荒瀬ダム撤去 許可

昨日の新聞各紙には荒瀬ダム撤去の記事が出ていましたね。

え?どうして?

もうとっくに決まっていたのでは?

と不審に思って読んでみると、

以前(9月)撤去決定と喜んでいたのは、

県が「荒瀬ダム」の撤去許可の申請を九州地方整備局に提出したということで、

今回、その九州地方整備局から許可が下りて本決まりとなった、ということのようです。

理解不足でした。 

何はともあれ、嬉しいその記事を紹介します。

 

熊本・荒瀬ダム撤去を九地整が許可 全国で初めて
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/276522

 国土交通省九州地方整備局は5日、熊本県営荒瀬ダム(同県八代
市)について、河川法に基づく撤去工事に関する許可書を県に交付
した。ダムの完全撤去は全国初で、県は2012年度から6年かけ
て撤去する方針。
 撤去工事は、県が9月に申請。同局は「工法や安全面に問題はな
い」として2日付で許可した。対象は、球磨川にあるダム本体と発
電のための取水施設や放水路。12年度にダムのゲート撤去と水位
を低下させる工事をし、段階的に撤去していく。
 許可書を受け取った県企業局の福原俊明・工務課長は「安全や環
境に配慮しながら工事を進めたい」と話した。
 撤去費用の総額は約92億円。県は資金不足額を約10億円と試
算していたが、蒲島郁夫知事は5日の県議会一般質問で7億円に圧
縮されたことを明らかにした。企業局によると、資産売却や荒瀬ダ
ムの維持管理費の削減などで対応するという。
 蒲島知事は、不足額について「何としても国からの支援を得る必
要があり、積極的な対応を強く求める。一般財源を投入することな
く県民との約束であるダム撤去を着実に進める」と述べた。
 荒瀬ダムは発電目的で建設され、1954年に完工。水質悪化の
指摘や老朽化により、潮谷義子前知事が02年に撤去方針を決定。
蒲島知事は08年に財政難などを理由に方針を覆したが、水利権延
長が難しくなり、再び撤去に転じた。昨年3月に発電事業を停止、
現在はゲートを開門している。

それにしても、撤去費用の92億円は痛いですよね〜

1954年に26億円で完成して、お金に換算できないような深刻な環境破壊を招き、

58年後に92億円で撤去する・・・

なんてムダなことを・・

 

これから先、荒瀬ダムに続いていくつものダム撤去がなされるでしょう。

原発同様、寿命がくるダムがたくさん控えていますから。

 

これ以上ムダなダムを造らないで…

いま荒瀬ダムは、身を持ってそのことを教えてくれているような気がします。 

 

言い訳は得意だけど・・・

今日、佐世保市議会本会議で、山下千秋議員が石木ダムに関して質問をし、

それに対して水道局長が以下のような答弁をしました。

 

 1.県が国へ事業継続報告を行って4か月過ぎたが、まだ有識者会議にかけられない。
   この遅れの理由は何だと考えているか?

 答:遅れる理由は特別見当たらない。
   県も我々も早く結論を出して欲しいと期待している。

 
 2. 県は「事業費も工期も当初計画からの変更はない」と国へ報告した。
   しかし実際は、本体工事着手時期も工事期間も変更、付替道路工事期間も変更。
   試験湛水期間も変更しているではないか。
   しかも、県民にはその変更を知らせていない。
   県のホームページは当初計画のままで発信し続けている。
   国や県民を欺くものではないか?

 答: 国へ提出した報告書を見ると、「工期についても近年の工事個所を参考に点検を行った。
   その結果、完成年度は、平成28年度となり、当初計画からの変更はない」と書かれており、
   完成時期について変更がないという意味で報告がなされたと思っている。
   また、ホームページに書かれていることも当時は正しい情報であったが、
   県が工程表を見直してから更新されてないのは好ましくないので、問い合わせたら、
   しかるべき時期に更新するとのことであった。

 3. 変更された工程表では、25年度から本体工事を始めるとしているが、あと1年数カ月しかない。
   半世紀も反対地権者の理解が得られなかったのに、どうして短期間で用地が取得できるのか。
   それは強制収用しかないではないか。  あなた方は強制収用するつもりなのか?

 答: 地権者の理解を得てやるのが本来のやり方。
   そのために最大限の努力をすると知事も言っている。
   他都市の例を見ても、事業認定の手続きが進む中で話し合いの機会を持つことができ、
   ご理解が得られている。

 4. あなた方が予測した今年度の一日平均配水量はいくらで、直近(先月)はいくらだったか?

 答: 予測は84,901m3。
   先月分のデータは今手元にないので昨年度実績を申すと、72,397m3だった。

 5. 先月の実績値は、69,599m3だ。どんなに予測が過大であったか明白ではないか。
    この乖離についてどう思うのか?

 答: 経済状況がリーマンショック以来依然として低迷しているためと考えている。
   しかし、この状況はいつまでも続かない。この予測値は将来必ず必要になると思っている。

 

大意は以上です。

今回も、旧態依然とした回答でした。

 

水道局長さん、それはあなたの本心ですか?

私は思うのです。

 

1.遅れている理由はわかっているはず。考えたくないのではありませんか?

  地権者が強硬に反対していることが国交省にも有識者会議委員にもばれてしまった。

  通常、有識者会議にかけられると、ほぼ県の判断が追認される。

  しかし、そうなると石木ダムの場合、事業認定もOKとなる可能性が高く、

  それは13世帯を追い出すことにつながるので、国は躊躇している。

  そのように感じているのでは?

2.官僚というか行政マンの偉い方々は、本当に言い訳がお上手ですね。

  いえ、あとで言い訳できるように作文するのが上手いのかな?

  あ、両方ですね。

  もう反論する気もおきません・・

3.この回答を聴いて、山下市議は「今、強制収用はしないという回答を頂きましたが・・・」

  と言いましたが、はたしてそう受け取っていいのか…私は疑問が残りました。

  「地権者の理解を得てやるのが本来のやり方。そのために最大限の努力をする」

  「本来のやり方」と言いました。

  本来のやり方を目指して我々は最大限努力しました。
  だが、その努力の甲斐もなく…だったので、やむを得ず不本意ながら…

  なんてことを言いだす可能性もあるのでは?

5.もうリーマンショックは耳タコです。

  水道局長さん、リーマンショックの前は増え続けていたのですか?

  リーマンショックは平成20年でしたから、その前年の19年度はいくらだったか?

  10年前の平成9年度はいくらだったか?一日平均配水量で比較してみて下さい。

  10年度=82,756m3   19年度=79,369m3

  いかがですか?10年間で3,387m3減っています。

  リーマンショックがあろうとなかろうと減っているのです。

  その減少度合いがより大きくなったとは言えるでしょうが、

  リーマンショックから回復すれば、大きく増加に転じると予測するのはあまりにも楽天的。

  平成29年度には89,462m3になると予測していますが、19年度より1万m3も増加ですよ!

  現実は10年間で約3,400減っているのに、

  その後の10年間で約10,000も増える?

  誰が考えても非常識、非現実的ではないでしょうか。。  

 

  行政マンって、言い訳は得意だけど、数学は苦手?  

 

続続続 石木へのイシキ

7週目の「石木への私のイシキ係」の記事(ライフさせぼ)を紹介します。

久々に「ダムは必要」という方が一人増えています。

そして、ご意見を読むと、ヒコーキさんが多分その1票を投じた方なのでしょう。

 

ヒコーキさん、貴重なご意見ありがとうございました。

私はライフさんとは無関係なのでお礼を言うのもおかしいですが、

ダムが必要と言う方の理由を知りたかったので、有難いと思ったのです。

 

ヒコーキさんは、「佐世保のダムの貯水量は2ヶ月分しかない」と思っておられるようですね。

多分そう思っている市民は多いでしょう。

だって、市や県がそう説明してますからね。

ところが、そうではないんですよ。

 

佐世保地区(旧佐世保市)には6つのダムがありますが、

その有効貯水量の合計は、6,438,000m3なのです。

それは、水道局のホームページにちゃんと出ていますよ。ここをクリックしてみて下さい。

http://www.city.sasebo.nagasaki.jp/www/contents/1274226545292/index.html

 

今開いてみると、12月1日現在の情報が書かれていて、前日の配水量は70,490m3です。

では、この11月30日の総配水量で計算するとダムの水は何日分あるでしょう?

6,438,000÷70,490=91.332・・・  

約91日分、つまり3ヶ月分あるのです。

当局の説明は1ヶ月分もサバを読んでいるのがおわかりでしょうか。

 

いや、もしかしたら、その日の70,490が特別少なかったんじゃないの?

とお考えの方もいるでしょう。

いいえ、先月=11月の平均配水量は、69,599m3でした。

 

ほんとかな〜?と思われる方は、毎日このページにアクセスしてデータを記録してみてください。

そして、ご自分で確かめてみてくださいね。

 

それから、このページには、ダムの貯水率が示されています。

いまは99.9%です。

この1ヶ月ずーっと99%以上です。

最低で、99.2%でした。

 

ちょっと不思議に思いませんか?

雨が降った翌日は100%、その翌日は99%くらいあっても、

晴れた日が4,5日続けばもっと減るのでは?って思いますよね〜

ところが、ダムは川の水を止めて溜めているわけですから、

雨が降らなくても、川の水が流れている限り、流れ込む水量があるわけです。

 

ですから、さきほど3ヶ月分あると書きましたが、

現実には、もっともっと余裕があると考えていいと思います。

 

ヒコーキさんがこのブログを見てくれる機会はおそらくないでしょうが、

ヒコーキさんと同じように思っていた方がいらしたら、

このような見方考え方も、参考にして頂きたいと思います。

そして異論・反論などありましたら、どうぞご遠慮なくコメント欄に書き込んで下さい。

                   

聞きあきた「誠心誠意」

長崎県へ出した申し入れ書に対しての回答が今日届きましたのでお送りします。
私からのコメントは何もありません。

そのメールが地権者の I さんから送られてきたのは、11月30日。

申し入れをしたのは、もう一カ月以上前の10月24日でした。

全国集会の決議文を基に、私たちは地権者と共に、県庁へ申し入れに出向きました。

 

この時は、いつもの地元(川棚+佐世保)メンバーだけでなく、

東京、神奈川、岐阜、熊本からの支援者も一緒でした。

http://www.nagasaki-np.co.jp/news/ishiki/2011/10/25090546.shtml

 

その申し入れに対する回答がこれです。

 

37日間もかけて届いた回答は、いつもの文言を連ねただけ、

過大な予測を修正することもなく、

いつもの言い訳と、自分たちの主張を述べただけ。

そして、決まり文句の「誠心誠意」取り組んでいくと結んでいます。

 

かつて述べた同じ文章を張り合わせた作文には、誠意のかけらも感じられません。

誠心とは、辞書によると「まごころ」「偽りのないこころ」だそうですが、

偽りだらけの検証結果を提出した方に言われても・・・。

本当に知事や県河川課に誠心誠意があるのなら、

まず真っ先に事業認定申請を取り下げるべきです。

 

事業の認定は,

起業者にとっては、必要な土地を収用する権利を得ることであり、

地権者にとっては、自分の土地が奪われる可能性を意味することです。

 

ということは、

事業認定を申請した県は、地権者から見れば、自分の土地を力ずくで奪おうとしている輩、

強盗か暴力団か…そんな人たちと変わりありません。

どうして話し合いなどできるでしょう。

 

もうこんな口先だけの、手あかに汚れた美辞麗句を並べるのは止めて、

本当の誠意を見せて下さい。

 

知事が本当に、どうしても、石木ダムが必要だと思うなら、

それが県民のために不可欠で、だから地権者の理解を得たいと思うのなら、

その誠意を形あるもので表してください。