写真展で感じたこと

昨日で写真展「石木川のほとりにて」は終了しました。

予想を超えるたくさんの市民の方が見に来て下さいました。

13日はアルカスの休館日でしたが、それを知らずに、13日に来られた方もかなりいたようで、

「昨日も来たんですよ」という言葉を数人の方からいただきました。

チラシの「13日(水)休館」の文字も確かに小さかったし、

新聞等の告知記事には書かれていないものもあり、ご迷惑をおかけしました。

                           m(__)m

 

中には、わざわざ電話を下さった方もいました。

「私は老老介護の身で、簡単には出かけられないの。

ヘルパーさんにお願いして、やっと今日時間を作って来たのに・・」との言葉に恐縮!

せめて写真集を見て頂きたいと思い、駅で待ち合わせ。

でも、その方はご自分から写真集を買いますと言われ、「滴」の年間購読まで申し込まれました。

 

過去にも2回写真展を開催しましたが、こんなに期待されたことはありません。

村山さんの写真の力と、そして、石木ダムへの関心の高まりの証でもあるでしょう。

 

 

 

 

 

もう1つ、これまでの写真展と違ったことは、熱心に見て行く男性が多かったことです。

そして、その男性たちが特にが見入っていたのは、

この写真と、この文章。

きっとSさんと共通する思いがあって惹かるのでしょうか?

それとも、この文章を読みながら、ご自分に問いかけておられたのでしょうか?

私は子どもに何を残したいのか、

残すべきものは何か・・・と。 

 

 * 今回の写真展を見逃した方、写真集をご希望の方はこちらまでご連絡ください。
                            ↓
                        michi30@hyper.ocn.ne.jp

                                                    

 

写真展「石木川のほとりにて」

 

ついに始まりました!写真展「石木川のほとりにて」

とは言えないですねー、もう既に2日間が終わってしまいました。

あとは14日を残すのみです。(今日はアルカスが休館なので)

ブログへの投稿が遅れ、申し訳ありません!

2日間とも多くの方に見て頂きました。

特に1日目は休日で、ホールでのイベントの後、偶然展示に気づき、立ち寄ってくださる方がかなりいらっしゃったようです。

 

もちろん、この写真展を見るために、忙しい時間を割いて足を運んで下さった方々もたくさん!

そういう方は、見終わった後、質問したり、感想を述べたりしてくださいます。

 

「きれいかとこですねー。テレビでよく出ますもんねー。こがんとこは残さんば!」

「行きたくなりました。どうやって行ったらいいとです?バスは通ってます?」

などと聞かれる方もあり、

途中までしかバスは通ってないし、そのバスも本数が少ないことを告げると、

「じゃあ、川棚駅から歩きます」と言われました。

「それは大変です!1時間はかかりますよ。せめて石木までバスで行き、そこから歩いて下さい」

と言って、JRとバスの接続が良い列車の時間と、バス停から川原までの地図を描いて渡したら、

とても喜んでくださいました。

(私もJRやバスを利用することが多いので、手帳に挟んでいたメモが役に立ちました)

 

また、「もうダムは要らんですよ!私たちはなーんも水に不自由しとらんとに…」

と言われる方がとても多く、そのような方には、不要なダムのための強制収用に反対する署名活動をご紹介すると、気持ちよく署名していかれます。

 

もっと石木川や石木ダムのことを知りたいという方は、石木川まもり隊名簿にも署名してくださいました。

 

来場者はまず写真をじっと眺め、そして、キャプションの文字も丁寧に追いかけていかれます。

それは、フォトグラファー村山嘉昭さんの言葉の力があるからです。

写真だけでなく、文章でも人を惹きつける才能のある方です。

それで、キャプションには出てない文章で、伝えたいな〜と思ったところを書き写して展示させていただきました。

やはり・・・皆さん、足を止めじっくり読んでくださっています。

こちらの方が見ているのは、こういう写真と文章です。

 

「どこにでもいるような、それでいてここでしか会えないような、13家族の営みがこの瞬間も続いている」

そのことを私たち佐世保市民は知らねばなりません。

川原に足を運んだことのない方々にそれを伝えたくて、今回、村山さんのフォトブックの力をお借りしました。

残り14日だけです。

まだの方。

特に「石木ダム建設促進佐世保市民の会」の皆様、明日のご来場を心よりお待ちしています。

                              

 

感動!の声、続々

昨夜開かれた「69の会」

参加された方から、感動のメッセージが写真付きで続々届いています。

その一部をご紹介します。

 

昨夜の「69の会」は、熱気が溢れる会場に立ち見が出る程の大盛会でした!
音楽プロデューサーの小林武史さんをはじめ、映画監督の岩井俊二さん、ピースボートの吉岡さんなど著名人の方々が、石木ダム建設計画の理不尽さや多くの疑問点を呈して下さり、辻井支社長もプロジェクターを使い、多くの来場者の方達に視覚で訴えるフォローをしてくださいました。

地権者のおひとり岩下さんのお話には、会場は水をうったように静まり返り、メモを取りながら皆さん食い入るように聞かれていました。

グループごとに分かれたワークショップでは、今後どのようにして石木ダム計画を阻止していくかについて、ひとりでは思いつかない斬新なアイデアも世代を超えて沢山出ました。

とある関係者の方とお話させて頂いた時に、「これだけの著名人の方達が一同に会し、この件について真剣に取り組んでいかれるのはとても珍しいことで貴重なチャンス」だとおっしゃっていました。
素晴らしい時間を共有させて頂き感謝の念に堪えません。ありがとうございました。(H・K)

 

主催された69の会の方が、今迄の会の中でも凄く一体感が出て良かった!とおっしゃってました。 いかに関心をもってもらうか、の事例で、つくば市で300億かけて競技場を作ろうとした事に対して、巨大な買い物カートのオブジェで、こんなバカでかいカート、必要?と訴え。拡散され、メディアで取り上げられ、中止になった例は印象的でした。

 

また、供託したからと税金の請求がくる、過去それで諦めざるをえない人が多い、と知りました。反対する当事者をさらに追い詰め苦しめるやり方、ひどいです。 今これだけ著名な方がたが関心をもって実際に行動されている事、有り難い事ですね。これからも応援しています(M・S)

 

発起人であり今回のオーガナイザーである「69の会」の小林武史さんと、パタゴニアの辻井支社長、そして同会、同社の皆様に心から感謝です。

地権者の岩下さんもお疲れ様でしたでも、本当に良かったですね!

 

今回、直前のお知らせでしたが、ブログやfacebookの告知を見て、参加して下さった方がたくさんいたようです。

ここで感想をご紹介した方々もそうです。

繋がり合うことの力、大切さを、また学ばせてもらいました。

 

この波紋がさらに大きく広がっていくよう、まもり隊も頑張ります。

これからもよろしくお願いいたします。 

 

朝日新聞「逆風満帆」に辻井氏と石木ダム

昨日の朝日新聞の記事です。土曜日別刷り版(青のBe)

去年の1月に来て頂いて以来…そうですかー、8回にもなるんですねー。

石木ダム問題に体当たりして、本当に奔走された一年だったと思います。

 

「住民らは当初、身構えた。得にもならないのに、なぜ」と書かれていますが、

私たちもまた同じでした。

「石木川まもり隊」のような名も無い小さな団体になぜ助成金を?

ダム問題に取り組むなら、お膝元の首都圏で、全国的に有名な八ッ場ダムに力を注いだ方が注目されるのでは?

石木川のような小さな川ではなく、最上川や球磨川に関わった方が、パタゴニアの商品売り上げにも繋がってメリットがあるのでは?

などなど不思議感がいっぱいでした。

 

でも、何回かお話を聴くうちに、辻井さんの思い、パタゴニアの企業精神が伝わってきて、心から感動し、納得することができました。

目先の利益ではない、小手先の環境保護ではない。

真剣に地球環境と地球の未来を考えている会社だからこそ、今は1円の得にもならないことに本気になれる。

一つのきっかけ、成功例を生み出すことによって社会は変わるという経験と確信があるからこそ、前に進むことができる。

お金儲けのためだけのビジネスではない。ビジネスの中で環境問題の解決に努力する。

そういう企業も存在するのだということを、私たちが学んだ1年でした。

 

しかも、その思いが社長だけでなく、社員の皆さんにも浸透しているのです。

どの程度かというのは、部外者の私にはわかりませんが、

今夜も都内のあるお店のスタッフから、こんなメッセージが届きました。

「今日も朝日新聞Beを読んだというお客様が来店され石木の話をしました。もっともっと多くの方に知っていただけるよう日々精進して、フロアに立ちますね!そういう話をしているときこそ、この会社で働いている意味が湧きあがってくるので、楽しいです!ありがとうございます」

また、今夜の「69の会」に参加した方(facebook友達)からも、

「昨日お知らせ頂いた69の会、参加してきました!会場は立ち見の方が沢山でる大盛会でした。岩下さんの生の声、パタゴニア社長他著名な方々の石木ダムに対する考え、思いが、石木ダム問題を初めて知る方の胸に確実に響いたと思います。ワークショップもあり、いかにして、自分事として関心をもってもらえるか、知ってもらうにはどうしたら良いか、当事者の方を救う方法はないか、について具体的なアイデアも出て素晴らしい会でした。参加できて良かったです。告知ありがとうございました」

という嬉しいメッセージが届きました。
 
友人も同様の感想を電話で伝えてくれました。 
 
皆さんのおかげで、離れていても、今日の69の会の大成功が伝わってきました。
詳しい報告が楽しみです。
 
 
明日からの写真展も、佐世保市民に石木ダム問題を考えてもらうきっかけになりますように!
 

 

 

「69の会」で石木ダム?!

年賀状に「おめでとう」と書けなくて代わりに「春よ来い!」と書いたばかりですが、

さっそく春の足音が微かに聞こえてきました。

それは今夜東京で開かれる「69(ロックの会)」のイベントのこと。

案内状(メール)には、このように書かれていました。

 

2016年1発目、1月9日(土)開催の第46回69の会のご案内です。
今回のオーガナイザーは発起人の小林武史さんにお願いしました。

テーマ:影から光への成功例を僕らは作れるのか?
    「長崎県佐世保市・石木ダムについて」
オーガナイザー:小林武史さん(ap bank代表理事)
ゲスト:辻井隆行さん(パタゴニア日本支社社長) 
    石木ダム建設予定地の地権者 岩下和雄さん

2015年は疑惑の採決を強行された安保法制問題、示された民意を圧殺して進められる沖縄新基地問題、福島第一原発事故の不都合な新事実が次々明らかになり、火山活動も活発化の最中での原発再稼動問題など、民主主義の存在感が問われる1年でした。年最初の「69の会」では、長崎県佐世保市川棚町に計画されている石木ダム建設事業について取り上げます。

50年もの昔に始まった石木ダム建設計画は、県や市が利水や治水面から事業を進めようとする一方、地権者たちは「必要ない公共事業」として見直しを訴えています。
自然溢れる美しい清流や棚田がダム建設によって失われる危機に面しているこの問題は、石木ダムが本当に必要かどうかを佐世保市民が理解しきれていない状況下で、2016年、13世帯60名が暮らす土地が強制収容されようとしていますが、正当な議論を重ねた上で、より良い方向にしていくことは十分可能なのでは?と考えています。
 
民主主義が閉塞状態の中、ひとつの成功例となるために、今回「69の会」で取り上げることとしました。
 
発起人の松田美由紀さん、岩井俊二さん、今後追加予定のゲストも加えて、戦略会議@69の会的に議論を深めていきたいと思います。
 
ぜひ、お話を聞きに来てください。

 

こちらのfacebookページには場所等がさらに詳しく書かれています。

https://www.facebook.com/events/808795412580395/

お近くで興味のある方は是非詳細をご覧ください。

一般参加もOKだそうです。まだ席に余裕があればですが・・。

 

それにしても、

すごいですねー!

女優や映画監督や音楽家やジャーナリストなど、錚々たるメンバーが集まるサロンで、

石木ダム問題が語られ、

それも他人事ではなく、民主主義の閉塞状態を打開する成功例となるよう狙い定めて議論する…

 

でも、なぜ、「69の会」で石木ダムなの?

そもそも「69の会」って何?

と思いますよね〜

私もつい最近まで知りませんでしたが、

サイトhttp://69nokai.com/によると、

3.11以後の危機感の中で繋がり合った友だちで、

その友だちが友を呼び、まさに、友は友を呼ぶ形で広がり、

困難に見えることにも関心を持ち、支え合い、語り合い、発信し合う会のようです。

 

発起人のお一人が小林武史さん。

昨年11月末、石木ダム建設予定地川原を訪ね、佐世保でのトークイベントに参加して下さいました。

そこで見たこと感じたことを置き去りにせず、ちゃんと持ち帰って、次の行動に繋げて下さいました。

そして、そのきっかけをつくってくれたパタゴニアにも感謝!

 

「69の会」のメンバーは小林さん以外も、あの岩上安身さんやマエキタミヤコさん、

岩井俊二さんや堀潤さんなど、発信力溢れる方々がたくさんです。

こんな方々の注目を集めることになったなんて、

「こいつぁ春から縁起がいいやぁ〜」と、見得の1つも切りたくなりますよね〜

 

私たちは遠くて参加できませんが、今夜が盛会でありますよう、

心から祈っています。

関東在住のまもり隊員も数名参加します。

 

写真展「石木川のほとりにて」のお知らせ

まもり隊今年初のイベント、写真展のご案内をさせていただきます。

カメラマンの村山嘉昭さんが昨年11月に出版された写真集「石木川のほとりにて〜13家族の物語〜」がとても話題になっています。

石木川流域に広がる風景と13家族の営みが詰まった、心がほっこりする写真集です。

その中から23点をパネルにしたものを展示します。

一人でも多くの方に、特に佐世保市民に見てもらいたいと思ったからです。

 

石木ダムがどんなところに造られようとしているか、

そこにはどんな人たちが暮らしているのか、

写真が語りかけてくれます。

お時間のある方は、よかったら会場のアルカスSASEBOへ足をお運び下さい。

また、周りの方にもお知らせ頂けたら嬉しいです

会場でお待ちしています。 

 

 

こうばるに春よ来い

年末はギリギリまで雑用に追われ、年賀状が書けませんでした。

元旦に届いた年賀状にだけは・・と、パソコンに向かいましたが、

「おめでとう」の言葉がどうしても使えませんでした。

 

石木ダム建設予定地川原(こうばる)では、昨年ついに強制収用が始まってしまいました。

今年もさらに多くの土地を、住民の家までも強制収用しようと、

県は土地収用法を楯に、強引に手続きを進めています。

そんな圧政には負けない!と、現地では毎日阻止行動が続いています。

雨の日も風の日も。暑い日も寒い日も。

寒さはこれからが本番です。

 

だから「おめでとう!」ではなく、「春よ来い!」にしました。

「おめでとう」の言葉は、もう少し先にとっておきます。

きっと心から言える日が来るはずだから。

 

その日のために、今年も皆さんのご支援ご協力を、どうぞよろしくお願い致します。

 

炭焼き

ここは川原の炭焼き小屋。

何でも手作り、自給自足に長けた川原の皆さんは、なんと!炭焼きまでするという。

この冬は阻止行動のため、毎日、暖を取るための炭が欠かせません。

何しろ団結テントは2ヶ所になったのですから、炭も増産体制です。

小枝を絶え間なく燃やし、炭焼き窯の温度を保ちます。

この中にはたくさんの樫の木が積み上げられ、今は蒸焼状態です。

窯口は空気が入らないよう、耐火煉瓦と泥粘土で密閉。

窯口の上には、お酒と塩が置いてありました。

無事に炭ができますように・・と火入れの前にお供えしたもののようです。

焚口の横には、燃えカスを集めた火鉢の上で、お餅などを焼いて食べます。

いま焼いているのは、シイタケ。

すぐ下で栽培している原木から採ってきたばかりの新鮮そのもののシイタケ。

焼きたてのアツアツをほうばると、じゅわーっと広がる旨味と香り。

たまりません!

大きなシイタケを5〜6個もいただき、満腹です。

 

さて、原木の樫の木は、とても堅い木で、それが木炭に適しているわけですが、

これを切り揃えるのは、なかなか大変なようです。

電動のこぎりで切っても、簡単に、真っ二つにはなりません。

そこで、こうして三角に切ったくさびを押し込み、

これまた堅い樫の棒で、ガツーン、ガツーンと打ち込みます。

ついに、

パカッと割れました!

 

こちらでは、割れた木の表面を、電動ノコで綺麗に真っ平にしています。なぜ?

「イノシシをさばくまな板ば作ろうと思ってさ〜」とSさん。

楽しそう〜 

 

このように、昔ながらの豊かな生活が、ここには残っています。

 

燃え盛る炎は、まるで川原の人々そのもの。

ふる里を守り抜く!という思いはますます強く、熱くなり、

それは炭火となって、県内外に、確実に広がり始めています。 

 

そのダムは本当に必要なのか

あの「通販生活」に石木ダムの記事が載っていると聞いて、びっくりしました。

それは、こちら。カタログハウスの公式サイト「週刊 通販生活」でした。
https://www.cataloghouse.co.jp/

このトップページの右側にある「今週の読み物ページへ▼」をクリックすると、ここに飛びます。

 

そこをクリックすると記事がでてきますが、

面倒な方はこちらのURLをクリックすると、直接記事本文が読めます。
https://www.cataloghouse.co.jp/yomimono/151222/?sid=top_main

内容は、

まず、アウトドアのアパレルメーカーであるパタゴニアが、

なぜ映画「ダムネーション」を製作することになったのか?

そして、数あるダム計画の中でなぜ石木ダムに反対するのか?

という大きな2つの疑問に対し、辻井さんが明確に丁寧に答えるものでした。

 

どちらの質問もはじめは誰もが疑問に思うことです。

私もそうでしたから。

スキーウエァを作っている会社がどうしてダムに反対するの?

日本最西端の長崎県にはパタゴニアのお店もないのに、

雪山登山ができる高い山も、カヤックレースができる大きな川もないのに、

何のメリットも無いのに、無名の石木ダムにどうして関わろうとするの?

と、はじめは不審感さえ抱いていました。

県内の人さえほとんど知らない「石木川まもり隊」に、外国企業が助成金を出してくれるなんて…

うーん、怪しい! 新手の詐欺かも・・と疑ったことさえあったのです(ここだけの話)

 

でも、辻井さんの話を聴いた人は、誰もが心から納得し、感動します。

こんな企業もあったんだ〜と嬉しくなります。

 

今回の記事で心に残った言葉を抜粋すると、

★一番重要なのは、意思決定までのプロセスが透明化されること。
(その事業に)どんなメリットとデメリットがあるのか、住民や地域社会が何を得て何を失っているのか、環境、経済、景観など、さまざまな視点から分析したうえで、つくるのかつくらないのか、撤去するのかしないのかを決めることが大事なんだと思います。

 ★「環境」と「人権」が、僕たちが大事にしている価値観の2本柱なんです。
石木ダムは日本でこれまでつくられてきた約2800基のダムの中でも、もっとも人権が無視されているケースだと言えると思います。石木ダム建設予定地では、すでに一部の農地は強制的に収用されてしまいましたし、今後、宅地部分にそれが及び、住民が出て行くことを拒んだ場合には、機動隊を投入して住民を排除し、家を取り壊すことさえできてしまうことになります。

★「一緒に考えましょう」というスタンスを大事にしようと考えています。
このダムは水没予定地の川棚町川原(こうばる)地区の方々だけでなく、建設・維持費用の大部分を負担する佐世保の未来にも関係することですから、活動の主体者はあくまでも地域の方々であるべきです。僕たちはそれを「サポートする」立場でありたいと思っています。

★「未来世代からパタゴニア日本支社があってよかったと言われるような会社になりなさい」
これが、僕たちがパタゴニア本社から与えられているミッションです。日本支社は2013年で設立25周年を迎えましたし、なんとかこの石木ダムの問題で、未来世代から見た道標になるような成果を出したいと考えています。

 

きっとそうなります。

あと25年経った頃、川原のこどもたちは結婚して子どもがいて、

その子たちが石木川で遊んでいるでしょう。

ほたる祭りには、相変わらず佐世保からもたくさんのお客さんがやってくるでしょう。

ホタルの乱舞を見つめながら誰かが呟くでしょう。

 昔ね、ここはダムの底に沈む予定だったんだよ。

 うっそ—、こんな小さな川にダムなんて信じられないよー

という子どもたちに、佐世保から来たおばあちゃんが言うでしょう。

 ほんとにそうだねー。でも、あの頃私たちは何も考えていなかったの。

 そういうことはお役人に任せておけばいいと思っていたんだよね。

 でも、よく考えてみたら、水には困ってなかったし、

 ダムには大きなお金がかかることがわかったから、

 皆で要らないから止めてくださいってお願いしたんだよ。。

 それに気づかせてくれたのがパタゴニアって会社でね・・・

と、語り継がれていくことでしょう。。

                            

 

「99」の記事を読みましたか?

 

一週間ほど前に発行された「99」(ライフさせぼ月刊誌”NINETY NINE VIEW”)です。

真ん中の2頁(p16とp17)を使って、先月29日に開催したイベント「ほたるとマルシェ」の中の「ほたると未来ミーティング」について詳しく書かれていました。

このイベントに参加したかったのに行けなかった人だけでなく、「へー、こんなのやってたの〜」と初めて気づいた人にも、きっと興味深く読んでもらえたのではないでしょうか?

誰もがまず驚き疑問に思うことは、俳優、音楽家、作家というジャンルの違う著名なお三方が何故、佐世保の未来についてトークすることになったのか?ということでしょう。

その明確な答えは書かれていませんが、お三方の共通点(環境問題やライフスタイルや地球の未来に関心を持っていて、それぞれが活動なさっている)が伝わってくる文章を読んでいると、なんとなく納得。

そして、共通の関心事として登場したのが石木ダム。ほたるが乱舞する自然豊かな地がダムの底に沈む計画がある。それは佐世保市の水問題を解決するためらしい。そこで、お三方は素朴な疑問が湧いてきた。

佐世保市の皆さんは本当に石木ダムを望んでいるのだろうか?

伊勢谷友介さんが言いました。

今日、僕は川棚へ行ってきました。そこで反対派のお母さんたちのお話も聞くことができました。すると、「本当に佐世保の皆さんがダムが必要とおっしゃれば諦めます」と言われました。

この発言を聞いていた筆者はこう書いています。

40年以上前に決まった事業計画は、本当に今の暮らしにフィットしているのだろうか?・・・佐世保市の課題だった水問題が、いつの間にか反対を掲げる地権者の問題にすり替わってしまった感すらある?・・・ダム建設の是非以前に独り歩きしている「お願いしよう、石木ダムは市民の願い」というキャッチフレーズに違和感をあらわにする市民の声もよく耳にする。

 

そして、いとうせいこうさんの発言

これは決して佐世保と川棚の問題ではなく、全国どこでも同じようなことが起きている。皆さんがちゃんと考えて答えを出せば、佐世保の未来に繋がる

小林武史さんの発言

みんなで考えることが大切。未来は一人一人のもの。無関心が一番怖い

伊勢谷友介さんの発言

行政ではなく市民が主役となり、一経営者として考えてほしい。知って、行動して、大事な話題にしてください

などを紹介して、最後に、記事はこう締めくくられていました。

民意を反映した身の丈サイズの街づくりや環境、ライフスタイルは、国や行政主導でなく、市民自身が考え描き、新しい風を起こす時代にさしかかっているのかもしれない。

 

そうだろうか?そうだと嬉しいけれど、どうも私はそのような希望が持てないでいます。

今回のゲストのように新しい風を運んでくれる人たちは確かにいるのだけれど、

その風はただ通り過ぎるだけのような気がします。少なくともこれまでは。

それは、私たちが家中の窓を閉めているから?新しい風も入って来られない?

 

みなさん、窓を開きましょう。

寒い日もあるけれど、一日に一度は窓を開けて、外の新鮮な風に触れてみましょう。

そして、風のささやきに耳を傾けてみませんか。