石木ダム事前協議巡り 長崎・中村知事「工事中断の条件聞く」

(2021/6/15 11:40 長崎新聞)

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長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、中村法道知事との話し合いの条件として反対住民が「工事の即時中断」を求めていることについて、知事は14日の定例会見で「工事中断がどのような形なのか。条件などをしっかり聞かせていただく必要がある」と述べ、事前協議が必要との認識を示した。
知事は、ダム本体工事に着手しないなど住民側に配慮しているとし「一定の環境作りに努めてきた」と強調。県はダム建設に伴う県道付け替え工事を続けており、知事は「中断もいろんな在り方がある。住民の皆さんの意向を踏まえて判断していかなければならない課題」と慎重な言い回しに終始した。
県は先月21日付で反対住民に文書で事前協議を申し入れた。これに対し住民側は「工事の即時中断」を要求。県は今月11日付の文書で事前協議の日程を19日に指定して、住民5人程度の出席を求めている。

石木ダム建設問題 中村知事「19日事前協議の提案文書」送付



石木ダム建設問題 中村知事「19日事前協議の提案文書」送付




長崎県の中村知事は定例の記者会見で、石木ダムの建設に反対する地元住民との直接の話し合いに向けた協議をめぐって、住民側から、その前提として工事の即時中断を求められたことを受けて、今週19日に事前協議の場を設けるよう改めて提案する文書を送ったことを明らかにしました。

長崎県は、川棚町で建設を進める石木ダムについて、中村知事と建設に反対する地元住民との直接の話し合いに向けて、日時や場所などの具体的な条件を確認するため、今月上旬に、川棚町中央公民館で、県側と住民側がそれぞれ5人程度出席する事前協議の場を設けるよう提案する文書を先月、地元住民に宛てて送りました。

これに対し、住民側は、今月、中村知事に宛てて文書で回答し、その前提として工事を即時中断するよう改めて求めていました。

これについて、中村知事は、14日開かれた定例の記者会見で、事前協議の場を設けるよう改めて提案する文書を送ったことを明らかにしました。

今月11日付けで地元住民に宛てて送られたこの文書では「これまでも話し合いを模索するなかで、ダム本体工事の着工時期など、一定配慮を行ってきた。知事との話し合いの機会を設けるにあたって、工事の中断などの条件整備の考え方などについてお聞かせ頂きたい」とし、今週19日に事前協議の場を設けるよう提案しています。

これについて中村知事は「『工事中断』というのは、どのようなかたちで『止めてしまえ』と言っているのか、そうした条件を聞かせてもらう必要があるのではないか。『すべて止めてしまう』となると、協議の期間中、すべての工事ができないのかどうか、そういった条件面での検討も進めて行く必要がある」と述べました。

石木ダム事前協議19日を要望 長崎県が反対住民に

長崎新聞社)

長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、県が水没予定地に暮らす13世帯の反対住民に、中村法道知事との話し合いの条件を詰める事前協議を改めて求めた文書の内容が、12日判明した。ダム本体工事を見合わせるなど「一定配慮をしている」とした上で19日に事前協議を実施したいとしている。
県は先月21日、事前協議を提案する文書を13世帯に送付。住民側は今月4日、工事を即時中断して話し合いができる環境をつくるよう求める文書を知事宛てに送った。県は対応を協議し、11日に再度文書を住民に郵送していた。
12日に住民に届いた文書によると、県は「これまでも話し合いを模索するなかで、ダム本体工事の着工時期など、一定配慮を行ってきた」と説明。住民と知事との話し合いに向け「工事中断などの条件整備の考え方を聞かせてほしい」としている。19日午後2時から川棚町中央公民館で、県と住民双方5人程度ずつでの協議を提案。16日までに県石木ダム建設事務所長に住民側の出席者を連絡するよう申し入れた。
現場ではダム建設に伴う付け替え県道工事が進められており、住民側は毎日抗議の座り込みを続けている。住民の岩下和雄さん(74)は「本体工事がなくても抗議を続けている。住民の間で対応を話し合うが、こんな状況では協議はできないと思う」と話した。

石木ダム促進など 佐世保市、長崎県に29項目を要望

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中村知事(左)に要望書を手渡す朝長市長=県庁

長崎県佐世保市の朝長則男市長は11日、県に対し、石木ダム建設促進や、国際クルーズ船の旅客受け入れのための道路拡幅など29項目を要望した。
県庁を訪れ、中村法道知事に要望書を手渡した。最重点課題は12項目。石木ダム建設については、市内六つのダム全てが耐用年数を超過しているが水源不足で改修のための運用休止ができない状況が続いているとして「水源不足解消に向け、工事工程に沿った確実な事業進捗(しんちょく)」を要望した。
中村知事は「石木ダムは必要不可欠な事業。本体工事着工はさまざまな状況を考慮し検討している。地域の理解も必要になる。皆さんと力を合わせて取り組み、早期完成を目指したい」と述べた。
国際クルーズ拠点が完成した佐世保港浦頭地区につながる国道202号の4車線化なども要望。水産種苗生産施設「市水産センター(大潟町)」改修への支援なども求めた

権利と義務

このウエブサイトにお立ち寄りいただいた方から、このようなメッセージをいただきました。

最高裁判決が出ているわけですが、上告する権利はもちろんあります。ただし、権利もあれば義務も当然ありますよね?判決が出ている以上、それに従う義務があるのではないかと。

これに関してのご意見を聞かせてください。あなた方は権利を主張する以上、義務も果たさなければならないと思いますよ?単なるわがままにしか聞こえません。

この方(Kさん)には直接メールで返信しましたが、このような見方(裁判に訴えた以上、その判決に従う義務がある)をされている方は、もちろんKさんだけではないし、むしろ少なくないかもしれない・・そう思い、このブログ上にもKさんへの返信をアップすることにしました。

私たちが何故、石木ダム建設にNO!と言い続け、裁判で闘い続けているのか、その理由をお伝えします。

石木川まもり隊MよりKさんへ

ご質問ありがとうございます。

「最高裁判決が出ているわけですが、・・・判決が出ている以上、それに従う義務があるのではないか」について、お答えします。

正確に言えば、最高裁の「判決」ではありません。
最高裁への上告を棄却されたのです。
いわば門前払いですね。

このような結果を見た時、多くの第三者は、「やはり行政側の言い分が正しかったのだ」と理解するでしょう。
裁判所の判決は正しいものだと。
少なくとも法律のプロが法に則って裁くものだから、正しい判断が示されているはずだと。

私も昔は、そのように思っていました。
でも、時には刑事事件で冤罪が明らかになることもあります。
民事では、原発関連訴訟のように、納得のいかない判決も度々みられます。
民事の中でも行政訴訟は、原告(住民)側が勝つのは、なかなか難しい(勝率は10%以下)と言われていますが、実際に関わってみて、それがよくわかりました。

現行の法律の中には「ざる法」とか「悪法」とか言われるものがいろいろあるようですが、『土地収用法』もその1つです。
詳しいことは省きますが、問題のある法律(行政側にとっては何の問題もなく都合のいい法律ですが)で裁かれ、それに誰もが異議を唱えなければ、その法律は、いつまでたっても改善されないままですよね。

例えば、いま話題の夫婦別姓問題。
過去いくつかの裁判で原告側は敗訴となっていますが、それは夫婦別姓を認めない日本の法律によって裁くからです。
が、そんな法律は世界的には稀なケースです。
敗訴になっても自分たちの信念を曲げず、別姓を貫き、世間に訴え続ける人たちの存在があるから、多くの国民もそのことに気づき始め、何で別姓ではダメなんだろう?と考えるようになってきたのではないでしょうか?

石木ダム問題で言えば、住民の皆さんは確かに「事業認定取消訴訟」において、敗訴が確定しました。
なので、土地収用法に則って国に奪われてしまった土地の所有権は戻ってきません。

しかし、「石木ダム工事差止訴訟」の方はまだ進行中です。
住民の皆さんは「必要性のないダムの為に、なぜ自分たちが故郷を追われ、犠牲にならなければいけないのか」という理不尽さに我慢できないのです。

憲法12条には「憲法が保障する自由や人権は、国民自らが不断の努力によって守らねばならない」とあります。
こうばるの皆さんは、まさに、その努力を続けておられるのだと思います。

私自身は受益地と呼ばれる佐世保市に住んでいますが、佐世保市民として石木ダムは必要ないと思っているので、住民の方と共に裁判を闘っています。

人口減少で、石木ダムがなくても断水にいたるような水不足は26年間もおきていません。
今後も人口減少は続きます。
節水機器の普及も進みます。
水需要はますます減っていくでしょう。
莫大な予算を必要とする石木ダムは私たち佐世保市民にとって決してプラスではありません。

私たちは、わがままでしょうか?

リボンでエール



「今なら間に合う!! 工事を止めよう!!」

そう書かれたリボンが、そっとネットに結んであった。

その場所はここ。



みんなが座りこんでいる前後に張られたオレンジ色のネット。

その後ろには黒い土嚢があり、ネットには立ち入り禁止の札が掛けられている。



無断入場者は退場させます、とも書かれている。

こうばる13世帯の住民の了解も無く、ダム建設を決め、こうばる地区に土足で進入してきたのは県なのに・・・

つい先日、話し合いを求めるような文書を送ってきたけれど、こうやって工事はどんどん進めている。それでどうして話し合いなんかできるでしょう?そんな住民の皆さんの想いを代弁するように、

こんなリボンもありました。そして、





「たぶん日曜日にでも来られたんじゃない?誰も知らんうちに下げてあったとよ」とのこと。

「きっと平日は仕事か何かで来れないんじゃないの?」

「一緒に座り込みをしたい気持ちはあるけど、出来ない事情があって、代わりにこんなメッセージを残してくれたんだね」「嬉しいね」「有難いね」と皆さん。

午前中と違って、午後は参加者が少ないので、そんなとき、このリボンが元気を与えてくれそう・・・(‘◇’)

後方の盛土の上から見下ろすとこんな感じ。座り込み現場は10mほどの幅に狭められ、あちこちに監視カメラが・・・
カメラにカラス。

カラスは何を監視してるのか。

もしもアナタがヤタガラスなら、長崎県の人権侵害を正しく裁いてくれるだろうが・・・

福岡高裁に「イチケイのカラス」のような裁判官、いないかな~

 

右手で握手、左手にナイフ

5月24日の記者会見で知事が語った石木ダム事前協議について、注目が集まっています。



5月25日の長崎新聞の記事によると、


https://this.kiji.is/769761664957038592

県は、反対住民との対話に向けた事前協議の場を設けたいとして、6月上旬の協議開催を提案する文書を今月21日付で住民に送付した。それに対して住民は「住民間で話し合って協議に応じるかどうか回答したい」と述べつつも、


https://this.kiji.is/769736767273385984

「これまでの県の姿勢はとても対話を望んでいるように見えない。文書は単なるポーズではないか」「知事は対話を望んでいるそうだが、現場では嫌がらせのようなことばかりする。話し合うつもりはなく、さらに事業を進めるためのアリバイ作りでは」「こちらの条件はすでに提示している。工事を進めておきながら、条件を話し合おうというのはおかしい」などの本音も語られている。

実際、今週になって、現場ではどんどん工事が強行されています。


26日、石木川には新たな橋ができていました。


土嚢で円管を固定し、その上を土で固めただけ?

橋の向こうの青い屋根は、簡易テント。あそこで男性陣が監視を続けています。

その向こうの白い建物がダム小屋です。長い間監視小屋として使われ、近年はおばあちゃんたちのサロンとして使われていました。つい最近サカエさんが亡くなってマツさん一人になってしまったけれど、それでも時々マツさんは一人でここにやってきて一人で座っています。こうばるを守るために。

それはそうと、この橋は何のために造られたのでしょう?

ある人が県の河川課に電話で問い合わせたら、「ダム堤敷(ダムの基礎岩盤部分に接している所)の地質調査(ボーリング調査)のための機材等を渡すため」と答えたそうです。

しかし、その話を伝えても、
・ボーリング調査なんてこの近くではやらないだろう。
・これは転流工に繋がるのでは?そうなると一気に本体工事に向かうかもしれない。
などなど様々な意見や憶測が飛び交います。

それは、県が住民の皆さんに、これから始める工事内容について、きちんと説明しないからです。なぜ県は住民の方にきちんと説明しないのでしょう。たぶん、工事内容を事前に説明すると工事を阻止される・・と恐れてのことでしょう。

しかし、仮にそうであっても、県は説明すべきです。それが事業者としての義務です。説明もせずに、いきなり始めるから、闇討ちにあったようで、よけいに反発が大きくなるのです。

振り返れば、今の石木ダム建設事務所長の前の前の所長(古川所長)も、住民の方との攻防は幾度となく繰り返してきましたが、それでも責任者として伝えるべきことは伝え、やるべきことはやり、耳を傾けるべき時は傾け・・・だから、住民の皆さんは、県とは対立しながらも、古川所長の言動を疑うことはありませんでした。

しかし、それ以降の所長のやり方は違います。夜討ち朝駆けで、住民の方を疲弊させ、拡幅のための道路工事と説明しながら、いきなり道路わきに工事用詰め所を作ったり、夜中に土手を壊して工事用車両を通す道を作ったり・・・その手法は、隠す、騙す、欺くことが当たり前のようになってきました。

それは所長自身の方針なのか、上司(河川課長・土木部長・知事)の方針が変わったのか定かではありませんが。

これでは住民の不信感は増すばかりです。いくら話し合いをしましょうと右手を差し出しても、後ろの左手にはナイフを隠しているのではないかと疑われてもしかたありません。



知事が本当に話し合いたいのならば、なぜ今、石木川に工事用の橋を作ったのか?

なぜ今、抗議行動の場所に土砂を入れ、前後から押し寄せることをするのか?


理解できません。

やはり、皆さんが言うようにポーズだけ?アリバイ作り?知事は話し合いを求め事前協議の提案もしたけれど、住民はそれも蹴ってしまった。仕方ないので、土地収用法に沿って次の段階へ進むしかなかった・・と自分や県民を納得させるため?

そんなにしてまで石木ダムを造りたいのはなぜでしょう?
住民への手紙には、


話し合いの目的は、「知事の事業推進にかける想い、生活再建の在り方、工事の進め方などについて話を聞いてほしい」と書かれています。

結局造ることが前提の話し合い。自分たちの言い分だけを伝えたい、聞いてほしいと言っている。それは話し合いじゃない。説明会ですよね。話し合いは意見交換することなのに。

あなた方のお考えも伺いますので、私たちの話も聞いて下さい、という想いがここには全くない。絶対造ります。それ以外の選択肢はありませんという本音が透けて見えます。

石木ダムという呪縛から逃れられない知事。

コロナの感染拡大が続いても、五輪という呪縛から逃れられず突き進んでいる菅総理と、どこか似ている・・・

スタンディングでハプニング

今日は第2月曜日。市役所前スタンディングの日です。

まずは、市役所南の信号傍のスペースで、幟と横断幕でアピールします。


ここに立っていたUさんの感想:みんなけっこうこちらを見てくれていた。会釈をしてくれる人なども今までより多くて、嬉しかった。

その角を右に行くと市役所の正面玄関へ、

左に行くと、

市役所の通用口や、佐世保川の向こうの合同庁舎方面へ。

ここから市役所正面玄関に向かう人もいるので、ここでもアピール。

こちらが通用口。階段を降りていくと市役所食堂や喫茶店、売店へ。

その少し先で写真入りのボードを持っているのは市議のOさん。いろんな人が声をかけて行きます。さすが!立ってるだけで存在感がありますね~

こちらは市営高砂駐車場。市役所や水道局、保健センターなどに来る人が使用している立体駐車場。その前でも静かに立って、幟とボードで訴え。

佐世保川にかかる橋の袂で小さなボードを掲げ続けるYさん。

私は彼女の斜め前に立っていましたが、庁舎への通勤者だけでなく、川沿いを散歩する人の姿もチラホラ。

その中のお1人(男性)が、つかつかと私の方へ。

ん?何かお叱りでも受けるのか?
こんなところに立ってたら散歩の邪魔だ!とか、
水は足りとらん!ダムは必要!とか言われるのか・・と思いきや、
「ご苦労さん。これ」と言って、1000円札を差し出された。

え?あ!とんでもない!けっこうです。
予想外のことに、私は思わず後ずさり。

「よか!気持ちたい!」と言って、また差し出され、
その瞳の奥に信念のような強い圧を感じ、
「わかりました。ありがとうございます!」
と、受け取ってしまった。

スタンディングにカンパとは予想外のハプニングだが、正直嬉しかった。

わずか10人ほどのスタンディングだけれど、私たちだけじゃない。一緒に立つことはできなくても、同じ思いの市民はあちこちにいる。まだまだ頑張ろう~男性の後姿に頭を下げながら、急に元気が湧いてきた。(我ながら単純!)

スタンディング終了後は、いつものようにこうばるへ。
いつもの場所に車を置いて、石木川を渡り、


今日も石木川は澄んでいて、川底の小石がくっきり!


対岸の草むらには、ハクチョウゲの花がいっぱい咲いていた。



白鳥ではなく白丁花と書くそうな。白い丁字型の花という意味。

花言葉は「純愛」。

こうばるには故郷への純愛が溢れている。

さっきの男性も、きっとそれを感じていたのだろう・・・。

 

追悼 岩永サカエさん

着信音が鳴りスマホを見ると、昨年11月「こうばる」を訪れたT・Kさんだった。
何だろう?

「ご無沙汰してます。朝日のオンライン版で岩永サカエさんのことを知って・・」

岩永サカエさんとは、この家の主で、先月突然他界された。
Tさんが見た朝日新聞の記事はこちら。
https://digital.asahi.com/articles/ASP516TSXP4WTOLB001.html?iref=pc_photo_gallery_bottom

原口記者が心を込めて書いた追悼記事。
写真もたくさん掲載されている。
https://digital.asahi.com/articles/photo/AS20210501002284.html?iref=pc_photo_gallery_next_arrow

11月にTさんをを団結小屋に案内したときは、サカエさんは入院中で会えなかった。
マツさんが一人ポツンと座っていた。
「もうすぐ退院してくると思うので」と心待ちにしているようだった。

「あのサカエさんが亡くなられたのですね?私は会えなかったけど、なぜか居ても立っても居られなくなって・・・つい電話してしまいました。突然すみません」と詫びられた。

会ったこともない人の死にこんなに突き動かされたのは、原口記者のペンの力だけでなく、彼女自身が、離れていても心の中でいつもこうばるの人々に寄り添ってくれていたからだと思う。

嬉しかった。
同様の連絡が数本あった。
彼女たちに伝えたのは、サカエさんの明るさと強さ。

掲載記事のとおり、サカエさんは、いつも明るく笑っていた。
暗いニュースも笑い飛ばしていた。

「来るなら来い。何も怖くない」
「どうしてもダムを造りたいなら、うったちば殺してから造れ」
「こうばるは皆きょうだい。みんな家族みたいなもん」

それが口癖だったサカエさん。
ただ、一度、不安を口にしたことがあった。
2015年8月、初めて畑を強制収用された時。
それは、13世帯の中の4世帯の田畑だけだった。
工事の都合からか、住民の分断を狙ってのことか、その両方か、理由は定かではないが、その4世帯の1つがサカエさんだった。

「権力って強かね・・」
記者の取材にそのように答え、怒りと不安に震えていたそうだ。
当時は、あのサカエさんが?と一瞬ショックだったが、
それは事実だし、事実はありのままに受け止めねばならない。
しっかり受け止めた上で、どう行動するか、それが大切なのだと改めて教えられた気がした。

その教えを忘れないよう、パソコンに残っているサカエさんの写真を拾い集めてみた。
(残念ながら、ごくわずかしか残っていないが)

県が初めて付け替え道路工事に着手した2010年3月。
工事現場ゲート前で、地面に座布団を敷いて抗議の座り込み。
写真左がサカエさん。
その背には「長崎県知事は強制収用をやめろ」と書かれたゼッケン。

2014年7月の阻止行動。(左端がサカエさん)
この頃は団結小屋に集うおばあちゃんたちも阻止行動に参加。
皆さんお元気だったし、小屋からゲート前まで近かったから。
それでも猛暑の中の座り込みはキツかったと思う。
こうばるを守りたい!という一心か・・

珍しくお出かけ姿のサカエさん。(同じく2014年夏)
見違えちゃった!

2016年3月、団結大会の後の記念撮影。
川原公民館横の石段に集合して、みんなで「エイエイオー!」と叫んでいるところ。
右隣はいつも一緒だったマツさん。

2017年に完成した映画「ほたるの川のまもりびと」のワンシーン。
パンフレットにも掲載されたのでサカエさんは、「こがん足ば投げ出しとるところば・・」と恥ずかしがっていたが、自然体でとてもいい。

同じく足を投げ出しているが、笑顔が最高!
私が一番好きなサカエさんの写真。
少々凹む出来事があっても、この写真を見たら誰もが元気になれそう。
村山カメラマンだからこそ撮れた写真だと思う。

サカエさん、あなたの魂は、いつまでも、この大地に在り、

こうばるの人々を励まし見守り続けることでしょう。

こうばる風景画展は明日(24日)までです!



明日(24日)までです。

佐世保市民の皆さん、ぜひ島瀬美術センターへ!
心がほっとする懐かしい里の風景画が展示されています。

春の「こうばる」は、菜の花がいっぱい!

こうばるの真ん中を流れる石木川。
細く、澄んだ流れは、まさに「春の小川」。

石木川にかけられた「こうばる橋」は、古い石造りのアーチ橋。カッコイイ!

こちらは、こうばるの上流地域の木場郷。
有名な日向の棚田です。

石木ダムができたら、ダム湖によって下流地域と分断され、寂しくなります。
だから、Yさん夫婦やMさんは、農作業の合間を縫って、こうばる住民と共に毎日抗議の座り込みをしています。

もっともっとたくさんの絵が展示されています。
よかったら、買い物帰りにでも是非立ち寄ってみませんか?
コロナ疲れも癒されますよ~