ここ数日、水道局の新水需要予測の資料を穴の開くほど見つめていました。
特に、工場用水の急増。
26年度の予測値=2,423m3
27年度の予測値=6,605m3
たった一年間で2.7倍!
どうしても信じられません。何かトリックがあるはず・・・
水道局の説明では、
その急激な増加の主な要因はSSKで、
その経営方針の転換(今後は造船よりも修繕船部門に力を入れること)によって、
船を洗うための水が大量に必要になるからだというのです。
そして、その根拠となる具体的な計算式が、資料2http://www.city.sasebo.nagasaki.jp/www/contents/1358919532357/files/SAI-SIRYOU-01-02.pdf の56ページに示されています。
修繕船給水量過去実績表から日量2,206m3という給水量を算出し、
「SSKでは経営方針変更に伴い、修繕船の売上高を約2倍見込んである」から、
倍の4,412m3になるというのです。
なるほど・・と騙されそうになりますが、このページをよーく見てください。
上の方にドック水量の過去9年の平均値は日量331m3とあります。
売り上げが2倍になるなら水量も2倍の662m3くらいになるはずですよね。
ここに巧妙なトリックがありました。
1)過去の実績から修繕船1隻あたりに必要な水は、2,693m3だと示されています。
その水は修繕に要する10.5日間で使われるので、
一日平均使用水量は2693/10.5=251m3/日です。
2倍の受注があれば、500m3/日です。
2)水道局が算出した2206m3/日は、修繕船がドック入りした一日目だけです。
一日目に汚れた船体をまず洗うので、その日に大量の水を使うだけで、
残りの9日間は、一日に51m3くらい、ほんのちょびちょびです。
3)初日に必要な大量の水を溜めておくタンクを備えておけばいいだけのことです。
2206m3にしろ、4412m3にしろ、それは一日平均給水量ではないのに、
平均給水量を入れるべきところに、この数値を紛れ込ませたことによって、
ケタ外れの需要増加をひねり出しています。
まさにマジック?
悪質な論理のマジックであり、数字の捏造だと言わざるを得ません。
しかも、汚れた船を洗うのに、きれいな上水道水が必要でしょうか?
私たちが洗濯にお風呂の残り湯を使うように、造船所などでも水を再利用していると聞きます。
三井造船では、水道水の倍以上の中水道水を使っています。
三菱造船所も再生水や井戸水を使っているようです。
SSKだってきっとそれなりの工夫をしているはず。
佐世保で一番の大企業、一流企業ですから、CSR(企業の社会的責任)の認識はお有りでしょう。
万一それが欠けているならば、
そこを指導するのが水道局の役目ではないでしょうか?
いつも「本市は慢性的水不足!」と嘆いている方がたですから。


