11水道事業者、ダム取水せず 人口減や節水進み、需要予測外れる 維持費、年2億円近く
(朝日新聞2022年8月16日 5時00分)https://digital.asahi.com/articles/DA3S15388734.html?pn=3&unlock=1#continuehere
建設当時の温井ダム=1999年10月、広島県安芸太田町
水道用水を確保するために国のダム事業に参加している全国71の水道事業者のうち、広島市など11事業者が完成後に一度も取水していないことが朝日新聞の調査でわかった。人口減少や節水が進んだことが大きい。11事業者による建設費の負担は計576億円で、維持管理費は毎年計2億円程度に及ぶ。
調査は、2021年10月時点で完成から10年以上たつ全国60カ所の国のダム事業を対象にした。朝日新聞が情報公開請求などにより、参加する自治体や広域企業団といった71事業者の取水状況を調べた。
取水がゼロだったダムの完成時期は1986年~2010年で、着工時期は70~80年代に集中していた。人口増の時期にあたり、9事業者は取材に「水需要が将来も増えると見込んでいた」(高知県宿毛市)などと回答する。北海道東川町と山形県長井市は地下水を水源としており、枯渇などに備えたという。
特定多目的ダム法では、国のダム事業に参加した場合、水を利用する割合に応じて水道事業者が建設費を負担。維持管理費の負担も義務づけられ、全11事業者は取水ゼロのまま国へ維持管理費を支払い続けている。金額は年間で数十万円~1億円超と幅がある。
広島市は、国が2003年に完成させた温井ダムで、水道用水確保のため、ダム建設の総事業費の2割にあたる365億円を負担した。維持管理費として毎年約1億円を支払い続けているが、これまで取水実績はゼロだ。
市によると、ダム事業への参加を決めた79年には、企業の進出や人口増を見込み、将来的に市内で1日最大68万立方メートルの需要があると予測していたが、90年度の54万立方メートルをピークに需要は減った。20年の給水実績は41万立方メートルだった。ただ、市水道局の担当者は「安定供給のための予備の水源として引き続き確保していく」と話す。
他の事業者も「災害、渇水などに備え、維持費を負担している」(北海道旭川市)といった声が多い。
厚生労働省によると、全国の上水道の使用量は減る傾向にあり、00年のピーク時に比べて15年は8%少ない1日あたり3600万立方メートルだった。人口減と節水が進み、40年には00年比で3割減ると見込んでいる。
水道事業に詳しいコンサルティング会社「EY Japan」の福田健一郎氏は「ダムの維持管理費に加え、今後は老朽化した水道管の更新費用がのしかかる。水道事業者は経営の合理化に向け、広域化などを進めるべきだ」と話す。
■治水に活用へ転換
将来も利用が見込めないため、ダム事業から撤退した事業者もある。
盛岡市は20年、国の御所ダムの水を使う権利を国に返した。80年代に権利を得たが、需要が伸びなかった。維持費が毎年500万円程度かかっていた。返還できたのは、半導体製造などの工業団地で水の利用を見込んでいた岩手県が「引受先」になってくれるなど条件が整ったためだ。
国交省は取水の有無に関係なく維持費はかかるため、「単純な返還は難しい」(水管理・国土保全局)と説明する。国の認可を得ればダムの使用権を返上できるが、返還が実現したのは17年度以降の5年間で、御所ダムを含め4件にとどまる。引受先が見つかったことや事業者の統廃合などが理由だった。
国は19年12月、利水目的のダムについても、治水に活用する方針を決めた。水道用水の安定供給などが目的のダムを改修し、治水にも使えるようにする。
京都大学防災研究所の角哲也教授は「人口が減る中、利水事業にも見直しが必要だ。逆に大規模水害への備えが重要性を増している。ダムの利用目的に応じて、水道事業者の負担を見直す仕組みを国は検討すべきだ」と話す。(座小田英史、女屋泰之)
HOME>石木川まもり隊ブログ
カテゴリー: 石木川まもり隊ブログ
大石知事、反対派住民と意見交換
8月10日、反対派住民がかねてより願っていた知事との意見交換がようやく実現しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/36f62a35d7c1aecf359a3c079d89ad44f54f0076
しかし、その内容は必ずしも評価できるものではなかったようです。
第一に、知事は話し合い期間中の工事中断には難色を示しました。その理由は、「県民の安心安全を守るのが行政の責任」という常套句で説明しました。
ということは、「県民の安心安全を守る」には、石木ダムがどうしても必要との前提に立っています。本当にそうなのか?そうは思っていない住民との意見交換に臨むにあたって、それは誠意に欠けると言わざるを得ません。あなた方が何と言おうとダムは造りますよ!という意思表示をしていることになるからです。そんな権力を誇示しながらの対話はは、フェアではありません。
知事は「無理やりつくるのではなく、しっかり理解を得た上で進めたい」と述べたそうですが、それが本心なら、行動で示してください。県は未だ理解を得ていないのに、ずっと工事を強行しています。
第二に、佐世保の市民団体との意見交換についても拒否されたようです。理由は「工事差止訴訟が継続中なので」とのことですが、それがなぜ理由になるのでしょう?
知事との意見交換を求めた団体の中には確かにその訴訟に関わっている人もいますが、あくまでも個人としてです。団体が訴訟を起こしたわけではありませんし、そもそも4団体中の2団体は、その訴訟が始まった後にできた団体です。私たちはただ知事と石木ダムについて直接話し合い、私たちの考えを伝えたいだけなのです。私たちも知事と同じように、地域の未来を、より良いものにしたいと願っている市民なのです。
知事は既に推進派市民団体と意見交換なさったのですから、その団体の方とは違う意見も聴いて下さるはずですよね。7月13日、知事は「どちらか一方ではなく、両方の話を聞きながらしっかり理解を深めていきたい」とカメラの前で明言されました。その言葉を私たちは信じています。
第三に、知事は公開討論会の提案も受け止めていただけなかったようです。しかし、これについては、拒否ではなく「明言を避けた」とありますから、迷っておられるのかもしれません。であれば、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。何しろ、このダム建設費を負担する県民の多くが、石木ダムについて「わからない」「県の説明は不十分」「公開の場での討論会を求める」とアンケートで答えているのですから。
しかし、対話継続は確認されたとのことで、それだけは良かったと思います。昨日は対話の初日。これからが本番です。ダムの必要性について、住民の皆さんとじっくりと意見交換していただきたいと願っています。
西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/971534/
毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20220812/ddl/k42/040/257000c
読売新聞 https://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20220811-OYTNT50109/
NBC長崎放送
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/nbc/121376?display=1
NCC長崎文化放送
https://www.ncctv.co.jp/news/104802.html
KTNテレビ長崎
https://www.fnn.jp/articles/-/401943
NHK長崎
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20220812/5030015633.html
宇久島のメガソーラーについて考えよう
佐世保市の離島「宇久島」をご存知ですか?人口1800人の小さな美しい島です。いま、その島の1/4をソーラーパネルで埋め尽くそうとする事業計画が進んでいます。完成すれば、出力480MWという日本一の規模のメガソーラーとなるそうです。
自然破壊、住民の暮らしや想いを蔑ろにするやり方・・・石木ダム問題と共通するものを感じます。
そこで、7月の勉強会は、この宇久島のメガソーラー問題を勉強しようと、「宇久島の生活を守る会」代表の佐々木浄永さんに講演をお願いしました。
その記録はこちらです。
1時間半と、やや長いので、時間のある時にじっくり観てくださいね。
こちらは宇久島の観光動画ですが、
2022年6月、米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭、ショートショート フィルムフェスティバル (SSFF)において、観光映像大賞を受賞しました。
自然の美しさと歴史を織り交ぜながら描かれた観光プロモーション映像として最も秀でていると高く評価されたのです。
この美しい島が、
こんなふうに変わるなんて想像したくもありませんね。
ところで、この観光映像大賞受賞作品の監督・野上鉄晃さんは、こんな作品も作られた方です。
こちらもぜひ見てくださいね!
大石知事、推進派と意見交換
大石知事は選挙期間中から課題解決のためには、まず関係者の話をよく聴くことが大事と対話重視の方針を示していました。
トップダウンではなくボトムアップという手法は民主的で、県民としても望むところです。
石木ダムに関して知事は、3月就任後まもなく建設予定地こうばるを訪れ、住民へ挨拶。4月には、住民の案内でこうばるを視察。
次は石木ダムの必要性についての意見交換をということになっていたので、住民の皆さんはその日を待ち望んでいましたが、その機会は得られないまま、工事だけが進んでいます。
そして昨日、知事は推進派の声を聞くために、佐世保市と川棚町を訪れました。
佐世保市では「石木ダム建設促進佐世保市民の会」、川棚町では、「石木ダム建設促進川棚町民の会」や元地権者でつくる「石木ダム地域住民の会」との意見交換を実施。
終了後、知事は記者団にこう語っていました。
その考えは立派です。
4月には現地を歩きながら反対派住民と語り合っていたのだから、今度は推進派元住民と意見交換することは全く問題ありません。
でも、それは、あくまでも公平に両方の話を聴くならばということです。
「両方の話を聞きながらしっかり理解を深めていきたい」との言葉通り、知事自身が石木ダム問題を学び理解するために両者から話を聞く。その上で判断する、という道筋でなくてはなりません。
しかし、知事は会議の冒頭このように発言しています。
既に知事の判断(事業は必要→早期完成を目指す)は示されているではありませんか。
同じ推進派同士なのに、なぜ意見交換が必要だったのでしょうか?
冒頭の挨拶以外はマスコミにも非公開だった昨日の会議で、どんな意見が出されたのやら・・。
新聞報道によると、佐世保では、1994年の佐世保大渇水を振り返ったり、老朽化した既存ダムが大雨で崩壊する懸念が指摘されたそうで、川棚では、昨年の大雨で石木川の護岸が崩れ人命に関わる恐れがあったとの訴えがあったそうです。
もしかしたら、次の川原訪問に向けて、知事は「住民の話を聴く」だけでなく逆に住民を説得したい、そのための根拠を求めて推進派の意見に耳を傾けたのではないか・・そんな疑念さえ生じてしまいます。
まるで行政代執行へと背中を押すような発言・・
知事自らが理解し判断するためだったはずの対話は建前で、所詮はパフォーマンス、行政代執行のアリバイ作りだった・・そうならないよう、
私たちは未だ知事の初心に期待し、真の対話を願っています。
NHK長崎 7/13(水)16:53
石木ダムめぐり知事が建設容認の住民と初の意見交換
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20220713/5030015253.html
NCC長崎文化放送 7/13(水) 20:15
大石知事が石木ダム推進派と意見交換
https://news.yahoo.co.jp/articles/1142b45512f78b7da7f97af4ad935e6004a6fc80
KTNテレビ長崎 7/13(水) 20:26
大石知事と石木ダム建設推進派の住民などが初面会
https://news.yahoo.co.jp/articles/4afa678e19e4a82a9cb77ba349da04fd5ced41af
NBC長崎放送 7/13(水) 19:08
大石長崎県知事が石木ダム推進派と面会 ”建設推進” を明言
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/94870?display=1
読売新聞 7/14(水)05:00
知事「石木ダム推進」建設求める3団体と意見交換
https://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20220713-OYTNT50156/
毎日新聞 7/14(水)
石木ダム 推進団体と意見交換 知事「理解得ること重要」
https://mainichi.jp/articles/20220714/ddl/k42/040/367000c
長崎新聞 7/14(木)11:50
大石知事、石木ダム建設推進派と意見交換 早期完成を改めて強調
https://nordot.app/920140332116819968
大石知事「しっかり聞く」
4月20日、住民と共に川原(こうばる)を歩いた大石知事は、「ふるさとは尊いと認識した。今後は、住民の工事中断への思いを含めてしっかりと話を聞く機会を設けたい」と述べましたが、未だにその機会は実現していないし、そのような気配もありません。
3日前の長崎新聞には、石木ダム事業について、「しっかり住民の考えを聞くことが第一歩。できるだけ早くそういう場を設けたい。一方で事業推進を求める人たちの意見を聞く機会もつくりたい」と答えていました。
正論だと思います。まずはそこに住んでいる人たちの考えをしっかり聞く。しかし一方では推進派の意見も聞く。両方の言い分を聞いた上で知事として判断する。という意味だと思うし、そのように理解したい。
でも、本当にそうなのか?という疑念も湧いてきます。 5月27日には、佐世保市の朝長市長や田中副市長に対し、こう述べています。
「石木ダムは必要不可欠。完成のためには住民の理解を得ることが重要」
これが本心なら、知事の「聞く」とは、住民の「想いや意見を理解するために耳を傾けること」(listen)ではなく、ただ住民の「発言を聞く(hear)だけ」ということ?
つまり、結論はもう出ていて、それを変える気はない。ただ、その結論を言う前に、住民との話し合いは必要。住民の言い分も聞いて、こちらの言い分も伝えて、その上で判断したという形にしなければならないから。
もしそうなら、大石知事もこれまでの知事と何ら変わらない。住民を欺き誤魔化すことになります。
そうではないと言うなら、5月19日の動きについてはどう解釈すればいいのでしょうか?
この日、いつものように座り込みの監視に来た県職員が引き上げてまもなく、大きな重機が近づいて来て、座り込みのテントに向かう赤道の途中に土砂を搬入して道を塞ごうとしたのです。
住民の皆さんは重機の近くに集まって業者の現場責任者と交渉、この場所を守り抜くために抗う意思を示しました。そして、「知事は私たちと石木ダムの必要性について話し合うことを約束した。その話し合いをしないうちに工事を強行するのはおかしい」と訴えました。
しばらくして、業者の2名は重機を残したまま引き上げていきました。知事が4月に住民伝えた言葉が本心なら、まずそれを実行するべきです。住民の皆さんは、この言葉を信じ、その機会を待っています。その想いを裏切らないでください。
歴代の知事のように、住民を騙し打ちにするようなことは、決してしないでください。
「持続可能な地域社会に」するには、知事の政治姿勢こそ重要です。
誰よりもその地域社会をよく知り、その存続を願っている住民の声に、本気でしっかり耳を傾ける、その声を政策に反映する、そんな県政を私たちは望んでいます。
石木ダムサイトの地質が危ない?
いつものように、第3日曜日は石木ダム勉強会。今月は石木ダムの地質問題の第3弾。今回も地質の専門家の中山先生にお話をうかがいました。
お時間と関心のある方は、こちらをご覧ください。
中山先生のお話の記録動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=_xMjwhPSvg4
これまでのボーリング調査結果で、ダムサイト周辺には、透水性の高い箇所があることはわかっていましたが、前回、ダム下流に隣接する採石場の採掘跡の埋立地の存在に中山先生は大きな懸念を抱かれ、今回は、その問題について詳しく解説していただきました。
これが、その砕石跡の窪地。完全な円形ではありませんが、直径は長いところで200m、深さは最大で50mほどもある巨大な穴で、平成2年豪雨の時には、石木川から溢れた雨がここに流れ込み、約100万㌧も溜まったそうです。貯水量100万㌧と言えば、長崎県内では、もう立派なダムと言えます。
こちらはダムサイト周辺でおこなったボーリング調査の図面で、赤い点線より上に「採石場跡地」と記されています。中ほどの山形の細い赤線がダムサイト予定地で、跡地まではこの図では約100mほどに見えます。
しかし、図面をよくよく見ると、青い点線で囲ったところにも崖地形が見られ、それが採石場跡地に繋がっていれば、ますます心配だということです。
一応100m離れていると仮定して断面図を描いてみると、
埋立地には約9気圧の圧がかかり、ダム湖の水が吸い寄せられるように漏水する危険性が懸念されるのです。
ということで、「ダム建設は避けた方がよいのでは?」というのが、中山先生の見解ですが、建設そのものは「技術的には可能かもしれない」ともおっしゃっています。
ただ、それには、かなりの工費が必要となり、現在の予算ではとても追いつかない。「事業費は当初算定額よりもかなり高くなるだろう」とのことです。
そんな例は沢山あります。
※訂正 石木ダムの当初見積額が353億円と書かれていますが、これは間違いです。353億円というのは石木ダムに関連する佐世保水道の施設設備費を含めた佐世保市の事業費で、石木ダム建設費そのものは285億円です。
当初予算の15.8倍にもなった奈良県の大滝ダムは、完成直前に地滑りを起こして、対策に10年近い時間と莫大な費用がかかりました。
九州には漏水ダムとして名高い大蘇ダムがあります。こちらも完成直前に漏水が発覚して、その対策工事が、続き供用開始は15年後になってしまいました。
この連休中に阿蘇を訪れた際たまたま出会ったのですが・・・熊本県産山村のヒゴタイ大橋。その下を流れているのが大蘇川なのですが、
このように、右を見ても
左を見ても、川の両岸は真っ白なコンクリートの壁が続き、
遥か向こうにダムのゲートが見えるので、まちがいなくダムですが、気の遠くなるようなコンクリートの壁に覆われた姿が痛々しく・・・この工事のために5.5倍に膨れ上がった事業費。それでもまだ漏水は止まらないという。それは、ここがダムの適地ではなかったという証だと思います。
また、設楽ダムも5月17日、国土交通省は、設計段階では想定できなかった地すべり対策等のため、工期の8年延長と建設費の800億円増を公表しました。https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20220517/3000022537.html
何百億というコスト増になっても、結局は税金だから、一般企業の場合と違って、国も県も平気なのでしょうか。当初は分からなかったのだから仕方ないでしょ?と。誰も責任を感じず、責任を取らず、ツケは国民に。それが公共事業?
石木ダムの場合は決してそれは許されない。なぜなら、お金では解決できない、住民の暮らしそのものを犠牲にする事業なのだから。
ご先祖様もびっくり!
手を合わせているのは大石知事。
そこは長崎県川棚町川原地区にある墓地の前。
そこに眠っているのは、川原地区(石木ダム建設予定地)13世帯のご先祖様。
ダム建設のことでご苦労をおかけしてきたことを心苦しく思っている、お線香をあげたかった・・・と。
4月20日、大石知事は石木ダム建設予定地を再訪し、住民の案内で川原地区を歩きました。それは、知事就任間もない3月10日、挨拶に訪れた際に住民側から「こうばるを歩いてほしい。私たちが守ろうとしているものを見てほしい」と言われていたからです。
案内人の1人岩下すみ子さんは「それが実現するとは思わなかった。びっくりした」と、インタビューに嬉しそうに答えていました。
すみ子さんは限られた時間を有効に使おうと、事前にコースを考えたり、写真や資料を準備してこの日に臨みました。ところが、予定外のことが・・・
川原を一望できる場所で説明した後は石木川の方へ下る予定だったのですが、知事の方から「この近くに皆さんのご先祖のお墓があるそうですね。お参りしたいのですが」と言われ、案内することになったそうです。
その映像をニュースで見た人の中からは、「そこまでやる?」「あざといね」「パフォーマンスに騙されるな!」等々の声も聞こえてきましたが、すみ子さんたちは本当に感動したそうです。
歴代の知事に何度も騙され欺かれてきた住民の皆さんが、こんなに素直に喜んでくれていることを、知事も背中にずしりと感じたことでしょう。この日はちょうど岩永サカエさんの一周忌。「権力って恐ろしかね~」「でも、うったちは死ぬまでここを離れんよ」「死んでもここを守っていくさ~」と語っていたサカエさん。
そのお墓の前で知事が手を合わせてくれたのですから、同行した娘のMさんもどんなに嬉しかったことでしょう。
サカエさん自身はどう思ったかな?「よく来たね。あんたは今までの知事とはちょっと違うごたるね。こうばるはあんたに託すからね。しっかり守ってくださいよ」とささやいたかな?それとも「娘たちは騙せても、私たち死者は騙されんよ。あの世からしっかり見てるからね。変なことをしたら化けて出るよ」と脅したかな?
きっと前者でしょうね。
知事は訪問終了後、記者団からのインタビューに答えて「ふるさとは尊いと認識した」と語りました。
もちろん「この尊いふるさとを残すために石木ダムは中止します」なんて、そんなに簡単に話が進むはずはないでしょう。
しかし、知事は「今後は、住民の工事中断への思いを含めてしっかりと話を聞く機会を設けたい」と述べ、住民からダム建設に関する考えを直接聞く場を設けたいという意向を示しました。
その言葉を住民の皆さんは嬉しく受け止め、信じています。
私たちも同じ想いです。「こうばるを歩いてみます」との約束を果たしてくれた知事なので、「石木ダムに関する住民の考えをしっかり聴く機会を設けたい」という言葉も実現してくれると信じています。
大石知事、住民の皆さんも私たちも、そして、お墓の中のご先祖様も次の来訪を心からお待ちしていますよ。
大石知事「ふるさとは尊い」
お米販売の会計報告
「これからもずっとおいしいこうばる米」2021。
会計報告!
今更〜
みなさん、本当にぐずぐずしていて申し訳ありません。
会計処理自体は去年の2021年12月31日くらいでほぼ終わっていました。
しかし、その裏で2022年2月20日投開票の長崎県知事選挙のことでドタバタが始まりかけていました。
わたし個人的に、1月2月は選挙期間中で大変でした。
そして、3月はもう疲れちゃって、一ヶ月とりあえず休みました。
4月に入りまして、ようやく少しずつリハビリ。
ちょっとずつやりたいことに手をつけていっています。
お米を買ってくださったみなさん、本当にありがとうございました!
お米販売に向けてのチラシづくり、受付のやり取り、発送に向けてのめんどくさい雑用作業、
一番最後のマンパワー、発送作業、快く協力してくださったスタッフの皆さん本当に感謝します。
おかげさまで、お米約1,500キロに対して約140件ほどの注文がありました。
最後の方、せっかくお問い合わせいただいたのにご注文お断りせざるを得ない状況にもなりました。
やっぱり、こうばるのお米って本当に美味しいですし、いいよね。
ざっくりとした会計報告ですが、
今回のお米販売で残ったお金(寄付)は、334,209円でした。
この寄付から何はともあれ、
現場の抗議行動をやっている「ルビー会」に3万円、
裁判の原告団に3万円、
4/6に寄付させていただきました。
あまり大きな額を寄付すると遠慮されてしまうのでこの額にしてみました。
残りは、どう使わせていただくかまだ考えていません。
スタッフの皆さんと話し合ってより良い使い方をと考えています。
使い道が決定した場合は、また改めて報告します。
・
4/6に久しぶりに付け替え道路工事の抗議行動の現場に長い時間滞在しました。
と言っても、2時間程度、そんなもんです。
みなさんは、ここに4時間から8時間くらい滞在しているのです。
すごいと思います、尊敬します。
現場への入り口では、支援者のみなさんとばったり遭遇。
ちょうど山菜を摘んでいらっしゃるところでした。
雑木林の中に建ててあった仮説のトイレです。
あれ?こんなところに??
というくらい、付け替え道路工事とは直接関係のない場所なのに森を伐採してこんなに拓かれてしまいました。
ブルーシートの屋根は「森のレストラン」と呼ばれている憩いの場所でした。
「森のレストラン」という名称通り、ここは森でした。
だけど、付け替え道路工事とは直接関係のないこの場所も長崎県の嫌がらせで、
見せしめとして雑木林を伐採してしまいました。
「タブノキ」が生えていた場所です。
樹齢を重ねて太くなったタブノキもへし折られるように重機で殺されてしまいました。
タブノキの咆哮
森が切り拓かれる様子がブログに残っています。
ぜひ、比較してみてください。
・
抗議行動の現場では最近目立った動きはないようです。
そのため、テントの中でゆっくりと雑談したり、
外の椅子に腰掛けてみんな思い思いに時間を過ごしていらっしゃるようでした。
「ブロッコリーは各自、自由に持ち帰ってね!」
この日は、偶然にもゲストの支援者の方が多かったです。
絵描きのSさん、Sさんが一緒に連れてきてくれたお友達のギターリストさんやお店を営んでいる人など。
わたしもそんな中の一人です、めったに現場には来ないんです。。
ここで毎日いてくれる人がいるから、私たちは今でもなんとかここに住み続けられるんです。
わたしも引き続き、行動を起こしていかないと。
あ、ちなみに、写真の上の方に写っているヘルメットをかぶった人たちは、一時間おきくらい?に計3回ほど午前中監視に来る長崎県の職員の人たちです。
あんな高いところから見下ろして、毎回写真や動画など撮影しています。
すぐそばには、監視カメラもあるのですが…
(別にわざわざ来なくても良くない??)
4/6時点での抗議行動現場の全体的な写真。
この日は、天気も穏やかで過ごしやすい陽気。
平和な抗議行動の日でした。
でも、毎回来るたびに、周辺の地形が変わる…
山積みになっていた土砂が移動して無くなっていたり、
谷になっていた場所に新たに砂利が運び込まれていたり、
いつの間にか新しい砂利道が作られてしまっていたり…
テントのそばには、立派な倉庫が構えてあります。
これも作戦の1つ。
椅子を入れておく倉庫です。
抗議行動の場所に置いてあるすべてのものは、
行政代執行しない限り長崎県であっても勝手に動かすことはできないのです。
午前中の番を終えて、抗議行動現場から帰るみなさん。
抗議行動現場のメインのテントまでは、こんな感じで坂道を下って歩いてきます。
(帰り道は当然上り坂)
4/6時点では、このように随分と開けてしまっています。
ここはすべて森でした。
右側の土砂の山、こちらは元々は雑木林の森で谷となっておりました。
すっかり変わり果てました。
・
文明の利器ってすごいもので、賢く使えば人を大いに助けられるし、自然環境にも良かったりするんですが、
間違った使い方をするとこのような悲惨な光景が広がる結果となります。
工事を請け負っている現場の業者さんも、できれば人々に喜ばれる仕事がしたいんじゃないかな。
何はともあれ、4/6、寄付金を直接ルビー会と原告団の会計の人にお渡しできました。
わたしの動きは相変わらずのろいです。
でも、気になっていることは頭の中にたくさんあります。
少しずつ攻略していきますね。
読んでくださってありがとう!
報告・長崎県石木ダム水没予定地住民イラストレーター、こうばるほずみ
石木川まもり隊Twitterでの不適切な発信・表現についての謝罪
先月のことになりますが、
石木川まもり隊の公式アカウントから、
思い込みと誤解に基づく不適切かつ礼儀を逸したTweetを行ったことをお詫びします。
特にGOTO様をはじめ、
followerの皆様には不快な思いを、
また石木川まもり隊を応援して頂いている皆様にもご心配をおかけしました。
大変申し訳ございません。
今後は二度とこのようなことがおきないよう、
公式Twitterとしてのマナーに沿った発信をするよう努めます。
また、思い込みや誤解に基づく情報発信がないようにも努めます。
さらに、TweetやRetweetのなかで感情的な言葉で場を荒らすことがないように努めます。
こうしたことをさらに今後の運営の中で深めてまいります。
石木川まもり隊という公式アカウントでありながら、
担当者1人に任せっ放しでいたことが大きな要因だと考えています。
今後は石木川まもり隊Twitterチームが運営を行ってまいります。
今後とも温かく見守っていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
石木川まもり隊・Twitter運営チーム