山本太郎参議院議員、こうばるへ!

今日の最高気温は36度。

猛暑日の昼下がり、こうばるの皆さんは大きな木の木陰に椅子を並べて、この方を待っていました。

この方とは、参議院議員の山本太郎さんです。

案内してくれた末次さんと一緒に、真剣な表情で岩下さんの話を聞いていました。

石木ダムは必要性の無いダムであること、

住民の合意無しには造らないとの覚書を交わしたのに、それを無視して進めていること、

私たち反対住民の土地に対する強制収用が始まっていること、

収用された土地の補償金も受け取っていないのに税金がかけられていること、

等々の話に驚く太郎さん。

他の地権者の皆さんからも訴えかけました。

強制収用されても私たちが動かなければ行政代執行をかけるしかない。

そこまで県はするのか。

一番良い解決方法は、事業認定を国が取り下げること。

長崎県は土建行政をやってきた。国交省や関係する国会議員との結びつきが強い。

知事の一存では動かせないのだろう。

国を動かせる政治家の力を借りたい。

長崎県の無茶苦茶な流れを止めるには「天の声」しかない。

私たちも頑張るが、国交省を動かす政治家の力が欲しい。

そういう声があちこちから上がってきたところで、残念ながらタイムリミットとなりました。

太郎さんは末次さんに促され、席を立ち、

「ダムのことは不勉強なので、これから勉強させてもらいます」と言って、

次の会場の佐世保に向かいました。

 

中途半端に終わって、地権者の皆さんには大変申し訳なかったのですが、

でも、太郎さんも末次さんも本当にタイトなスケジュールの中、こうばるに足を運んで下さいました。

これ以上の時間オーバーはできませんでした。

今日の訪問がきっかけとなって、いつか本格的にこうばるを訪ねてくださることを切に願っています。

 

さて、アルカスSASEBOのイベントホールは、ほぼ満席。

政治セミナーというと男性が多いのかと思っていたら、

けっこう若い女性が多くて意外でした。

山本太郎さんの話が聞けるからか、

それとも主催者の末次精一さんの後援会は、若い女性が多いのか・・・?

 

その末次さんの開会の挨拶では、

この国をおかしくしているのは既得権益。

わずか1%の人々の利益を守るために国が動いている。

既得権益を是正していかねばならない。そのために私は闘い続けます…と。

いよいよ太郎さん、登場です。

長崎への思い、オバマ大統領の広島訪問について、安保法制について等々幅広くいろんなお話をされました。

その後の質問コーナーで、なぜ芸能人を止めて政治の世界に入ったのか?と問われると…

 きっかけは、あの原発事故です。

僕はわりと環境問題には関心があったので、事故の10年程前から、

サイト上で原発の危険性はある程度知っていた。

でも、その危険性をカバーする技術力があってやっているのだと思っていた。

よく5重の壁とか言いますよね。そういう説明を信じていた。

でも、2011年、事故が起きた。ヤバイと思った。

時々デモに行ったけど、カメラを見つけると顔を背けて映らないようにしていた。

芸能人だから。仕事がなくなると思ったから。

しかし、5月、文科省が子どもの被ばく限度を、年間1mmシーベルトから20mmシーベルトに変えた。

チェルノブイリでは、今でも年間5mmシーベルトで避難区域になっているのに…。

その時、ほんとにヤバイと思った。

もう隠れるのは止めて、前に出ようと思った。

そしてカメラの前に出るようになったら、ほんとに仕事がなくなった。

と語り、その結果に満足しているように感じられました。

 

石木ダムの話が全く出なかったのは残念ですが、

ダムのこと何も知らないとおっしゃる太郎さんにその話を求めるのは酷ですし、

生半可な知識で政策を語るような方でないってことがよくわかりました。

 

原発問題同様に、ご自身が気付き、学び、本当に実感された時には、

きっと強く、発信されることでしょう。 

 

今気づいたのですが、早速ツイッターで発信されていました。

 https://twitter.com/yamamototaro0/status/762961492580806656

 

 

写真展「石木川のほとりにて」、コクラヤにて

長崎市にある「ギャラリーコクラヤ」にて開催中の写真展「石木川のほとりにて」に、お邪魔しました。

ずいぶん暗いイメージですが、これは私のカメラのせいです。

カメラを忘れたので携帯のカメラで撮ったら、この酷さ・・・。

コクラヤさん、すみません。

奥の方ではビデオ映像も流されていました。

こうばる住民のK子さんや、パタゴニア福岡のTさんとも予期せず会えて、

話に花が咲き・・・

村山カメラマンと記念撮影。

その後もこうばる住民が次々にやってきました。

それもそのはず、今日は日曜日ですから。

こうばるの皆さんは平日は阻止行動をやってるし、

昨日は地元のイベントだったし、

写真展の期間中、来れるのは、この日しかなかったのです。

村山さんの写真ですっかり人気者になったエイジ君の一家もやってきました。

エイジ君、サオちゃん、そして生まれたばかりの妹ナツキちゃんのスリーショットも大好評の写真でした。

その写真の前で、またパチリ。

そして、後ろの写真を見て、カメラマンは指示を出します。

「サオちゃん、ナツキちゃんをだっこして」

言われた通りだっこしようとしたら、ナツキちゃんは大泣き。

お母さんから離れたくなかったのか、サオちゃんのだっこが不安だったのか?

一年前、サオちゃんの腕の中で、あんなに小さかったナツキちゃんが、

こんなに大きくなって・・・

早いものですね。

これからも、この可愛い三きょうだいが、

自然豊かなこうばるで、すくすくと育ってくれますように!

 

村山カメラマンもそれを見届けたくて、きっと、君たちがおとなになるまで、

君たちの追っかけをやるだろうな〜

覚悟してたほうがいいよ〜

 

 

ピースボートと写真展

今朝の長崎新聞には、石木ダムに関する2つの記事が掲載されていました。

1つはこちら。

長崎に寄港したピースボートの記事。

メインの平和イベントに関する記事に続いて、

30人が川原を訪れ住民と交流したことも、別枠できちんと伝えてもらえました。

ここで紹介されている環境財団のチェ・ヨル代表はダム問題に詳しい方で、

こんな話をなさっていました。

私は中学高校時代に大きな川の流域に住んでいた。

その川には3つの大きなダムができ、知り合いの家が次々になくなっていった。

1990年代に国はまたダムを造ろうとしたので、私たちは立ち上がった。

反対運動は大きくなっていった。

そして、2000年に金大中大統領が白紙撤回した。

石木ダムは必要性も無く経済的価値も無い。

必ず止めなければ!

私は韓国の国民と共に皆さんを応援します!

 

そして、もう1つは5日から長崎市で始まった村山さんの写真展の記事。

私も明日見に行く予定です。

今年1月佐世保で展示した写真たちとの再会が楽しみです。

 

いま長崎市はピースウィークで、平和に関するイベントがあちこちの会場でおこなわれています。

そこに参加した帰りにでも、よかったら、コクラヤギャラリーにお立ち寄りください。

きな臭い現実とかけ離れたほっこりする空間に出会えます。

平和と同じように守りたい大事なものが見えてきます。

平和だからこそ守れるものでもあります。

 

平和も環境も失ってからでは遅い。

村山さんの写真たちが、きっと気づかせてくれるでしょう。

 

 

ピースボート再びこうばるへ!

午前11時、阻止行動をやっているゲート前に1台の大型バスが!

長崎県営バスから降り立ったのは…

ピースボートのご一行様。

春のツアーでも「こうばる」を訪ねてくださいましたが、お客様にとても好評だったそうで、

今回もオプションコースとして募集したら、予想以上の参加者だったとか。

まずは、地元案内役の岩下さんの説明を聞き、

続いて、ゲート前で座り込みをしている人たちのもとへ。

皆さん、興味津々でいろいろ質問していましたよ。

最後は、ゲート前で記念撮影。

権力に負けない長年の闘いの現場を見て、元気をもらったとおっしゃってました。

とはいえ、今日もうだるような暑さ。

炎天下を歩きながら説明を聞くのは、本当にお疲れだったと思います。

 

お昼の会場に到着した時には、その涼しさに皆さん大歓声。

流れる水に素足を浸し、一休み。

そして、そうめん流しの始まりです。

今回のこうばるへのツアー客の半分は韓国からの方で、

聞いてみたら、韓国ではそうめん流しなどないとのこと、初めての体験に大喜び。

こちらは、その韓国の通訳の方。

本当に楽しそうに、そうめんを追いかけていました。

 

そうめん流しが終わると、各テーブルには、こうばるの皆さんも加わって、

賑やかな談笑の輪が広がりました。

やっぱり、若者は若者同士で話が弾んでいます。

シールズの奥田さんにはラッピングバスのコピーでお世話になったのですが、

実際にこの地を見て、歩いて、川に触れて、地元の人と語り合ってもらって、

本当に良かった・・・

 

そして、参加者の皆さんから「来て良かった」「今回のツアーで最高の場所だった」

との言葉を頂いて、こうばるの皆さんも大喜び。

初めは「社交辞令」との思いで聞き流していたのですが、

「ほんとよ!〇〇と△△と??にも行ったけど、こんなに感動したとこはない」

「最高のオモテナシを受けて嬉しかった」

「この人は辛口で、めったに褒めないの。この人が言うのだから信じて!」

とまで言われ、ようやく「ほんとですか〜?」とこうばるの女性たち。

連日の阻止行動で疲れているのに、様々な行事やお客様に追われる日々。

こうばるに関心を示し来てくれるのは嬉しいけど、

一方では、休みたいな〜との思いも本音ではあるはず。

 

でも、こんな言葉を聞くと、

やっぱり頑張ってよかった、これからも頑張ろう!という思いがムラムラと…

そんな思いが笑顔に滲み出ていました。

 

ピースボートのスタッフの皆さん、ありがとうございました!

お客様にとっても、こうばる住民にとっても、私たち支援者にとっても、

元気が湧き出るひとときでした。

 

また、お会いできることを楽しみにしています。

 

 

 

 

 

明日から写真展「石木川のほとりにて」

いよいよ明日から開催です。

村山嘉昭写真展「石木川のほとりにて〜13家族の物語〜」

今年1月、一足先に佐世保でも開催し、たくさんの方に見て頂きました。

ダム建設予定地で暮らし続ける13世帯の家族の横顔が映し出されています。

自然で、ありのままで、笑顔、笑顔、笑顔・・・

見ているだけで誰もが幸せを感じる、そんな写真がいっぱい。

今回の写真集は第2弾で、前回よりもかなりボリュームアップ。

ますます見ごたえたっぷりです。

 

会場や日時は以下の通り。

長崎市の方はよくご存じの、万屋町にある「ギャラリーコクラヤ」です。

5日〜9日まで、5日間もやっています。

お近くの方は是非お時間を作ってお出かけください。

遠くて行けない方も大丈夫。

写真集を買えば見られます。

1500円です。

スペースの関係で写真展には展示できなかった素敵な写真にも出会えます。

全国のパタゴニア各店で販売中。

また、「石木川まもり隊」でも販売しています。

お問い合わせなど、このブログの「コメント」をクリックして送信して頂ければ対応いたします。

 

まずはともあれ、明日からの写真展にぜひどうぞ〜(^^)/

 

 

9世帯の家屋を含む土地の裁決手続き開始

7月28日の長崎新聞の記事です。

7月26日付で、県収用委員会は、石木ダム建設予定地の9世帯の家屋を含む未買収地約9万㎡の裁決手続きを開始したということです。

つまり、これで、こうばる13世帯の家屋の全てが強制収用のための手続きが開始されたということです。

何が何でもここにダムを造る。

住民がどんなに反対しても、お上が決めたことは絶対なんだ、従うしかないのだ、反対すればこうなるのだと言わんばかりの強引さです。

なりふり構わず、わき目もふらず、ブレーキの壊れた列車のように、引かれた線路の上をひた走る長崎県。

この異常さに何故気づかないのか?

どうすれば気づくことができるのか・・・

 

付替え道路工事再開!

真っ青な夏空の下、半年ぶりの付替え道路工事再開に備える阻止行動が始まりました。

9時には、地権者も支援者もゲート向いにスタンバイ。

崖下の木陰は涼しくて、気持ちいい〜

 

9:45頃、県職員がこちらへ向かっているとの連絡があり、ゲート前に待機。

 

待つこと10分ほどで、県職員と業者の14,5名が到着。

石木ダム建設事務所の有吉所長の第一声は、

「本日から工事に着工します。現場に入るのでで通路を開けて下さい」

そして、

「このような妨害行為は違法だとの判断がでています。止めて下さい」

地権者や支援者からは、

「妨害じゃありません。権利です!」

「税金の無駄遣い!」

「ここでは沖縄と全く同じことがやられている!」

などの声が飛び交いました。

 

同じようなやり取りが10分ほど続いた後、

「今日はこれで撤収します。また来ます」

と言い残し、一行は今来た道を戻って行きました。

 

それにしても、彼らは、

このギンギラギンの真夏に突入してからなぜ始めようとするのでしょう?

新しい工事業者が決まったのは3月です。

4月以降いつでも着工できたはずなのに、ずーっと棚上げしておいて、今頃なぜ?

 

いま、石木ダム工事差止仮処分の裁判が進行中なのに、

また事業認定取消訴訟では、

石木ダムの必要性がこれから議論されようとしているのに、

結論が出る前に既成事実をつくっちゃえということなのでしょうか?

何が何でも工事は決行する。

邪魔する者は蹴散らしてしまえ。

現政権と同じやりかた。

誰かも言ってたように、沖縄での対応と同じ。

住民の権利など意にも介さず、

民主主義など放棄してしまったかのようなやりよう。

 

今朝早く着きすぎたので、久しぶりに第2見張り小屋に行ってみると、

小屋の向こうに、真新しい立て看板が!

この土地は、石木ダム建設事務所が管理する土地です。

無断での使用を禁止します。

分厚い頑丈そうな看板が、強固なコンクリートの土台の上にしっかり立てられていました。

 

小屋の窓には、そんな看板見たくもない!と言うかのように、

緑のカーテンが茂っていました。

ゴーヤ!

沖縄から伝わってきた野菜、ゴーヤ。

圧政に負けない住民パワーも、しっかり根付いています。

もっと、もっと、実をつけろ!

もっと、もっと、大きくなーれ!

 

 

現地視察!意外な展開の取消訴訟

今日は2つの裁判がおこなわれました。
まず午前、長崎地裁佐世保支部で工事差止仮処分申立の第2回審尋。
前回の県側の主張(今回の工事は公権力の行使だからそもそも仮処分という手続きで止める事はできない、不適当な申し立てである。また、現在工事は行われていないのだから工事を止める必要がない)に対して、今月9日当方弁護団は反論書を提出しました。
第1準備書面で反論した要点は、
過去の裁判例に基づいて、今回の工事というのは公権力の行使ではなく工事という事実行為。ダム工事は行政でなくても民間企業でもやっているし、公権力の行使には当たらない。よって不適当な申し立てではないということ。
第2準備書面で反論した要点は、
現時点で工事が行われていなくても、いつ再開されてもおかしくない状況にある。よって工事を止める必要があるということ。
その他にも3つの書面を提出しました。
第3は、石木ダム建設事業の利水目的は存在しないということ。
第4は、同しく治水目的は存在しないということ。
第5は、裁判所からの質問への回答(物件を地図上に落とした図面)
それらに対して、起業者(県と佐世保市)側代理人が述べたことは、
なんと、「次回期日で結審してほしい」というものでした。
まだ中身については何も議論していないのに!
裁判官はそれに対しては何の判断も示さず、
次回の審尋期日=9月8日(木)14時〜=を告げたのみでした。
ところで、今日も法廷でのやりとりはほとんど聞き取れずに進行していました。
裁判官も双方の代理人弁護士も、声が小さかったり、早口だったり。。。
特に傍聴席から見て左右の原告席と被告席にいる代理人たちは、
正面の裁判官に向かって話すので、よけいに声がこちらには届きにくいのです。
その時、傍聴席の後方から「すみません。マイクを使ってください」という声が聞こえました。現地こうばるに住んでいる若い女性(今日の参加者の中では最年少?)のHさんです。
裁判長が「これは録音用のマイクです。声を大きくすることはできません。なるべく大きな声で話すようにします」と率直に答えると、傍聴席に笑顔が広がりました。
私たちも皆それが録音用のマイクとは知らず、なぜマイクを使って話してくれないのかなー、聞こえないなーと少しイラついていたのです。
なーんだ、そうだったのかと納得した途端、和かな空気に変わりました。
そして、裁判長も私たちの不満に気づくと、大きな声でこれまでの話の経過をわかり易く説明してくれました。
Hさんに感謝すると同時に、言うべきことをきちんと発言できるHさんがとても眩しく見えました。
一方、佐世保市の代理人弁護士はよけいカリカリしたような雰囲気で、こちらの弁護士の「…は、いつ出されますか?」と言い終わらないうちに「今日中に出します!」とバシッと返事。(おお、怖っ!)
さて、佐世保の裁判が終わると同時に長崎地裁に向かって出発。
福岡から傍聴に来たAさんの車に乗せて頂いたので途中で昼食を取る時間がありましたが、バスや電車で向かっていたらお昼も食べ損ねるほどの慌ただしさでした。
長崎地裁での裁判(事業認定取消訴訟)も、佐世保と同様にたくさんの傍聴者が訪れ、抽選の結果入れない人が続出。
こちらも、第一回期日に国側から出されていた答弁書に対する反論書を弁護団が事前に提出していましたが、その反論の骨子が、利水・治水それぞれについて読み上げられました。
それについての質問などはなく、直後に裁判官が口にしたのは「現地を見てみたい」ということでした。
これには私たちも本当にビックリ!しました。
報告集会で馬奈木弁護団長さえも驚いた!と正直に語っていました。
今日の裁判は午前も午後もびっくりでしたね。
佐世保の裁判では、県と佐世保市は9月8日に結審を求めてくるし・・
長崎の裁判官は現地を見たいと言うし!
もし形式的に処理したいと思えば、現地を見たいなどと思うわけがない。
現地を見ると足かせになるから。
現地を見て、現地の人の声を聞いてしまったら、
形式論でバッサリ切る事はなかなかできません。
つまり現地を見に行くという事は、中身の審理に踏み込むということ。
そうなると、当事者である県や佐世保市が、
中身に踏み込まないでくださいと逃げ回って済むわけがない。
今後の予定としては、国側からの反論が出されるのは2ヶ月後で、その後現地視察があり、次回の裁判期日は10月31日(月)の午後2時からと決まりました。
また、報告集会では利水と治水の反論書をまとめた高橋弁護士と緒方弁護士から、解説と感想などが語られました。
高橋弁護士:
私たち弁護団は佐世保市は石木ダム有りきの数字合わせをしてるに違いないと思い、かつての水需要予測(昭和50年以降6回分)の資料を入手し調べてみると、思った以上にひどいものだった。
例えば、水の必要量を増やすために負荷率というのをどんどん変えていった。
負荷率は率が小さくなればなるほど一日最大給水量が大きくなる。
平成16年までは過去10年間の平均値を使っていたが、平成19年度の時はそれでは必要な数量に達しないので過去10年間の最小値を持ってきた。
そして平成24年になると、過去20年間の最小値を持ってきた。
こうして必要な数値を生み出すために佐世保市はいろいろ操作している。
おかしいことは他にもいっぱいあるが、特にSSKの予測はでたらめで、無茶苦茶だった。
私は準備書面の骨子を読み上げる時、かなり危うい表現をしてしまったんだけれども、裁判官は真面目な表情で聞いていた。
その危うい部分とはたぶんここでしょう。
こういう行為は…一般には『ねつ造』と呼びますSSKの水需要が4.88倍になるなど、『明日地球が滅亡する』という予言並みのたわごとである」など。
裁判官は真面目な表情の下で笑いをこらえていたのかも・・・?

 
緒方弁護士:
治水の面でもやはり結論ありき、事実をゆがめて事業認定してしまっていた。
3つのポイント(計画規模、基本高水流量、ダムの効果)について指摘した。
①計画規模〜全国的な評価基準で言えば川棚川の場合10年に1回か50年に1回の規模の大雨で計画するのが普通であるが、なんと100年に1回の規模で計画。それは石木ダムの必要性を作りだすため。
②基本高水流量の1,400m3/秒というのは実績から大きくかけ離れた数字であり、それについての十分な説明は今まで1回もなされていない。
③過去の洪水について県はその原因をきちんと検証していない。原因の分析がなされていなければダムによって洪水が解決できるなどとは言えない。
緒方弁護士の表現は真面目で控えめですが、それでも最後にビシッと書かれていました。
長崎県は石木ダムありきの方針に基づいて客観的事実を歪めており、且つ、そうすることでしか石木ダムの形式的必要性を取り繕うことができなかったのです。
次回の裁判は、工事差止仮処分も事業認定取消訴訟も要注目!です。

明日は石木ダム訴訟デー

なんと前日、しかも前夜のお知らせとなり、申し訳ありません。

今頃言っても遅い!とのお叱りはごもっとも。

ですが、何もお知らせしないよりは…と思いますので、一応告知させて頂きます。

 

明日は石木ダムに関する裁判が2つもあります!

同時ではありません。

午前と午後、佐世保と長崎に分かれております。

 

まず、午前。

長崎地裁佐世保支部(佐世保市光月町9−3)にて、

午前11時より、石木ダム工事差止仮処分の第2回審尋が開かれます。

こちらは非公開なので原告の方しか入れません。

しかし、10時半からの門前集会にはどなたでも参加できます。

佐世保市民など、お近くの方は、よかったら応援にいらしてください。

 

終わり次第、関係者は長崎地裁(長崎市万才町9−26)に移動。

午後3時からの裁判、石木ダム事業認定取消訴訟の第2回口頭弁論に出席するためです。

こちらは公開なので、誰でも傍聴できます。

ただし人数が多ければ抽選となります。

傍聴券の配布は2:10〜2:30、門前集会は2:30からです。

 

そして、裁判の後は、午後4時から、

タクシー会館(長崎市出島12−20)で報告集会がおこなわれます。

弁護団の先生方が、2つの裁判の内容について、わかりやすく説明して下さいます。

長崎市や近隣の方、よかったら是非足をお運びください。