川は生命の生活の場

毎日新聞秋田版に素晴らしい記事が出ていましたので、ご紹介します。

3月2日「人」の欄に紹介された成瀬ダム訴訟原告団の高橋佳紀さん。

高橋さんの思いがじんわり、ずんずん伝わってきます。

 

◇川は生命の生活の場

 皆瀬川と成瀬川の合流点近くの熊渕集落に生まれ育った。2本の清流。水辺のある暮らし。幼い頃から小魚を取ったりして遊んだ。自然とは何か−−。川はそれを、教えてくれたのだと思う。

 皆瀬ダムが完成したのは1963(昭和38)年。その後もずっと漁を続けているが、ダムが完成する前と後では取れる魚の種類が変わったと感じる。以前はあまり見かけなかった魚や下流域に生息する魚が目に付くようになった。河川水をいったんダムでせき止め放流するため、水温が上がり河川環境が変わってしまったのではないかと危惧する。

 皆瀬川は、雨が降ると1週間ほど濁るようになった。それに対して、ダムがない成瀬川は濁らない。川の“清濁”は皆瀬川と成瀬川で明らかに違う。皆瀬川のアユは泥臭い味になり、アユ漁はやめた。アユ漁はもっぱら成瀬川でしている。

 農業用水と洪水調節、水道用水、発電などを目的にする多目的ダム・成瀬ダムは、なぜ必要なのだろう。雄物川水系の大規模治水事業として国が巨大ダム群の計画を打ち上げたのは74年のことだ。

 あれから40年。高度経済成長はとうに終えんした。有識者らでつくる日本創成会議は、県内各自治体の若年女性の人口減少率は2040年に、大潟村以外は50%以上となり「消滅可能性都市」になると推計した。稲作農家の多くは高齢化し、さらに廃農も増えると予測される中で、成瀬ダムの“恩恵”を受けるとされる下流域の自治体全てが「消滅」する−−。

 「時代は変わったのに、巨大公共事業は走り出したら止まらない」。事業中止を求める訴訟の原告団に加わった。提訴から6年近く。さまざまな用途を掲げてダム建設の正当性を強調する事業者側の主張を幾度も聞いてきたが、いまだに理解できない。秋田地裁の判決言い渡しは27日だ。

 雄大な自然に包まれ悠久の時を刻む清流・成瀬川。自然とは、山とは、川とは、いったい誰のものなのだろう。

 答えは分かっている。「あらゆる生命(いのち)の生活の場であり、共有の財産。人間が“私(わたくし)”(私有)できるものではなく、“私”は、人間の傲慢である」と。【佐藤伸】

 

子どもの頃から2つの清流を見てきた高橋さん。川で遊び、川で育ち、川で学んできた。

ダムができた川は濁り、ダムのない川はきれいなまま。

濁った川ではアユ漁はできなくなった。

巨大ダム計画ができて40年。

時代は変わったのに走り出した公共事業は止まらない。

川は誰のもの?

みんなのもの。あらゆる生命の生活の場。

人間が私有できるものではない。

 

全く同感です。

その思いを共有し、広げていきたいですね〜

 

収用委員会 結審?

昨日、2月17日、4世帯の農地(約5,500㎡)に関する2回目の収用委員会が開かれました。

今回も県側と地権者の双方から意見が出されましたが、両者の論点は全く噛み合わず、

それぞれの意見書を3月末までに提出し、それをもとに委員会としての判断をしたい、

必要であれば、もう一度審理を「再開する」と委員長は述べました。

 

つまり、必要がなければ、昨日の委員会で審理は終わったということです。

そういうわけで、今朝の新聞は「結審」「審理終了」との見出しとなっています。

 

 

記事に書かれているように、

県側の主張(国の事業認定をもってダムの必要性は既に認められている)について、

委員会会長も「収用委員会は事業の必要性や事業認定の当否を論じる場ではない」と明言しました。

 

それでも尚、地権者や私たちはダムの必要性を問題にしたいと考えています。

なぜなら、

それがもしも必要性のないダムであったなら、

そのダムのためにふる里を追われる人の人権、自然、財政などに大きな損害を生み出すからです。

 

癌治療にあたって、手術をするか抗癌剤を使うか議論する前に、

それが本当に癌なのか確認する必要があるでしょう?

 

その確認をするのは認定庁の役目であって、収用委員会の役目ではない。

その判断に問題があったとしてもそれは認定庁に言うべきことで私たちに言われても困る、

と委員の皆さんは思われたことでしょう。

 

そういうことは重々承知の上で、それでもやはり私たちは知っていただきたいのです。

 

委員の皆さんが判断すべきことを判断するときに、

この収用されようとしている土地の背景にある問題をしっかり認識していただくことは、

決して邪魔にはならない、正しい判断を生み出す要因になると思うからです。

 

その判断が示されるのは、4月か?5月か?とマスコミの見方も分かれていますが、

その判断の中には裁決申請の却下も含まれています。

 

その可能性がどんなに小さなものであっても、私たちは希望を持って訴え続けたいと思います。

 

 

 

 

 

 

土地は彼らの人生そのもの

今日の西日本新聞のコラム記事「デスク日記」をご紹介します。

 

記者の眼の温かさと鋭さ、筆の確かさをあらためて感じました。

県の職員もきっと見たことでしょう。

苦々しく思った方もいるかもしれません。

でも、噛み締めてほしい。

 

土地は彼らの人生そのもの。

「本当に必要なダムなのか」

住民たちの問いに、行政が真摯に向き合ってきたとは

到底思えない。

 

今日、その住民の土地を取り上げるための収用委員会が開かれます。

収容委員の方々も、この記事をご覧になっていますように・・

 

分断する罪

「分断する罪」と題するコラムが2月9日の愛媛新聞にありました。

http://www.ehime-np.co.jp/rensai/chijiku/ren018201502093235.html

全国至る所で出会う砂防ダムなど、必要性に疑問符が付く公共工事についてズバリと指摘しています。

公共工事を始めるには建設の必要性や費用対効果の算出、環境への影響調査など綿密な事前手続きが必要で、

そして一番大切なのは、地域住民の理解と同意であるはずなのに、

いずれもなおざりにしての見切り発車となっている、だから大方の理解を得られない。

不要不急な公共工事は、豊かな山を、川を、そして海を痛めつける。

何より、地域住民を分断する罪こそ、深い。

どこまで「負の遺産」を積み上げれば、国はそのことを理解できるのか。

と断罪しています。

全く同感です。

ちょうどその日、私たちは東京からのお客様Nさんを石木ダム建設予定地に案内しました。

現地に着く前に、石木川と川棚川の合流地点で途中下車。

ここは石木川のふる里「虚空蔵山」のビューポイントでもあります。

そして、正面には石木ダム建設のために土地を売って出て行った方々の家。

「ダム御殿」と呼ばれる立派な家々が立ち並び、

そこには、まさにダム計画により分断されてしまった元岩屋・川原住民が住んでいます。

子どもたちが通う学校は同じなので、PTAなどの集まりで顔を合わせることもありますが、

ほとんど言葉は交わさない、自然に避けてしまっていると聞きました。

 

団結小屋でおばあちゃんたちの話を聞いた後、川原を通り過ぎて、石木川上流の木場郷へ。

美味しい虚空蔵の水を飲んでいただきたくて・・

うん、美味しい!柔らかいですね!とNさん。

私たちは、この水汲み場に置かれているミカンや漬物、お茶などを買い込みました。

作物は水が命。

美味しい水で作られた野菜や果物は、やはり美味しいのです。

ここ木場郷は、日向の棚田で有名です。

幾重にも積み上げられた石積みの棚田。

ここに住む人々も昔は川原の人々と同じように石木ダムに反対をしていました。

この写真は2010年6月に撮影したものですが、今でもこのような看板が少しだけ残っています。

でも、石木ダム反対という明確な意思表示をする人々は少数派になってしまいました。

長い年月の間には人々の意思も変化するものです。

変化せざるを得ないような状況を作り出す力を県は持っています。

この素晴らしい石積みの棚田を整備したり、りっぱな公民館を建てたり、

「だんだん祭り」を開催して町興しに一役買ったり・・様々なアメを提供してきました。

その結果、木場郷の中でも石木ダム賛成・反対で分断が生まれ、

多くの人は、そのどちらとも言えず口をつぐむようになっていったのです。

 

石木川沿いを下り、再び川原地区に戻り、川原公民館にやってきました。

歴史がいっぱい詰まった公民館をNさんに見ていただくことと、

雨漏りしている公民館の屋根を見ることが目的でした。

屋根を見るために、建物横の崖を登っているとき、氷柱を発見!

長いものは4〜50cmほどもありました。

晴れた日で、撮影時間は11:42。

隣町でありながら、佐世保では見ることのできない景色にびっくり!

そして、寒さと共に、この地域がこれほど水をたっぷり含んだ貴重な大地であることを実感。

まさに緑のダム! 

 

地域を分断し、自然を破壊し、税金の無駄遣いとなるコンクリートのダムは要りませんよね〜

 

 

佐世保市の人口流出、全国6位!

これは昨日(2月6日)長崎新聞の一面トップの記事です。

総務省が公表した2014年度の人口移動報告結果を伝えています。

大見出しは人口の一極集中(東京圏への転入超過)ですが、

伝えたいのはこちらでしょう。

長崎県の人口流出です。

長崎県の転出超過(転入者よりも転出者がどれだけ多いか)は、5853人で、全国5位ということ。

47都道府県中、5番目に出ていく人が多いということ。

その傾向は数年前から知っていましたが、

びっくりしたのは左の小見出し。

長崎5位、佐世保6位!?

こちらは市町村別の結果です。

全国の市町村の中で、長崎市は5番目に出ていく人が多く、6番目に多いのが佐世保市だそうです。

市町村の総数がいくつなのか新聞にはなかったので、総務省のサイトで調べてみました。

その数、1718でした。

長崎市は昨年も全国で第5位でした。

 

一昨年長崎市は水需要予測を大幅に下方修正しましたが、

それは近年の人口減少の厳しい現実を受け止め、水道水需給計画に取り入れたからでしょう。

その結果、県南部広域水道事業団は本明川ダム計画からの撤退を表明し、

長崎市はこれ以上無駄なお金をダム計画に注ぎ込む誤ちから脱することができたのです。

 

佐世保市はなぜそれができないのか…

1718市町村中6番目の人口流出を呈している現状をしっかり見据え、

それに見合った水需要予測や対策をなぜ考えようとしないのか…

市も水道局も、いいかげん目を覚ましてほしい。

ダムが必要という自己暗示から目覚めてほしい。

それとも、誰かがマインドコントロールしていて、自ら解除はできない?

 

しかし、市ができないからと諦めるのは、もうよそう。

私たち市民が声をあげよう。

石木ダム計画から撤退しようと声をあげよう。

黙っていたら、私たち自身に、そのツケが回ってくるのだから。

 

集会その後

1・18佐世保集会から明日で3週間。

3日前に最後の実行委員会も済ませ、ホッと一息といったところですが、

なかなか切り替えができません。

というのは、余韻がずーっと続いているのです。

アンケートが、今もポツリポツリと署名と一緒に送られてきます。

先日は電話もかかってきました。

感想を書ききれないからといって、電話でじっくり語ってくださいました。

 

中には、このような意見書のようなものもありました。

また、この方はカンパとして切手を50枚も同封してくださっていました。

しかも、そのお手紙にも封筒にも名前はありませんでした。

 

こちらの女性は、アンケートと署名の他に、このような温かいメッセージを添えてくださっていました。

 

このようなことは、これまでありませんでした。

他のアンケートにも「感動」の文字がたくさん書かれていました。

映画「ダムネーション」と、弁護団や地権者の方の素晴らしいお話のおかげです。

 

1・18佐世保集会は終わったけれど、強制収用反対の活動はこれからが本番です!

 

「今こそ考えよう石木ダムと強制収用」佐世保集会を振り返って

アンケートの集約や会計処理などほぼ片付いたので、昨日、実行委員会事務局会議を開きました。

全員の共通の思いは、なんといっても500席の会場がほぼ満席となったこと、

アンケートの感想もたいへん好評だったし、その上、赤字にならなくて済んだし・・・

つまり、大成功だった!ってことでした。

主な反省点としては、 

①   子どもの保育室を用意しておけばよかった

②   席がいっぱいになってきた時の対応の準備をしてなかったので慌てた。
  パタゴニアのスタッフさんが空いている席をすばやく見つけて誘導してくれ、助かった。

などがあげられました。

 

アンケートは83人の方が提出され、その回答から参加者の年代や住んでいる場所などが見えてきました。

主な項目をグラフ化したものを見てみましょう。(集計結果のデータはこちらです) 

 集会を知ったきっかけとしては予想通り、知人や団体からが最も多いのですが、

 新聞・テレビ、チラシを見てというのも今までよりは多かったし、

 また、その他の中にはアーケード街での署名時に知ったというのもあって嬉しかったです〜

     

参加者の年代は、やはり圧倒的に熟年世代が多かったけど、

実際の割合はもう少し若い人も多かったように感じました。

たぶん若い人は忙しくて(家事育児などで急いで帰宅?)アンケートを書く時間がなかったのかな?

 

参加者の多くは佐世保市民でしたが、石木ダム建設予定地の川棚町からもかなり参加がありました。

2011年秋、やはり佐世保市で500人規模の石木ダム反対集会を開催しましたが、

そのときは全国集会で、県外からもたくさんの参加者があり、盛り上げていただいたのです。

今回はほとんどの参加者が県民ということで、県民の関心の高まりを感じます。

 

さて、いよいよ参加者の皆さんの率直な感想を見てみましょう。

多くの人に共通していた感想や、印象的だったコメントなどピックアップしてみます。

 

第1部(映画『ダムネーション』)について

○すごいと思いました。自然の力強さを感じた。

○分かりやすい内容ではありましたが、文字が早く読むのに大変な面もありました。特に私のような高齢者にはもう少し大きくゆっくりが助かります。反対表現もユーモアがあり、それもダムを減らす案に賛同へとつながり易くなったのかもと思いました。

○21世紀は環境復元の世紀と思う。この思いに自信を与えられたと思います。

○見たかった映画だったので、今日見ることができてよかったと思います。アメリカの人たちのすごさを見ました。私たちも声を上げていかなければと思います。

○いい映画だった。面白かった。自然の素晴らしさがたっぷりあり、しかし、暗い空間になると睡魔に負けてうとうとするところもあり、字幕で単調だったせいもあり(ドラマと違い)

○よくぞ見せていただいたと心から感謝しております。中村知事や市長に見てもらいたい。

○現実に撤去されていくダムとその後の自然の再生を見て、とても勇気付けられました。自然と共存していく人間の美しい姿が生き生きと迫り、かくあるべきと訴えてきました。

 

第2部(石木ダム対策弁護団や地権者からのメッセージ)について

○2年前大阪から帰って来て、正直、諫干、石木ダム、耳にはするがわかりにくい。今日の集会でようやくわかりました。ダム周辺の住民だけの問題ではない。一人の県民として憲法に照らしても反対運動を進め広げたい。

○知らないことばかりだったので、初めて聞きもっと関心を持つ必要性を感じました。

○とても分かりやすく、ダムの無用が明らかだと思った。佐世保市はこの計画を進めるなら、しっかり市民に説明しなくてはいけないと思う。(できないと思うが)
県や市に対しての憤りを感じる。

○公共事業として県が強引に進めている石木ダム建設で得をする者(組織)はどんなところなのか。アベノミクスとの関係は?県が強行する場合の対抗方法は?どのように考えておられるのか?

○石木ダム建設絶対反対の気持ちが更に強くなりました。私自身も行動を起こさないといけないと思います。石丸さんが、佐世保市と川棚町は隣人どうし。仲良くしていきましょうと言われました。石木ダム建設で佐世保市民と川棚町民の間に大きな溝を作ってはいけないと思います。

○わかりやすく説明していただいて良かった。資料をもとにした説明で理路整然としていたので納得できた。

○県、市の動きを法的にストップさせる動きはできないのか?現地からの報告、訴えには感動した。素晴らしい。佐世保市民として恥ずかしい。

○税金の使途、何の為のダム建設か考えさせられた。

○今日の集会に集まった力を見て希望を持った。屈してはならない。一番の敵は無関心であること。層を広げていかなければならない。

 

まだまだたくさんの感想が寄せられています。

お時間のある方は、こちらに全文があります。ぜひご覧下さい。

以上、集会を振り返って、まとめてみました。

 

あらためて、1・18佐世保集会に足を運んでくださった皆様に心から感謝いたします。

皆様から頂いた感想を糧に、今後も私たちにできることを頑張っていきたいと思います。

この理不尽な公共事業を一緒に止めましょう〜

 

県庁玄関前での抗議〜そのワケは…

1月26日午後3時、石木ダム建設予定地の地権者と私たち支援者は県庁玄関前に集合。

強制収用のための手続きを強行している知事に抗議をするために、

そして、先日の、1月18日佐世保集会の集会宣言文を届けるためにやってきました。

このことは、すでにご存知の方も多いでしょう。

テレビや新聞でも報道されました。

翌日の新聞には、このように報道されていました。

しかし、テレビで見た人は、少し勘違いされたかもしれません。

「県庁に押しかけ抗議」「会議室への入室を拒み…」などというキャプションを見ると、

どこかのアブナイ団体の殴り込みみたい・・・ですよね?

うーん、確かにちょっと怖いオジサンに見えますが…

 

でも、そうではありません。会議室へ向かわなかったのには理由があります。

私たちの真意、そして地権者の思いを伝えます。

 

*私たちはこれまで石木ダムの必要性をめぐって県との話し合いを求めてきました

*特にこのダム事業の最高責任者である知事との対話を求めてきました

*昨年7月、知事は1回だけ地元での説明会に顔を出しましたが、それっきりです

*そして、強制収用に向けた手続きを強硬に進めています

*話し合いで解決したいと言っていた知事が、なぜ一方的に進めるのか、私たちは理解できません
 だから知事の真意を確かめに来ました 

*しかし、知事も副知事の1人も出張で、「だから河川課が対応します」と言って、
 私たちを本庁舎の中に入れようとはせず、別館の会議室へ連れて行こうとしました

*なぜですか?地権者や私たちが来庁した時は、なぜいつも知事は出張なのですか?
 ダム推進派が来庁した時は、なぜいつも在庁していて知事室に通すのですか?

*逃げているとしか思えません。なぜ知事は逃げるのですか?
 なぜ、もう1人の副知事は出てこないのですか?
 なぜ、私たちは本庁舎に入れてもらえないのですか?

*だから延々と押し問答が続いたのです。
 私たちはわざと玄関に立ち続けていたわけではありません

 

1時間ほど訴え続けて、やっと河川課の政策監が登場しました。

地権者が思いを訴え、知事と会える場を作ってくださいとお願いしました。

政策監は「間違いなく伝えます」と繰り返すだけでした。

最後に、1・18佐世保集会の集会宣言文を読み上げ、手渡しました。

 

私たちの声を届けよう。民意を県に届けよう。未来を決めるのは私たちだから。

「今こそ見直そう石木ダム計画!必ず止めよう強制収用!」

私たちは今ここに宣言する。

 

最後のところを読みながら、気分はややトーンダウン。

声を届けに来ても、聞く耳を持たない県、逃げる知事に、どうやれば届けることができるのだろう…と。

 

沖縄を無視する国と同じだな〜

県民があれほどきっぱり選挙で意思表示したのに、国は辺野古の埋め立てを強行しようとしている。

新知事が前知事の辺野古移設容認について検証するので結果が出るまで工事をしないよう求めたのに、

聞く耳を持たず、力で押し切ろうとする国。長崎県と同じですね。。。

いえ、長崎県が国を見習っているのでしょうが。

                     

仕事と支援

いま、横浜にいます。

「石木川まもり隊」を代表して、ほーちゃんと私の凸凹コンビが、

昨日から開催中のパタゴニア展示会に参加するために今日の昼頃、この会場にやってきました。

大桟橋ホールという広くてオシャレなホールで、

アウトドアショップ『パタゴニア』の展示会がおこなわれているのです。

そこになぜ場違いな私たちがいるのかというと、

展示会場の一角に、「石木川まもり隊」のブースが設営され、

ここで署名活動もおこなわれているからです。

先週は、大阪の展示会場でも実施されました。

パタゴニアスタッフの皆さんの手でブースが作られ、署名も集めてくださいました。

「来週は横浜でやります。是非いらっしゃいませんか」と誘っていただき、

思い切ってやってきたのですが・・・

まもり隊のブースは、中央のドリンクコーナーの真ん前にあり、

多くのお客様が足を向けるところに設営してありました。

それだけではなく、日本支社長さんをはじめ営業の方やいろんな方が、

ディーラーさんやアンバサダーさんや雑誌社の方などを連れてきてくださるので、

いろんな方に石木ダム問題の話ができましたし、署名もたくさんいただきました。

 

スタッフの皆さんは、商品を売るのがお仕事のはずなのに、

その貴重な時間を惜しげもなく割いてくださって・・・

私たちは申し訳なさでいっぱいでした。

 

でも、ほーちゃんのお母さんが今朝たくさん作って持たせてくださったおにぎり、

(ほーちゃんのご両親が丹精込めた無農薬の新米を、昨日精米して炊いたご飯で握ったおにぎり)

これを署名してくださった方やスタッフの皆さんに食べてもらったら、

みんな大感激で、美味しい、美味しいと喜んでくださいました。

実際、美味しかった!

少量の胡麻と塩だけの味付けで、具は何もなく、漬物もありませんでしたが、それで正解!

他には何もいらない美味しさでした。そして、

「このお米はここで作られるんですよ〜ここにダムができると、もう、このお米はたべられなくなります」

と言うと、「えーっ!それは大変!それは止めなければ・・・」と大抵の方が真剣な眼差しに。。

 

パタゴニアスタッフさんだけでなく、ディーラーさんの中にも、

「うちでも署名を集めようと思います。この用紙もらってって、こぴーしてもいいですか?」

とまで言ってくださった方もいました。

 

私たちは感謝感激の連続でしたが、その極めつけは打ち上げの席で・・

展示会終了後、中華街のお店で約50人ほど?のスタッフと食事中のこと。

私たちの思い(どんなに感謝してもしきれないほどありがたく思っていること)を、

たまたま右隣に座っていた方に伝えると、

「僕たちのほうこそ感謝しています。パタゴニアも企業なので利益をあげねばなりません。

売上の数字を気にしながら働く場面もあります。そんな時、ただ利益追求と思うと虚しくなりますが、

この売上の一部が自然を守ることに繋がる。自分自身は何もできないけど、この売上の一部が川を守る

人たちの活動を支えていると思うと、頑張ろう!という気持ちになれるんです」

という言葉をいただき、その話し方に社交辞令は感じられなかったので信じる気持ちになりました。

なるほど、そういう考え方もあるのかもしれない…と。

しかも、その方だけでなく、その方が席をたった後、

左隣の方も「さっきKさんも言ってましたが、僕も同じ思いです。僕たちの仕事が、

僕たちにできないことをやっている皆さんのお役に立っていると思うと嬉しいんです」と。

 

まもり隊を応援してくださるのは決してトップの方の押し付けではなかった、

社員の皆さんが共有なさっている自然を守りたいという意識に裏打ちされたホンモノだった!

それを感じることができたのは、今回の一番の収穫だったかもしれません。

感動と共に、責任の重さもひしひしと・・・

 

「今こそ考えよう石木ダム」集会、満席に!

いよいよ今日は「今こそ考えよう石木ダムと強制収用〜未来を決めるのは私たち」佐世保集会の日。

お天気は上々だけど、500席の会場に見合うほどの人が集まってくれるかな…という不安は、

これ以上増えたらどうしよう…場外のモニターで見てもらわなければ…という不安に変わり、

『ダムネーション』上映会は立ち見の出る盛況に! 

10分間の休憩後、第二部(石木ダム問題を考える講演会)の始まり。

映画を見たら、帰ってしまう人が多いのではないかとの不安も杞憂に終わり、

二部もほぼ満席でした。

はじめは、「ここがヘンです佐世保の利水と川棚の治水」と題して、八木弁護士の講演。

今日も歯切れの良いわかりやすいお話で、参加者は資料を見たり、頷いたり。

続いて、石木ダム対策弁護団長・馬奈木昭雄弁護士による講演、

「石木ダムを考えることは私たちの暮らしを考えること」

つまり、石木ダムという無駄な公共事業がなかったら、私たちの暮らしに必要な、

アレもできるしコレもできる…

限られた財源をいかに有効に使うか。ダムの優先順位は低い。

税金の使い道をよく議論すべき。

そして、決めるのは私たち市民・県民の意思だと強調。

 

続いて、こうばる地権者からのメッセージ。

石木ダムに固執する長崎県を呪縛から解き放つには、世論の力しかない。

特に佐世保市民の皆さまが、「強制収用してまで石木ダムはいらない」と声を上げていただくことが、

長崎県の暴走を止めることになると訴えました。

会場はシーンとなって聞き入り、終わると同時に大きな拍手。

 

最後は、集会宣言です。

 

                    集会宣言

 

昨年9月5日、長崎県はついに石木ダム建設のための土地の収用裁決申請に踏み切った。

しかし、建設予定地に住む13世帯約60人の意思は微動だにしない。

石木川の恵みを誰よりも知っているからだ。

虚空像山が育んだ清流は、里山に豊かな収穫をもたらす。

川魚やホタルなど多くの生き物を育む。

夏は子どもたちが泳いだりもぐったり貴重な遊び場となっている。

お金には代えられないこころ豊かな生活がここにある。

幾世代に亘って培った豊かな絆がある。

この豊かさを守り次の世代に手渡したいと考える人々が今もここで暮らしている。

ひとたびダムの底に沈めたらこの豊かさは戻らない。

 

県は石木ダムの治水効果を謳い、佐世保市はその利水効果を謳うが、

今日私たちは石木ダム対策弁護団の説明を聴いて、

石木ダムが必要のないものだということをはっきり理解した。

県や佐世保市が配布する広報を見て、石木ダムの必要性を信じていた人もいるだろうが、

その必要性の根拠がいかに曖昧なものであるか気づくことができたに違いない。

その無駄な事業のために県民の貴重な税金が惜しげもなく投入されてきた。

その上佐世保市民は水道料金という形でさらなる負担を強いられている。

石木ダム計画をこれ以上進めることは、自然と地域を破壊し、県や佐世保市の財政をより圧迫するだけ。

知事や佐世保市長は次の世代を担う子どもたちにさらなるツケを回すつもりなのか? 

残すべきは、借金ではなく豊かな自然。

守るべきは、利権ではなく人々の暮らし。 

求めるべきは、ダム建設ではなく県民の声。

私たちの声を届けよう。民意を県に届けよう。未来を決めるのは私たちだから。

「今こそ見直そう石木ダム計画!必ず止めよう強制収用!」

私たちは今ここに宣言する。

                            2015年1月18日    

        「今こそ考えよう石木ダムと強制収用」佐世保集会 参加者一同

 

読み上げるのは、地元の若者。

二人の子どものお父さん。

子どもたちに、こうばるの豊かな自然を残したい!との思いが伝わってきます。

壇上で読み上げるお父さんを見て、駆け寄ろうとする子どもたちをしっかり抱き寄せるお母さん。

 

集会終了後、私たちはアーケード街をパレードしました。

幟、ゼッケン、横断幕を掲げながら、

でも、シュプレヒコールはせず、市民に静かに語りかけながらの行進でした。

参加者は169人!

なんと、集会参加者の3人に1人はパレードにも参加してくださったようです。

 

予想以上の大成功に、地権者の皆さんはもちろん、

弁護団も、パタゴニアさんも、実行委員会のメンバーと共に喜びを分かち合ってくださいました。

 

この成功の要因の一つは、メディアのおかげだと私は思っています。

新聞各紙が告知記事を書いてくださったので、それを見ての問い合わせが7件もありました。

かつてなかったことです。

それだけ県民の関心も高まってきているということでしょう。

 

この流れを止めないよう、そして、集会の成果を次に繋げるよう、

これから何ができるか、何をどう伝えるか、考えていきたいと思います。