いまこそ、石木ダム見直しのとき!

これは、長崎新聞がおこなった「有権者500人に聞く~2018年知事選」のアンケートの結果です。

「ぜひ必要」+「どちらかといえば、あったほうがいい」=20.0%
「全く不要」+「どちらかといえば、なくてもいい」=36.4%

石木ダムが必要かと問われれば、不要と考える県民の方がかなり多いことが明らかになりました。

これは昨年5月、民間のリサーチ会社がおこなった石木ダムについての県民2500人アンケートの結果とも符合します。

今回のアンケートは、2月4日の知事選を前におこなわれたのですが、各質問項目の結果をみると、いずれも県民意識が浮き彫りになっており、信ぴょう性の高さを感じます。

このように回答者の半分は中村知事に好感を持っており、評価しない派は2割に過ぎません。

そして県民が求める政策は、

トップにあがったのは「所得向上」。県民所得は全国でも最低レベルですから予想通り。ただ女性に限ると、トップは「子育て支援」。いかに県内のお母さんたちが苦労しているか、悲痛な声が聞こえてくるようです。

一方、その県民の血税を注ぎ込んでいる新幹線については、

必要派は5割を超え、不要派を12.4ポイントも上回っている!これは意外でした。県民も望んでいるんですね~ 新幹線に夢を抱き過ぎじゃないかな~と思う私は少数派だったのか~

長年懸案のこちらは、

わずかの差で反対派が上回っていますが、圧倒的に多いのは「分からない」。そうですよね~司法の判決も「開門しろ」と言ったり「開門するな」と言ったり二転三転。漁業者や営農者の言い分を聞いていると、どちらも気の毒で判断できない・・・と思う県民が多いのでしょう。

つまり、今回のアンケート結果でわかったのは、意外と?県民の多くは中村知事を評価しており、知事が進めている新幹線には理解を示し、懸案の諫干開門については中立的。そんな県民が、石木ダムに関してだけは反対の声を上げているということが見えてきたのです。

この事実を、知事をはじめ県は、しっかりと受け止めてほしい!

1月16日の長崎新聞には、この石木ダムに関するアンケート結果の分析がまとめられていますが、佐世保市だけで見ると、なんと不要派は47.4%!5割に近かったというのです。佐世保市民の私としては、大いに頷ける数字でした。

 

中村知事へ

あなたは三選出馬を決意するまでずいぶん迷われたようですが、それは何故でしょう?

県政を担う重圧からもう解放されたかったのでしょうか?

自分の目指す政治がやりにくい環境にあったからでしょうか?

でも、もう決意された。明日は告示ですね。

もう一度県民のために頑張ろうと思われるのなら、この一般県民の声をしっかり受け止めてください。

今こそ、石木ダムの見直しを掲げる時!ですよ。

 

強引な手法許されない

今朝の長崎新聞の論説を貼付させて頂きます。

とても素晴らしい内容でした。

地権者の置かれている状況や裁判の中で明らかになったこと、そして、石木ダムに対する県民の意識についてもしっかり受け止め、県側の強引な手法を批判しています。

どうか裁判官の皆さんも読んでくださっていますように・・・♡

今朝もチラシ配りやりました!

おはようございます!

石木ダム水没予定地住民のいしまるほずみです。

今朝は元気ですよ〜😉

(昨日は連日の疲れでとうとうダウンしてしまったのですが…)

さて、ここはどこでしょう?

石木ダムご当地川棚町のお隣、波佐見町の町役場です!

今朝は、毎月川棚町内で石木ダムの学習会を行っているメンバーを二手に分けて波佐見町役場と東彼杵町役場でチラシ配りをしました。

1/5(金)に佐世保市役所で配布した町民の会のチラシと、1/28(日)に川棚町公会堂で開催される「ほたるの川のまもりびと」の上映会のチラシをセットで配布しました。

佐世保市役所(都会!)でのチラシ配りとは違って職員の数は100人程度、一人一人確実に受け取ってもらえます!

8時から30分程度でほぼ全部配りきってしまいましたよ〜😃

そして、

1/28(日)の川棚町公会堂での上映会には確実に来てもらいたい!

そのために作った入場チケット!

こちらは、1/13(土),14(日)と2日間、川棚町内で一軒一軒家を訪ねて宣伝して呼びかけて、来てくれそうな人にはチケットを渡す…という活動をやっています!

1,000枚準備していますが、地道に頑張ったおかげで結構受け取っていただいてます!

昨日、私は疲れでダウンしておりましたので、その成果に「ええ!?マジ?本当によくやったなぁ〜!!😳」と驚いております。

今度の週末1/20(土)、1/21(日)もこの活動やる予定でいますので、協力いただける方は9時に川棚町中央公民館にお集まりください😁

何もお答えできません

ここはどこ?ほんのちょっとうたた寝してる間に、窓外の景色は一変していました。

同じ長崎県内とは思えない積雪です。
こんな日に高速バスで長崎市に向かった理由は…

県庁へ行くため。
知事への要請書を提出する地権者の皆さんの応援に、やってきました。
すでにたくさんの支援者も集まっています。

新庁舎のロビーの床にはまだブルーシートが敷かれていて、眩しいほどピッカピカの新築です。

まもなく河川課の職員がやってきて、案内されたのはこちら。

引っ越したばかりで新庁舎の会議室が確保できないので旧庁舎にしてくれと言われていたのですが、なんとか手配して頂けたようです。

今日は知事も土木部長も公務で不在だそうです。(毎回のことですが)

川原(こうばる)地区総代の炭谷猛さんが、要請文書を読み上げました。

要請文書はこちらです。

2018.1.12長崎県知事への要請書

吉田慎一土木部次長に手渡します。

低姿勢で受け取ってくれましたが、対応の中身は真逆です。

要請事項は決して難しいことではありません。
石木ダム問題打開のため、知事に対して住民との話し合いを求める、ただそれだけです。
住民とは、石木ダム水没予定地の住民です。
石木ダムの起業者は県であり、その最高責任者は知事ですから、石木ダムによって犠牲を強いられている住民に会うのは当然のことです。
しかし、知事に代わって対応した土木部職員は、当然の要請を受け入れるどころか、全てにおいてゼロ回答でした。

「いつまでに回答をもらえますか?」

今ここでは言えません

「回答はもらえるんですよね?文書でください」

それも含めて伝えます

伝える?何を聞いても「伝える」
「伝える」のは当然です。
回答文書を提出するとなぜ言えないのでしょう?
そのくらいの権限はあるはずの方々が3人もいて・・・
知事宛ての要請文書を受け取ったのだから、知事名で返事の文書を出すのは当然だと思うのですが。。。
私たちの常識は長崎県の非常識?

なぜそれほど話し合いを拒否するのかの質問に対し、

浦瀬企画監「1つは、裁判中だから」

裁判が理由で話し合えないというのなら、これから先何年も話し合えないことになりますが。
逃げているとしか思えません。
そのような声があちこちからあがると、

「裁判中だからできないとは言っていない。適切でないと言ったんです」

「それじゃあ話し合いをしてください」

「条件が整っていないからできません」

「条件とは何ですか?」

「私たちは生活再建の話し合いをさせて頂きたいのですが、それが難しいようなので…」

「生活再建以外の話はしないってことですか?」

「そのようなご意見も伝えますので…」

というふうに、また逸らします。
そこで地権者の方が言いました。

「生活再建だけと言われたら話し合いはできません。貴方たちは私たちの同意を得たいんでしょう?私たちが同意できるような資料をもって話に来てください。そこで私たちが理解できたら一緒にダムを造れるじゃないですか。そういう努力をしてください。裁判とは別にしてください

予定時間を大幅に過ぎても県側から話し合いを打ち切らなかったのは、良かったと思います。
しかし、最後まで無回答だったのは残念です。

今回の場の交渉を引き受けてくださったTさんが、「まもなく選挙に入るので選挙後でもいいから、知事に話し合い再開の意思があるのかどうかそれだけは確認してください、そして回答をください」と提案しても、「それも含めて検討します」という答えしか返ってきませんでした。

よほど上から釘を刺されていたのでしょう。
「何1つ約束するな」「回答するとは決して言うな」と。

庁舎は新しくなっても体制は古いまんまだね~
それが、皆の共通した感想でした。

上?
土木部次長の上といったら土木部長?
しかいませんが・・・ (- -)

長崎県知事への要請行動に出向きます

みなさん、こんにちは。

石木ダム水没予定地住民のいしまるほずみです。

今日は石木ダム水没予定地こうばる地区にも少し積雪がありました。

明日、地元と支援者は長崎県庁(新庁舎!)に集まって知事に石木ダム問題を解決するために地元と話し合いをするよう要請に行きます!

みなさんも一緒に参加しませんか?

でも、明日はまた積雪のおそれが…😓

こちら地元はマイクロバスで県庁に向かいますが、高速道路が通れないとかいろいろあるかもしれないのでどうなることやら…😓

今の所は、予定通り要請行動を行うそうですので、長崎市内の方、是非ご参加よろしくお願いします😌

明日、1月12日(金)9:45に、新庁舎玄関前(旭大橋側)に集合です!

 

 

学者証人、手法の妥当性を判断しただけ

1月9日午前11時、首都大学東京南大沢キャンパスにて、特任教授小泉明氏への証人尋問が行われました。

多忙で長崎まで行けないという証人のために、長崎地裁の裁判官3名、書記官1名、原告6名、原告側弁護団6名、被告側弁護団8名の計24名が証人のいる場所まで足を運んで実施された「出張尋問」です。

たいへん広い敷地の中をかなり歩き、理工系ゾーンの9号館に辿り着きました。

建物に入っていく当方原告と弁護団。

今回は佐世保市の平成24年度水需要予測にお墨付きを与えた学者への尋問なので、「何を根拠に、何を前提に佐世保市の水需要予測を良しと判断されたのか?」という視点での尋問となりました。

報告集会での弁護団の説明によれば、小泉教授は、
〇佐世保市から出された資料を見て判断した。
〇自分に求められた役割は需要予測の手法が妥当かどうかであり、それを判断したに過ぎない。
〇そのやり方で出てきた数値には関知しない。
と主張し、例えば、

生活用水について、当時一人一日189ℓであったものが207ℓになると予測したことについての結論に何ら責任を負うものではない、と説明。
その姿勢は業務営業用水や工場用水についても同様だったそうで、全く無責任と言うか、不誠実と言うか・・・呆れると同時に腹がたってきました。

また、負荷率(一日平均給水量から一日最大給水量を予測する際に使う率で、負荷率が小さいほど最大給水量は大きくなる)を担当した高橋弁護士によると、以下のようなやり取りがあったそうです。

高橋弁護士:
平成16年度予測では、負荷率を過去10年の平均値を採用し、
平成19年度予測では、過去10年間の最低値を採用し、
平成24年度予測では、過去20年間の最低から2番目の値を採用している。
佐世保市は負荷率を小さくするために、つまり欲しい数値を得るために、その都度条件を変えているのではないか?そういうことは許されるのか?
貴方が関わった大阪市の予測では、どうでしたか?

小泉教授:
覚えていない。

高橋弁護士:
そんなことはないでしょう?
大阪市は過去5年間の平均値を採用していますよね?

小泉教授:
大阪は大都市だからそうなったのだろう。
私は過去10年の最低値がいいと思ったが、他のメンバーの意見で云々・・・

高橋弁護士:
貴方は過去10年の最低値がいいと思うのですね?

小泉教授:
20年でも下から2番目を採用しているので、問題ない。
余裕をもって予測することは必要。
水が足りないと佐世保の経済は発展しないのだから。

高橋弁護士:
経済発展のためには、より多くの水があった方がいい。
そのためにダムを造りましょうと。
しかし、そこに住んでいる13世帯の人たちを追い出して…というのは少し乱暴ではありませんか?

小泉教授:
(沈黙の後)まあ、そうですね。

といったような展開だったそうです。(゚∀゚)
ここのところを裁判長はしっかり見ててくれてますように!
報告を聞きながら、そう願いました。

この報告会には、パタゴニア日本支社長や環境部の社員2名、そして、早稲田大学客員准教授の方も参加して、熱心に耳を傾けて下さいました。

また、前日8日には、日頃から石木ダム反対運動を応援して下さっている首都圏の強い味方の方々が集まってくださって、地権者の皆さんからの現状報告や、弁護団からの裁判に関する経過報告などに熱心に耳を傾けてくださいました。

スラップ訴訟のその後はどうなったのか?川棚町長はどういうスタンスなのか?議会の動きは?等々の質問も相次ぎ、お二人の国会議員(初鹿明博さん、大河原雅子さん、共に立憲民主党衆議院議員で公共事業チェック議員の会)からも力強いエールを頂きました。

八ッ場あしたの会の方からは、14日の総会で「ほたるの川のまもりびと」(20分バージョン)を上映し、講演の中でも石木ダム問題が取り上げられることなどのお知らせがありました。

わずか2時間半にも満たない証人尋問を目撃するためにはるばる現地から足を運んだ5人の原告(現地住民4人+佐世保市民1名)の皆さんは、2日間慣れない都会の雑踏を移動し、とてもお疲れだったと思いますが、関東の支援者の方々と直接語り合うことができて、熱い応援を肌で感じ、きっと新たな力と勇気を得られたのではないでしょうか?
帰路に就く皆さんの横顔には、そんな明るさが感じられました。

さあ、現地では、今日10日から抗議行動がスタートしています!

ご協力できる方は、今年もよろしくお願い致します。(‘◇’)ゞ

ほたるの川のまもりびと先行試写会ツアー

みなさん、お世話になっています。

石木ダム水没予定地住民のいしまるほずみです。

うわ!やばい!

1月から映画「ほたるの川のまもりびと」先行試写会ツアーが長崎県内ですでに始まっています!

石木川まもり隊のブログでの宣伝が遅れてすみません😰

長崎県内では、1月いっぱい映画「ほたるの川のまもりびと」の試写会がどこでも無料で!!!開催中です。

先行試写会スケジュールはこちらの特設ページでわかります。

http://hotarunagasaki.strikingly.com/

予約はぜひ、こちらのサイトより承っておりますので、どしどしご応募ください!😊

ゲストが登場する予定の会場は…

1/13(土)プラザ大村(鎌仲ひとみ監督)
1/20(土)アルカス佐世保
(山田エイジ監督、辻井隆行パタゴニア日本支社長+スペシャルゲスト)
1/21(日)長崎市チトセピアホール
(いとうせいこうさん、山田エイジ監督、辻井隆行パタゴニア日本支社長)

すごい顔ぶれだ!

私は、一応メインのこれらの会場に行く予定でいます。

映画の方は何回か観ていますが、ゲストのトークが聞きたいですもんね!😝

あと、大規模会場ではないですが小さなスペースで地道に何度も開催されているところもあります。

例えば、

長崎県長与町のフェアトレード雑貨&カフェ「チャリタブル・トレード」では、週末の金土日に地道に上映会を開催されています。

Facebookページあります。
https://www.facebook.com/CharitableTrade/

長崎市内方面、長与町周辺の方、チェックよろしくお願いします。

【予約優先】「チャリタブル・トレード」での上映日程

2018年1月の日程です。1/13(土)は上映ございません。
月曜(12時15時の2回)1月8、15、22、29
金曜(12時15時の2回)1月5、12、19、26
土曜(13時16時19時の3回)1月6、20、27
日曜(11時14時17時の3回)1月7、14、21、28

そして、

特設ページには掲載されていない大規模会場がもう一つあるんです!

平戸とダブっているけれど、石木ダムご当地川棚町の川棚町公会堂(キャパ1,030人)でも上映会が開催されることが決まっています!!!

東彼杵郡(川棚町、波佐見町、東彼杵町)の方、よろしくお願いします!

Facebookのイベントページあります
https://www.facebook.com/events/331228080726315/

年末に急遽決定したので、まだほとんど知られていません!😅

もちろん無料なのですが、できるだけ多くの方に確実にご来場いただきたいので、無料招待チケット作りました!

1,000人のキャパはおそらくツアー最大規模!😳

来てくださったお客様にはもれなく、こうばるステッカー差し上げます!

これ、こうばる支援米の袋に貼っているステッカーですが、絵柄は割と人気です。

これから川棚町内でせっせとチラシとチケットを配って回ります😓

いつも、町内で学習会を開く前にチラシ配りをせっせとやっていますが、あんな感じで地道に頑張ります!

1,000人のキャパはかなり大変なので、よかったら誰かお手伝いよろしくお願いします😓

なんとかして、「ほたるの川のまもりびと」先行試写会ツアー、成功させよう〜😆

川棚町民、佐世保市役所前でチラシ配り

お正月気分を吹き飛ばすような冷たい雨の朝、佐世保市役所前には、20人ほどのメンバーが集まって、今年初のチラシ配りを実施。

「中村知事は人権侵害の石木ダム建設を即刻中止すべきです」というチラシを持参したのは「石木ダム建設に反対する川棚町民の会」の皆さん6人。裏には、川棚や長崎で開かれた学習会の様子が報告されています。

このチラシは既に年末には川棚町役場前で配布、仕事始めの1月4日には波佐見町でも配布されました。


地元住民のHさん。願いを込めて手渡します。


こちらは佐世保市民。応援に駆けつけました。他にも12人の佐世保市民と長崎からも1人。総勢20名です。


こちらの佐世保市民はお子さん2人と参加です。


可愛い子どもたちに差し出され、オジサン達も嬉しそう?

受け取った職員の多くは足早に市役所の中へ消えて行きましたが、

中には歩きながら目を通す人たちも…

特に映画のチラシを見てる人が多かったです。


こちらは職員以外の通行人でしょうか?

どなたであれ、雨の中、チラシを受け取ってくださった約550名の皆さん、ありがとうございました!
クズカゴに入れる前に、チラ見でもいいので読んでほしいな~
じっくり読んで頂けたらなお嬉しい・・・

今年もいろんな形で情報をお届けしたいと思っています。

そして、しつこく問いかけていきます。石木ダムって本当に必要ですか?
一緒に考えていきましょう~

(‘◇’)

いしきを学ぶ実行委員会より次回の会合のお知らせ

2018年、新年あけましておめでとうございます!

今年も石木川まもり隊をどうぞよろしくお願いします。

さて、新年のご挨拶もそこそこに…

長崎市内で始まった石木ダムの学習会「いしきを学ぶ会」より、次回の会合の日程をおしらせします。

12/23に開催しました「いしきを学ぶ会」(石木ダム問題学習会)
実行委員会ですが、次回学習会のテーマは、石木ダム問題の
歴史を掘り下げて学習しようということになり、講師
として川原地区住民をお招きすることになりました。

次回「いしきを学ぶ会」実行委員会は1月7日(日)14:00
長崎市民会館第8会議室(6階)です。ご都合がつく方は是非、
ご参加ください。

 

水需要予測、根拠示せず

「今日はスカッとした。よくわからんけど、なんかスカッとした」
今日の報告集会で傍聴者の1人が発した感想です。
ドッと笑いが起こり、と同時に皆さんの表情は「同感!」

本日10:20から長崎地裁401号法廷では、当裁判のクライマックスとも言うべき証人尋問が繰り広げられました。証人は、田中英隆氏(佐世保市元水道局事業部長)、平成24年度石木ダム事業再評価における水需要予測作成の責任者です。

石木ダムの必要性は、治水面でも利水面でも根拠が乏しく合理性に欠けるのですが、特に佐世保の平成24年度水需要予測はムリヤリorデタラメorデッチアゲ感満載で、それをどう正当化するのか、みんな興味津々でした。

でも、優秀なお役人はわざと論点をずらして答えたり、持論を滔々と述べて時間稼ぎをしたり…今回もそうなるのかな~

しかし、今日は違った!
証人がスラスラ答えたのは、被告側尋問の時だけ。
原告側の尋問に入ってからは、「・・・」「覚えていません」「その頃は水道局にはいなかったので」「今は別の部署なので」などと、無言や逃げ。

当方の弁護士が「困りましたね。貴方では答えられないんですね」「貴方は責任者だったのでしょう?」「誰に聞いたらわかりますか?名前を教えてください」と尋ねる場面も。
もちろんそれに応じることはなく、「いえ、この予測は水道局全体で作成したものなので…」と拒否。
部下に責任を押し付けたくなかったのか、部下が出てきて答えたら不利になると思ったのか…?最後まで、その姿勢を貫きました。

何をそんなに窮していたのかと言いますと…

<生活用水について> 八木弁護士


委員会資料の中で、「渇水年は減少しているが、その他の期間は明らかに増加傾向を示している」と記載されていることについて八木弁護士は実績値を提示し、
H18年=193 19年(渇水年)=191 20年=188 21年=189 22年=190 23年=189
本当にそう言えるのか?と問うたのですが、「・・・」

また、「(佐世保市民は生活のための水使用を)我慢をしており一般的な受忍限界を超えている」と書かれていることについて、何を根拠にそう言えるのか?アンケート調査でもしたのか?との質問に、「調査はしていないが、市民の会からそのような声をたくさん聞いていたから」と返答。「一市民団体の声だけで貴方はそのように判断されたのですね」と指摘され「」。

実は、その「市民の会」は一団体などではなく、JAやPTAや、医師会、町内会連合会など29団体が加盟する大組織なのですが、証人がそのように反論しなかったのは、その「市民の会」が官製市民の会である(運営費は100%市の助成金(税金)で賄われ、事務局は市役所内にある)ということを指摘されるかもしれない、藪蛇になりそうなので止めておこう~との判断だったのではないかと思いました。

<業務営業用水について> 毛利弁護士


H24年度予測でもこれまで同様、米軍と自衛隊だけは大口需要に分類しているが、その予測値は過去の手法と違って過去の最大値を採用している。自衛隊に至っては昭和時代の実績値。その根拠を問われ、防衛省からの文書に「十分な水量の確保が必要」とあったことを紹介したが、「具体的な数量は書かれていなかったんですよね?なぜ過去最大値を取らなければならなかったのですか?」と追及され「」。

<SSKの工場用水について> 毛利弁護士
SSKの工場用水はわずか4年で4.88倍になると予測されているが、その要因は経営方針の転換(修繕船事業の強化)による水需要の増加によるもので、その根拠はSSKからの文書「水需要の将来見通し」だと主張する証人に、その見通しについて水道局として裏付けは取ったのか?との問いには「取っていない」。
さらに、この「見通し」は佐世保市の方から問いかけて出されたものであり、SSK側からこれだけの水が欲しいと言ってきたことはないですよね?との問いには、しばらく考えて、聞き取れないほどの小さな声「記憶にはありません」でした。

<負荷率について> 高橋弁護士


(負荷率とは給水量の最大と平均の関係を示すもので、負荷率が小さいほどが最大給水量は多くなる)
H16年予測では過去10年の平均値、H19年では過去10年の最低値を取っているが、H24予測では過去20年の最低値を取っているのは何故か?「ハウステンボスの再生、リーマンショック、2回の渇水などから過去10年ではデータの信頼性が乏しかったので20年に延ばした」との回答に、平成6年からの負荷率の推移を表したグラフを示し過去10年の最低値で良かったのではないかと迫ると、「原告側の見方も一理あると思うが、渇水のリスクを減らすためには…」「つまり80.3という負荷率が欲しかったのですね?」「

<保有水源について> 高橋弁護士
不安定水源とは何か?
水道法上の認可を受けていない水源
認可を受けられる条件は何か?
確実な取水ができること。取水量が安定していること。
水道法上本当にその様に定義されているのか?
……
慣行水利権は水道法上、認可の対象にならないのか?
わかりません
佐世保市はかつて三本木の慣行水利権を保有水源として認めていたが知っているか?
知りません
佐世保市の慣行水利権は許可水利権に切り替えられるのではないか?
できない。取水量に問題があり、届け出水量に達していないから。
では、安定水源のほうはいつも届け出水量に達していたのか?
(許可水利権と慣行水利権の取水実績のグラフを示し、どちらも取水量は一定ではなく取水率は似たようなものであることを確認)
渇水時に取れるかどうかも要件となる。
(H19渇水時の許可水利権と慣行水利権の取水量のグラフを示し、慣行水利権の取水量の方が大きいことを確認)
渇水時に不安定水源からの方が多く取水してるではないか?

どんなに実績を示してもその事実を認めようとしない元水道局事業部長への怒りがついにプチン!

そのようないい加減なことで4万tもの水が足りなくなるという予測を立て、地権者を追い出そうとしたのか?当時の責任者として、取水量が安定していなかったというデータを示せないのか?探せば出てくると言えないのか?

わかりません。

終わります!

次回は来年1月9日、東京で開かれる小泉教授への証人尋問。
そして、3月20日(火)に結審する予定です。