知事からの回答

10月8日に送った知事への公開質問書(https://ishikigawa.jp/blog/cat16/623/

に対する回答書がやっと今日、10月27日に届きました。

 

 

石木ダム建設絶対反対同盟 様

石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会 様

水問題を考える市民の会 様

石木川まもり隊 様

石木川の清流とホタルを守る市民の会 様

 

 先般の「石木ダム事業認定に関する公開質問書」に対して、以下のとおり回

答いたします。

 

(1) 「国土交通省から通知された「石木ダムに関レては、事業に関して様々な

意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望

する」に対しどのような努力をされましたか」についてですが、

 

(回答)

 石木ダムのダム検証につきましては、6月11日に、「補助金交付を継続」とする、

国土交通省の対応方針が出されたところでありますが、まずは、川原地区の地権

者の皆様にお知らせするべきだと考え、ダム検証の結果報告と、改めて、お話を

させていただきたい旨の親書について、直接手渡したいと代表者の方に申し入れ

を行ないましたが、受けていただけませんでした。このため、やむを得ず、川原地区

の皆様に、郵送により送付させていただきましたが、残念ながら親書は返送されて

おります。

 その後、川原地区にお住まいの地権者の皆様と、是非ともお会いして、我々の気

持ちをお伝えレ、事業への協力をお願いするため、職員が文書を携え直接お渡し

しようとしましたが、ほとんどの方にお受けいただきませんでしたので、再度、やむ

を得ず、文書を郵送させていただきました。

 その後も現在に至るまで、話し合いの継続や、事業への協力をお願いさせて

いただきたく、川原地区の皆様に、再三、職員が直接、訪問させていだだいて

おりますが、未だに、話し合いに応じていただけない状況が続いているところ

です。

 今後とも、一日も早くご理解をいただけるよう、誠心誠意対応してまいります。

 

(2) 「私たちは、長崎県が事業認定申請を限り下げて、石木ダム建設事業につ

いて白紙の状態で話し合うことを求めます。公開の場で双方が納得のいくまで

討論し合うことは、「地域の方々の理解を得る努力」のひとつとして評価されると

思いますがいかがですか」についてですが、

(回答)

 事業認定につきましては、土地収用法に基づき、事業認定庁が中立的な第3者

の立湯で、事業の公益性、必要性を改めて判断するものであります。また、その手

続きの中では、公聴会の開催など、住民参加の機会も確保されているため、事業

認定は話し合いの進展を図るうえでも有効な手段と考えております。

 

 石木ダム事業の推進のためには、地域の皆織のご理解を得られるよう努力する

ことが重要であると考えており、今後とも、あらゆる機会を捉えて、話し合いが継続

されるよう取り組んでまいります。

 

(3) 「石木ダム事業は諸々のデータを精査すればすでに破綻しています。この際

勇気ある撤退を検討する時期と思いますがどうですか。」についてですが、

 

(回答)

 石木ダムにつきましては、川棚町民の生活を洪水から守り、佐世保市民が水不

足のない安心した生活を確保するために、必要不可欠な事業であります。

 川棚川流域では、これまで、戦後4回もの大きな洪水被害が発生しており、

川棚町民の安全で安心した生活を確保するためには、抜本的な治水対策が早急

に求められております。特に、平成2年7月の梅雨前線豪雨も、大きな被害が発生

しております。

 また、本年7月に発生した九州北部豪雨災害では、これまでに経験したことのな

いような大雨を記録し、甚大な被害が発生しておりますが、川棚川流域においても、

何時でも、起こりうると考えております。

 さらに、佐世保市は安定して取水できる水源が不足し、慢性的な水不足に悩まさ

れております。特に平成6年の大渇水においては、264日間にも及ぶ給水制限と

なり、市民生活に重大な影響が生じておりますが、佐世保市内で安定した水資源を

確保できる適地はないため、石木ダムによる水資源の確保が必要であります。

 このように、石木ダムの早期着工と早期完成は、長崎県にとりましては喫緊の課

題であると考えております。

 

 最後に、石木ダムの事業推進のためには、川原地区にお住まいの地権者の皆様

方との話し合いを継続させていただき、石木ダムの必要性についてご理解をいただ

けるよう、誠心誠意取り組んでいくことが最も重要だと考えておりますので、何卒よろ

しくお願いいたします。

                                       平成24年10月26日

                                      長崎県士木部河川課長

 

誠心誠意ね〜

もう聞き飽きました。

誠心誠意という言葉が何だか薄汚れた感じすらします。

 

私たちは、質問書の最後に、10月18日までに回答を送ってくださいと明記の上依頼していました。

前日の17日に、こちらの担当者が県の担当者に念押しの電話を入れたら、このような返事が返ってきました。

 

「通年議会になり毎日忙しい。回答するかどうかも含めて検討中である。

最終的に知事の決裁を得るまでにはだ時間がかかる。

検討中であるが、いつまでに回答できるか返答できない。

また知事も忙しくなかなか会えない」

 

回答するかどうかも含めて検討中 

回答しないことも有りってわけ 

地権者を含む5団体のメンバーが、時間をかけて、議論して練り上げた質問書に、

回答もせず、無視することさえ考えているという・・

そのどこが「誠心誠意」なのでしょう

 

通年議会で忙しい?

知事も忙しくて会う時間がない?

と言いつつ、

ダム推進派の団体が要望書を提出しに来た時は、

知事自ら会って受け取り、面談していましたね〜

あれは、10月5日で、やはり議会中でしたよね〜

 

もう口先だけで語るのは止めてください。

地権者や、反対市民団体の声にも、まともに耳を傾けてください。

 

回答書を見て、

1.県のしている努力は自分たちの考えを一方的に伝えようとするだけ。

2.地権者側の提案(公開の場での討論)には全く応じる気無し。

3.相変わらずダム有りきの論理でしか治水や利水を考えようとしない。

こんな県の姿勢を感じました。

残念です。

 

政府と国会へ石木ダム事業認定手続きの中止を求める請願書を送りました

15日、長崎県議会は、石木ダムの事業認定申請を求める意見書を本会議で採択後、

即日、衆院議長、参院議長、総理大臣、国土交通大臣、官房長官に提出しました。

 

そこで、私たちは、その提出先へ、反論の意見書を送ることを決め、

19日、県議会と同じ5ヶ所に送付しました。

 

え?総理大臣にも送るの?

見らんやろ?郵送代のムダ!

との声もありましたが、

「県議会が送った同じところに全て送るべき」

「推進要請だけ受け取ったひとは反対派の存在を知る術がない」

などの声があり、な〜るほど、そんなものか…

と皆が納得した次第です。

 

また、本日、このことを、県政記者室に公表しましたので、ここでも公開することにします。

 

以下、私たち6団体の思いがこもった意見+請願です。

こちらは国交大臣あてのものですが、他4通も同文です。

大臣の目と心と頭に届くことを祈りつつ・・・

 

2012年10月19日

国土交通大臣

羽田雄一郎 様

 

石木ダム建設絶対反対同盟
 ダムからふるさとを守る会
 石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会
 水問題を考える市民の会
 石木川まもり隊
石木川の清流とホタルを守る市民の会

 

 

石木ダム事業認定手続きの中止を求める請願書

 

1.石木ダム建設絶対反対同盟は、生まれ育った美しいふるさとを守り、そこで暮していきたいと願って、50年来、長崎県など行政当局のさまざまな圧力や懐柔策にも耐えて、長崎県が計画する石木ダム建設によって集落が水没させられることに反対している13世帯71人の団体です。

連名している5団体は、石木ダム建設計画を研究して、川棚川の洪水対策にも、佐世保市の水源確保にも石木ダム建設は必要でないことを明らかにしている団体です。

 

2.長崎県議会が、衆・参両院議長および内閣総理大臣などに対して、「石木ダム事業認定手続きの進展を求める意見書」(本年10月15日付)を提出しましたが、これには県議会で強い反対意見が述べられています。また、その意見書自体も事実を歪曲した内容になっています。

ダム建設事業については、政府の見直し方針の下で「予断なき再検証」が求められました。ところが長崎県の検討の場は、計画批判の意見には耳を傾けず、建設継続を押し通しました。また、検証期間中も建設推進のキャンペーンを行いました。まさに「予断をもった再検証」でした。

 

国(国土交通省)は、長崎県の「石木ダム建設事業継続」方針を追認し「補助金継続」を決定しましたが、「建設事業について地域の理解を得るよう努力することを希望する」との付帯意見をつけました。しかし、長崎県は、一方的な推進キャンペーンを行うだけで、地元住民などが求めている建設事業についての公開討論会の開催を拒否するなど、「理解を求める努力」はしていません。それどころか、県当局は、「(地権者)全員の同意がなくても事業は実施できる」と発言するなど、威嚇的な態度さえ示しています。

 

3.長崎県議会の意見書は、「佐世保では市民の水不足への切なる願いから・・・盛大なパレードが実施され、」と述べていますが、実態は、佐世保市職員や関係業者など、当局が動員した「やらせパレード」ともいわれるものでした。

佐世保市内の市民団体が行った街頭アンケートでは、「石木ダムは必要ですか」の質問に、98人中、必要27%、不要57%の回答が寄せられるなど、市民の意見は、むしろ変化しています。

 

4.治水に関して、長崎県の説明資料には水害防止を裏付ける説明文及び学問的に分析された各種データはありません。

専門家は、「過去の川棚町における水害データを精査した結果、川棚町の洪水は内水氾濫であり、その要因の第1は地政学的なものである。第2は雨が続き気象学的要因が重なれば内水氾濫の発生の可能性は非常に高まる」と指摘しています。石木ダムでは川棚町内の水害(内水氾濫)は防げず、洪水対策にはなりません。

 

5.利水に関して、現在、佐世保市水道水源の安定的な供給能力は、9万5000㎥/日です。これに対し、近年の配水量は、平成19年 7万9000㎥/日、平成20年 7万7000㎥/日、平成21年7万4000㎥/日、平成22年 7万2000㎥/日、平成23年 7万1000㎥/日 (年間一日平均値、千台未満四捨五入)で、供給能力にかなりの余裕があります。

佐世保市の平成23年度の水道配水量は、石木ダム建設計画の同年度予測値に比べ、一日平均配水量で約1万4000㎥/日、一日最大配水量では約2万5000㎥/日も減少しました。平成24年度の水道事業予算でも、同予測値に比べ一日平均配水量で約1万4,700㎥/日も少ない見込みを立てています。

その上に、4万㎥/日の石木ダム建設がなぜ必要なのか、市当局はまともな説明が出来ないでいます。市当局は、「佐世保市の発展のために必要」との理由を持ち出しています。これに対し、水没予定地の住民から「私たちを佐世保市の発展のための犠牲にするのか」と怒りの声が上がっています。

石木ダム建設事業は、水道施設整備事業として厚生労働省の補助事業でもあります。今年度はその再評価実施年度ですが、上記で示した近年の配水実態の中で、市当局は、今に至るも再評価を行う手続きの目途さえ立たない状態です。

 

6.長崎県議会の意見書は、「事業認定手続きの進展」を求めています。

これは、強制収用につながる手続きです。建設が必要でもないダムを造るために、「理解を求める」努力もせず、「ここに住み続けたい」という住民の財産を取りあげることは、基本的人権を踏みにじり、正義にも人道にも反する行為であります。

意見書は、8割の地権者は協力していると述べていますが、人権は多数の力で奪ってよいものではありません。むしろ2割もの地権者・住民が「ここに住み続けたい」と願い、ふるさとを水没させるダム建設に、半世紀に亘って反対し続けていることこそ重視されるべきです。

国会および政府におかれては、国民の税金を無駄に使わない、そして国民の人権を守る立場から、石木ダム事業認定手続きは中止されるよう対処していただきたく、請願いたします。

(以上) 

県議会、意見書可決

10月15日、長崎県議会は本会議において、

石木ダムの事業認定申請を求める意見書を採択しました。

 

賛成38、反対5、棄権2でした。

 

反対した議員の一人、堀江ひとみ議員の反対討論をご紹介します。

 

 ただいま議題となりました石木ダム事業認定手続きの進展を求める意見書につきましては、

以下の理由で反対いたします。 

 

 事業認定が、地権者との話し合いの場をつくるためと言っても、強制収用に道を開く 手続き

そのものです。事業認定手続きは、住民の不安と不信を募らせるばかりです。

30年前の機動隊導入による強制測量が引き起こした事態への反省もなく、再びこれを繰り返

すならば、地権者のみならず県民の理解を得ることは到底できません。

「生まれ育ったここで農業を続けたい」「ここに住み続けたいだけなんだ」という、住民の憲法で

保障された権利は、誰であっても、踏みにじることは許されません。

強制収用という野蛮な行為は、絶対にすべきではありません。

 

 国は石木ダムの事業継続を決定しましたが、「地域の方々の理解が得られるよう努力すること

を希望する」と、意見をつけています。

国が求めた努力をせずに知事は、国土交通省九州地方整備局に対し、事業認定手続きを求め

ました。県民からは、こうした行動が、不誠実で一方的な行動であり怒りさえ感じるとの声が寄せ

られました。

 本意見書を、県議会が採択することは、反対土地所有者のみなさんとの話し合いの場も、さらに

遠ざけると判断します。

 

  本意見書では、佐世保市の安定的な水資源確保のために、石木ダムが必要不可欠な事業と

して、多くの人が認めていると述べていますが、そうは思いません。

 いま佐世保市が提供できる水の、提供能力は、安定水源・不安定水源と合わせて、毎日平均、

9万2,000トンです。佐世保市民の使用水量は、1万トン近い漏水も入れて7万4,000トンです。

9万2,000トンの水があって、使用している水量は7万4,000トン。おつりがきます。

 水不足ではなく、佐世保市の水は足りています。

それなのに、新たに1日4万トンの石木ダムが、どうして必要なのか。説明がつきません。

 

 石木ダム計画も含めた水需要予測は、一日13万トンです。

これは人口の約2倍ある長崎市が毎日使用している水量です。人口は長崎市の半分しかない

のに、使う水の量は長崎市と同じぐらいの、水需要を求めるということ自体、いかに過大な需要

設定であるか、明らかです。

 

 9月24日付毎日新聞では、「石木ダムの水需要予測プラスに転じる材料乏しく」と、報じてい

ます。佐世保市の11年度水使用の実態は、需要予測に反して、予測値よりも約2万6千トンも

低くなりました。

 

 水需要予測が実態にあわないこと。過大な需要設定であることが、多くの県民に明らかにな

ってきました。必要のない石木ダム建設は直ちに中止を。この声が、以前にも増して県民、市民、

町民の間でひろがりを見せています。こうした県民の声に応える立場から、意見書には反対です。

 

  以上、反対討論といたします。

 

緊急学習会

お知らせが遅れましたが、

明日、10月13日(土)、午後2時〜

させぼ市民活動交流プラザにて、学習会を開きます。

 

石木ダム問題の現状について学習します。

6月11日国交省の判断が示されて以降、何がどのように変化しているのかいないのか、

国の判断を県や市はどう受け止め、どう動いてきたか、

九州地方整備局はその後どのような動きを示しているのか、

佐世保市議会は?長崎県議会は?地元住民は?

とりわけ、佐世保市水道局は?

そのような現状を整理し、共通認識を深めたいと思います。

 

なぜ、とりわけ水道局かと言いますと、

今年度の再評価委員会開催に向けて、もうタイムリミットが刻々と迫っているからです。

それでも未だ準備が進まない?進めない?のは何故か。

より良い再評価を望む私たちにできることはないのか、考えていきたいと思います。

 

お時間と関心のある方は、どなたでもご参加ください。

 

今日の愛媛新聞の社説では、山鳥坂ダムの検証について、問題点をズバリ指摘しています。

そもそも検証の在り方自体が当初から批判されてきた。国交省が自らの事業を検証する矛盾。

当事者である自治体がダム推進を口にする矛盾。立場を逸脱していよう。

まず国は、過去のダム事業推進の姿勢を謙虚に省みた上で、

3年間もの怠慢を猛省しなければならない。

その上で検証手法の改革と、公平公正な結論を急ぎ求めたい。

まさにその通り。

山鳥坂ダムは国営ダムですから、これを石木ダム問題と水道局に当てはめて考えると、

水道局が自らの事業を再評価しようとする矛盾。

過去のダム有りきの姿勢を謙虚に省みた上で、

今年度に入ってから10ヶ月も何も準備してこなかった怠慢を猛省しなければならない。

その上で、再評価手法の改革と、公平公正な結論を急ぎ求めたい。

やればできる脱ダム

今夜の報道ステーションは、滋賀県の嘉田由紀子知事にフォーカスし、

まさに「コンクリートから人へ」を実現する、見事な脱ダム政策を紹介してくれました。

 

嘉田知事は北川第一ダム、芹谷ダム、国営の大戸川ダムの3つのダムを凍結しました。

民主党が掲げたキャッチフレーズ「コンクリートから人へ」の象徴だった八ッ場ダムは、

政権交代当初、中止を明言していたのに、2年後にはあっさり継続と変更  

4600億円の税金が投入されます。

滋賀県にも国営の大戸川ダムの計画があったけれど、嘉田知事が3年前に凍結。

知事は、莫大な予算と時間がかかるダムより、

河川改修のほうが、水深を確保でき、予算も大幅に減らすことができると自ら検証

さらに、大阪府や京都府などにもダム凍結した方が費用対効果が高いことを納得させました。

しかし国はあきらめず、官僚からの激しい抵抗があり、

大戸川ダムの凍結を堺に国の補助金を2割以上減少させたそうです。 

 

国がダム建設にこだわる背景を、元国交官僚の宮本さんは、

「役所は個人の部局のためにダム建設を進めている」と河川ムラの存在を語っていました。

そんな巨大な官僚の抵抗にも負けず、なぜ嘉田知事はダムを凍結できたのか?

 

それはきっと、農村研究や農に欠かせない水問題にも精通した専門家だったことが大きいのかも…

洪水対策には、河川改修やハザードマップが有効であることに自信を持っていたから、

内部からもあれほどの抵抗を受けながら、揺るぐことがなかったのでしょう。

また、住民への保障も重視し、ダムを凍結しても地域振興策を続けることを約束、

ダムを凍結した資金で、就労支援や介護・衣料の充実を図り、

住民も次第に理解を示し始めました。

結局、嘉田知事は、合わせて1908億円かかるダムを凍結し、

洪水対策として104億円かけて河川改修をやるという政策を実践しているのです。

 

コストの面ではもちろん、洪水対策としても、地域対策としても、

地に足のついた、住民の暮らしを守る政策です。

TVを観ていて、感動さえ覚えました。

 

こんな知事がもっともっと増えて欲しいものですね〜 

 

中村知事への公開質問書

去る9月14日、知事は、九州地方整備局に対し、

「足踏みしている事業認定手続きについて、早急に進めていただくよう」

電話で要請を行っていた、ということを、私たちは10月5日に確認しました。

 

この行動は、国交大臣が要望した「地域の方々の理解を得る努力」とは正反対のもの、

地権者の気持ちを逆なでするものです。

とても看過できません。

 

そこで、私たち5団体は、次のような公開質問書を県知事宛に送付しました。

回答期限は10日後としました。

10日あれば、お答えいただけますよね?

中村知事の誠意ある回答をお待ちしています。

 

 

2012年10月8日

 

長崎県知事 中 村 法 道 様

 

石木ダム建設絶対反対同盟

石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会

水問題を考える市民の会

石木川まもり隊

石木川の清流とホタルを守る市民の会

 

 

石木ダム事業認定に関する公開質問書

 

 去る6月11日に国土交通省は、長崎県に対して石木ダム建設事業に関する国土交通省の対応方針を伝え,あわせて「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」旨を通知しました。

ところが新聞報道等によると、貴方は9月14日の県議会一般質問に対する回答で、国土交通省九州地方整備局に対し「あらためて事業認定手続きを早急に進めていただくように要請する」と表明し、直ちに事業認定手続き促進要請を行ったそうです。私たちは貴方のこの行動を容認できません。国土交通省が求めている「理解を得る努力」を何ら行っていないではありませんか。私たちは貴方の不誠実で一方的な行動に怒りさえ感じます。

認定庁が動かない、いや動けないのはいろんな理由があるからです。そのひとつに国土交通省は長崎県の行動を監視する責務があるからです。上記の通知文が意味することについて6月27日に社民党の中島隆利衆議院議員 吉田忠智参議院議員が国土交通省の担当幹部(水管理・国土保全局の森北佳昭・治水課長、泊宏・河川計画調整室長)からヒアリングを行いました。

2012年6月27日の中島隆利衆議院議員 吉田忠智参議院議員の国土交通省ヒアリング 

主な質疑応答

        (答:森北佳昭・治水課長、泊宏・河川計画調整室長)

質問:国土交通大臣から長崎県知事への通知文書は国土交通大臣の意思であると解してよいか。

答:  国土交通大臣の意思が入ったものである。

質問:国土交通大臣の通知についてあとのフォローをどうするのか。

答: 新聞報道によれば、県は地域の理解に向けては誠心誠意努力すると述べているので、国土交通省としては見守っていく。通知を出したから終わりということではない。

質問:もし長崎県が通知を無視して、地元の理解を得る努力をせずに強行した場合はどうするのか。

答: 仮定の話には答えられない。

質問:長崎県が事業推進のための補助金の増額申請をしたときに、長崎県の姿勢が通知とは異なると判断された場合はどうするのか。

答: 仮定の話には答えられないが、国土交通省としては長崎県の姿勢を見守っていく。

その時の主な質疑応答は次のとおりです。(提供:水源開発問題全国連絡会)

上記のとおり、国土交通省から長崎県への通知文「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」は、国土交通大臣の意思が入ったものであり、それゆえに国土交通省としては通知を出して終わりということではなく、長崎県の姿勢、すなわち、通知文の趣旨に沿って努力することを国土交通省が見守っていることを、担当幹部が明らかにしました。

仮定の話に答えられないということでしたが、長崎県がこの努力を怠った場合は国土交通省として何らかの対応をすることになるのではないかと推測されます。

そこで下記の質問にお答えください。先の長崎県による「事業認定手続き促進要請」行動は、私たちに不信感を与えています。誠意ある回答を期待します。

 

1 国土交通省から通知された対応方針「石木ダムに関しては、事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」に対しどのような努力をされましたか。

2 私たちは、長崎県が事業認定申請を取り下げて、石木ダム建設事業について白紙の状態で話し合うことを求めます。公開の場で双方が納得のいくまで討論し合うことは、「地域の方々の理解を得る努力」のひとつとして評価されると思いますがいかがですか。

3 石木ダム事業は諸々のデータを精査すればすでに破たんしています。この際勇気ある撤退を検討する時期と思いますがどうですか。

 

以上の3点に対するご回答を10月18日(木)までに下記の連絡先へ文書でお寄せくださるようお願いいたします。

 

 

神奈川はこんなに水が余っていた!

先月、渇水で大騒ぎしていた首都圏。

貯水率が激減した矢木沢ダムの映像を何度も流し、

「だから八ツ場ダムが必要なのだ」とメディアも言いたげ・・・

 

おかげで、こちらまでトバッチリを受けました。

佐世保市議会は、

「もし今の関東地方で起こっている渇水が九州で発生すれば、本市はひとたまりもありません

おそらく厳しい給水制限を余儀なくされた平成6年以上の大渇水となるのではないでしょうか」

と意見書の中で述べ、危機意識を煽っていました。

 

ところが、

現実は、あの時も、関東は危機ではなかったようです。

たしかに利根川水系の水は激減していましたが、

東京のお隣の神奈川県では、「八ツ場ダムを造らないで、こっちの水を買ってくれ」

と言いたいくらい水が余っていたのですから。

 

余分なダムをたくさん造ったために、

使っているのは半分ほどで、あとの半分はまさに「水に流して」いるそうです。

しかも、そのダムからの水は、自己水源(地下水や河川水)の3倍もの価格になるらしい。

そのわけは・・・

こちらの動画をごらんください。

とてもわかりやすい!

 

 

 

どこでも、ダムを造るときは、

過大な予測をたてるんですよねー。

その予測を立てた方は、今頃どうしているんでしょうね〜

何年も借金を背負わせて、市民はめっちゃ高い水道料金を払わせられて、

その方は心苦しくて「水も喉に通らない」のでは・・・?

な〜んてことはありえませんね。 

 

沙流川水害訴訟と平取ダム検証結果

毎日新聞北海道版 2012年10月06日によると、沙流川水害訴訟で国の敗訴が確定したそうです。

 

2003年の台風10号による豪雨災害を巡り、

札幌高裁が国の責任を認め、約3190万円を住民側に支払いを命じた沙流川水害訴訟について、

羽田雄一郎・国土交通相が5日、上告をしない意向を明らかにしたからです。

2003年8月10日、日高町の沙流川にある二風谷ダムが大雨で決壊しそうになったため、

道開発局がダムの水を放流したところ、下流の支流で逆流が起き、

約55ヘクタールが冠水し、床上浸水などの被害が出ました。

原告弁護団の市川守弘弁護士は

「9年間も待たせず、被害が発生してすぐに賠償すべきだった。

ダムが凶器になることは明らかで、国の対応は住民よりダム政策を優先させたもの

と批判しました。

 

国の上告断念を受け、

原告の一人、日高町の農業、矢野静雄さん(74)は

「長かったが国が誤りという判断が出てうれしい。国は国民の安全を守ることを第一に治水をして」

と語り、

小野有五・北大名誉教授(環境科学)は

「国は二風谷ダムを利水ダムとして造りながら治水にも利用。

治水用なら空にしておかなければならないのに、多目的に使ったため限界水位に達するのが早かった。

国はダム政策を見直す必要がある」と話しました。

 

原告弁護団は

「判決は、住民の安全を軽視した国の河川行政のあり方そのものに警鐘を鳴らすもの。

国はダムに依存しない治水政策への転換を」との声明を発表しました。

 

それなのに…

その同じ沙流川に、平取ダムの建設計画があり、

その検証結果が数日前に継続と決まり、まもなく有識者会議に報告されるようです。

 

同じ沙流川に1996年に完成した二風谷ダムは16年しかたっていないのに、

すでに総貯水容量の約45%が堆砂で埋まっています

その沙流川にもう一つダムを造るなんて、日本の河川行政は狂っています

と、水源連の嶋津さん。

 

反対する市民も、

泥水で死んだ川をつくり、堆砂に拍車をかける

世界遺産に匹敵する文化的景観とアイヌ民族伝統の祈りの場などを水没させてはならない

 

この声に耳を傾ける河川官僚はいないのでしょうか・・・

反対討論

昨日の佐世保市議会が採択した「石木ダム建設事業に対する事業認定の早期進展を求める意見書」について、二人の議員が反対討論をされました。

たいへんわかりやすくて心のこもった討論でした。

その原稿をいただきましたので、ご本人の許可を得て、公開します。

(順番は討論の順)

 

1.速見議員の討論

意見書案第16号 石木ダム建設事業に対する事業認定の早期進展を求める意見書について反対の討論をいたします。 

石木ダム建設事業を巡り、37年間経過した現在においても様々な問題が残されたまま推移してきました。

1972年(昭和47年)7月29日、長崎県は地質調査を行うにあたって、「地質調査はあくまで石木川の河川開発調査」であってダム建設につらがらない、「地元の人が一人でも反対するならダムは造りません」「調査だけでもさせていただけないか」と長崎県が説明し、当時の川棚町長が土下座までして頼まれたため、地元の皆さんは、地質調査だけということで、「地元の同意が得なければ独断専行はしない、強制執行等の行為に出た場合は総力を挙げて阻止行動をとる」等の覚書を当時の長崎県土木部長の立ち会いのもとで交わされ、同意された訳であります。

長崎県は、2年後の1974年(昭和49年)地質調査が完了するや否や「国の石木ダム建設予算がついた」と発表しました。驚いた地元の皆さんは県庁に出向き、当時の知事へ面会を求めた際、知事は「一人でも反対する人がいればダムは造れないし、造らない」と約束しました。

しかし、1982年(昭和57年)4月2日、当時の知事は土地収用法第11条に基づく立ち入り調査を公告、川棚町もこれを受理しました。

同年5月21日10時10分、地元住民の反対を押し切って、ついに県警機動隊を導入、延べ7日間にわたり400名の機動隊を動員し、強制測量を行った訳であります。この行為は、長崎県が残した最大の汚点と言わざるを得ません。

石木ダム建設問題の解決を遠ざけた背景には、この強制測量が今日に至っても根深く存在している中、事態は硬直状態が続いているのが現状であります。

その後、27年間大きな動きはなかったものの、2009年11月6日、長崎県は、反対地権者との話し合いを行うためと説明し、土地収用法に基づく「事前説明会」行い、同年11月9日に事業認定申請を国土交通省九州整備局に提出しました。長崎県が言うように事業認定が許可されたら話し合いの場が持てると言っておりますが、その話し合いはあくまでも「家屋移転補償費や生活再建策の具体的な話し合いがなされる」と県が言っている訳であります。

反対地権者は、「家屋移転補償費や生活再建策の話し合い」ではなく、「ダム建設の必要性」「ダムに代わる方法について他にないか」などについてお互いの有識者などを入れて公開の場で話し合いをしようと再三要請をしてきているにもかかわらず、長崎県は、話し合いに全く応じないと言っています。県は、反対地権者の声にもっと耳を傾けるべきです。

一昨年の3月24日、長崎県は付け替え道路の工事に着手しました。その説明で長崎県は「ダム建設と付け替え道路の工事とは別ですから工事だけはさせて下さい」と言ってきましたが、付け替え道路買収用地の所有者には反対地権者がいる訳でありますから、地権者の同意がない限りは付け替え道路もできるはずがありません。現在、中断していますが、反対地権者が訴えている話し合いに応じなければ、今後も付け替え道路工事は中断したままになるのは明白です。

政権が交代し、国から、「ダムによらない治水・利水の見直しの再検証」をするよう長崎県は求められました。その際、地元反対地権者は、地元住民と学識経験者を再検証の場に参加させるよう求めましたが、この要請についても地元の声に耳を傾けようとせず、これも無視されました。

長崎県と佐世保市長・川棚町長・波佐見町長の4者で行われた検討の場においては、石木ダム事業を継続とし国に報告しました。

国の第22回「今後の治水対策の在り方に関する有識者会議」は県の方針を了承しました。しかし、地元には事業に反対する声が根強くあることから、有識者会議の中川座長は「石木ダムに関しては、事業に対して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力することを希望する」と付帯意見が付けられたことはご承知の通りです。

次に、私はこれまで、水需要予測においても佐世保市議会でやり取りを行ってまいりました。

1975年、当初の石木ダム建設計画で長崎県は、針尾工業団地のへの配水と、佐世保市の人口増加に伴う水源確保と言ってきました。

1975年の佐世保市の水需要予測は「現在1日最大給水量9万3,910トンですが10年後の1985年には16万1,400トン必要になります」と言い、平成19年度においての水需要予測での1日最大給水量は平成23年度においては10万5,730トンが必要、平成29年度には11万1,410トンが必要と言ってきました。

しかし、人口は減少、水需要も減少、平成23年度1日最大給水量の実績は8万240トン、その差が2万5,490トン、1日平均給水量の実績も7万1,153トンに減少傾向にあります。

佐世保市、市議会もそこをしっかり見極めなければなりません。

石木ダムありきを見直す必要があります。

今年度は水道施設整備事業の評価についての年度に当たります。

昨年7月7日には厚労省健康局水道課長から水道施設整備の評価の実施について通知がなされ、佐世保市水道局とされても鋭意努力はなされていると思われますが、これまでの実績は消すことはできませんし、今後の大きな課題といえます。急がなければなりません。

次に、石木ダム建設事業に同意されていない13世帯の皆さんは、「私たちの率直な気持ちに耳を傾けてほしい、私たちが訴えている話し合いに応じてほしい、しかし、私たちの同意がないままダム建設を強行するならば、豊かな自然を子や孫へ残すため、命をかけて阻止する覚悟はできています。1日も早く石木ダム建設の白紙撤回を願っています」と自分たちの思いを訴えられています。

今年、6月11日付で国土交通省水管理・国土保全局長からの通知にもありますように、先ほど述べました有識者会議の付帯意見の重みをしっかり受け止める必要があります。

まず、やるべきことは地元地権者が求めている話し合いを最優先させることが必要ではないでしょうか?石木ダム建設事業は、今まさに行き詰っています。原点に返ることが求められています。

従って、土地収用法に基づき強制収用が可能となる「石木ダム建設事業に対する事業認定の早期進展を求める意見書」に反対であります。

 

2.山下議員の討論

石木ダム建設のために事業認定早期進展を求める意見書の提出に大反対です。

それがどういう意味をもつのか、考えてのことでしょうか。

石木反対地権者の家土地財産を土地収用法で強制的にとりあげることを迫るということです。中村県知事はそうすると県議会で態度表明したし、現に認定庁に働きかけを行いました。佐世保市議会もまた、こんな野蛮なことをいっしょに行うというのでしょうか。

皆さん、石木川原の人たち、どんな悪いことをしたというのでしょうか。

故郷に住み続け、先祖の墓を守り、子や孫に美しい故郷を継承させたい、だから踏ん張って農業を続け棚田も守り、地域を離れることなく、13世帯71人の家族構成を守って半世紀の途方もなく長い間がんばってこられました。大好きだった地域の仲間を分断させられ、権力によるウソや暴力や圧力に耐えながらです。

なぜ13世帯71人なのか、3世代いっしょ、一番多いところで4世代いっしょなのです。そこではお年寄りを敬い、子どもを地域全体で大切に守り、それこそ昔からの日本良き伝統の家族のあり方がそこにはあるではありませんか。そんな人たちを力づくで追い出してどうしようというのですか。

相手を思いやる気持ちを大事にしようという徳育宣言を行った佐世保市議会がやるべきことは、県知事に対し、そんなひどいことはやめなさい、事業認定申請は撤回しなさいとと諭してやることではないでしょうか。

委員長、特別委員会の皆さん、ほんとうに石木ダム建設を促進したいのなら、避けて通れない、すべきことがあります。佐世保市水道局に対して、再評価委員会開催を実現することです。補助金を継続して出してくれるはずの厚労省からの通知のとおりに、再評価委員会開催しなさい、そうしないと補助金打ち切られてしまいますよ、再評価委員会設置要綱どうなったのですか、再評価委員の公募選出はどうなっているのですか、もう再評価委員会に提出すべき水需要予測など資料は整ったのですか。もう時間はありませんよ。5年前の再評価委員会はもうこの時期始まっているのですよとお話しすることではないでしょうか。

今、水道局は頭抱え込んでおられます。再評価委員会開催は避けて通れません。すでに開催準備に着手したとも言っておられました。国の補助金なしに石木ダム建設はすすめることはできないからです。

さりとて、日程など、いまだ沈黙のままです。平成19年度の破たん済みの水需要予測値にとって代わる、新しい水需要予測値をつくることができないからです。下がったままの数値を使用したら、給水実績が下がり続けなのにどうして新しい水源が必要なのか、ましてや日量4万トンものダムなど必要ではないと一蹴されることは明白です。

再評価委員を回避することもできない、さりとてすすむこともできない、まさに立ち往生なのです。

お考えください。ダムは必要ではないことが第3者機関によって明らかにされようとしているのです。その時に、用地取得のために土地収用法という伝家の宝刀抜いて、しかも躊躇している認定庁に向かってその進展を迫るという、今回の意見書提出が、どんなに深刻な矛盾に満ちていることか、ご理解いただきたいと思います。

行政が問題に直面した時、それこそ、議会こそが、問題打開策を提示して行政を手助けすべきと思います。今こそ議会が引導を渡してやるべきです。その苦悩から解放すべきです。一番良いのは、市長が決断してやることです。その市長に意見迫れるのは議会です。

無理して、一滴の水を使用することのなかった、したがって厖大な税金の無駄遣いに終わったダムはもうすでにいくつも生まれています。

幸か不幸か、ダム本体工事着工は来年からということで、確かにもうすでに136億円事業費使ったということはありますが全体工事費530億ということを考えると今の時点で引き返せるというのは、まだましです。

今こそ本当の意味の議会の役割を発揮しようではありませんか。以上問題提起を含めた反対討論を終わります。