水特委員会について

4日のブログを見た山下市議からメールを頂きました。

温かいご感想の後に、ある事実が書かれていました。

ご本人のご了解を得ましたので、その部分を転載させて頂きます。

 

ブログの中で、「委員の皆様も、ほぼ石木ダム推進派の議員ですが、それでは議論の公平さを欠くと考慮したのか、反対派の議員も一人います。」という記述があります。
本筋論ではないのですが、事実関係をお知らせしておいたほうがよいかなと思いました。

1)   おしつけられた

  佐世保市議会には、水特、基地特等4つの特別委員会が設置されています。
  改選期ごとに委員会の設置と構成メンバーが決まります。
  今から4年前、私は基地特を強く希望しましたが、少数会派の悲哀でだめ。残ったのは水特の1席だけ。
  だから山下千秋はここだ。という経過なのです。

2)    出ていくべきだという圧力、意向打診をうけた

  水特に入って、2年経過した頃、委員長から、委員会から出るべきではないかと意向打診がありました。
  委員長の趣旨「水特は建設実現に向けて推進をはかることが目的。あなたは委員会の設置目的に反する」
  というものでした。
  私は、「委員会の名称は水資源確保となっている。水資源には多様な可能性がある。
  私も安定した水資源確保はだいじなことだと思っている。何ら矛盾しない。
  私が水特以外の委員会所属を希望したのに、ここの配置をきめたのあなた方だった。
  日本共産党の1議席だけれども、市民代表の1議席なのだ。
  勝手にこっちだ、あっちだと、もてあそぶようなこの態度は許せない」
  とはねのけた経過がありました。
 
今の感想です。
本来なら委員会総意で、市民総決起集会や、様々な世論キャンペーンだったことでしょう。
しかし、現在の委員会は、推進どころか、石木ダムの必要性が問われ続ける、いわば恒常的な「検証・検討の場」に変質してしまっているというのが実態ではないでしょうか。
「強力に推進・応援する」機関が、「問題チェック受ける」機関になったということではないでしょうか。
そしてその力は、皆さん方の探求した調査研究の成果だと思っています。
真実に迫る皆さん方の努力と、その皆さん方の声を公式の議会に届けることが、それが議員の務めだと思っている私の立場と結びついたからだと思っています。
感謝しています。 
 

以上です。
佐世保市議会の本質、水特委員会の実態を窺い知る内容でした。
皆さんはどのようにお感じになったでしょうか。 

水特委の委員にはなりたくなかった(基地特委員になりたかった)山下市議を入れてしまったのが大失敗!
と気づいた時はもう後の祭りだったんですね。

私たちにとってはたいへんラッキーなことでしたが…。

私は水特委員会を度々傍聴させて頂き、いつもたいへん有難く思っています。
委員会の中で出てくる資料は重要なものが多く、私たち傍聴者にも配布して頂けるからです。

以前はそうではありませんでした。
委員全員と傍聴に来た議員、そして、記者さんたちには配られますが、
私たち一般市民の傍聴者には無しでした。
水道局の方が、「資料の**ページをお開き下さい。ここに書かれているように云々」
と言われても、
私たちは何のことかわからないまま聞くしかありませんでした。
後で、親切な議員さんたちにお願いしてコピーさせてもらったりしていましたが、
部数が多い時はそれも気が引けるし…
それで議会事務局にお願いして、今では私たちも頂けるようになりました。

もちろん資料だけでなく、そこで話し合われることはとても参考になります。

山下市議が指摘なさっているように、
水特委員会は、今や恒常的な「石木ダム検証検討委員会」になっており、
それは同時に「水資源確保対策特別委員会」の名前にふさわしい場に進化しているように思います。

なぜなら、今回議論された内容で言えば、
水需要予測について議論する=水資源の必要量の検証であり、
佐々川の水利権転用について議論する=水資源確保の対策案の検討であるからです。

佐々川の水利権に目を付けたのは、仲間のMさんで、あらゆる資料を情報公開で手に入れ分析、
そこから見えてくる事実を資料としてまとめ山下市議に届け、委員会の場で追及してもらいました。

私たちは政党的には無関係な市民ですが、
主権者としての意思を代弁者である議員さんに託し、力をお借りしています。

何党であろうと、石木ダム問題を真摯に考え、見直す勇気を持って頂きたいと願っています。

かつて、別の委員会で、環境のことをよく考え学ばれている議員さんを知り、
お手紙やメールの交換をしたことがあります。
その方は是非、意見交換の場を持ちたい、会派でも話してみるとおっしゃって下さって、
とても期待していたのですが、それっきり…です。

しかし、少数でも、保守系の議員さんの中にも、こういう前向きな方がいらっしゃるのを知り嬉しく思っています。

佐世保市や長崎県の未来を決めるのは議員さんたちで、
その議員さんを決めるのは私たち市民県民一人一人です。

どのような問題も、まず事実・真実を知ることから。

不都合な真実から決して目をそらさず直視して、そこからより良い対策を共に考えていきたいものです。

 

水特委員会 2月3日

2月3日に開かれた佐世保市議会水特委員会の報告をします。

水特委員会、正式には水資源確保対策特別委員会と言います。

いかにも…って感じのネーミングですね。

こんな名称を度々新聞紙上などで見ると、「佐世保市はまた水不足で困ってるの〜?」
と思っちゃいますよね?

そんな誤解を与えるのがネライでしょうか・・・

実際には、昨年度の9月議会や12月議会の企業経済委員会では、

市民の水の使用量が減って、料金収入が減って、赤字続きで困っております。
是非値上げを認めてくださーい!

と水道局からお願いされて、

しょうがないな〜、でも、3割アップはあまりにもひどいから2割くらいにしませんか〜
などと議論していたくらい。

しかし、この委員会の最大の目的は石木ダム建設の促進なので、この名前でいいのでしょう。

よって、委員の皆様も、ほぼ石木ダム推進派の議員ですが、
それでは議論の公平さを欠くと考慮したのか、反対派の議員も一人います。

山下千秋議員と言いますが、彼はいつもこの委員会で孤軍奮闘頑張っています。

昨日の委員会でもまさにそうでした。

 

この日の議題は、第2回石木ダム「検討の場」の報告と説明でした。

約1時間、分厚い資料に沿って水道局からの説明の後、質問をしたのは山下議員ただ一人。

他の議員は誰一人として発言無し!

もちろん委員長は別です。議長ですから。

熱くなり過ぎて、話が長くなり、質問の内容が分かりづらくなることもたま〜にある山下議員ですが、
委員長はいかなるときも、質問の趣旨を的確にまとめて水道局に伝えるだけでなく、
水道局が回答する前に、水道局が失言しないようヒントを与えることもある切れ者です。

 さて、1時間以上に及ぶ山下議員と水道局とのやり取りの中で、以下の重要なことが明らかにされました。

1.今回提出された平成29年度における佐世保地区の水需要予測は、
  過去(平成19年度)の予測をそのまま採用していた。

2.その提出された予測値が妥当であるかどうか、「検討の場」では何も検討されなかった。

3.佐々川における「既得水利の合理化・転用」について、県も市も考えようともしていなかった。

 

そして、その理由として

1.19年度に提出されたのは18年度までの実績値で、それ以後の実績値は、19年度は渇水年で給水制限をしていたし、またこの年のリーマンショック以降経済状況の異常な悪化により水需要も激減したし、このような突発的な状況下でのデータをもって予測することは、統計学上妥当ではないと考えるから、19年度の資料を採用した。

2.19年度の資料は再評価委員会でも検討され妥当と認められたものであるから、県としてもあらたに「検討の場」で検討する必要はないと考えたのではないだろうか。

と述べました。

そういう体質、「〜だろう」という予断の下で見直しをしてこなかったこれまでのやり方を改めよう、
本当に必要な公共事業なのかどうか、過去の判断に囚われず、徹底的に再検証しよう、
そのために補助ダムにおいては県が主体となってしっかり検討して下さいよ、
というのが国の要請だったはずです。

長崎県は、その要請に形だけ整え、中味は全く無視していると言わざるを得ないのではないでしょうか?

1と2からわかったことは、第1回検討の場で認められた
「新たに必要な水源量4万トン」というのは、全く点検も検討もされてない「予断に基づく数値だった」
ということです。

つまり、第1回検討の場で確認された4万トンは無効です。

改めて見直してください。

再検討して下さい。

無効な数値4万トンを目標値として代替案をいくら検討しても、それは意味がありません。

 

さて、3についてですが、これがまたたいへん重要な問題なのです。

前回の水特委員会で、山下市議は佐々川の水利権の状況について質しましたが、
水道局は、それは水利権者である県に聞かなければわからないということで、
後日確認の上で、文書で回答しました。
それによると、

 佐々川流域は、約500haの農業用水として利用され、灌漑期の使用量が大きく、また、流域自治体並びに佐世保市の水道用水、工業用水により、極限に近い状況で高度に使用されている。
 流域自治体である佐々町も水需要の増加に対応するため、佐々川からの取水量増加を強く要望しておられ、これまでにも協議を重ねられているが、新規水利権については認められていない。

ということでした。
つまり、佐々川にはすでにたくさんの水利権が張り付いて、「極限に近い状況で使用されている」ので、
これ以上佐々川から水をもらおうなんて無理ですよ、というもの。

ところが、第2回検討の場で佐世保市長がおこなった質問(佐々川の水利権の転用)に対する県の回答はこうでした。

 水利権が転用できる条件としては、まず水利用者の判断(遊休であるのかどうか)がなければならない。その判断の上で転用可能な量が出てきたら、今度は河川の流況を見て環境への影響、維持流量などを確認し、また他の水利使用者の同意を得て初めて転用・合理化が可能になる。現時点で既得水利権者からのご議論がない中で、抽象的な回答は控えたい。

というものでした。
つまり、既得水利権者(例えば佐々町や佐世保市や相浦発電所など)から、うちはもうかなり余り気味なのでこの分はお返ししますよ、というような申告が実際にないかぎり、県は自ら調査検討はしないということなのか?

また、佐世保市や佐々町は水道用水が足りない、佐々川からもっと取水させてほしいと、申告してこなかったというのか?

どちらも納得できない話です。

少なくとも佐世保市は、慢性的な水不足だと数10年間に亘って言い続けているわけで、佐々川からの取水量増のお願いは、当然県にしていなければならないはずです。

その要請を受けて、県は河川管理者として、把握している他水利使用者の取水実績をみたり、流況調査をしたりして、その上で「極限に近い状況で使用されている」と回答したのかと思っていました。

しかし、実際は何も検討していなかったのです。

例えば、相浦発電所は、4,800m3/日の水利権を持っていますが、昨年度の取水実績は平均、386m3/日です。過去8年間で平均取水量が最も大きい年でも、699m3/日でした。
つまり、4,000m3は遊休と言えるのではないでしょうか?

また、農業用水として灌漑期の使用量が大きいと言ってますが、水利権23,200m3/日に対し、実際に取水しているのは、平成19年度で言えば、わずか11日間、その取水量も最大で4,560m3でした。
平成17年には25日間、最大で7,000m3。平成12年には2日間だけ。最大5,760m3。
あとは全く取っていないのです。

少なくとも、取水報告がないのです。
私たちの仲間が、平成12年〜21年の分の取水量の情報公開を請求し、出された結果が以上のようなものでした。

この事実を佐世保市水道局は知っていたのでしょうか?

県の河川課は知っていたのでしょうか?

知っていたら、どうして、新たな水源確保案として、佐々川の水利権の転用・合理化を代替案にしなかったのでしょうか?

知らなかったとしたら、それは河川管理者として職務怠慢ですよね。素人のMさんだって簡単に手に入れたデータですから。

それとも、わざと目を逸らしていたとか・・・?  

 

 

 

 

 

第2回 石木ダム検討の場

石木ダム建設事業について再検証するための第2回「検討の場」が28日、国民宿舎「くじゃく荘」で開かれました。

今回川棚町で開かれたことは、私たちの要望が聞きいれられたのか、であれば嬉しいけれど 
しかし、今
回も傍聴者は30人までという。
もっと広くて、何百人も入れる会場だってあるのに・・・

開会は2時30分。
その前に傍聴者をくじ引きで選ぶので、1:45〜2:15までが受付時間。

私たちは1時に集合しました。

玄関前で意思表示です。  

川原のおばあちゃん達も久しぶりに鉢巻き姿

誰かな〜?

                            県河川課のお役人だ!「ダムは造らせんぞー!」とお出迎え。

 

さて、今回は、前回すでに「見直しの必要無し」「水需要予測は妥当」と結論付けられてしまったダム案に対して、
治水、利水、そして流水の正常な機能の維持、という3つの観点から代替案が示されました。

治水代替案としては、2つの遊水地案の、放水路案、河道掘削案、引堤案、堤防嵩上げ案の6つ。

利水代替案としては、岩屋川ダム案、2つの貯水池案、地下トンネルダム案、海水淡水化案の5つ。

流水機能維持の代替案としては、岩屋川ダム案、2つの貯水池案の3つ。

そして、それぞれを、安全度、コスト、実現性、継続性、地域社会や環境への影響など6つの評価軸で対比。

 

予想通り、他のどんな代替案よりも、ダム案がコスト的に断然有利だと強く印象付けるものでした。

治水の観点からでは、現行ダム案はあと79億円ですむが、他はいずれも200億〜400億円台。1ケタ違います。

また、利水の観点からでは、多くの人が理想とする海水淡水化案(どんな渇水のときも安心だし、地権者の暮らしや環境を破壊することもないから)を1631億円(50年間の維持管理費を含む)とし、やはり1ケタ違う結果を出しています。

国の示した検証作業の実施要領に従って検討を進めることを大義名分にしている長崎県ですから、
コストを最も重視している国の方針に沿って、この評価結果が用意されたのでしょう。

 

それにしても、これらはすべて前回の前提があるからです。

「4万トンの水源を開発するためには」という大前提

これさえなければ、国が提示した方策案のうち、ダムの嵩上げや地下水取水、ため池なども詳細評価の対象となったでしょう。

 

今回の会議では、各町長や市長からたくさんの質問が出されました。
が、それは県の補足説明を促すようなものや、県の口から言いにくいことを各自治体の長が代弁しているようでもありました。

私が唯一「おお!」と思ったのは、川棚町長の発言。今後のスケジュールの説明の後、

「関係者住民への意見聴取というのとは別に、反対地権者の方々の話しを聞く場というものを設けてもらいたいがどうか?」

というものでした。

これには、その場にいた多くの人が驚いたことでしょう。

新聞・TVいずれもしっかり伝えていました。

 

一方、会議終了後私たちは1階ロビーで予定通り記者会見を開き、以下の6点について、代わる代わる強く訴えました。

①「開発水源4万トン」の見直しの必要性

②まず取り組むべきは漏水問題

③予断なき検討のために、事業認定申請を取り下げるべき

④検討中なのに、石木ダムの必要性を大々的にTVや新聞広告で宣伝しているのはおかしい

⑤諫干問題で地元の声を聞けと国を非難する県が、なぜ石木ダムの地元の声はきかないのか

⑥公正で客観的な検証をするためには、是非専門家による議論が必要

しかし、これらについての報道はほとんど見られませんでした。

 

以下の2紙だけは、伝えてくれました。

一方、反対地権者らは会議終了後、検証の在り方に反発。報道陣に対し「県が一方的に示すデータが正しいかどうかを検証すべき」「専門家を交えた公開討論会こそ誰もが納得できる方法」と主張した。(長崎新聞)

 反対派は会合後、会見し、佐世保市が1日4万トンの新たな水源開発が必要としていることについて「現実を無視した予測なのに、この数字に対する検討はない。県の説明会になってしまっている」と批判した。(毎日新聞)

特に毎日新聞は、 「データに根拠ない」県の説明に反対派 という見出し付きでした。 
 

いずこも同じ・・・

「路木ダムをつくるとどうなるの?」という学習会が今日天草市で開かれ、それがustrem中継されるという案内をもらったので、拝見しました。

 

いずこも同じですね・・

● 過大な水需要予測、ひどい漏水率

● 洪水被害の嘘=ありもしない被害をでっちあげ

● 自然(川、海、森)への悪影響を認めようとしない

 

しかも、石木ダムのケースよりもひどい!

漏水率が32%なんて!!!

 

でも、皆さん、よく頑張っている。

漁業者や元議員や一般市民や、いろんな人が、それぞれの立場でよく調べ、よく活動し、よく繋がっている。

 

漁業者の方がいるのはいいですね〜

理屈ではなく実感として環境の変化をよく知り、感じ取り、予測できるから、説得力があります。

ダムができると、アマモの群生地であるアマモ場がなくなり、魚介類の産卵場や稚魚の成育場がなくなり、結果、漁業は大打撃を受ける…と。

石木ダムにもこんな方がいるといいな〜と思いました。

 

しかし、このような話は今までも聞いていたし、目新しいものではありません。

私がとても拍手をしたくなったのは、会場からの質問・意見のときでした。

 

その方は、これだけ頑張っている人々に、「しかし、反対運動は今のところ成功していない」と指摘しました。

その理由は、皆さんは、行政との闘いに疲れ果て、市民・住民の方を向いていない。

こういうことをもっと地域の住民に伝えなければ。

住民は、役所の人が来て「向こうの地域では水が足りなくて赤い水(濁った水)を飲んでいる」と聞かされて、

それじゃあ可哀想だからダムを造って水をあげなければと思ってハンコを押した人もいる…と。

 

県民約12000の署名がダム必要論の根拠になったそうですが、それは、このような嘘や誇張に満ちた説明で集めたものだったそうです。

そのようなことをきちんと正す、正確な情報を市民に伝える、その努力が足りなかったから地元での共感が得られないのだと、はっきり指摘なさったのです。

 

それは、私たちの活動にも言えることで、とても耳が痛かったです。 

ファシリテーターの方がおっしゃっていたように、伝達媒体がないとか、人出が足りないとか、言い訳はいろいろあるんだけれど、その苦言をきちんと受け止めて、今後の課題としなければならないと私も思いました。

 

それにしても、便利な世の中になりましたね〜 

長崎県にいて、熊本県の集会を傍聴できるんですから。 

 

第2回「検討の場」開催のお知らせ

今夜、やっと、第2回「石木ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場」の開催が公表されました。
                         
 
1.開催日時  平成23年1月28日(金) 14:30〜

2.開催場所  国民宿舎 くじゃく荘  2階会議室
          (東彼杵郡川棚町小串郷272)
          地図はこちらをご覧下さい。

3.検討の場メンバー構成
          長崎県、佐世保市、川棚町、波佐見町

4.議事内容
  ・治水、利水等の対策案について     ほか

5.会議の傍聴について
  傍聴を希望される皆さまへ【PDFファイル】 をご覧下さい。

私たちの申し入れを受け入れて下さって?場所が川棚町で開催されます。

それは嬉しいのですが、相変わらず傍聴者は30人に制限されています。

それはどうしてなのでしょう?

地元川棚町であれば、推進派も反対派も、傍聴したいと思う人はたくさんいるでしょうに…。

「くじゃく荘」には、大広間もあるのに…。

不思議ですね〜

 

石木ダム必要論、全面広告!

1月19日、県は、長崎新聞の第9面に、全面広告を出しました。

佐世保市民や川棚町民を守るには石木ダムしかない、石木ダムが必要なんだ、

 という県の主張をアピールするものです。

 

「本当にダムが必要なのか、他の対策はないのか見直してください」という国の要請を受けて、

いま、その検証をしている真っ最中のはずです。

この広告にあるような主張は検討の場で大いに出して、

それに対する質問や反論も受けて議論して、最も良い方法を見出して行くべき時なのに、

県は、県民の税金を使って、自分たちの主張だけを宣伝しています。

それっておかしくないですか?

 

昨年11月半ばから5週間にわたって、TVで同様の主張を放映していました。

これに対する抗議もしましたが、とうとう止めませんでした。

 冒頭に書かれている「なるほど!県政チャンネル」がその番組名です。

この新聞広告は、その番組のおさらいです。

見逃した人のためでしょうか・・・?

 しかも、ここにも書かれているように、佐世保市の水需要について、

「1人1日当たりの使用量は現在の190リットルから221リットルに増加すると予測されている」

というのが県の主張ですが、

その予測は全く当っていない、過大な需要予測だと専門家は指摘しています。

だからこそ今、それについて議論すべき時なのです。

いろんなデータを開示して、県や佐世保市の予測が妥当なのかどうか、検討すべきなのです。

それによって新たな水源確保の必要性や、その必要量は大いに変わってくるわけですから。

 

その本来やるべき検討作業を避け、形だけの、アリバイ作りだったのが

「第1回検討の場」でした。

次回はいつなのか、まだ公表されませんが、

第2回目の「検討の場」も同じような意味のないものにならないよう、

その可能性は大ですが・・・ 

私たちはできるかぎりの対策を講じていきたいと思っています。 

 

川棚町長へ申し入れ

今日、1月13日、午前10時より、
「石木ダム建設絶対反対同盟」と「石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会」は、
石木ダム建設事業の検証に関わる申し入れを、川棚町長に対して行いました。

申し入れの内容は、

1. 石木ダム建設計画から49年も経過し、県が目的としてきた治水・利水事情は大きく変わってきているが、
   川棚町としてどうのように検証されてきたのか。

2. 地権者はこれまで一貫して「絶対反対」の立場を」とってきている。
   長崎県と県議会は諌早湾の問題で「開門せよ」との国の方針に対し、地元の声を聞けと言っている。
   石木ダム建設問題に関しても、特に地元地権者の意見を聞くべきではないのか。

という2点でした。

いろんな意見のやり取りの中で見えてきた町長の考えは、以下のようなものでした。

1.川棚町は検討する立場ではない。

  今回の検証に関しては、その検討を国が県に要請したもので、検討主体は県であり、
  治水に関しては県が、利水面では佐世保市が検討するが、川棚町に検討を求められてはいない。

  私は町長として、洪水被害がおこらないよう県に治水対策をお願いする立場である。

  そうして県が検討した結果、ダムを造るのが最適としてきたのでそれを受け入れ、その実現を願っている。

これに関して町民からは、それではあまりにも他人事ではないかと批判の声続出。

 ・ダムができるのは、ここですよ!川棚町民の土地が取り上げられようとしてるんですよ。

 ・川棚川、特に石木川は川棚町の財産。その大事な水をほとんど佐世保にやってしまっていいのか?

 ・大村市は萱瀬ダムを造って長崎市に水を送っているが、今では大村市自身が水不足で困っている。
  渇水の時、大村市のプールは使えないのに、長崎市のプールは使えた。こういう事実を知っているのか。

 ・ダムができたら地域が活性化するなんて、事実誤認も甚だしい。ほとんど寂れている。

2番目の質問に関連して、なぜ地元の意見を聞かないのか?
また、専門家の意見をしっかり聴くために公開討論会をすべきではないか、との意見に関して町長は、

  今後の検討の場で、学識経験者の意見も、地元住民の意見も聞くことになっている。
  また、事業認定の場でも公聴会で住民の意見は十分聞くことになっているので、
  新たに設定する必要はないと考えている。

これに対して町民は、

 ・どちらも聞き置くだけの形式的なもの。議論しなければ意味がない。

 ・事業認定をしたら私たち(地権者)は絶対話し合いには応じない。

などの平行線に終わりました。

こちらのブログにも掲載記事があります。http://blog.goo.ne.jp/michie39/d/20110113

よかったらどうぞ。

活動報告と今後の予定

以前のHPが更新ストップしてからの活動報告をしておきます。

2010年11月5日   石木ダム事業検証に関して県へ申し入れ
               http://blog.goo.ne.jp/michie39/d/20101105

      11月7日   長崎県教育文化会館で、石木ダム問題学習会が開かれる
                (「石木川の清流とホタルを守る市民の会」準備会主催)
                治水の観点から「清流の会」の森田さんが、
                利水の観点から「石木川まもり隊」の私が、それぞれ問題提起

          同日   川棚町では文化祭で、「川原のうた」の合唱が披露される
               http://blog.goo.ne.jp/michie39/d/20101108

     11月10日   佐世保市議会「水源確保対策特別委員会」を傍聴
               http://blog.goo.ne.jp/michie39/d/20101111

     11月29日   石木ダム事業検証に関して県へ再申し入れ
               http://blog.goo.ne.jp/michie39/d/20101129

    12月1〜2日  石木ダム問題写真展
               http://blog.goo.ne.jp/michie39/d/20101202

                   5日  「2010日本平和大会in佐世保」で「川原のうた」合唱
               川原の皆さんだけでなく、長崎や諫早、佐世保のうたごえ仲間もステージで共に歌う

         11日  第1回「検討の場」傍聴
               http://blog.goo.ne.jp/michie39/d/20101211

                  当日配布された資料(県のHPから入手できます)
               http://www.pref.nagasaki.jp/attention/view.php?num=509

         28日  第3回「石木ダム事業の慎の検証を求める連絡会議」
               「検討の場」ぼ実態や第2回申し入れへの回答などを分析し、今後の活動について検討

 

以上、過去2ヶ月分のまとめです。

今年はどんな活動ができるか、あせらず、背伸びせず、あきらめず、取り組んでいきたいと思います。

 

いま現在予定しているのは・・・

    1月13日  川棚町長への申し入れ

    1月?日   第2回「検討の場」傍聴

    1月?日   佐世保市水道局との意見交換会

    2月?日   「アースデイ佐世保」参加企画会議

皆さん、ご協力、情報提供などなど、どうぞ宜しくお願いいたします。  
                

 

2回目の申し入れと知事の回答

土木部長からの誠意のない回答にがっかりしていた私たちですが、

「石木ダム建設絶対反対同盟」の皆さんは、
何よりも、土木部長からの回答であったことに憤っていました。

私たちは知事に申し入れたのだ。
当然回答は知事名でなされるべき!と。

これまで数回にわたって知事と話し合いを重ねてきた皆さんには、
知事ならもう少しまともに答えてくれるだろう…との期待があったので、再び申し入れを行い、
今度は知事からの回答でなければ受け付けないと伝えたのです。

それは、11月29日でした。

 

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                             平成22年11月29

長崎県知事 

中村 法道 様

石木ダム建設絶対反対同盟

石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会

水問題を考える市民の会

石木川まもり隊

日本共産党長崎県北部地区委員会

 

石木ダム建設事業の検証に関する再申し入れ

 

平成22年11月5日、貴方様に対し「石木ダム建設事業の検証に関する質問と申入れ」を行いました。この回答を平成22年11月12日付け22河第253号で長崎県土木部長名によりいただきましたが、今回の回答は全く不十分で回答になっていませんので、再度申入れを行います。

前回の申入れにおいて、私たちは「公正な検証」というごく当然の要求をいたしました。公正と言うのは、予断を持たず、客観的なデータをもとに、あらゆる角度から検討してほしいということでありました。しかし、土木部長の回答は「石木ダム有りき」の主張で、全くその姿勢がみられません。

そもそも石木ダム事業が国の見直しの対象になったのは、税金の無駄遣いを無くし「コンクリートから人へ」の政策転換をするためで、今までの手法に問題有りと判断されたからでした。今までとは違った手法で、視点、観点を変えて見直すべきものです。

 

そこで私たちは、再度以下の6点を申入れます。

1 馬渕国土交通大臣は「中止も推進も全く予断を持たずに検証する」と国会答弁で言明された。長崎県は「予断を持たない再検証を行う」と約束すること。

2 「関係地方公共団体からなる検討の場」を設ける場合でも、予断を持たない再検証を行うために諮問機関を設けること。諮問機関は、治水・利水の専門家(有識者)や関係住民を含む第三者機関である検証検討委員会を設置し、委員の構成は県のダム案に対し賛成、反対双方同数とすること。

3 関係地方公共団体からなる検討の場及び諮問機関である検証検討委員会は、川棚町で開催すること。また、会議は公開で傍聴を認め、録画、録音を可とし、議事録等を誰もが閲覧できるようにすること。

4 検討の場や検証検討委員会は、公聴会や公開討論会を川棚町で開催すること、及び、その公聴会は、質問したり議論したりできる双方向性の運営にすること。

5 「事業認定申請」の取り下げも付替え道路工事の中止も考えていないとの土木部長の回答であるが、石木ダム有りきでは、予断を持たない再検証など望めない。知事は土地の強制収用を目指しているのか。

6 県政チャンネルで放映されている「石木ダムについて」ダム推進のための全く一方的な情報である。今この時期に放映することは、県が公正な検討の主体者として失格であることを証明するものである。直ちに放映を中止すること。

 

ご多忙のところ恐縮ですが、知事の前進的なご判断を項目ごとに列記の上、 月 日までに文書でご回答いただきますようお願いいたします。

 

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はたして・・・

今度は知事自らの名前の回答を頂きましたが、それはすでに第1回検討の場の後の、

12月17日でしたでした。

 

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                                       22 河 第 297 号
                                          22年12月17日

                                       長崎県知事 中村法道

石木ダム建設事業の検証に関する申入れに対する回答について

 平成22年11月29日に申し入れのありました事項につきましては、下記のとおり
回答いたします。

1 ダムの検証につきましては、国が定めた「ダム事業の検証に係る検討に関する再
 評価実施要領細目」に基づき、予断を持たずに検討を進めて参ります。

2 「同再評価実施要領細目」に基づき、検証の進め方として、 「関係地方公共団体
 からなる検討の場」を設置し、検討過程においてパブリックコメント等を行い、多くの
 方々のご意見をお聞きし、さらに、第三者機関である事業評価監視委員会の審議
 を経ることとしており、諮問機関としての検証検討季長会の設置は予定しており
 ません。

3 「関係地方公共団体からなる検討の場」では,情報公開のため傍聴席を設けると
 ともに、議事録は、後日、インターネットにて公表いたします。

4 「関係地方公共団体からなる検討の場」の開催日時・場所につきましては、出席
 者との調整のうえ決定させていただきます。

5 国は、個別ダムの検証を事業の再評価の枠組みを活用することとし、事業を中断
 しての検証検討を各道府県に要請しているものではなく、今年産も事業進捗の予算
 配分がなされております。
 事業認定は、ダム検証とは別の法律に基づく手続きとして、事業の必要性・公益性を
 国が改めて判断するものであり、県としては、話し合いを促進させていくためにも、
 申請を取り下げることは考えておりません。

6 「なるほど!県政チャンネル」は、県の主要事業を県民の皆様にわかりやすく説明する
 ために、年度当初より放映を予定していたもので、放映の中止は考えておりません。
 なお、この放映とは関係なく、国からの要請であるダム検証は、予断をたずに検討して
 いきます。

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ところで、後になりわかったことですが・・・

この回答は知事名で出していながら、やはり制作者は県の河川課職員で、
知事はまともに目を通してさえいなかったのです。

というのは、反対同盟と知事の会談のとき、県政チャンネルの話を反対同盟の人が抗議したら、
「県政チャンネル?何のことですか?」と、全くご存じなかったとのことでした。

あ〜あ  

 

申し入れへの回答

11月17日、約束の日よりずいぶん遅れて、やっと回答が届きました。

しかし、待たされたわりには中身のない、がっかりさせられるものでした。

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                                           22 河 第253号
                                          平成22年11月12日
石木ダム建設絶対反対同盟
石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会
水問題を考える市民の会
石木川まもり隊
日本共産党長崎県北部地区委員会様

                                           長崎県土木部長

      石木ダム建設事業の検証に関する質問と申入れに対する回答につ

 このことについて、ダム事業の検証につきましては、事業評価の枠組みを活用し、
今般策定された「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」に基づき
検証に係る検討を、去る9月28日に、国から要請されており、県としましては、この要領
細目に基づき適切に検討を進めてまいります。
 検証にあたっては、国が示した「再評価実施要領細目」により、まずは、住民の安
心、安全等について、様々な法令等に基づいて行政上の責任を有する地方公共団体で
ある県、佐世保市、川棚町、波佐見町で構成する「関係地方公共団体からなる検討の
場」を設置すべきと考えております。
 さらに、住民や有識者の皆様については、この「再評価実施要領細目」に従い、パ
ブリックコメントを行った後、学識経験者、関係住民等の意見を聴いて、対応方針に
反映させることになっております。日程等については、現在、調整中であり、決定し
だい公表することとしております。
 なお、事業認定は、法律に基づいた手続きであり、今後、開催される公聴会での賛
成、反対の意見を踏まえ、第三者機関である社会資本整備審議会の審議を経て、国が
事業の公益性、必要性を判断する手続きであり、この申請を取り下げることは考えて
おりません。
 また、付替道路工事につきましては、国から関係予算も年度当初より配分されてお
り、石木ダムの早期完成のためには、進めてまいりたいと考えておりますので、ご協
力をお願いします。

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私たちは、5項目にわたって申し入れをしたんですが、
その1つ1つにきちんと答えようとする誠実さはかけらもなく、
自分たちの論理だけを、これまでどおりに語っているだけでした。

国が出した「実施要領細目」を楯にとって、形式を整えることだけ。

極めつけは最後の3行。

「付替道路工事につきましては…石木ダムの早期完成のためには進めたいと考えておりますので、
ご協力をお願いします」

???これからダムを造ることが妥当なのかどうなのか検討する責任を負わされた人が、
「ダムの早期完成のために」ですって?

やはり、もう答えは出してしまっているじゃないですか・・・

「検討の場」は、やっぱりアリバイ作りなんですね・・・