5分でわかる?石木ダム問題

びっくり!

こんな動画を見つけました!

 

佐世保の水のこと、石木ダムのことが、とてもよくわかります。

これまで私たちが集会などでお伝えした情報がてんこ盛り!

なので、石木川まもり隊が制作したのかと勘違いされる方もいるかもしれませんが、

私たちではありません。

私たちには、このような技術も力もありません。

 

?ドーコノ ダーレダカ シーラナイケレド ? 

(このメロディが何十年ぶりかで脳裏を駆け巡りました)

月光仮面のような制作者に心から感謝しつつ、共有させて頂きます。

 

5分でわかる!

かどうかは、個人差があると思いますが…。

ナレーションが少し早いので、お時間のある方は、

時々休止しながら、文字やグラフをじっくり見ていくと、ほんとにわかり易いです。

 

グラフと言えば、佐世保地区の取水量の折れ線グラフがでてきますが、

それについて、一言、おせっかいな補足をさせて頂きます。

2017年度の位置に「石木ダム完成予定年度」と書かれていますが、

これは水需要予測がたてられた当時の予定です。

本体工事はおろか付替え道路工事さえ進まない現実に、

県は昨年(2015年)ようやく工期を変更し、佐世保市もそれを認めました。

現在の石木ダム完成予定年度は、2022年度です。

 

半世紀前に持ち上がった石木ダム計画は、

こうやって、ズルズルと先延ばしされてきましたが、どこまで延びることやら。

何十年も先延ばしにしてこられたということは、必要なかったという証では?

必要なかったものに、佐世保市はすでに120億円を費やしてしまいました。

 

あと233億円も費やします?

佐世保市民の皆さん、もう一度、この動画を見て考えてみませんか?

 

 

佐世保水道「老朽化」の現実

一昨日と昨日、漏水の実態について、素人なりに分析してみました。

そして、漏水の原因は水道施設の老朽化であると指摘しました。

では、その老朽化がいったいどの程度のものであるのか、

それを今日は考えてみたいと思います。

 

以下の資料は、昨年2015年1月29日、厚生労働省健康局水道課 水道計画指導室長 高澤哲也さんの講演資料のコピーです。出典は水道統計と書かれていました。

 

このグラフで一目瞭然、全国的に老朽化が進行しています。

その具体的な指標は、管路経年化率です。

管路経年化とは、水道管の耐用年数(40年)を過ぎたことを意味します。

全水道管の中で、耐用年数を超えた水道管がどのくらいの割合で存在するのか、

それが管路経年化率です。

 

経年化率は年々上昇し、平成25年度の全国平均は、10.5でした。

では、この年度、佐世保市の経年化率はいくらだったでしょう?

答は、19.2%です。

全国平均の約2倍も老朽化しています

 

他市の状況がどうなのか、その資料は得られていないのでわかりませんが、

都道府県別の資料によると、

ワースト1位は大阪府の25.0%で、2位は奈良県の16.7%でした。

やはり佐世保市の19.2%という値はかなり激しい老朽化を意味しているようです。

 

そう言えば、昨年佐世保市では、老朽化による水道管破裂事故が、大きなものだけでも3件ありました。

2015年1月=潮見町にて。160世帯が断水。

  4月8日=天神町にて。2500世帯が断水。

 12月17日=藤原町にて。500世帯が断水。

ひとたび事故が起こると、断水騒ぎとなり、市民生活に大きな影響を及ぼします。

水道局の皆さんも、いつ破裂するかわからない水道管をたくさん抱えていては、

時限爆弾をあちこちに埋め込んでいるようで、心穏やかではないでしょう。

 

市民のためにも、水道局職員自身のためにも、

まずは、老朽化対策を急いで頂きたいものです。   

 

 

佐世保の漏水、減るどころか増加!?

昨日のブログで提示した漏水量と漏水率は、平成25年度の数値でした。

決算審議の委員会資料に見当たらなかったので、水道技術研究センターの資料から探し出しました。

ところが、いま開会中の佐世保市議会本会議で水道局長が、昨年度の漏水量について言及していました。

議会中継の録画で発見したのですが、
http://www.sasebo-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=826

なんと、なんと、漏水率は減るどころか、増えていました!

 

 

昨年度は「漏水量の減少と有効率向上のため取り組んだ」と言いながら、

なぜか、結果は真逆です。

 

年間漏水量=3,421,976m3前年度比235,878m3

日平均漏水量=9,350m3前年度比621m3

増加率=7.4%

という、とんでもない事態になっていました。

 

平成25年度の漏水量294万m3でも驚いていたのに、

平成27年度は342万m3だった!

ということは・・・?

一日の平均配水量が約8万トン弱なので、

一年間に、約43日分の水が漏れていたということです。

全佐世保市民と企業や学校やレストランやホテルなど、

あらゆるところで日々使われているかけがえのない水が、

約1ヶ月半分も無駄に捨てられていたようなものです。

 

それは、「水を捨てている」だけでなく「お金も捨てている」ことになります。

なぜなら、ダムや河川の水から水道水をつくるには、経費がかかるから。

取水費用、浄水費用、配水費用…それぞれに人件費や動力費などなど。

それらがどのくらいかかるか?

昨年度の給水原価(水道水を1立方メートル作るのに必要とする経費)は、

204.74円でした。

漏水量3,421,976×給水原価204.74=700,615,366円

なんと、7億円も無駄にしたってこと?!

 

そして、その342万m3という水量を佐世保のダムと比較すると、

下の原ダムの1.6個分、

川谷ダムの2.1個分、

山の田ダムの6個分に相当します。

 

さらに、一日平均の漏水量に注目すると、

その量は、9,350m3ですから、10㌧トラック935台分

これは前年度より、621m3増加したという。

一方、一日平均配水量は、前年度より、529m3の増加。

ということは、配水量が増えたのは、

水の使用量が増えたのではなく、漏水量が増えた結果ということ。

 

ここが大事!

水需要予測を立てる時は、一日平均給水量や一日最大給水量が鍵になります。

給水量の増加=需要の増加として、新たな水源確保の理由とされます。

しかし、佐世保の給水量の増加は、決して需要の増加ではない。

漏水の増加だったということを覚えておきましょう。

それを石木ダムの必要性の根拠とすることは許されません。

 

漏水対策の遅れのために沢山の水を無駄にしている。

そのツケを、佐世保市民や、

まして川棚町民に押し付けることは止めてもらいたい! 

 

 

続きはこちら→ 佐世保水道、老朽化の現実

 

佐世保市水道事業決算その2

昨日の続きです。

平成27年度水道事業決算で注目した、もう一つは、こちらの表です。

業務量の中の有効率をごらんください。

有効率とは、水道局の解説によると、総配水量のうちの有効水量(漏水等を除いて有効に利用された水量)の割合です。

つまり、有効率が88.3%ということは、無効率が11.7%ということです。

無効率とは、無効水量(漏水量等、有効に使われなかった水量)の割合ですから、全てが漏水というわけではありません。

事故による逸失,赤水などによる供用不適水等が含まれますが、それらはごくわずかなので、

無効率=漏水率とも見る場合も多いようです。

 

実際の漏水はどのくらいあるのか?

そしてその量は、全国的に見て多いのか少ないのか?

調べてみました。

これは昨年、(公財)水道技術研究センターがまとめた資料で、平成25年度の実績値です。

無収水率だけでなく、年間漏水量や漏水率のデータも見られます。

そしてこれは、同じ人口規模の自治体や水道企業団、つまり、

給水人口20万人以上の上水道事業体、98を対象にしたものです。

 

これによりますと、

佐世保市の漏水率は、10.44%で、全国98事業体のうち第8位でした。

おお!ベストテン入り!と関心してる場合ではありませんぞ。

それほど漏水が多いという不名誉なことで、ワースト8位ということ。

その量はというと、年間、約294万㌧なので、一日平均約8000㌧です。

8,000㌧ってピンときませんよね。

10tトラックで800台と考えればわかり易いかも。

4t車だと2000台です。

えー!!!

でしょ?

お金と手間をかけてきれいに浄水した水が、毎日、それほどたくさん漏れてしまっているということ。

もったいないですよねー

 

なんとかならないのですか?と水道局に言ったことがあります。

水道局曰く、

「佐世保市は急斜面地が多く、水圧の関係で水道管が傷みやすいんですよ」

でも、同じ坂の町、長崎市の漏水率は、4.82%でした。

 

また曰く、

「佐世保市は旧海軍の水道施設を引き継いだので、古いものが多くて…」

でも、同じ軍港都市だった広島県呉市の漏水率は、2.81%です。

 

さらに、平成6年の大渇水で、同じように苦しんだ愛媛県松山市の漏水率は、1.88%

 

この違いは何なのでしょう?

結局やる気の問題だと思います。

漏水対策をしっかりやる!何よりも優先する!と決めれば、

お金も人もより多く投入し、必ず効果は上がるはず。

 

これまで石木ダムに投入してきた120億円もの大金を漏水対策に回していたら、

かなりの漏水が解消できていたはず。

 

これほど水を無駄にしている佐世保市が、

水が足りないからと、

川棚町の自然と暮らしを破壊するダム建設に理解を求めても、

説得力のかけらもありません。 

 

漏水対策いつやるの? 今でしょ!

 

 

続きはこちら→ 佐世保の漏水、減るどころか増加!?

平成27年度佐世保市水道事業決算

いま佐世保市では9月議会の真っ最中。

9月5日、都市整備委員会では平成27年度水道事業の決算審議がおこなわれました。

傍聴して、驚くことがいくつも・・・。

その最たるものが工場用水。

昨年度の工場用水の使用量は、1,045,751?だったそうです。

昨年度は366日ですから、一日平均量は、2,857?となります。

 

おや?それはおかしいですねー

4年前の平成24年度、水道局がはじいた予測では、27年度の工場用水はかなり急増していましたよね?

どれどれ、当時の資料を確認してみましょう。

これが、その資料です。

石木ダム事業の再評価をするための委員会に出された資料に掲載されているグラフで、

水道局自らが作成した、正真正銘の予測です。

H27にあたるところの「」の位置をご覧ください。

6,000を超えています。正確な数字は、6,605でした。

直近(H23年度)の実績値は、1,890だったので、4年間に3.5倍にも急増すると予測。

3.5倍ですよ!

そんなの「ありえへん!」と私たち市民は疑問を呈したのですが、

水道局は、あーだ、こーだと言い訳して、予測は正しいと言い張ったのです。

 

そして、いよいよ、その27年度の実績値が出ました!

一日平均=2,857?

いえ、これは佐世保市全体の工場用水でした。

石木ダムに関わる対象地域は佐世保地区(旧佐世保市)ですから、そちらの数字が必要です。

水道局に尋ねました。

それは、なんと、1,382?でした!

予測値6,605?のわずか2割の水しか使わなかったという結果です。

グラフに書き込んでみました。

 

これが現実です。

佐世保市が予測した工場用水の需要は完全に間違っていたと認めるべきです。

佐世保市の24年度水需要予測は完全に破たんしています。

その予測を根拠に石木ダムが必要と言い続け、工事を強行するのは無理があります。

 

佐世保市長さん、佐世保市水道局長さん、

この現実を受け入れて、ちょっと立ち止まってください。

そして、見直してみませんか。

まだ、間に合います。

ダムは全然できていないんですから。

完成間近の豊洲市場だって、問題が見つかったので延期になりました。

その判断を下した小池知事は、都民のみならず、日本中から評価されています。

朝長市長も是非・・・       

 

 

よかったら、続きはこちら

佐世保市水道事業決算その2

集会を伝える新聞記事

集会翌日、11日の長崎新聞。

「ダム完成後は流域住民が永遠に苦しむ」という言葉が、記者さんも印象的だったのかな?

きっと参加者の多くも、同じだったかも‥・

 

 

こちらは3日後、13日の毎日新聞。

12日の宣言文提出と合わせて報じています。

ダムは地権者だけの問題じゃなかった。

多額の税金が投入されていて、自分たちにも関わりがある問題だと初めて感じた。

という参加者がいたという。 

 

それこそ聞きたかった言葉!

これからでも遅くない。

一人ひとりが、しっかり考え、語り合い、自分たちで決めていきたいですね。

 

「ダム問題を考える緊急集会」宣言文 提出

9月10日(土)の緊急集会で採択された宣言文が、12日(月)午前、川棚町長に手渡されました。

185名の集会参加者の大半は川棚町民です。

その町民の意思を受け取った町長は、感想を求められて何と言ったか。

 

 「今日は受け取るだけと聞いていたのでコメントは用意しておりません」

 

なんという返事でしょう!

町民の、たとえ一部の町民だったとしても、たくさんの人々が集い、語り合い、

まとめられた宣言文を目の前で読み上げられ、

感想を求められたのに、一言も感想を述べないとは・・・。

これでは町民無視です。

自分の考えと合わないから?町の政策に反するから?

そんな町民は相手にしなくても良いと?

本気で、それでいいと思っているのでしょうか?

それとも、県に、「相手にするな」「無視を知ろ」とでも言われているのでしょうか…

 

その宣言文はこちらです。

 

 

集会宣言文

九州のマッターホルンと呼ばれる虚空蔵山。そこを源として川原の里を流れる石木川。その流れは川棚川に合流し大村湾に注がれます。中流域の川原地区は棚田が広がり、初夏にはホタルが飛び交うところです。そのような川原地区での自然と結びついた人々の営みは時の流れの中で幾代にも亘って続いてきました。

 その川原地区を沈める石木ダム構想が持ち上がったのが1962年。佐世保市への水の供給のため、川棚川での洪水防止のため石木ダムが必要だと長崎県や佐世保市は言います。以来、行政はダム事業を推進しようとしていますが、川原地区住民や支援者によって阻止されています。

佐世保市の水の需要は近年減るばかりです。また、川棚川の河川改修が完了すれば、過去最大の洪水が発生しても溢れずに流せます。ダムを造る必要はないのです。

 ダムが出来れば洪水が減るどころか、かえって洪水発生の可能性さえ増えます。川原地区の豊かな自然環境とその自然が結びついた13世帯の人々の生活も失われてしまいます。ダム湖にはヘドロが溜まり、川棚川・大村湾の環境にも悪影響を及ぼします。さらにダムはいずれ土砂が溜まり、機能しなくなります。

 ダムは危険で時代遅れなのです。問題だらけの石木ダム建設より石木川・川棚川の河川改修を進めるべきです。川棚町民への十分な説明や合意なしに、総事業費285 億円をかけて、13 世帯約60 名の家や田畑を強制収用までして長崎県や佐世保市はダム建設を進めようとしていますが、これは人権侵害以外の何物でもなく、民主主義に逆行するものです。

 私たちは、石木ダムなど要りません。川原の人たちにも、これまで通り生活を続けてほしいし、その権利は保障されるべきです。

ここに集まった私たちは石木川・川棚川の流れと大村湾の豊かさを次世代に引き継いでいくため、石木ダム建設に反対し、川原地区住民と共にダム建設阻止のために行動することをここに宣言します。

 

2016年9月10日 石木ダム問題を考える緊急集会参加者一同

荒瀬ダムの間違いを繰り返さないで!

9月10日、川棚町で開かれた「ダム問題を考える緊急集会」には、200名近い人々が集まりました。

石木ダム対策弁護団の平山博久弁護士は、石木ダム事業の概要と問題点、
そして裁判の状況について、わかりやすく解説。

「川原」地区総代の炭谷猛さんは、水没予定地に住み続ける思いを切々と吐露。

私たちは、ここに住み続けることを選択した。

ここで一生懸命生きている。

しかし、土地収用法に沿って、収用の手続きがどんどん進んでいる。

数年後には完了するだろう。

しかし、それは紙きれ上のこと。

強制収用されても私たちはここに住み、田んぼを作り続ける。

それは、私たちの生きる権利です。

 

続いて発言されたのは、荒瀬ダム撤去を実現した第一人者、つる詳子さん。

自然観察指導員として、様々な調査や聞き取りを実施する中で、ダムの環境破壊を痛感。

川棚町民にダムの真実を伝えたいと、熊本県八代市から来て下さいました。

参加者は、映し出されるたくさんの写真を見つめながら、つるさんの話に耳を傾けました。

要点を以下にまとめてみましたのでご覧ください。

 

つるさんが、その美しさに心奪われたという川辺川は球磨川の支流です。

そこにダム計画があることを知り、ダム問題への取り組みを開始します。

なぜなら、当時、球磨川流域には既に荒瀬ダム、瀬戸石ダム、市房ダムが有りましたが、それらのダムによって住民は大きな被害を被っていたからです。

 

1.それらは発電用のダムで、放流時の振動による被害が続出していました。

 

2.ダム建設後に大きくなった水害。

 

3.漁業への被害

魚貝類や海苔などがほとんど採れなくなったそうです。

 

ダムによって50年も苦しめられてきた流域住民は「ダムは百害あって一利なし!」

これ以上ダムを造るな!

球磨川を返してくれ!と動き始めます。

国交省を相手に9回も住民討論集会を開催。

これが大きな力となっていきます。

世論の8割がダム反対になった頃、

知事は川辺川ダムの中止を決断し、

その後、荒瀬ダムの撤去も決まりました。

2008年、荒瀬ダムのゲート全開。

2012年本体撤去開始。

半分撤去した頃。

現在は、この柱は全部なくなっています。

その結果、河口部には多くの貝類が復活し、

でも、それ以上に、

潮干狩りを楽しむ人が増え・・・魚貝類も生き抜くのがたいへん!(>_<)

ゲート全開前は30cmほどだった青のりが、今や4mにも!

 

最後のまとめはこちら。

そして、川棚町民へのメッセージ。

 

私は、実は2012年の春、荒瀬ダム撤去「前夜祭」に参加させて頂きました。

つるさんのお話も何回も聴きました。

そして、その度に感銘を受け、この真実を、つるさんのお話を、

ぜひ川棚町の皆さんに聴いてほしいと、ずっと願っていました。

それが実現して、本当に嬉しいです。

昨日参加された皆さん、是非このメッセージを周りの方に伝えていきましょう!

 

ダムができたら、川や海は必ず疲弊する。

ダムができるまでは水没予定地が苦しみ、完成後は流域住民が苦しむ。

荒瀬ダムの間違いを繰り返さないで!

 

工事差止か否か、結論は年末?

 

厳しい残暑の昼下がり。
第3回石木ダム工事差止仮処分の審尋に参加しようと、
多くの原告(申立人)が長崎地裁佐世保支部の門前に集まりました。

今日は馬奈木弁護団長がお休みで、
平山弁護士からの説明に聴き入る原告団と報道人。
審尋は非公開なので、報道人は法廷に入れません。

今回も満席となった401号法廷では、入廷者の本人確認に長々と時間を要し…
やっと審尋が始まったと思ったら、わずか5分足らずで、

「審尋は本日で終わり、裁判所の判断は年内を目途に出したいと思っています」
と裁判長。

えーっ!!!
どーゆーこと?

というわけで、3時からの報告集会にも沢山の人が集まりました。

まず初めにこれまでの経緯や、今日で審尋が終了した意味など、
平山弁護士から丁寧な説明がありました。

これまでに双方の主張は出し尽くされたとして、今日で審尋は終わりました。
裁判所の判断は、年内、つまり12月末頃に出されるようです。
どういう判断が出るかは、全くわかりません。
 
ただ、行政訴訟法第44条については我々の主張が認められたのだと思います。
(行政訴訟法第44条=公権力の行使に当たる行為については仮処分をすることができない)
 
県は、今回の我々の申し立てが「44条に抵触する」と主張していました。
それを裁判所が認めるなら、1週間もあれば結論は出るはずです。
それが年末までかかるということは、我々の主張「44条に抵触しない」が認められた、つまり、門前払いにはしないということだと思います。
 
その上で、それぞれの工事について、
それぞれの債権者にどのような人権侵害があるのかないのか、
それを精査するのに時間を要するのだと思われます。
 
その結果、石木ダム工事中止という結論になるのかどうかは、わかりません。
判断が出た時点で、今後の対応については、また皆さんと意見交換をしながら進めていきたいと思います。
 
 
今日は会場からも活発に手が上がり、様々な質疑や意見が交わされました。
 
Aさん:私たちが勝った場合工事は止まるのですか?
   その場合、県が上告して、今度は私たちが債務者になるのですか?
 
弁護団:勝ったら工事は止まります。
   その後、県がどう対応するか私たちが考える必要はありません。
   考えなければならないのは負けた場合です。
   いろいろな選択肢がありますが、それは裁判所の判断を見極めた上で、
   また皆さんと相談しながら決めていきます。
 
Bさん:佐世保市民は石木ダム問題に無頓着。
   建設工事費が必ず水道料金に跳ね返ってくる。
   県や市の借金がどれくらいあるのか、
   こういうことも含めて、市民に知らしめてほしい。
 
Cさん:そのようなことは弁護団にお願いするのではなく、
   私たち自身が取り組むべきことではないでしょうか。
   10日には、「石木ダム問題を考える緊急集会」も予定されています。
 
Dさん:私は市民は無関心ではないと思います。
   先日も玉屋の前で「石木ダムって要らんよね」という会話を耳にしました。
   そういう声を私たちが拾い集めていないだけだと思います。
   私は島瀬公園あたりでチラシ配りをやりたいと思っています。
 
Eさん:いま議会では平成27年度の決算審議が行われています。
   石木ダム事業に対して、これまでにいくら投入したのか確認したら、
   120億円ということでした。これから先もこのまま進めていったら、
   維持管理費も含め、1173億円が必要になると言われています。
   必要のない事業にこれだけのお金が投入される。
   私はこの不合理さを市民に伝えていきたい。
 
 
そして、毎回遠方から駆けつけて下さる弁護団の皆さんからも力強いメッセージを頂きました。
 
 
高橋弁護士:
どんな結論が出るのかわかりませんが、
仮に、我々が負けたとしても、がっかりする事はありません。
裁判に勝利することが目的ではなく、石木ダム工事を止めることが目的です。
そのためにどんなことができるのか、それが大事です。
事業認定取消訴訟の方はまだまだ続きます。
共に頑張っていきましょう!
 

田篭弁護士:
利水でも治水でも必要のない、こんな無駄な事業が、しかも50年前からあった計画が、なぜ未だに必要だと言われているのか、本当に疑問だと思っています。
今回の仮処分で、私は44条の部分について担当させていただいたので、そこで斬られてしまったらと責任を感じていたのですが、判断が12月になるということで、そこは何とかクリアできたんではないかとホッとしています。
これからも微力ながら力を注いでいきたいと思いますので、よろしくお願いします

緒方弁護士:
無駄な事業という事は、もうはっきりしています。
長崎県民や佐世保市民の皆さんが負担するお金ってものすごい額ですよね。
必要性のないものに、どうしてそんな大きなお金を投じるのか本当に疑問です。
そういうことを一般市民の皆さんに広めていく活動が必要だと思っています。
先程のチラシ配りと言うのも1つの方法でしょうし、ブログであるとか、TwitterやFacebookであるとか、既に皆さんもやられているようですが、これをより多くの方々に見てもらうような働きかけも必要です。
我々弁護団もFacebookのページを作っているので、ぜひ見ていただければありがたいです。
いろんな人に広めていきましょう。
 

魚住弁護士:
ビラ配りをやりましょう。特に佐世保市で。
ぜひ頑張ってください。
 

板井弁護士:
長崎県と佐世保市がなぜ工事を強行しないのか?
裁判所を排除するには工事を強行したほうが有利なのに、なぜそうしないのか?
それは力関係。
石木ダム反対の世論がそれだけの力を持っているということ。
この世論をどうやって広げるか。
佐世保の世論を広げることも大事だが、それだけじゃあダメ。
川棚の世論を作っていくことも大事。
利水の問題だけやっていてもダムは止められない。
治水だけでもダムはできるんです。
これから川棚の人たちが治水の問題を真剣に考えて議論していく。
周りの市民県民がそれを後押ししていく。
そして、県と佐世保市に事業計画を諦めさせる。それが大事。
 
なるほど〜。
さすが川辺川ダムを止めた板井弁護士の言葉には説得力があります。
 
最後に地権者の岩下さんからご挨拶。

岩下さん:
今日は暑い中、大勢の方に駆けつけていただき感謝しています。
私たち地権者はみんなここにきて話を聞きたかったんです。
しかし県が、いつどんなことをやるか分からないので、
今日は、前の仮処分の時に立入禁止の処分を受けた者だけが来ています。
それ以外は現地に残って、県が来ないか見張っております。
今後もこんな状態が続くと思います。
長崎地裁の取消訴訟でも今日と同じような状態で、
地権者がみんな出てくることはできないでしょう
今後ともご協力をよろしくお願いします!
 
大きな温かい拍手と共に、今日の集会を終えました。
 
工事差止の仮処分が出されるのか否か、年末までのお預けです。
どちらになるのか、皆目わかりません。
わかったのは、やはり世論の力。
反対世論が弱ければ、行政は工事を強行できるし、裁判の結果にも影響する。
反対世論が強ければ強行できないという、ごく当たり前のことです。
 
この当たり前のことをあらためて認識したことが今日の集会の収穫でした。
この場に居合わせた人たちと、今後どう行動をおこしていけるか…
新たな課題であり、目標です。

 

川棚町で石木ダムを考える緊急集会!

今日は9月1日、防災の日。

自然災害の1つに台風や豪雨による洪水被害がありますが、

川棚川流域の洪水対策として計画されたのが石木ダムです。

しかし、石木ダムができれば本当に安心なのでしょうか?

石木ダムの治水効果はたいへん小さい、という専門家の意見もあります。

ダムよりも、堤防の嵩上げや河床掘削の方が効果的だとの声もあります。

河川整備の結果、すでに安全性は高まっているとの報告もあります。

ダムがかえって水害を大きくしたという事例もたくさんあります。

 

石木ダムはメリットよりもデメリットの方がはるかに大きい。

そのことに今こそ川棚町民自身が気づき、声をあげていこう。

そういう集会が9月10日、川棚町で開催されます。

川棚町民の皆さん、ぜひ参加してみませんか?

 

日本初のダム撤去を実現した、荒瀬ダムの「つる詳子」さん(環境カウンセラー)の貴重なお話も聞けます。

この機会をお見逃しなく!