題
     川棚川河川総合開発事業(石木ダム)
     長崎水害緊急ダム事業(浦上ダム)

5.委員会の傍聴について
     傍聴を希望される方は整理券が必要です。
     整理券は当日受付にて配布いたします。
     (定員) 27名(定員を超えた場合には抽選を行います。)
     (受付時間) 14時25分〜14時55分
     くわしくは『
傍聴にあたってのお願い【PDF】』をご覧下さい。

 
その『傍聴に当ってのお願い』を見ると、
9項目の「傍聴に関する注意事項」が記されていました。

 

1.傍聴名札を配布しますので、会場では常に携帯し傍聴終了後は受付に返却して下さい。
2.指定した傍聴者席以外での傍聴は禁止します。
3.
撮影、録画、録音は禁止します。
4.傍聴される方の発言、委員の発言への批判、可否の表明、ヤジ、拍手等は禁止します。
5.プラカードやのぼり等を掲げる行為は禁止します。
6.ビラ等の配布は禁止します。
7.みだりに傍聴者席を離れないで下さい。
8.携帯電話は電源を切るか、マナーモードにし、使用は禁止します。
9.その他、委員会の進行を妨害したり、会場の秩序を乱す行為は禁止します。
 
 
なぜ、傍聴者は名札を付けないといけないのでしょう?
なぜ、録音・録画をしてはいけないのでしょう?
 
この委員会の成り行きに関心を持っている人はたくさんいます。
傍聴希望者はたくさんいるでしょう。
しかし、27名しか認めないと制限されています。
抽選に外れた人は、会議の成り行きを知ることができません。
しかし、録音や録画が許されれば、後でそれを視て、聴いて、知ることができます。
県は、なぜ県民の知る権利を奪うのでしょう?
県は、何のために「公共事業評価監視委員会」を開くのでしょう?
そもそも「公共事業評価監視委員会」って、なあに?

朝日新聞掲載「キーワード」の解説によると、

「始まったら止まらない」と言われる公共事業の再評価のため、国が98年度から始めた。県も同年度、同様の目的で委員会を設置した。審議するのは、国の補助事業や県単独事業で予算化後(1)5年たっても未着工(2)10年たっても未完成の事業など。県は委員会の意見書をもとにして対応を決める。委員会は06年度までの9年間で320の公共事業を審議。うち99事業が「見直し」や「中止(または休止)」となった。コスト削減額は約529億円とされる。(長野県)

やると決めて、予算をつけたのに、

5年たっても始まらない、10年たっても終わらない・・

そんな公共事業は、どこかに無理があるんじゃないの?

ほんとは必要ないんじゃないの?

そんな疑問を解決するために、ちゃんと監視して評価しようじゃないの!

ということで作られた制度のようです。

そしてその結果、見直したり、中止したりして(長野県の場合31%も!)

コスト削減に寄与してきた意義ある委員会のようです。

 

長崎県の場合どうだったのでしょう。

きちんと評価してきたのかな・・

これまで一度も傍聴したことないから、是非傍聴してみたいなぁ〜

 

そんな意義ある委員会なら、多くの県民に公表すべきじゃないですか?

民主党政権になって変わったことの中で、国民の評価が最も高かった「事業仕訳」。

あれはすべてネット上で見られましたね。

仕訳結果の良し悪しは異論があっても、

そのプロセスは誰もが目撃できる、オープンな作業現場で好評でした。

そこが国民の支持を得たんですよね。

 

なのに、長崎県の場合、録音も録画もダメですか?

そんなにコソコソとやりたいの・・?

失礼!27人の傍聴は許すので、コソコソは言い過ぎですね。

そんなにひっそりやりたいの?

 

な〜ぜ?

 

 

石木ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場(第3回)

この長いタイトルの会議も3回目にして、早くも最終回となりました。

始まる前から私たちが予想していた通りの、形だけの・・・

時間と労力とお金を費やした税金の無駄遣いに終わりました。

 

5月9日(月)14:00〜JA川棚の広い会議室が用意され、今回は傍聴者の人数制限もなかったけれど、

過去2回よりも集まった人は少なく、その上、途中退席者も続出…

 

その理由は、「検討」されない「検討の場」だったからでしょう。

今回も初めにこれまでの「おさらい」(過去2回の検討の場の要約)の説明があり、

第2回検討の場の後おこなわれたパブリックコメントの公表

 

3月6日の地権者との意見交換会で出された意見の公表

 

3月11日の関係住民説明会における住民からの意見の公表

 

学識経験者の意見の公表

 

関係地方公共団体の長の意見の公表

 

関係利水者の意見の公表があり、

 

それらの意見を踏まえた?県からの補足説明があり、

その後あらためて、評価軸による評価を示し、最終的な総合評価が下されました。

やはり、治水の面からも利水の面からも「石木ダム案」が最良の選択という結果となり、

検討の場の構成員からは異論も出ずに、しゃんしゃんと承認、お開きとなりました。

 

寄せられた多くの声は、全く届きませんでした。

パブコメもただ集めただけ。

このような重要な意見も無視されています。

 

反対地権者の心からの叫びがどこに活かされたでしょう?

約束通り、討論会の速記録は提出されましたが、構成員の各首長さんが熟読された形跡はありません。

次々に貴重な意見、胸を打つ言葉が発せられたのに・・・

私たち納税者に突きつけられた言葉もありました。

 

 

 

これら地権者の声がどこに届いているのでしょう?

これらの声に真摯に耳を傾けたなら、

実現性という評価軸の「見通し」のところでは、明らかに「ない」としか書けないはずなのに、

「残る地権者の方々の理解が必要である」という表現で記されています。

 

また、県による補足説明はこれまでの主張を繰り返すばかりで、説得力は全く無し。

例えば、水需要予測の数値について、あらたにこのように説明していますが、

なぜ工場用水がこのように過大になるのか、その根拠は全く示されていません。

「実績値に新規開発分を加算し、将来値を設定している」と書かれているだけです。

21年度実績=2,096m3で

29年度予測値=5,245m3ですよ。

3,149m3も増える?・・・実に2.5倍にもなるという大胆な予測の根拠が全く示されていません。

 

また、負荷率は実績値だと書かれていますが、

負荷率の80.3%は、過去(平成19年度)の資料での実績値であり、

現在からみた過去10年間に、この数値は存在しません。

 

一番直近の負荷率は90.1%もあり、過去10年の平均値は86.5%です。

仮に負荷率を、この86.5%で計算すると、一日最大給水量は、103,424m3となり、

8,000m3近くも減少します。

 

すべてにおいて、この調子でした。

まじめに検証しよう、予断を持たずに最新のデータを基に見直そうという姿勢が、まるでありませんでした。

とても、とても、残念です。

 

たぶんこの調子では、県の対応案を評価する「公共事業評価監視委員会」の結果も同様でしょう。

と思いたくなりますが、諦めてしまってはダメですね。

委員の皆様にも失礼ですし、私たちも前へ進めなくなってしまいます。

 

心ある委員の方はきっといる!

そう信じて、さらなるステップでの検証を見つめていきたいと思います。

 

 

石木ダム建設事業の検証に係る関係住民説明会

3月11日夜7時から関係住民説明会が開かれました。

6日の討論会と同じ会場です。

 

でも、席はがらがら…。

大地震の発生で、町民はテレビの前に釘付けかな?

それとも、6日の6時間にも及ぶ討論会でもう十分!と思ったのかな?

 

県は「説明会」と名付けていますが、

県側の説明は短めに切り上げ、ダム推進・反対、双方の意見を聴いてくれました。

が、それは、やはり聞き置くだけ。

質問への簡単な答えは返すけど、決して議論しようとしない。

逃げていると思いました。

 

推進派の人はもっと露骨です。

「こんな説明会はもう止めてもらいたい、不愉快だ」

「説明なら新聞にちゃんと書いてある。それを読めばわかるはず」

 

この方たちを荒瀬ダムにお誘いしたい。

雪浦ダムにご案内したい。

そこの住民の方々のお話を聴いてもらいたい。

そう思いました。。

 

いま日本中の目が注がれている福島原子力発電所。

半径20km以内からの避難勧告が出ている。

原発を誘致する時は、県も町も住民に言ったはず。

原発がどんなに安全か。原発で雇用は生まれ、観光客は増え、補助金は付き、町は栄えると。

 

でも、現実は・・?

常に命に関わる危険と隣り合わせで暮らしていかなければならない。

今回のようなことが起こって初めてそれに気付いても、もう遅い。

いま、非難の途中で被爆した人も出てきている。

原発作業員に死者も出ている。

 

ダムも原発も同じ。

造るときには美味しい話しか言わない。

造った後で被害が起きても責任は取らないし、取れない。

 

私たちの暮らしは、私たち自身で考え、選択しましょうよ。

何が本当のことなのか、

一緒に考えていきましょうよ。

まだ、今なら引き返せます!

 

 

この時の様子は、ちかさんが徹夜でアップロードして、翌日さっそくユーチューブに投稿してくれました。

http://www.youtube.com/watch?v=k07PJfglMCQ

石木タ?ム建設事業の検証に係る関係住民説明会.mov

 

大成功! 石木ダム公開討論会

3月6日あいにくの雨の一日。

それでも、約160人の傍聴人が集まりました。

関係自治体から約30人、

地元住民と5人の専門家(治水・利水・環境)で約40人との新聞報道でした。

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/230230

ということは、合計230人!

私たちが用意した資料は200部でしたから足りないはずです。

あわてて住民席から回収し、傍聴者に渡したりしましたが、それは嬉しい誤算でした。

 

 

初めに県から、石木ダム建設事業の検証について、
これまでの検討の場で「検討」してきた内容についての説明が30分弱ありました。

 

続いて、この日の最大の目的である地権者の意見発表です。

初めに口火を切ったのは、やはりI・Kさん。

1972年の予備調査の時から、県や町に騙され続け、裏切られ続けた歴史を披露しました。

また、アメとムチを使って地域の融和を破壊し、親族を分断された悔しさを語り、

なぜ自分たちが佐世保の水の犠牲にならなければいけないのか。

いま現に生活できている水があるのに、それ以上余分に欲しいというのなら、

自分たちのところに造ればいいではないか!と、声を震わせました。

 

次にマイクを持ったのは、I・Sさん。

彼女はお嫁に来て間もなくの頃の、強制測量のときの恐怖を語りました。

鉄人28号のような機動隊が大勢来て、男も女も子どもも年寄りも闘った、

まさに戦場のようだった…と。

      (前列の有識者の皆さんも涙・・・)

 

終わりのないダム計画に私たちはいつまで苦しまなければならないのか!

あなたたち職員は2〜3年で代わるけど、私たちは代われないのです!

私たちは川原から絶対出て行きません!

と、訴え、大きな拍手がわきました。

  

次は、I・Iさん。

彼は、国や県の借金の話から始めました。

私たち国民・県民がどれほど莫大な借金を抱えているか。

破たん寸前の借金を抱えながら、なぜダムを造り続けようとするのか?

2009年末、長崎新聞の県民アンケートによると、石木ダムが必要と答えた人は、約14%。

2割にも満たない人しか希望していない事業に、公益性があると言えるのか。

しかも、県は540万ものお金を「石木ダム建設対策費補助金」という名目で、
既に移転した人々へ支払い続けている。

いわゆる見返り、飲ませ、喰わせ、タクシーチケット、土産付き視察旅行などなど。

傍聴者の皆さん、あなたの税金ですよ、納得いきますか?しかたなかですか?

  

すごい説得力でした。I・Iさんを再発見した感じでした。

  

次に手を挙げたI・Kさんは、ダムが自然に及ぼす影響について語りました。

県内の雪浦ダムや熊本の荒瀬ダムの事例を具体的に紹介してくれました。

ダムができると洪水はなくなる、観光客が増える、電気代は安くなるetcと言われたけれど、

現実は逆だった。

洪水被害は酷くなり、観光客が増えるどころか、アユ漁が衰退して人口は4分の1に減ってしまった。

昨年ダムの撤去が決まって、ゲートを全開してからは、清流が戻り始め、貝やウナギ漁も復活。

ダムは百害あって一利無し!と言いきっておられるとのこと。

傍聴者も真面目に聴きいってました。

 

続くIさんは、代替案のコストへの疑問(採石場跡地利用の場合の残土処分費が高く見積もられている)を提示し、最後のSさんは、こんなでたらめな検証検討案を誰が書いたのか?

自分たちがこれまで訴えてきたことは何も検討されてないではないかと追及しました。

 

この6人の皆さんの話はどれも信頼に値する深い説得力を持って、傍聴者の心に届きました。

ヤジ・拍手は禁止との注意書きを配布しているにもかかわらず、司会者も制止できず、

度々拍手の嵐が起こりました。

 

つづいて、ようやく専門家による石木ダムの検証が始まったのは、すでに開始から半分以上の予定時間が過ぎてからでした。 

京都大学名誉教授の今本先生は河川工学と防災工学がご専門で、

素人には難しい言葉やグラフを提示しながらも、要所要所では噛み砕くように話して下さいました。

長年ダムに関わってきて、その経験から自信を持ってこのように話されました。

日本中のあらゆる川にダムを造り続けて、もう造るべき適地は残っていない。

今造ろうとしているダムは適当でない場所にあり、石木ダムも然りだということです。

最後に今本先生が伝えたいとおっしゃった言葉がこれでした。

 

治水に関して、水源連の嶋津氏からもパワーポイントを使って具体的な意見が出され、

その後、県側と今本先生・嶋津氏・遠藤氏の激しい議論が展開されました。

 

続いて、利水に関する話。佐世保市民としては興味津々で聴きました。

 

このように、実績値と予測値の大幅なかい離を示され、佐世保市水道局はどう説明するのでしょう?

 

こちらは、平成19年度の渇水時期(減圧給水実施)に、不安定水源から、

20,000〜30,000トン近い水が取水されていたことを示すグラフです。

 

 このまとめに対して佐世保市水道局の答えは、

水需要予測が実績と大きく離れていることは感じているが、それは今経済が落ち込んでいるから、

今は普通ではないのだ。景気が回復したら必ず水需要も伸びる。

これから工業団地や外国航路やハウステンボスや様々な需要拡大の計画があり…

などの説明に会場からも「絵にかいた餅だね〜」と失笑が漏れました。

 

また、佐世保市議の山下氏は、利水の転用など検討したのか?

佐々川の流量を何故調べなかったのかなどと迫りました。

しかし県は、佐々川にも新たな水利権を確保できる余裕は全くないと突っぱねました。

最後に環境カウンセラーで、川棚川水系整備計画検討委員会の副委員長でもあった川内野さんは、

今回の環境影響評価は、石木ダム建設事業を進めるための「アワスメント」でしかないと結論付けました。

環境「アセスメント」ではなく「アワスメント」

つまり、自分たちに都合のいいように合わせるという意味なんだそうです。

な〜るほど。ぴったりですね。

環境だけでなく、治水も利水もアワスメントそのもの・・そのように感じた人は多かったと思います。

 

新聞・TV等の報道では、「平行線」という見出しばかりでしたが、

傍聴席の反応はそうでもなかったですよ。

今まで、気持ち的に反対してたけど、現実的にも造る必要はないらしいということがわかったので、

自信を持って反対と言えるので嬉しいという感想などいただきました。

 

ユーチューブへのアップができましたら、またお知らせいたします。

 

 

 

 

石木ダム 〜公開討論会〜

        

 

いよいよ間近に迫ってきました。公開討論会。

昨日完成したばかりのチラシです。

 

是非、皆さま、お誘い合わせの上、ご参加ください。

ダムは必要!と思っている方も、

ダムなんか要らないと思っている方も、

なんだかよくわからないと思っている方も、

どうでもいいよ、関係ないからと思っている方も、

騙されたと思って足を運んでみませんか?

 

ダムが必要と思っている方は、不必要と考える人の理論に耳を傾けてみませんか?

そして、自分の必要と信じる根拠と比較してみませんか?

ダムが不要と思っている方も、本当にそうなのか、確かめる意味で聞いてみませんか?

よくわからない方は、少しでもわかるように聴きに来てみませんか?

関係ないと思っている方も、納税者なら、すべて関係有るんですよ。

貴方の貴重な税金がより有効に使われるために、

そして、貴方の子どもや未来のために、少しだけ耳を傾けてみませんか?

 

3月6日午後2時〜

川棚JA会館=川棚町下組郷385−1

傍聴無料

 

ダム建設予定地で半世紀に亘って、そのかけがえのない自然を守り続けている住民、

川原地区の皆さんが、心から、その思いを訴えます。

 

八ッ場ダムをはじめ全国のダム問題に精通したダムのエキスパートのお二人が東京から駆けつけ、

石木ダム事業の問題点を客観的に指摘します。

河川工学、水理、防災など流域の科学を知り尽くした専門家が、わかりやすく語ります。

 

ダムや河川に関する一流の方々が、この西の果てに集合することは最初で最後かもしれません。

お近くの方、是非いらしてください。

もちろん、遠くてもOKですよ。

 

一緒に見て、聴いて、考えましょう!

 

石木ダム事業検証〜公開討論会ついに開催!!

ついに、私たちが望んでいた公開討論会が実現しそうです!

公開討論会という正式名称が付けられるかどうかは定かではありませんが、内容的には間違いありません。

ダム建設を強く推進する県が、やっと、反対する住民の声に耳を傾けてくれます。

ダムは不要と説く専門家の意見も聴いてくれます。

聴くだけではありません。質疑応答、意見交換ができるのですから、それは討論の場となります。

それは公開され、県民は傍聴できます。

だから私たちは「公開討論会」だと位置づけています。

そして、その内容はすべて録画され、記録され、国に提出する検討結果の資料として添付されるはずです。

 

今朝の長崎新聞に、そのことが大きく報道されました。

 

石木ダム反対派と公開討論 関係自治体が3月

 県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、反対地権者らでつくる「石木ダム建設絶対反対同盟」と関係自治体との意見交換会が、来月6日に同町内で開かれることが分かった。県はダムの専門家、研究者など有識者の参加を認める方針で、実質的に反対派が求め続けてきた「公開討論会」の形となりそうだ。

 同事業をめぐっては、県、佐世保市、川棚、波佐見両町の4自治体による再検証作業が進んでいる。先月開かれた第2回会議では、県が治水、利水両面でダム事業と複数の代替案を比較し、ダムがコスト面で最も低いとの試算結果を示した。また、この会議で山口文夫川棚町長が「反対地権者の意見を聞く場を設けてほしい」と求め、事務局の県が対応を検討していた。

 意見交換会は再検証作業の一環として実施。有識者を加えることについて、県石木ダム建設事務所(川棚町)の古川章所長は「事業の専門的内容を地権者に理解、納得してもらうためには(有識者が)必要」とした。ただ、反対派の支援団体については参加を認めない方針という。

 一方、絶対反対同盟の岩下和雄さん(63)は「ダムの代替案があるということは、地権者を犠牲にしてまでダムを造る必要はないということ。(意見交換会での)われわれの意見を議事録として国に提出させたい」と話している。

(長崎新聞 2月23日付)

 

私たちは一年以上前から公開討論会を求めてきました。

石木ダム事業の検証が始まってからも、申し入れのたびに要望してきました。

しかし県の回答は、いつも「必要ない」というものでした。

なぜなら、「これまでも数十回に亘っていくつかの委員会で検討されてきたから」と。

(それらは実は、御用学者に仕切られた不当な委員会だったり、

ダムや河川のことが分かる人など誰一人いない単なる評価委員会だったり…なのですが)

だから私たちは、口を酸っぱくして訴えてきたのです。

ダムのこと、河川のこと、利水のことがわかる専門家による討論をしてもらいましょう!と。

賛成・反対双方の理論や根拠を県民の前に明らかにして議論してもらいましょう。

そうすれば、その財源を負担する私たち県民がその是非を考えることができますからと。

 

その思いがやっと通じたのでしょうか?

それとも・・・別の見方をする人もいます。

不安を感じている人もいます。

「検討の場」の結論を早く出すために、とにかく反対意見も聞いたよとのアリバイ作りではないか…と。

 

でも、私は県を信じたい。

知事、土木部長、河川課長、佐世保市長、佐世保市水道局長、あなた方を信じます。

あなた方が本当に自信を持って石木ダムが必要だと考えているのなら、

正々堂々と議論して下さい。

3月6日を私たちは楽しみに待っています。 

 

第2回 石木ダム検討の場

石木ダム建設事業について再検証するための第2回「検討の場」が28日、国民宿舎「くじゃく荘」で開かれました。

今回川棚町で開かれたことは、私たちの要望が聞きいれられたのか、であれば嬉しいけれど 
しかし、今
回も傍聴者は30人までという。
もっと広くて、何百人も入れる会場だってあるのに・・・

開会は2時30分。
その前に傍聴者をくじ引きで選ぶので、1:45〜2:15までが受付時間。

私たちは1時に集合しました。

玄関前で意思表示です。  

川原のおばあちゃん達も久しぶりに鉢巻き姿

誰かな〜?

                            県河川課のお役人だ!「ダムは造らせんぞー!」とお出迎え。

 

さて、今回は、前回すでに「見直しの必要無し」「水需要予測は妥当」と結論付けられてしまったダム案に対して、
治水、利水、そして流水の正常な機能の維持、という3つの観点から代替案が示されました。

治水代替案としては、2つの遊水地案の、放水路案、河道掘削案、引堤案、堤防嵩上げ案の6つ。

利水代替案としては、岩屋川ダム案、2つの貯水池案、地下トンネルダム案、海水淡水化案の5つ。

流水機能維持の代替案としては、岩屋川ダム案、2つの貯水池案の3つ。

そして、それぞれを、安全度、コスト、実現性、継続性、地域社会や環境への影響など6つの評価軸で対比。

 

予想通り、他のどんな代替案よりも、ダム案がコスト的に断然有利だと強く印象付けるものでした。

治水の観点からでは、現行ダム案はあと79億円ですむが、他はいずれも200億〜400億円台。1ケタ違います。

また、利水の観点からでは、多くの人が理想とする海水淡水化案(どんな渇水のときも安心だし、地権者の暮らしや環境を破壊することもないから)を1631億円(50年間の維持管理費を含む)とし、やはり1ケタ違う結果を出しています。

国の示した検証作業の実施要領に従って検討を進めることを大義名分にしている長崎県ですから、
コストを最も重視している国の方針に沿って、この評価結果が用意されたのでしょう。

 

それにしても、これらはすべて前回の前提があるからです。

「4万トンの水源を開発するためには」という大前提

これさえなければ、国が提示した方策案のうち、ダムの嵩上げや地下水取水、ため池なども詳細評価の対象となったでしょう。

 

今回の会議では、各町長や市長からたくさんの質問が出されました。
が、それは県の補足説明を促すようなものや、県の口から言いにくいことを各自治体の長が代弁しているようでもありました。

私が唯一「おお!」と思ったのは、川棚町長の発言。今後のスケジュールの説明の後、

「関係者住民への意見聴取というのとは別に、反対地権者の方々の話しを聞く場というものを設けてもらいたいがどうか?」

というものでした。

これには、その場にいた多くの人が驚いたことでしょう。

新聞・TVいずれもしっかり伝えていました。

 

一方、会議終了後私たちは1階ロビーで予定通り記者会見を開き、以下の6点について、代わる代わる強く訴えました。

①「開発水源4万トン」の見直しの必要性

②まず取り組むべきは漏水問題

③予断なき検討のために、事業認定申請を取り下げるべき

④検討中なのに、石木ダムの必要性を大々的にTVや新聞広告で宣伝しているのはおかしい

⑤諫干問題で地元の声を聞けと国を非難する県が、なぜ石木ダムの地元の声はきかないのか

⑥公正で客観的な検証をするためには、是非専門家による議論が必要

しかし、これらについての報道はほとんど見られませんでした。

 

以下の2紙だけは、伝えてくれました。

一方、反対地権者らは会議終了後、検証の在り方に反発。報道陣に対し「県が一方的に示すデータが正しいかどうかを検証すべき」「専門家を交えた公開討論会こそ誰もが納得できる方法」と主張した。(長崎新聞)

 反対派は会合後、会見し、佐世保市が1日4万トンの新たな水源開発が必要としていることについて「現実を無視した予測なのに、この数字に対する検討はない。県の説明会になってしまっている」と批判した。(毎日新聞)

特に毎日新聞は、 「データに根拠ない」県の説明に反対派 という見出し付きでした。 
 

石木ダム必要論、全面広告!

1月19日、県は、長崎新聞の第9面に、全面広告を出しました。

佐世保市民や川棚町民を守るには石木ダムしかない、石木ダムが必要なんだ、

 という県の主張をアピールするものです。

 

「本当にダムが必要なのか、他の対策はないのか見直してください」という国の要請を受けて、

いま、その検証をしている真っ最中のはずです。

この広告にあるような主張は検討の場で大いに出して、

それに対する質問や反論も受けて議論して、最も良い方法を見出して行くべき時なのに、

県は、県民の税金を使って、自分たちの主張だけを宣伝しています。

それっておかしくないですか?

 

昨年11月半ばから5週間にわたって、TVで同様の主張を放映していました。

これに対する抗議もしましたが、とうとう止めませんでした。

 冒頭に書かれている「なるほど!県政チャンネル」がその番組名です。

この新聞広告は、その番組のおさらいです。

見逃した人のためでしょうか・・・?

 しかも、ここにも書かれているように、佐世保市の水需要について、

「1人1日当たりの使用量は現在の190リットルから221リットルに増加すると予測されている」

というのが県の主張ですが、

その予測は全く当っていない、過大な需要予測だと専門家は指摘しています。

だからこそ今、それについて議論すべき時なのです。

いろんなデータを開示して、県や佐世保市の予測が妥当なのかどうか、検討すべきなのです。

それによって新たな水源確保の必要性や、その必要量は大いに変わってくるわけですから。

 

その本来やるべき検討作業を避け、形だけの、アリバイ作りだったのが

「第1回検討の場」でした。

次回はいつなのか、まだ公表されませんが、

第2回目の「検討の場」も同じような意味のないものにならないよう、

その可能性は大ですが・・・ 

私たちはできるかぎりの対策を講じていきたいと思っています。