先日(3月24日)の長崎地裁佐世保支部の判決は不当であり、私たちは到底受け入れられないので、福岡高裁へ控訴しました。
もちろん、先の事業認定取消訴訟において、行政側の言い分を100%認めた福岡高裁なので、結果に期待はできないが、私たちは泣き寝入りはしない。諦めはしない。おかしいことはおかしいと言い続けていく…。
それが大事なことだと思っています。
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3月下旬、アルカスSASEBOで、ちょっとユニークな展示会が開催されました。
その名は「石木ダムは市民の願い???」メッセージ展!
石木ダムがテーマなのに、なんだかいつもとは違うイメージ!素敵ですね~
昨年秋に誕生したグループ「#ダムより花を」です。これまで石木ダムといえば、関心が高いのは高齢者で、若者世代は無関心・・と言われていましたが、実はそうではありませんでした。
自然が大好きな若者や子育て世代のお母さんたちの中には、「自然豊かなこうばるを水底に沈めるなんてやめてほしい」「水道料金や税金の使われ方として石木ダムってどうなの?」というモヤモヤとした思いを抱いている人たちも、けっこういたようです。
そんな人たちが集まって生まれたのが、このグループ。昨年は2回ほど、仮装パレードをやって市民の関心を集めました。
今年に入って、アーケード街で2回、アンケート調査を実施。その結果発表も今回のイベントの目的の1つでした。
みんな以前から疑問だったそうです。水道局の建物等に掲げられた「石木ダムは市民の願い」って本当だろうか?と。だって、自分の周りではあまりそんな人いないので…。というおしゃべりから、じゃあ、実際にアンケートやってみない?ということになって、その結果がこちら。
石木ダムを願っている人(新たにダムが必要だと思っている人)は、なんと、わずか18%でした!過半数の市民は願っていなくて、約30%は必要かどうか「わからない」でした。
また、市はことあるごとに佐世保は慢性的水不足で、水源確保は喫緊の課題だとアピールしますが、市民の64%は「水不足だと思っていない」ようです。
そして、佐世保市が負担する石木ダム建設費と関連事業費の総額が353億円にのぼることを市民の65%が知らないなんて・・・これも大きな問題ですよね。
新しい家を建てるのに、その総額がいくらになるのかも知らずに、計画が進められ、毎年かかった費用が請求されているようなものです。
そこで聞きました。佐世保市民のために使えるお金が353億円あったら、どんなことに使ってほしいですか?と。
「保育料を無料にしてほしい」「広い公園があったらいいな」「小・中・高の教室にエアコンをつけてほしい」「バス料金安くして下さい」「漏水対策ちゃんとしてよ!」などなど。頷きたくなるご意見ばかり。
さて、こちらのコーナーは、新聞の投書欄。
石木ダム問題は、本当によく投稿されるので、これはそのほんの一部ですが。
こちらはお馴染み、ほーちゃんのイラストコーナー。
イラストの下に置いてある水槽の中に入っているのは、カスミサンショウウオの子どもたち!こちらも人気者になっていましたよ。
壁面には、絵画がずらり。全て、こうばるの風景を描いたものです。
こちらは、この展示会に絵画を出品しよう!と、仲間に呼びかけてくださった吉村さんの作品。虚空蔵山に抱かれた「こうばる」の美しい景色…作者の想いが伝わってきます。
もちろん、石木川まもり隊も出品しましたよ。
まずは、写真展のコーナー。
そして、こうばる最大のお祭り。ほたる祭り!
その隣は手芸(パッチワーク)の作品を展示しました。こうばるにお嫁に来た3人の義姉妹の作品です。(2人は実の姉妹)
この三姉妹だけでなく、こうばるの女性たちは皆ほんとうの姉妹のよう。
常に相談し、助け合い、本物の姉妹以上かもしれない。
他所から嫁いだのに、いつのまにか「ここが私のふるさと」「いつまでもここに住み続けたい」と本気で願うようになった女同士、強い絆で結ばれています。
それはまるで、別々の生地を繋ぎ合わせて作りあげるパッチワークのよう。
生地は厚みを増し、強くなり、
そして、作る楽しさ、オンリーワンの素晴らしさ!
こんな女性たちが惚れ込んだ「こうばる」を、あなたも訪ねてみませんか。
3月24日、「石木ダム工事差止訴訟」判決の日。長崎地裁佐世保支部前。コロナ対策でわずか9席の傍聴席を求めて約60人が集まりました。
その門前集会で、岩下さんは原告を代表して、こう述べました。
「裁判所におかれては、現実を直視し、行政に忖度しないで、正しい判断をされるものと思っている」と。
しかし、その願いは届かず、結果は「棄却=石木ダム工事差止は認めない」でした。
判決直後、岩下さんは、記者団のインタビューに答えて、「 本当にダムが必要なのかと裁判官に訴えてきたが、議論が尽くされたのか疑問に思う。私たちは今後も住み続ける。その思いは全く変わらない」と語りました。
その後、報告集会には、約100人もの人々が集まり、弁護団の報告に耳を傾けました。
まず、平山弁護士から判決要旨(佐世保支部判決要旨)に沿って、棄却理由の説明がありました。
その主な理由は、
①住民の生命・身体の安全という権利性は認めるが、ダム建設によって、それが侵害されるおそれがあるとは認められない。
②豊かな自然とその恵みを享受しながら生活を営む権利や人間の尊厳という概念は抽象的で、内容も不明確で、差し止め請求の基礎となる法的権利とはいえない。
ということでした。
弁護団長の馬奈木弁護士は、この判決は、近代市民社会を潰す判決だと指摘しました。
権利の尊重は近代市民社会の根本原理であり、国際社会では、それを侵すものに対しては「即、差し止め」が原則である。もちろん例外はあるが。
ところが、日本では、「まず我慢せよ」が原則。その受忍限度を過ぎたら損害賠償、最後が差し止めである。逆転している。
しかし、4大公害訴訟などの闘いを経て、日本でも徐々に権利が認められるようになってきた。原発事故の裁判では、多くの裁判所が、ふるさとで暮らす権利を認めて損害賠償の判決を出している。
こうばるで生活を営む権利や人間の尊厳が抽象的で権利性が無いなど、とんでもない!
そう言えば、憲法には幸福追求権がありましたね。
第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
何が幸福かは人それぞれ違うのですから、「抽象的」で当たり前です。こうばるの皆さんにとってこうばるで暮らすことが最大の幸福なら、その幸福を追求する権利を県は尊重しなければならないはずです。公共の福祉に反しない限りにおいて。
尊重しなくて良いと言うなら、公共の福祉に反していることを説明しなければならないはずですが、その説明は、判決要旨には何もありませんでした。
私たちは、この裁判において、石木ダムの必要性の無さを利水面でも治水面でも、詳しく丁寧に訴えてきました。要旨の中でそれに何も言及していないのは、必要性の無さを立証できなかったからであり、それはつまり、公共の福祉に反しているとは言えないということです。ということは、県や佐世保市はこうばる住民の幸福を追求する権利を奪うことになるダム建設は、強行してはならないということになるのではないでしょうか。
戦後、日本国憲法ができたときに中学生に配られたという「あたらしい憲法のはなし」には、こんなふうに書かれています。
人間がこの世に生きてゆくからには、じぶんのすきな所に住み、じぶんのすきな所に行き、じぶんの思うことをいい、じぶんのすきな教えにしたがってゆけることなどが必要です。これらのことが人間の自由であって、この自由は、けっして奪われてはなりません。また、國の力でこの自由を取りあげ、やたらに刑罰を加えたりしてはなりません。そこで憲法は、この自由は、けっして侵すことのできないものであることをきめているのです。
こんな自由も、幸福を追求する権利も奪われたら、どんなに住みにくい世の中になるでしょう。そうならないためにも、私たちは、控訴して闘い続けます。
2020年3月22日(日)から3月26日(木)まで、アルカスSASEBO交流スクエアにて、
#ダムより花を presents
「石木ダムは市民の願い???メッセージ展」
開催中です!
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(#ダムより花をフェイスブックページより転載)
#ダムより花を presents
『石木ダムは市民の願い???
メッセージ展』
明日3/22日からいよいよ始まります(*⁰▿⁰*)/
今みんなで準備を終え、この投稿をしています。
#ダムより花を の想い、活動を通じて、佐世保市民みんなで石木ダムのことを考えていくきっかけになったらなぁと思います☆
ステキなこうばるの春もアルカスの交流スクエアに届きました♡
ぜひぜひ遊びに来てください!
『希望の木』を通して、皆さんの想いを広げてください✨✨
期間中はメッセージを受け付けております!
メッセージ用の紙は受付にてご準備しております。
たくさんのメッセージで希望の木を実らせましょう(*^^*)
お待ちしておりまーっす!!!
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#ダムより花を presents
『石木ダムは市民の願い???
メッセージ展』
期間 3月22日〜3月26日(25日 休館日)
場所 アルカスSASEBO 交流スクエア
*入場無料
*展示は開館時間から閉館時間までご覧いただけます。(最終日のみ18時まで)
お久しぶりです。
先月のとある天気の良い日、学生さんたちが石木ダム水没予定地こうばる地区を視察に来てくれました!
「ここには、シーボルトがヨーロッパに持ち帰った川魚の標本の19種のうち(15種は川棚川水系から採取されてて)、12種がまだ確認できるんです!まさに、シーボルトの川なんです〜」
「この看板は、川原(こうばる)のうたの歌詞が書かれてます。でも、裏には面白い秘話があって…」
「看板の裏に回ると、事業認定告示の看板が置いてあるのわかりますか〜?」
「この事業認定の看板を、地元のおじちゃんたちが粋な計らいで隠してしまっているんですよ〜」
事業認定の看板を覗き込むみなさん。
「ここは遊泳場で、夏になると子どもたちがたくさん泳ぎにやってくるんです。」
「2018年の大水で土砂が堆積してすっかり今は浅くなってしまったけど、またしばらくしたら深くなってきますよ。」
「2016年にはWTKとういう音楽フェスもやったんですよ〜音楽プロデューサーの小林武史さんAP BANKがきてくれたやつ。」
こちら、おサル(見ざる・言わざる・聞かざる)の看板を見てるシーン。
同時に、第二次世界大戦末期にこの土地が一度強制収用されてしまったことも説明しました。
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しれっとご報告。
Byほずみ
意見書の提出を終えた嶋津先生(ダム検証のあり方を問う科学者の会)と共に、佐世保市水道施設の見学ツアーに、いざ出発!
といっても、午前中は、嶋津先生のご希望により、相浦川の取水場を外から見て回るだけ。相浦川には3つの取水場があり、1つ(相浦取水場)だけが安定水源で、2つ(四条橋取水場と三本木取水場)は不安定水源と位置付けられているけれど、その違いを実際に見てみたい!ということで・・・
まずやってきたのは、最下流の相浦取水場。安定水源と言うだけあって、たっぷり水はあるようですね。
続いてこちらは、四条橋取水場。四角く囲ったところから取水しているのですが、こちらも下流にザーザー流れているので、十分取水できているはず。
それからしばらく上流に車を走らせ、たどり着いた三本木取水場は、周囲が木立に覆われ、対岸の茂みから垣間見ることしかできませんが、
こちらも取水量はたっぷりあるようです。取水口全体が水で覆われていますから。嶋津先生も、水量は大丈夫そうですね~と。
その後、満水の川谷ダムを道路から確認し、柚木浄水場も遠めに見て、午後からの見学地である、山の田浄水場へ。見学は1時からですが、その前にここでお弁当を食べさせて頂きました。
2015年に完成した山の田浄水場です。
100年の歴史があった旧山の田浄水場と大野浄水場を統合させた新山の田浄水場で、セラミックの膜ろ過方式を採用した最新設備の浄水場。厚労省だけでなく、防衛省の補助金も頂いて建設されたようです。
佐世保市水道局の施設ですが、運営するのは佐世保アクアソリューション(メタウォーター関連会社)だそうで、説明には、水道局職員とアクアソリューションの社員のお2人が!
どちらもとても親切で感じが良く、嶋津先生だけでなく私たちからも次々に質問が飛び出しましたが、どんな質問にも丁寧にわかりやすく説明していただき、たいへん勉強になりました。
これは、以前の山の田浄水場のろ過方式の説明模型です。緩速ろ過と言って、煉瓦や砂利を何層にも重ねて微生物の力でゆっくりろ過する浄水システムです。薬品を多用する急速ろ過と違って美味しそうですが、浄水速度が遅いので、広い敷地が必要です。
一転してこちらは今の山の田浄水場のろ過システム。
ここには800本もの円筒形のものが並んでいますが、この中にセラミック膜でできたろ過装置が詰まっているのです。
中はこのようになっています。この小さな丸い穴(セル)を通った原水はセラミック膜でろ過され、四角い穴から浄水となって吹き出し、浄水池へ送られていきます。
一方、セルの内部に着いた不純物は逆洗工程によって剥がされ、それを圧縮空気でブローして濃縮槽に送られます。不純物は下に沈むので、上澄水はまた浄水工程に戻されろ過されます。
その結果、原水の99.9%が水道水になるのだそうです!素晴らしい!
そうして集められた0.1%の真っ黒な汚泥。それを天日干しすると、浄水ケーキと呼ばれる土の塊ができ、それは野菜の苗を育てる土として利用されるのだそうです。
99.9%という利用量率=安全率の高さ!これは注目に値しますね。
必要な水源量の算出にあたっては、一日最大給水量を、この安全率で割って計算するのですが、安全率が高ければ高いほど必要な原水量は少なくてすみます。
例えば、一日最大給水量が10万㌧の場合。
安全率が90%なら、10万÷0.9=11万1千㌧ですが、
安全率が99%なら、10万÷0.99=10万1千㌧となり、1万㌧も少なくなります。
佐世保市水道局は水需要予測の計算においては、安全率を90%として計算しています。ここでも実績を無視しているようです。
もちろん、他の浄水場(広田と柚木)は、ここより低い安全率ですが、それでも全体で97%ほどだと聞いています。正しいデータを使って算出してほしいものです。
このようなモニターを見ながら、ここでは常に現状を把握しながらろ過が無駄なく安全におこなわれているようです。
おや?こちらのモニターは何でしょう?
こちらは、いま、この山の田浄水場へどこからどのくらい水が送られてきているかを把握するモニターだそうです。
ん!これは? やっぱり・・・。
取水されていないのです。
私たちは先ほど見てきたばかりです。一番水がたっぷりに見えた相浦川からは取水せず、一番少なく見えた三本木からだけ取水してます。
WHY? 質問したところ、お答えはこうでした。
三本木からは自然流下でこちらに入ってきますのでコストがかかりません。相浦川や四条橋はポンプアップの電気代や水質の問題があるので、通常は三本木からの水を使います。足りない時だけ相浦川や四条橋も・・・。
やはり!
佐世保市水道局は、慣行水利権を有する三本木や四条橋は水量が不安定な不安定水源として、保有水源とは認めていません。今回の再評価でも、「慣行水利権22,500㎥/日を保有していますが、いずれも不安定水源であることから、安定的な取水が望めません」と書かれていますが、それはマチガイ?嘘?ですね。
慣行水利権の三本木からは毎日安定的に取水しているではありませんか!
安定水源の相浦の方が取水していないではありませんか!
また、取水していない相浦や四条橋は水量が少なくて取水しなかったのではなく、三本木の水で足りていたから取水しなかっただけのこと。
帰るときに気付きました。1階の床のタイルに貼られた佐世保の地図。そこに印されたダムや浄水場など。
海と山に囲まれた自然豊かな佐世保市。この自然に育まれた川の流れと、昔からそこで取水されていた慣行水利権こそ大事にすべき水源では?この水利権を放棄して、石木ダムから水を持ってこようだなんて・・・将来に禍根を残す愚策です!
3月2日8:30、「ダム検証のあり方を問う科学者の会」の嶋津暉之氏は、佐世保市水道局を訪ねました。
手にしているのは、意見書です。
佐世保市の水需要予測は科学性が欠如している、やり直すべきだとして先月意見書を提出したばかりですが、今回は、費用対効果の算出が虚構であるとして、再検証を求め、再び意見書の提出です。
佐世保市水道の事業債評価に関する意見書その2
前回は私たちが代理で渡しましたが、今回は、科学者の会のメンバーであるご本人が直接渡されたのですから、水道局は、その重みをしっかり感じてほしいものです。
嶋津先生は何度も回答をいただけますか?と質しましたが、川野水源対策・企画課長は「検討する」としか答えませんでした。情けないです。。
私たち市民団体からも、公正な再評価委員会を設置して審議をやり直してほしいという申し入れをおこないました。
公正な再評価委員会設置の申し入れ書2020.3.2
また、前日の、3.1緊急市民集会の集会宣言も合わせて提出しました。
3.1緊急集会宣言2020.3.1
どの文書にも、「再評価やり直し」の文字がおどっています。科学者からも市民からもおかしい!と批判されるこの再評価をどうかやり直してほしい、その目的に沿った、中立な委員会を新たに設置して、しっかり検討してほしい。
回答を待っています。
新型コロナウィルス感染拡大阻止のため、全国の小・中・高校がすべて休校となったばかり。各種イベントもスポーツ大会も中止や延期が相次ぐ中の開催で、どのくらいの市民が集まってくれるのか、かなり不安でしたが・・・
会場は満席!補助椅子も出したほどです。
そんな参加者に万一のことがあってはならないので、事前に机や椅子、ドアの取っ手、マイクなどをエタノール消毒し、来場者には入り口で手の消毒とマスクの着用をお願いしました。
そこまでして、なぜ、今やらねばならなかったのか?開会挨拶の中で説明させて頂きました。→開会挨拶
そして、早速、嶋津先生の講演が始まりました。嶋津先生は、佐世保市の水需要予測は科学性が欠如しているので見直すべきとの意見書を市に提出した「ダム検証のあり方を問う科学者の会」のお1人です。
この日は、佐世保市の説明を元に、どこがどう非科学的なのか、その架空予測のトリックを具体的に解き明かしてくださいました。配布資料はこちらです。
まずは過大な水需要予測と保有水源の過小評価について。
3月1日配布資料その1 利水
その結果、4万㌧もの水不足をでっち上げ、それを前提として費用対効果の計算がなされているので、全くあり得ない便益比になっていると。
3月1日配布資料その2 費用便益
ただ、「今回は、その便益比の計算方法や根拠となる数値が全く開示されていないので、取りあえず前回(2013年2月)の再評価の資料を使ってみました」とのこと。
そして、「それにしても、傍聴者に資料を配布しない再評価委員会など聞いたことが無い!佐世保市はひどすぎる!」と憤慨しておられました。
その後、質疑応答に移り、会場からはたくさんの質問やご意見も。その一部をご紹介すると…
Aさん:それまでよりも急激に増加するという2013年の水需要予測が大ハズレだったのに、また今度の予測も大幅に増えると予測するのは、どういうことでしょうか?
嶋津先生:予測と実績が乖離しているじゃないかと。その通りなんですが、予測のデタラメさがバレても恥ずかしいとも思わないし、反省も無いんですね。それはおかしいじゃないかと声を上げてほしい。特に報道の方もね。(そうだ、そうだの声あり)
Bさん:札幌市の話(ダムができるまでは過大な水需要予測をし、ダムができたら途端にまともな予測に変わった)を聞いて驚きました。そんなデタラメな予測でダムを造ってしまって、誰も責任を取らないのですか?
嶋津先生:こちらもダムができたら下方修正をして、知らん顔してますね。きちんと追及しなければならないのに、議会でもあまり問題視せず、うやむやに終わっています。
Cさん:平成20年の総務省勧告で、需要予測については「予測値と実績値が乖離している場合には、原因分析を行い、その結果を事業に反映させること」とありますが、それに対して厚労省は、どのような対応をしたのでしょうか?
嶋津先生:総務省もいいことを言うのですが、言うだけです。行動が伴いません。札幌市の過大な予測の時も総務省へ異論が出たんですよ。しかし厚労省が代わりに答えてうやむやになってしまったんです。厚労省もおかしいですよ。今後の水需要は日本全体として減少していくと予測しているんですよ、彼ら自身が。しかし、札幌でも佐世保でも、その逆となる増加の予測を認めて、補助金を出す。この矛盾を追求しなければならない。
Dさん:委員会では実際にどのような発言がなされていたのでしょうか?
司会者:委員からの質問はほとんどなく、いつも委員長が長々と発言して「妥当だと思います」とか「了承でいいですね」とかまとめて、次に進むといった感じでした。
Eさん:佐世保市の漏水率はかつてはすごく高かったと聞いています。今は9%~10%くらい?漏水を減らしたのは褒めてあげたいと思います。しかし、まだまだ高い。福岡では2%くらいです。漏水対策をもっと頑張って、そちらにお金を使うことを考えた方がいいのではないでしょうか?
嶋津先生:全くです。福岡の節水意識を見習って、漏水防止に努めてほしいものです。
質疑の後、「石木ダム強制収用を許さない議員連盟」事務局長の林田二三さん(東彼杵町議)と平戸市議の小山田輔雄さんからご挨拶をいただきました。林田町議:現在、議員連盟は国会議員を含め、107名になりましたが、発端は映画「ほたるの川のまもりびと」でした。この映画を一緒に観た子育て世代のお母さんたちと石木ダム問題について考え、地権者であり川棚町議の炭谷さんのお話を聴いて、同じ町議としてできることは何かと考える中で、議員連盟が生まれました。
小山田市議:国民の生活を守るのが議員の務め。こうばる13世帯への人権侵害を許してはならない。ここにいる人は皆わかっている。あとは本気になって行動することです。昨年は九州地方整備局や県や佐世保市へ申し入れを行きました。この議連がますます大きくなるよう、皆さんのお力をお貸し下さい。
そして、地元こうばるからは、岩下和雄さんが貴重な話をしてくださいました。
その1.石木ダム計画が提起された52年ほど前の頃、佐世保市が川棚町議会で行った報告では、「佐世保市には10万5千㌧の水源があるが、10年後には16万5千㌧の水が必要となり6万㌧不足するので石木ダムが必要」と説明していました。今では、「将来11万7千㌧必要となるが、水源は7万7千㌧しかないので4万㌧不足し、石木ダムが必要」と言っている。水需要が減ったので保有水源も減らしている。まさに数字合わせです。
その2.平成6年の大渇水の翌年、当時の佐世保市長桟さんは市長を止める前に私に会いに来てこう言われた。「水源確保のためにいろいろやろうとしたが、県から止められた。石木ダムに影響するからと。それをやっていれば、あんな酷い渇水被害は生じなかった」と。それは、新聞記事にもなっています。
その3.その後の市長、光武さんはこんな構想を描いていた。南部に焼却場を造り、そこで海水淡水化を行う。それまでは、川棚川に河口堰を設け、今よりも1万㌧多く取水できるようにする。川谷ダムの嵩上げもする。だから大丈夫だと言われていた。しかし、南部焼却場には予算がつかなかった。川棚川の河口堰については、県の方から、そんなことをされては困ると言われ、川谷ダムはかなり取水能力が大きくなり、そんなことは止めてくれと、これも県から言われ、川谷ダムよりは能力の小さな下の原ダムの嵩上げに変更された。このように、佐世保の水源対策は全て県によって圧力がかけられ邪魔されてきたのです。
そして、ついに昨年9月私たちの土地は全て収用されてしまった。11月には明け渡し期限が来て、それからは毎月、出て行けと催促されている。しかし、私たちは出て行かない。それは必要のないダムだから。それは利水だけでなく、治水においても同じ。これまで何十億というお金が石木ダムに使われているが、その一部で河川改修はでき、水害は防げる。
私たちは決して出て行かない。こうばるに住み続けます。皆さん、是非こうばるに足を運んでください。こうばるには自然がたくさん残っています。夏にはホタルがたくさん見られます。皆さんの目で実際に見てここは残すべきだと、そんな声を佐世保の中からたくさんあげてほしい。よろしくお願いします。
会場は、初めて聞く話に驚き、当事者の固い決意に聴き入り、終わると同時に熱いエールの拍手が!
そして、それに連動するように、集会宣言案が読み上げられ、こちらも大きな拍手で採択されました。→3.1緊急集会宣言2020.3.1
私たち主催者は、やって良かったと何か手応えのようなものを感じましたが、それはアンケートの結果にも表れていました。
ほんの少しだけご紹介すると…
などなど。読みながら頷くことばかりでした。
「おかしいと思うことに対しておかしいと声をあげていこう」
そう。これに尽きますね。石木ダムも原発もカジノも、おかしいことはおかしいと声を上げ、自分たちの生きる権利は自分たちで守らなければ・・・ですね。
2月28日、佐世保市上下水道事業経営検討委員会は、石木ダム再評価についての3回目の委員会で答申書をとりまとめ、その場で、佐世保市水道局長へ提出しました。
事務局案を全て「概ね妥当」と評価して、事業継続とする方針を認めました。
「概ね妥当」ということは、「完全に妥当」ではないということ。では、どこがひっかかるのかというと、需要予測が過大?ではなく、その逆で、もっと多く見積もって、4万㌧以上の新たな水源確保をしてほしかったな~ということ。「必要最小限」の開発では不安だな~ということ。
このグラフを見てほしい。現在よりも37%も増えるという赤線の予測の、どこが「必要最小限」か!?
ホッとしてる?またまた御冗談を。石木ダム促進を謳った水道ビジョンを一緒に策定したお仲間じゃないですか!その委員の方々が石木ダム中止なんて言うわけないでしょ?筋書き通りの茶番劇でした。
そして、
年度内にも国へ提出?というと、3月末を目途にしているように聞こえますが…
前回は、3月14日に答申を受け取り、その翌日には県を通して国へ提出してますからね~
私たちは、こんな結論有りきの再評価は認められません!国に提出する前に、やり直しを求めたいと思っています。急がなくっちゃ・・・