ライフさせぼ創刊者、石木ダムを語る

これは、ライフ企画が発行する月刊誌「99」(NINETY NINE VIEW) の8月号(8/11発行)の表紙です。

あれー?どこかで見た景色だけど…
もしかして…あそこ?

そう!あそこです。「こうばる」です。

佐世保市にあるライフ企画さんは、週刊誌や月刊誌を発行し、食やショップ、イベント等、佐世保のあらゆる情報を提供してくれる、市民に愛され頼りにされている情報発信基地です。

とはいえ、新聞やテレビ、ラジオとは違って政治に関わるテーマはほとんど掲載されません。そんなタウン情報誌に、なんと石木ダムについて4ページも!書かれていました。もうビックリ!です。

何が起きたの??
と、思いますよね~

佐世保市外の人たちのために、ここに掲載させて頂きます。この情報誌は販売物ではないし、ライフさんは包容力のある会社なので、許してくださるでしょう。

ハハーン、なんとなく読めてきましたゾ。

ライフさんもそう言えば数年前、佐世保市民に石木ダムについて誌上アンケート調査をなさってましたっけ。石木ダムは必要?or不要?と。でも、ほとんど反応がなかったんですよねー

で、今回、パタゴニアさんがおこなった県民アンケートの結果を見て、もう一度佐世保市民に問いかけたくなったのでしょうね。

「石木ダム建設は市民の願い」という標語を市内各所で目にするけれどが、あなたは本当に願っていますか?と。

そして、次のページでは、「ライフさせぼ」創刊者の小川照郷氏とパタゴニア日本支社長の辻井隆行氏の対談。



うーん。聞きごたえ、ではなく読みごたえがありますねー。
世代も、育った環境も、取り組んできた仕事も全く異なるお二人ですが、とても共感し合えているように感じます。おそらく、大切にしていることや目指す未来が似ているのでしょう。

お二人の会話の最後の部分を佐世保市長や市議の皆さんに、ぜひ読んで頂きたい。

小川「僕が山を楽しむのも行政に期待していないからかも。個人の楽しさから豊かさが生まれ、それが家族や地域を豊かにすることだと思っています」

辻井「もし佐世保市が石木ダム建設を見直したら、これも行政代執行と同じく日本のダム史上初になります」

小川「その方が素晴らしいじゃないですか!」

辻井「一回決めたことより、もっといいものがあれば、話し合える自由な空気がある街として、佐世保は魅力的な地方のローカルモデルになるのではないでしょうか」

市民「そうなってほしいな~」(陰の声)

NHK WORLD で石木ダム発信!

みなさん、NHK WORLD ってご存知ですか?

NHK国際放送局が世界と日本を繋ぐニュースの窓口です。https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/

をクリックしてみてください。アジアや欧米はじめ世界中のラジオやテレビやビデオが視聴でき、また、日本のニュースもNHK NEWSLINE で見ることができます。(もちろん英語で)

8月10日の朝8時のニュースで、なんと石木ダムの現状がここで放送されたのです。



世界に向けて、日本政府や地方自治体は、ダム建設のために13世帯の家を水の底に沈め、暮らしを破壊しようとしていることが発信されたのです。

このニュースを見た世界の人は驚くでしょうね~

日本って、そんな国だったのー!?と。

映像だけでも大体理解できますが、英語のヒアリングOKの方は特に見てみてください。そして、ご感想など頂けたら嬉しいです。

証人尋問に反対する国、そのわけは…

7月31日午後1時半、石木ダム事業認定取消訴訟の第7回口頭弁論を膨張するために集まった人の列。久々に大人数です。それは、いま工事が中断されているから。地権者をはじめ支援者の多くも、今日は安心して傍聴できると、暑い中喜んで駆けつけました。

法廷では今日も当方代理人弁護士2名が意見陳述をおこないました。

利水面については高橋弁護士(下の写真は報告集会での画像)が、

佐世保市がおこなった水需要予測のでたらめさや慣行水利権を排除する不合理さを指摘し、その事実を明らかにするために、佐世保市水道局の水需要予測の担当者(当時)、佐世保市長、SSK社長らの証人尋問を申請したいと述べました。

治水面では田篭弁護士が、

計画規模の不合理性(それまでの1/30から石木ダム計画が持ち上がったら急に1/100に変更)や基本高水流量算出のまやかし(基本高水流量が1400㎥/秒となるのは、100年に1度ではなく、500年~1000年に一度の確率)などを指摘し、それらの点を明らかにするために、川棚川水系河川整備基本方針・整備計画策定の各担当者や事業認定庁の責任者の証人申請を考えていると述べました。

ところが、これらの証人尋問について、被告(国)側は必要性がないと反対しましたが、具体的な根拠は語らなかったので、次回期日1週間前までにこの件に関する意見書を提出するよう裁判長が求め、被告代理人は応じました。

また、被告側からの証人尋問について裁判長から問われると、今のところその予定はないと答えました。

なぜ国は証人尋問に反対するのかな?~なぜ自分たちも証人を立てようとしないのかな?~と思っていましたが、その疑問は報告集会のときに謎が解けました。

馬奈木弁護士によると、



行政訴訟において、教科書では政策の正しさは行政が立証しなければならないとなっているのに、現実の裁判はそうではない。
行政は正しいという推定の下でおこなわれている。(推定無罪)
だから、その間違いは原告の我々が検察官の立場で立証しなければならない。
そうしないと勝てない。だから立証の手段を尽くさなければならない。

ところが立証しようとして証人を求めても、行政側が必要ないと言い、それを裁判所も認め、調べないまま終わってしまい、判決の時になって立証不十分で負ける場合がある。我々が負ける裁判というのはそういう場合である。

刑事事件で被告人が黙秘権を行使するように、国側は今、自ら何も語らない、何も与えない、何も明らかにしようとしない、そいう態度を貫いている。
けしからん!

国会と同じ。資料は何も残っていません。何も記憶にありません。安倍内閣がやっていることを司法の場でもやろうとしている。こんなことは許されない。我々は徹底的に闘う。資料をちゃんと出せと言う。出させなさいと裁判所に迫る。

(‘◇’)ゞ

なるほどー。そういうことだったんですねー。
奥が深い。というか、私たちが何も知らなかっただけかもしれませんが。
これから1つずつ学びながら、弁護団と共に、しっかり闘っていきたいものです。

知事と話したい!

8月1日(火)午前10時。石木ダム建設事務所2階。地権者の皆さんと県職員が久しぶりに話し合いのテーブルに着きました。

でも、話し合いは堂々巡り。

この日決まったことはただ1つ。地権者の要望を県に伝え、できるだけ要望に沿えるよう努力し、その結果を7日(月)に伝える。そのための再協議を10時からおこなう。ただそれだけ。それだけの結論を得るのに3時間半もの時が費やされました。

地権者の要望とは、「知事と直接話し合いたい。それが実現するまで工事は中断してほしい」ということ。

それに対する県の主張は「持ち帰って報告し、相談して判断する。今は何とも答えられない」の一点張り。

県と言っても、所長をはじめ石木ダム建設事務所職員と、本庁からやってきた県職員とでは発言内容が微妙に違います。

所長は、「地権者と会うことは知事も望んでいる。そうなるよう私も願っているが、それが16日までに実現できるかどうか、今は全くわからない。そんな中で実現できるまで中断せよと言われても私には、その権限はない」との趣旨でしたが、

本庁の役人(土木部の吉田次長や河川課の浦瀬企画監など)は、「話し合いと言っても、その中身、内容が重要。かつてのように、ゼロベースでとか白紙に戻して話し合おうと言われても、それは無理。条件次第で知事の判断も変わるだろう」「県としては地域を守るために必要な事業と位置付けているので、工事は進めたい」など、初めから自分たちの考えや立場を主張し、住民の願いに耳を貸そうとはしなかったので、地権者の怒りを買ってしまいました。

「私たちは工事を進める責任がある。この前も日田や朝倉では甚大な被害が起きているし…」と吉田次長が語り出したときは、慌てて河川課の二人が肩をたたいて制止しましたが、それは共謀罪についての国会審議の時よく見た光景を思い出させ、笑いをこらえるのに苦労しました。

本庁のお役人も、自分たちの発言が話し合いにマイナスとなることに気づき、途中からはほとんど自発的な発言はなくなり、地権者もそれぞれの思いを冷静にぶつけていきました。

Aさん:県はそうやって住民の同意無しに、何が何でも進めようとする。だから重機や燃料など夜に搬入しようとして、既に負傷者が出ている。これ以上怪我人を出さないためにはどうしたらいいか知事と話し合いをしようとしているんです。知事も応じたいと言っているのだから、その邪魔をしないでもらいたい。

Bさん:あなたたちは重機を入れたら工事が進むと思っているのですか?私たちは逮捕されてもかまわない。中に入って重機の前に座り込みます。話し合いに応じてもらえないまま17日以降は工事すると言うなら、そうするしかない。

Cさん:私たちはまず知事に現状を伝えたい。知事は政治生命を懸けてダムを造ろうとしているのかもしれないが、私たちは命を懸けてふるさとを守ろうとしている。絶対出ていかない。その思いを直接知事に伝えたい。伝えた上で、知事の考えを聞きたい。(後ろから「そうだ」「そうだ」の声)

Dさん:あなたたちに決定権はない。決定権があるのは知事だけ。(頷く職員たち)だから私たちは知事と会って話したいのです。

地権者の声が出尽くしたところで、有吉所長はこう言いました。



いま現場はたいへん危険な状況だと感じている。このような現状を打開するためには地権者の皆さんと話し合いをすることが必要であるし、また工事の延期も選択肢の1つとすることも含めて知事に伝えたい。約束はできないが、実現できるよう努力します。

所長の「努力する」の言葉を聞いて、みんなやっと納得の表情。
そして、その答えは、7日に説明しますので再びここで話し合いましょうということで合意。散会となりました。

事務所の外へ出ると猛烈な暑さ。
この炎天下で3時間半も待っていたマスコミの皆さんが一斉に地権者に駆け寄り、マイクを向けていました。

仕事とはいえ、本当にご苦労様でした。

その記事の1つを掲載させて頂きます。



 

 

 

 

深夜0時に重機搬入!

7月28日、日付が変わったばかりの午前0時20分、県は大型重機を現場に入れ込みました。

地権者・支援者が搬入口と考えていた正面ゲートではなく、護岸を壊しかけていた河川敷から入れたのです。

0時26分に連絡を受け、〇村夫婦と一緒に現地へ駆けつけましたがすでに重機は入ったあと、みなさんと一緒に入れ込んだ重機を持ち帰るよう抗議を続けましたが、所長はOKしません。

5時間に亘る抗議の結果、今日から来月16日まで作業は中断する。その間重機の搬出も含めて話し合いを持つということで話が付きました。

しかし、壊された河川敷・護岸、大型重機で進むであろう工事を考えると怒りでいっぱいです。

ダム事務所職員だけでなく、本庁や県北振興局からも応援部隊を呼び、夜中に重機を入れなければならない公共事業とは何なのか!こんなことをやっていいのか!長崎県は恥を知るべきです。

中村法道知事、法の道と言う名前が泣きますよ。みなさん、長崎県に抗議のメール・FAXをお願いします。

石木ダム建設事務所(0956-82-5109 FAX0956-83-2944)

ここは沖縄と同じだ

「しなやかに、したたかに、時に毅然として」

山城博治さんの言葉です。

沖縄の基地撤去運動のリーダー。昨年10月、威力業務妨害はじめ様々な罪状を被せられ逮捕された山城さん。3月に保釈されたが、辺野古や高江の現場には近づけない。今は仲間と一緒に座り込むことはできない。その代り、沖縄の現状を多くの人々に伝えようと、いま全国各地を飛び回っている。

7月7日は佐賀、8日は福岡、9日は長崎と3日連続で北部九州を移動。私は福岡で生の講演を初めて聴きましたが、客席に居ても、その温かい人柄が伝わってきました。



会場中が「ひろじさん」の保釈と再会に歓喜。熱気に溢れ、フィナーレは講演会というよりも、まるでお祭り。

先月、ジュネーブの国連本部で演説した博治さんは、こう声をかけられたそうです。「あなたは刑事被告人かもしれませんが、人権の擁護者です。頑張って下さい」と。

その言葉に勇気づけられた博治さん。
「世界は僕たちを見ている」「必ず潮目が変わる時が来る」「心折れないで頑張ろう」と呼びかけました。

この言葉を是非「こうばる」の皆さんにも直接伝えてほしい…

実は福岡のTさんのご尽力で、翌日午後からの長崎講演の前に「こうばる」を訪ねてくださることになっていました♪
が、この日はなんと大雨の予報!

翌日、博治さんとTさんは福岡を6時半に出発。川棚には9時頃着の予定でしたが、豪雨に見舞われ、乗り換えの列車が運休!次の列車に乗って頂いたものの何時に着けるかは駅員の方も明言せず。駅で待つ私たちはハラハラドキドキでしたが、1時間10分遅れで無事に到着!

結局こうばるでの滞在時間は正味40分となってしまいましたが、価値ある40分でした。

川棚駅から川原公民館に向かう車中で、抗議活動の現場や、ダム小屋、緑の中に点在する看板「石木ダム建設絶対反対」などの風景を目にして、「おんなじだ…」と呟いていた博治さん。公民館に着くなりすぐに語り始めました。

ここは沖縄と同じです。
我々は平和でいたい、暮らしを守りたい、その一心でゲート前に座り込んでいます。皆さんも、ただこの地を守りたい、暮らしを守りたい、その思いで抵抗を続けてこられたのだと思います。
そんな私たちを国は、公共工事を理解しない悪者に仕立て上げようとしています。
でも、希望を持ちましょう。声を上げ続ければ仲間が増えていきます。心を結び合って頑張りましょう!

地権者の方から現状の説明があり、博治さんは「このあと長崎市で講演をさせてもらいますが、この問題も伝えて、地元を孤立させないよう訴えます」と応えてくれました。



その後、機動隊がやって来た時の話や、発信し続けることの大切さなどを語り、博治さんは「座り込め」の歌も披露。みんな手拍子をしながら聞いているうちに、少し畏まっていた皆さんの心が緩んでいくようでした。

話題が裁判に移ると、博治さんは真剣な顔でこう語りました。
次回は私に対する尋問があります。実はそれを私は心待ちにしてきました。1000人もの機動隊を配置して暴力的に排除した国の行為が正しいのか、それに抵抗して威力業務妨害や傷害罪で訴えられた私が間違っているのか、年寄りや子供まで暴力的に排除した国は間違っていないのか、私はそれを問いたいと。

沖縄の運動は今や基地問題ではない。人権問題だ。人間の尊厳をかけた人権問題だ。国に屈してしまうのか、人間として生きる権利を奪われてよいのか。私たちは、ただそれを守ろうとしているだけだ。

その言葉に深く頷くこうばるの皆さんでした。

まだまだ聞きたい、話したい…でも、もうタイムリミット。講演時間に遅れたら大変。川棚駅にはお迎えの人が来てるはずなのでと、無理矢理切り上げてもらいました。

博治さん、是非また来てくださいね。今度はゆっくり。
こうばるの皆さんは楽しみに待っていますよ。

 

 

県と佐世保市、請求棄却



昨日の裁判について長崎新聞は社会面に大きく掲載。

見出しは「請求棄却」です。

私たち608名が求めた工事差止について、長崎県も佐世保市も請求棄却を求める答弁書を出した(全面的に争う)とのこと。

もちろんその対応はわかっていたことですが、その理由に唖然!です。

「工事は既に用地取得した土地で進めており、原告らの権利侵害はない」と。

あのねー、私たちの訴状読みました?

私たちは石木ダムに係るすべての工事の差止を求めているのですよ。付替え道路工事だけじゃないんですよ。地権者の家を水の底に沈めなきゃダムはできないんでしょ?それで権利侵害がないなんて、よく言えるものですねー

その上、付替え道路だって、全部が買収済みではないでしょ?
いまやってる工区だけでしょ?買収済みなのは。
道路が貫通するには結局地権者の所有する田畑や森を奪わなければできないんでしょ?

長崎県は目先のことしか見えないんでしょうか?
月単位でしか計画を立てられないんでしょうか?
そんな県政なんて、県民としては不安でしかたありません。

だからイサカンのような失政を犯したのでしょうが、
二度と同じ轍は踏まないでください!

 

他紙も地域版で全紙掲載されました。



 

工事差止訴訟、初弁論

石木ダム工事差止裁判がいよいよ開始。

7月10日午後3時半の門前集会の様子からお伝えします。


弁護団長の馬奈木弁護士から原告団へ:
石木ダムは要らないということは分かっているのに、あえて行政は造ろうとしている。税金を食い物にしている。このような県政は許せない。県民、市民の力を示そう。頑張って勝ち抜こう。


地権者の石丸キム子さんから支援者へ:
今日の裁判に地権者もみんな参加したかったが、来れませんでした。抗議行動が手薄になると、県が何をするかわからないからです。私たちは、朝7時から夕方5時頃まで毎日座り込んで抗議しています。梅雨が明けると暑い夏が始まり、かなり厳しいですが、私たちは頑張ります。石木ダムは要らないと確信しているから。皆さん、今後とも応援して下さい。よろしくお願いします。
                                  法廷では:
定刻に始まり、書面の確認や今後の段取りなどの後、いよいよ意見陳述が始まりました。
                                  トップバッターは原告で地権者の石丸キム子さん
続いて同じく原告で佐世保市民の松本美智恵さん
次は代理人で弁護団副団長の板井優弁護士
次は代理人の鍋島典子弁護士
最後は同じく代理人の魚住昭三弁護士
                                  陳述の後会場から拍手がおこり裁判長から注意される場面もありましたが、それ以外はスムーズに進行、5時少し前に閉廷しました。
                                  5時15分から報告集会。
まずはじめに、平山弁護士より経過報告と今後の予定について説明。
被告県側より1週間ほど前に答弁書が提出された。
そこで述べられているのは、我々原告には工事を差し止める権利が無いとか、権利は有っても侵害されていない、よって差止の根拠にならないなど主張している。それに対して当方は次回期日までに反論書を提出する。
今後の裁判日程としては、次回は9月19日(火)14:00~
                                  続いて、原告陳述者の感想です。
                                石丸さん:地権者が抗議活動で来れなかったのは本当に残念。しかし、私たちは毎日朝から夕方までの座り込みを休むわけにはいかない。支援の輪が広がっているという実感はあるが、このダム問題について県民はあまりにも知らない。県市は広報などで情報を発信しているが、私たちからの情報発信は不十分。そういう面でも皆さんのご協力をお願いしたい。
                                松本さん:佐世保市民として裁判官に伝えたいことがたくさんあり、盛り沢山になってしまったが、なんとか思いを伝えることができ、ホッとしている。
                                  会場からの感想やら疑問やら。
                                Aさん:原告の意見陳述を聞いて感動した。どうしたら一人でも多くの人にこうばるの現実を伝えられるかずっと考えていた。今日の意見陳述書をコピーして周りの人に配りたい。以前市役所前でのビラ配りに参加したが、職員はよく受け取ってくれた。だから、この陳述書を配って伝えたい。
                                Bさん:弁護団の意見陳述を聞いて、昭和26年に土地収用法ができたことを知った。110年ほど前に田中正造が移り住んだ谷中村でも強制収用がおこなわれた。それと今行われていることと変わりがないように感じるが、その頃の土地収用法とどのように違うのか教えてほしい。
                                  Bさんに答えて、馬奈木弁護士から、こんなお話がありました。
戦前の大日本帝国憲法下では私有財産は守られなかった。戦後の新憲法で初めて一人ひとりの私有財産が守られるようになった。しかし、大きな利益のためには個人のそれは守らなくても良いという考えは変わっていない。それを公共の福祉と言っている。その考えが強制収用を可能にしている。
とはいえ、行政代執行をかけてまで事業を進めるのは行政としては恥ずかしいという意識が以前はあった。だからこれまでそのような事例は少ないし、犠牲となったのはせいぜい一人か二人。しかし石木ダムの場合は13世帯54人。そういう意味では戦後の歴史の中でここは特筆すべきこと。
しかし、安倍政権になってから行政の勝手な振る舞いが横行している。
日本は法治国家だ。法治国家とは、国民が法を用いて国家を支配すること。
私たちは今、石木ダム訴訟の中でそれを実践している。
                                  各弁護士の皆さんからも思いを述べて頂きました。
                                鍋島弁護士:石木ダムを止めるには弁護団と皆さんとの協力が必要。工事を進めないことが私たちの力になるし、進められてしまったら私たちが裁判で止めようとするし、なんとか力を合わせて頑張りたい。
                                毛利弁護士:今日の意見陳述を聞いて、改めて負けるわけはないなと感じた。原告のお二人の陳述を裁判長も相当熱心に聞いていた。拍手は立場上制したが、「お気持ちはわかります」と言っていたように、良い内容だったと裁判長も思っていたのではないか。
                                板井弁護士:裁判以外でこのダムを止めるどんな方法があるか。それは2つの受益地が声を上げること。川棚町民が治水の面でダムは要らない、佐世保市民が利水の面でダムは要らないと。川辺川ダムでは4000戸の農家のうち2000戸が立ち上がった。その結果議会や首長も考えを変えた。一部の声では難しい。多くの町民や市民に賛同してもらえるようにするにはどうしたらいいか、知恵を出し合わなければならない。
                                緒方弁護士:原告の2名の方の話が非常に良かった。裁判長には必ず伝わったと確信している。原告の気持ちを我々代理人もしっかり受け止めて今後の訴訟活動を頑張っていきたい。
                                八木弁護士:私も原告お二人の陳述は胸に響いた。法律には感情がなく、法律を基に考えていく裁判官を説得するのはとても難しいが、そうはいっても裁判官も人間、きっとその胸に届いたと思う。こういう陳述は誰の心にもストンと納得させるものが有る。一緒に広げていきましょう。
                                  ですね!
皆さんもここにアップした陳述書を、お時間のあるときにじっくり読んで頂いて、よかったら、プリントアウトして周りの誰かに渡して頂けると幸いです。
あるいは、このページをシェアして頂くだけでも有難いです。
よろしくお願いします。(#^.^#)

石木ダム建設事務所長、佐世保市議会で近況報告

7月4日、佐世保市議会石木ダム建設促進特別委員会において、石木ダム事業に関する近況報告がおこなわれました。

まずはじめに水道局より「裁判の動向について」の説明があり、たいへんわかりやすくまとめられた資料も配布されました。



 

続いて、石木ダム建設事務所の有吉所長より、付替え県道工事についての詳しい説明がありました。
内容は大きく分けて2つ。工事の進捗状況現場の状況です。

<工事の進捗状況>

・6月20日に第2詰め所を設置した。その目的は工事現場に入りやすくするためと、将来、橋梁の工事をするための橋台をここに設置しなければならないので、その場所を確保するため。

・現在おこなっているのは切土と盛土の工事で、これが完成しないと次のステップに進めない。その進捗状況は1割にも満たない。

・橋梁工事は県道の付替えが終わらないとできないし、橋台を造るには川幅を狭めねばならないので梅雨の時期は難しい。今のところ、いつ発注できるかわからない。まずは盛土の工事を済ませたい。

<現場の状況>

そのように工事が遅れているのは現地での「妨害行為」が続いているからとして、何枚もの写真をスクリーンに映し出しながら、その行為の詳細をかなり丁寧に説明。

その後の委員からの質問も、それに関連するものばかり。

Q: 警察が入っても妨害を止められないのか?
A:警察は説得はするが排除はしない。踏み込んで説得する場合もあるし、そうでない場合もある。警察の立場もあるので、県としても警察と協議しながら対応している。警察による説得で、工事現場へ入って工事の邪魔をするなどの妨害はなくなったが、 入り口での立ちふさがりは、侵入罪とか暴行罪とか威力業務妨害とか、そういうものに当たるか曖昧で、なかなか止めることができないようだ。

Q: 職員さんへの安全対策は?                   A:自分の身を守ることと同時に相手に怪我をさせないよう指導している。
職員よりも心配なのは、慣れていない下請けの作業員で、業者の責任者と指導しながらやっている。
Q:進入禁止のセキュリティ対策は十分になされているのか?
A:ソーラーで稼働する防犯カメラや照明灯などを相当数設置しており、状況は事務所でもしっかり監視できている。
                                   聞いていて居たたまれない思いに…。
この場にいる方々は石木ダムの起業者と推進者ばかりなので、全くお気づきでないようだが、なぜ「妨害行為」(私たちは「抗議行動」だと思っていますが)がおきているのか、その原因を作っているのは、あなた方ですよ。
ダム建設の必要性を説明しない(説明できない?)あなた方が、今の状況を作り出しているのですよ。
 東京都議選前日、秋葉原で街頭応援演説していた安倍総理に辞めろコールが起きると、 聴衆を指差しながら「演説を邪魔するような行為を自民党は絶対にしない」「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と叫びましたが、それとよく似ていませんか?
国民の意思表示(森友学園や加計学園問題に関する説明責任を放棄し、共謀罪を強行採決してしまった総理への精一杯の抗議)を「演説妨害行為」と決めつけ、悪いのは「こんな人たち」であり許せない!と、自分を正当化し続ける安倍さん。
 あなた方も同じです。石木ダムの必要性についての説明責任を放棄し、工事を強行している。説明を求め続ける私たちの願いは無視して、決まったことだから住民が納得しなくても強行してもいいのだと。安倍さんと同じ権力者の驕りです。
 少なくとも、議員の皆さんにはそのことに気付いてほしい!と願うのは、佐世保市議会では叶わぬ夢なのでしょうか…
 

 

 

 

石木ダム勉強会 in 日宇ヶ丘

佐世保市内で始まった地域ごとの石木ダム勉強会3回目は、7月2日、日宇町の日宇ヶ丘コモンライフセンターでおこなわれました。

いつものように、まずは動画を見て、自由に意見交換。



今までになく男性が多く、また、男女を問わず、活発に意見が交わされ、この地区の皆さんの社会問題への意識の高さが感じられました。

 

賛成意見

*異常気象や食糧不足を考えた場合、やっぱりダムは必要

*企業誘致する場合も水がなくては…

*人口が減っているというけれど、この日宇地域では大型団地が続々とできており、ここ数年で800個以上の住宅が増えている。水需要が増えるのは十分考えられる

反対意見

*佐世保市民の水の使用量はものすごく少ないようだが、それはあの渇水の時の経験から学んでいるんだと思う。この節水意識の高さは誇りにすべき

*ダムの底を浚渫して貯水量を増やすとかして、いま有るダムをリニューアルしていけばよい

*子や孫の世代に負担を背負わすのはよくない。川棚の自然も守りたい

共通していたのは、やはり

*水道局に来てもらいたかった

*促進市民の会にも来てもらって、ざっくばらんに話し合いたかった

疑問もたくさん出されました。

*川棚町の人はどう思っているの?洪水対策としては必要なの?

*ダムが出来たら、そこから水をもらうのだから川棚町にお金を払わなきゃいけないの?

*そしたら水道料金が上がるの?

*佐世保は安い方でしょ?

*いや、高いって聞きましたよ

*どっちにして、そういうことは造る前に説明してほしいよね

等々、顔見知りのご近所どうしだからこそ話がはずみます。

 

司会者に向けられた質問に司会者もタジタジ…

*推進派って結局、行政のことでしょ?

(司会)促進市民の会というのもあるんですよ。ほら、「市民の願い」って書かれたバスが走ってますよね

*ああ、あれね。でも、あれは市のお金でやってるんでしょ?一般市民じゃないんでしょ?

(司会)でも…一応「市民の会」ですから…

その他、核心に迫る重要な疑問も続々…

*佐世保市は厚労省から補助金をもらってますよね?途中で止めたら、それを返さなくてはいけないんじゃないですか?

*今の実績と予測の差が大きいから問題なんでしょ?その修正はできないんですか?

*軌道修正すると石木ダムが要らないとなるので、できないんじゃない?

*無理してもやらざるを得ない事情があるのではないか?誤魔化しをしなきゃいけない事情があるのではないか?それが何なのか知りたい…

 

と疑問は尽きることなく…あっという間に2時間が経ってしまいました。

 

佐世保市水道局の皆さん、市民はこんなに疑問を抱えています。

参加して、この疑問に答えていただけませんか?
今回も裁判を理由に出席を拒否されましたが、行政訴訟は長いと言われています。これからずーっと市民との対話はしない、疑問にも一切答えないという方針ですか?(石木ダムに関して)

 

石木ダム建設促進特別委員会の皆様

あなた方は被告でもないのですから、裁判中でも関係無いはず。市民の声に耳を傾けるべき議員として、また、ダム推進派として、なぜ参加して頂けないのでしょう?
出欠のお返事も頂けないと、担当者の方は嘆いておられましたよ。

 

石木ダム建設促進佐世保市民の会の皆様

皆様方がお忙しいのは重々承知していますが、本当に「どうしてもお願いしたい石木ダム」とお思いなのでしたら、是非このような場にいらして、その理由を私たちに直接伝えてください。同じ市民同士、佐世保の未来のために語り合っていきましょう。