小国川漁協、最上小国川ダムを容認

6月8日、山形県の小国川漁協は総代会を開き、最上小国川ダムについて話し合いました。

 

アユ釣りのメッカ?最上小国川に治水目的の穴開きダムの建設が決まったのは2006年。

しかし漁協はダムができれば清流が失われアユの生育に打撃を与えるとして、反対してきました。

その先頭に立っていた組合長の沼沢氏が、心労のため命を絶ったのは4ヶ月前のことです。

新しい組合長高橋光明氏は、あらためて組合員の意思を確かめることにしました。

 

約3時間半にわたる議論の末、ダム建設を容認するかどうかの無記名投票を実施。

結果は、賛成57票、反対46票で、賛成票が過半数を占めました。

 

高橋組合長は10日県庁で吉村知事と会談し、ダム建設を容認すること、

しかし、漁業権の補償については同意を得ていない、まだ時間がかかることを伝え、

知事も「それまでは本体工事は進められない」との認識を示したそうです。

 

執行部は、なぜ総代会の受け入れ決議に漁業権の変更について触れなかったのか?

それは、漁業権に触れていた場合、特別決議になり、3分の2以上の賛成が必要になるから。

漁協の定款は「漁業権またはこれに関する物件の設定、得喪または変更」について、

総代会の3分の2以上の賛成を求める「特別決議」が必要だと規定しています。

今回賛成派が上回っていたとはいえ、3分の2にはほど遠い差だったので、

漁業権に触れれば、ダム建設そのものも認められないことになるとわかっていたからでしょうか?

 

でも、ダム建設を認めることは漁業権とも繋がっているので、別問題ではないと思うのですが。

今後、県が詳しい補償案を漁協に示した後、漁協は再び総代会か組合員総会を開き決議するらしい。

稚アユ中間育成施設の老朽化や井戸水の枯渇の問題に直面している漁協は、

それらの対策を早急にやってほしいと訴えているようです。

 

結局は県と漁協の利害の一致をはかるのでしょうか。

目先の利害の。。。

漁師や、趣味の釣り人など、漁協組合員にとって本当の利益とは、いったい何?

最上小国川が清流であり続け、アユがたくさん元気に棲み続けることではないでしょうか。

 

八ッ場ダムで失われる吾妻峡

八ッ場ダムに反対しつつも、実は現場に行ったことはない。

写真で見る吾妻渓谷の美しさと、

それを破壊する根拠を持たないダム計画の無謀さを知ると、賛同できるわけがない。

(石木ダムやその他のダムと全く同じ)

 

本当は、もちろん、その場に行って、自分の目で見て感じることが大事。

でも、距離的、物理的、時間的に無理な人は多い。私も同じ。

 

で、つい最近目にした、あるカヤッカーによるブログ記事を紹介します。

http://nomadohouse.blogspot.jp/p/blog-page_9040.html?spref=tw

をよく知る人だからこその、迫力ある言葉に圧倒されました。

 

人を寄せ付けない「吾妻渓谷」。

断崖絶壁が渓谷出口まで続くため、途中で エスケープ出来るルートはないらしい。

岩肌から重々しく伝わる威圧感を撥ね退けながら慎重に進み、下りきった彼が思ったことは…

 

自然が豊かといわれる群馬県だが、ほとんどの川はダムで分断されている。

ダムが出来るとダム直下は苔が生え、岩は汚泥でヌルヌルになり、水は淀んだ状態だ。

 

もうダムによる政策は止め、後世に日本の素晴らしい川を残したいと、

自然の恩恵を受けている私たちは切実に思う。

 

今までダム問題に翻弄された地元の方々の苦悩は大変な思いで、

ここまで来たらもう建設すべきだという意見もある。

 

だが実際この渓谷を目の当たりにした時、中途半端な気持ちから一気に確信へと変わった。

「やっぱりこの渓谷は絶対に壊してはいけない」と。

 

ダム中止で地域元気に!

滋賀県の多賀町に総事業費398億円をかけて建設予定だった芹谷ダム。

ダムに依らない治水を目指す嘉田由紀子氏が知事に就任後、慎重な検証検討の結果、

2009年1月建設中止を決定。

と同時に、水没予定地区の地域振興に力を入れてきました。

昨年3月までに家屋改修や合併浄化槽の整備などを終えて、

来年度にはバイパス道路工事も完了の予定。

昨日視察に訪れた嘉田知事は、その後の地域の様子を自分の目で確認するとともに、

住民の声にもしっかり耳を傾けていたようです。

今日の新聞各紙が報じています。

 

中止で「地域に元気」 知事、芹谷ダム水没予定地視察
(中日新聞滋賀版2014年4月21日)http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20140421/CK2014042102000045.html

 
嘉田知事が視察 多賀町・彦根市 ダム中止の元予定地で振興事業 
(産経新聞滋賀版2014.4.21 02:03)
 
 
 
嘉田知事は
「地域に元気が戻りつつあり、地域振興策で過疎に一定の歯止めはかけられた。
今後の課題は獣害対策で、前向きにやっていきたい」
と述べ、
「水谷地区むらづくり懇話会」の谷口俊夫会長(64)は
 
「ようやく夜が明けた感じだが、整備は遅れた。過疎対策の支援はこれらかも必要だ」
と県のさらなる支援を求めていたということです。
 
 
 
ほんとに素晴らしいな〜と思います。
 
知事が決断すれば、無駄なダムは止められる!
 
一日も早くその決断をすれば、一日も早く水没予定地は救われる!
 
一日も早くその決断をすれば、一日も早く税金の無駄遣いが止められる!
 
水没予定地の必要な地域整備にお金を使い、地域生活は快適になり、人口流失も防げる!
 
水没予定地だけでなく、無駄遣いが減った分、必要なところへ税金がより有意義に使われる!
 
 
 
これらのことが、知事の決断で実現できるのに…
 
それをやる知事とやらない知事の違いは、どこからくるんだろう?
 
やれる知事とやれない知事の差は、いったいなんだろう?
                             

 

清流 最上小国川を守り続けた 沼沢勝善さん 無念の死

山形県の小国川漁協組合長 沼沢勝善さんの訃報は、

私たちに大きな衝撃を与えました。

ダム建設に反対の声を上げ続けた方の無念の死です。

 

昨日告別式が執り行われたそうです。

「最上小国川の清流を守る会」共同代表による弔辞がご自身のブログに掲載されていました。 

http://kusajima.exblog.jp/19457247/?fb_action_ids=593081377439975&fb_action_types=og.likes&fb_source=other_multiline&action_object_map=%5B1420902964821885%5D&action_type_map=%5B%22og.likes%22%5D&action_ref_map=%5B%5D

一部ご紹介させていただきます。

 

今日も小国川は、流れています。

清らかな、川が流れています。

アユ、サクラマス、イワナ、ヤマメ、ハナカジカ、が数多く泳ぎ、

そして夏は、子ども達がザッコしめする。

釣り人が全国から訪れる豊かな川が、今日も流れています。

それは、貴方が信念と行動をもって守り続けてきた小国川です。

 

流域小委員会は10人の委員会、9名のダム推進論者に囲まれた中で一人、

沼沢さんだけが、小国川や赤倉温泉で起きている真実を語り、

ダムによらない治水を訴えておられました。

 

昨年末山形県と水産行政が、漁業権の剥奪を楯にしダム建設を強要するという

法的にも不当といえる脅しをかけてきました。

 

権力の巨大な圧力からどうしたら小国川を守り、組合員の方々を守れるのか。

毎日毎日ずっと、懸命に全身全霊で考え続けておられました。

 

そして、ついに貴方を死に追いこんでいった

この政治や行政の病理、理不尽に、私達は、憤りをもたずにはいられません。

 

貴方は出席した「協議会」の中で、漁協の代表としてこう述べています。

改めて噛みしめたいと思います

 

  最上小国川は、ダムのない川であるが故に、

ことさら「清流小国川」として広く知れ渡り、

最上町と舟形町のかけがえのない観光資源であり、

流域の人々に計り知れない多くの恵みをもたらしていることは

誰もが認めることであります。

 

小国川漁業協同組合は、川に生息している魚族の生態系を守る事

及び繁殖保護に努めることを使命として、永年努力しております。

ダムが造られれば、これまでの自然環境に変化を及ぼし、

特に河川の生態系に悪影響が及ぶことを回避することはできません。

 

生息している魚族の生態系を守り、これらの増殖保護を行いながら

良好な漁場を維持していくことを使命とし、豊かな自然環境を後世に

引き継ぐため努力している私共小国川漁業協同組合は、

ダム建設を看過することはできないのです。

小国川に育っている魚種は、質、量とも一級品として多くの人々から

認められ、自然豊かな素晴らしい川として羨望され、

たくさんの釣り人が訪れるのです。

恵まれた自然環境は、人の手によって造られたものではありません。

多くの豊かな漁場があり、「清流小国川」として広く世間に認められ

ている大きな観光資源を未来に引き継ぐためにも、

最上小国川の治水対策はダムに依らない対策を要望します。

 

全身全霊で語られた、その言葉を私達は絶対に忘れません。 

 

沼沢勝善さんのご冥福を心からお祈りいたします。

 

八ッ場ダム本体工事の中止を求める署名にご協力を!

「八ッ場あしたの会」からの呼びかけを転載します。
 
文中にあるURLをクリックして、同会HPで詳細をご確認の上、
署名にご賛同いただけたら、たいへん嬉しいです。
 
 
 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
八ッ場あしたの会より、親愛なる皆さまへ

メールで失礼いたします。(重複送信の方ご容赦ください)

 
安倍政権は今年秋、八ッ場ダムの本体工事に着手するとしており、
名勝・吾妻渓谷では本体準備工事が始まろうとしています。

負の遺産となることが明らかな巨大公共事業により、
かけがえのない自然環境と文化遺産を破壊してしまっては、
将来の世代に顔向けできません。

八ッ場あしたの会では、八ッ場ダム本体工事の中止を求めて、
当会のホームページに呼びかけ文を掲載しました。

http://yamba-net.org/shomei/

上記ページをご覧になり、趣旨にご賛同下さる方は、
是非、ネット上でご署名下さい。

 

署名用紙でご署名下さった方々のお名前と共に、国に提出させていただきます。
このネット署名により、八ッ場ダム反対の世論がさらに高まることをめざしています。
メール転送、ツイッター、フェイスブックなどでもご協力いただければ幸いです。
 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
 
八ッ場ダムは遠い群馬県に建設予定のダムですが、国営ダムであり、
つまり私たち国民のお財布から出たお金で造られるダムです。
私たちと無関係ではありません。
 
国民の義務として支払っている税金ですが、
政府にプレゼントしてるわけではありませんので、
好き勝手に使わないで頂きたい。
納税者として「こういうことに使ってほしい、こういうことには使わないで」
と意思表示する権利があると思います。
そういう意味でも、私はこの署名に賛同しました。
もちろん、吾妻渓谷の偉大な自然を守りたいという願いを込めて。。
 
 
八ッ場ダムは2009年民主党政権誕生と同時に前原新国土交通大臣が中止宣言。
あの時は本当に嬉しかった
やっと無駄な公共事業を廃止して「コンクリートから人へ」に移行するのかと
期待しましたが、その後河川官僚の巻き返しを受け、あえなく撃沈。。
無意味なダム検証を経て、当時の前田武志国交大臣が継続のお墨付きを与え、
今ではちゃくちゃくと本体工事に向かっているようです。
 
この流れを止めるには、やはり意思表示が第一歩ではないでしょうか。
八ッ場ダムは造るべきじゃないor要らないと思っているなら、
意思表示しなきゃ伝わらない。
現状を認めることになってしまう。。
首都圏の皆さんだけの問題じゃない。
私たち自身の問題。
不要なダムがどんどん許されていったら、
石木ダムにもその流れが押し寄せてくるでしょう。
(もう十分きていますが)
 
どこのダムでも不要なものは止めましょう。
無駄な公共事業は減らしましょう。
いま国のお金を本当に必要としている人々や事業はたくさんあるのですから。
まず、原発事故処理!災害復興支援!
避難解除になっても荒れ果てた自宅には戻れないし、
行く当てもなく避難所生活を続けているお年寄りがたくさんいます。
年を越すためのお米や毛布を送って下さいとのSOSが年末に届きました。
こんな人たちのことを顧みない現政府は、まさに「人よりコンクリート」主義。
このままでいいの?
 
ネット署名にはメッセージ欄もあります。
メッセージも一緒に八ッ場あしたの会さんが届けてくれます。
 
 
 
拡散よろしくお願いします。 
 

川は流れてこそ川

熊本県の球磨川といえば、日本三大急流の一つ。

川下り、アユ、を連想する清流ですが、ダムが造られてからは、

水質悪化、アユの減少、洪水被害等々流域の人々は苦しめられてきました。

そこで大きな住民運動がおこり、ついに昨年から荒瀬ダムの撤去作業開始。

ダム撤去による効果を確信した住民は、

今度は瀬戸石ダム(荒瀬ダムの約10キロ上流にあるダム)の撤去を求めて、

24日八代市で集会を開きました。

その集会で採択された宣言文をご紹介します。

「川は流れてこそ川」という一文が強く心に残りました。

同感です。

流れを止めれば、それはもはや川ではなく、

川としての死を招き、流域の生態系の死も招いていくでしょう。

私たちの血管の流れを止めたら、私たちの体はどうなるか?

それとおなじことでしょう。

 

         集会宣言

かつて私たちにとって、球磨川は文字通り宝でした。

澄んだ豊かな流れとともに、鮎を始めとする多くの魚が群れ泳いでいました。

球磨川はとりきれないほどの魚を私たちにもたらしました。

また私たちは、川で泳いだり遊んだりしていました。

私たちの生活は川とともにあったのです。

私たちから川を遠ざけたのはダムです。

ダムは水害を引き起こし、私たちの家や財産を奪いました。

ダムが出来る以前には水害という言葉はありませんでした。

ダム湖からの放流やダム湖の水位上昇により、ダムは球磨川を水害頻発地帯

に変えてしまったのです。

また、水質悪化をもたらし、ダムができるごとに漁獲高は激減していきました。

1958年の完成以来、このような瀬戸石ダムによって私たち流域住民は

苦しめられてきました。

しかし、電源開発は、瀬戸石ダムの弊害の実態に目をそむけ、認めようとしません。

私たちの声には耳を貸さず、瀬戸石ダムの水利権申請を急いでいます。

私たちはこのような電源開発の姿勢を容認するわけにはいきません。

熊本県は球磨川水系において、これまで川辺川ダム中止、五木ダム中止、

荒瀬ダム撤去という政策を採ってきました。

ダムのない社会を目指す私たちはこのことを高く評価しています。

私たち流域住民は「球磨川は宝」という熊本県の基本的な立場から、

熊本県が私たちの声を聞いて、

瀬戸石ダム撤去の実現を目指して動いていくことを期待しています。

川は流れてこそ川。

瀬戸石ダムは能力の6割程度の発電しか行っておらず、

川をせき止めているだけの障害物です。

蒲島郁夫熊本県知事の英断で、荒瀬ダム撤去が実現し、今、清流・球磨川や

豊饒の海・不知火海がよみがえりつつあります。

ダム中止・撤去にこそ明るい未来があるのです。

ダムはもう沢山です。

私たちに宝の川、球磨川を返してください。

私たちは、瀬戸石ダムの存続を許さず、その撤去を実現するまで闘っていくことをここに宣言します。

 

2013年11月24日「球磨川は宝 瀬戸石ダムはいらん!住民大集会」参加者一同

 

裁判長、起きてください!

行政による横暴が実行に移される可能性があるとき、頼りとするのは司法。

今回石木ダム事業認定についても、それはおかしい、まちがっている、

と感じている人々は少なくない。

いずれ、事業認定の取り消し訴訟や執行停止訴訟が始まるでしょう。

 

でも、その司法の場は期待できるのでしょうか?

期待したいけれど、今日のこのブログを見たら・・・

10月9日「裁判長、起きてください!」です。

http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-a94e.html

 

政策エッセイストまさのあつこさんのブログ「晴れの日は楽しく、雨の日は静かに」に

掲載されていたおもしろい記事です。

クスッと笑い、その直後にため息のでるような内容でした。

 

「このデータは、控訴人にとっては、八ッ場ダムへの支出は違法である、ということを立証する一つの重要な根拠であり、それを3人の裁判官に示したことになる。

根拠は全部で34点にも及んだ。証人は、裁判長の顔を見上げて、弁護士の質問に答えながら一つひとつ丁寧に論証していった。

ところが、この論拠を審理する3人の裁判官のうち、真ん中の一番高いところに座っている裁判長が、寝ていたのである。

裁判長、起きてください!

傍聴人として、取材者として、そう言って起こすべきだっただろうか。」

 

「審理中に寝ていて、これが公正な裁判なんだろうか。

果たして、この人は、その判決文に自分の名前を記すことができるのだろうか。」

 

「この珍事をツイッターでつぶやいたら、連動させているFacebookから、「だから法廷は撮影禁止なのです。そう思います」とある弁護士から届いた。」

 

まさのさんの記事はいつもユーモアをもって書かれているけれど、

そこにある現実はかなり深刻です。  

 

集中豪雨 ダムは被害を大きくする

先週末から全国各地で集中豪雨による被害が相次いでいますが、

集中豪雨とダムに関するこんな報道がありました。

 

河北新報2013年07月29日の記事によると、 

http://www.kahoku.co.jp/news/2013/07/20130729t63004.htm

2011年7月末の新潟・福島豪雨で被害を受けた人々が集まって、

只見川流域の東北電力と電源開発の発電ダムの影響で、豪雨災害が起きた

と指摘したそうです。

ダムの操作規定を発電優先から、住民の生命優先にするように求め、

国、県には被害をダムによる災害と認め、水害防止対策の早期実施を要求しました。

新潟・福島豪雨では只見川が氾濫し、

福島県内では金山町、只見町などで住宅33棟が全壊、200棟が半壊し、

只見線も鉄橋が流失してしまいました。

東北電力は自然災害だとして、ダムによる被害拡大を否定していますが、

被災者の会は、東北電に損害賠償請求する方針だそうです。

 

ダム事業者としては、認めたくないでしょうが、これは人の命がかかっています。

異常な集中豪雨では、ダムは治水の役目を果たすどころか、

被害を甚大にするものであることを真摯に受け止めるべきだと思います。

 

フリージャナリストの高杉晋吾さんは、このように述べています。

数十メートル、あるいは百数十メートルのコンクリートダムの狭められた排出口から…

水が巨大なジェット噴流となって下流の住民の住む地域に落下放出されるのである。

この膨大な水の量と激浪は、いかなる山岳の自然な鉄砲水も及ばない怒涛の噴流

の衝撃となって下流に叩きつけられる。

だが、ダムが放出する噴流が落下する地点は何十万トンの激流に耐えられるように

はできていない。人びとが日常生活する土地は地質と砂礫、粘土層、地下水層等が

かさなったやわな地盤である。

これらが「予測以上の洪水」が起きるたびに行われるダムの常態なのである。

石木ダムにも同じことが言えるでしょう。

川棚町の皆さんにも是非知ってほしい大事なことだと思います。

 

ダムの段々畑

水源連のMLに、昨日の河北新報社の記事が紹介されていました。

 

新潟・福島豪雨 金山の住民、東北電に損害賠償請求へ

2013年06月30日http://www.kahoku.co.jp/news/2013/06/20130630t63017.htm

2011年7月の新潟・福島豪雨で被災した只見川流域の福島県金山町の住民が29日、「災害はダムが原因」として、本名ダムなどを設置している東北電力に損害賠償請求する方針を決めた。

損害賠償請求するのは、只見川ダム災害金山被災者の会。斎藤勇一会長は「洪水調整機能のない発電用ダムが、洪水被害を発生させたのは明らかだ」と請求理由を語る。

損害賠償請求の時効の3年を迎える来年7月末までの提訴を目指す。今後、被害額と訴訟参加者を確定して団体請求を行う。

新潟・福島豪雨では只見川が氾濫し、福島県内では金山町、只見町など1市8町2村で住宅33棟が全壊、200棟が半壊、77棟が床上浸水した。

東北電力は自然災害によるものとして、ダムによる被害拡大を否定している。

 

この記事を紹介してくださったSさんは、『只見川の発電水利の概況』のURLも示されました。
http://www.hrr.mlit.go.jp/agagawa/agagawa/saigai/n01/n01-s04.pdf

その中の地図を見てびっくり! 

只見川に沿って、ダム、ダム、ダム・・・

「只見川は発電用ダムの段々畑という状態になっています」

というSさんの表現に納得。

 

これはひどい・・

あまりにもひどい・・

水量が豊富な川だそうですが、

それは、流れを切り刻まれた只見川の、涙なのかもしれません。

 

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本明川ダムから撤退 賢明な長崎市

6月1日の長崎新聞に大きく報道されたこのニュースが話題になっています。

 

本明川ダム(国営)計画に利水参画していた長崎県南部広域水道事業団が、撤退することになりました。

その理由は、

1.長崎市の新たな水需要予測によると、本明川ダムに水源を求める必要がなくなった

2.よって長崎市は、同事業団から撤退する

3.長崎市が撤退したら、ダム負担金以外の施設整備費の国庫補助がなくなる

4.そうなると水の供給単価が2倍以上に跳ね上がる

5.同事業団としては継続が難しくなったので解散することにした

ということのようです。

 

長崎市は、近年の水需要の減少を冷静に受け止めて将来を予測、

結果、5年前は、日量あと7,500m3必要だとしていた水が、今回はゼロになったのです。

 

長崎だけではありません。

諫早市も、5年前は9,600m3必要と言っていたが、今回は4,800m3に半減。

 

両市の水道局の予測が誠実におこなわれた結果でしょう。

そして、同企業団が解散すれば、時津町と長与町、諫早市の代替水源はどうなるのか、

それは、浄水方法の変更や、河川の水利権の増量などを検討したいとしています。

 

佐世保市水道局も、同じ県内の仲間を見習ってほしいものです。

水需要減少の現実をしっかり受け止めて、

無駄なダム建設から撤退する勇気を学ぶべきです。

そして、どうしてももう少し水源が必要というのなら、

ダム以外の代替水源を真剣に探すべきです。

 

昨日の毎日新聞によると、

長崎市が撤退を決めた理由を田上富久長崎市長は、

「生活様式の変化や節水意識の向上で1人当たりの生活用水が減少したことなどによる」

と説明したそうです。

私たちが公聴会で指摘したことと全く同じですね〜