日弁連が石木ダム問題調査

昨日、日弁連の調査団が石木ダム問題調査のため、現地を訪れました。

 

 

そして、今日は、朝から佐世保の各地を視察、私たちも同行させていただきました。

最初に訪れたのは水道局。

本来なら今日、水道局へのヒアリングをする予定だったのですが、

現在多忙で対応できないとのことで、施設見学だけになりましたが、

せめてご挨拶だけでもと、日弁連公害対策・環境保全委員会の委員長がみえたのに、

(調査団は東京、神奈川、埼玉、栃木などなど遠くから来られたというのに)

責任ある立場の方はどなたも会議中とのことで、顔を見せてはくださいませんでした。

こんな冷たい対応をなさるとは・・・

佐世保市民として身の縮む思いでしたよ。

 

というわけで、水道局への挨拶はあっという間に終わり、

今日の見学地、山の田浄水場へ〜

まず、施設管理課長さんからのオリエンテーションを受け、現場へ。

歴史と趣のある「ろ過池」などを見学。

 

これは何をしているところか・・・説明を聞き逃しました。

ろ過池の砂をきれいにしているところでしょうか?

 

その後、急な長い階段を登り、山の田貯水池へ。

例年のこの時期は雨が少ないので、もっと水深が浅いのですが・・・と担当者。

まあ!オーバーフローしてますね。

今日は、満水ってことですね。 

 

ここで、水道の専門家が、このような質問をしました。

「ここは下流放流量が義務づけられていないダムですよね?

年に数回、たまたま水利権を上回る取水をしても何の問題も生じませんよね?」

「いや、水利権を超えて取ることはできません。

以前そういうことをやっていたので県の指導を受けました」

 

本当に県は融通のきかない石頭です。

山の田ダムの水利権が、日量6,300㎥でも、

オーバーフローするほどたくさん溜まっているならば、

そして、他の水源からの取水量が足りないならば、

その不足分を補うために、例えば7,000㎥とか8,000㎥とか浄水場に送っても、

何も問題ないはずです。

 

弁護士さんが、「この下に川はないのですか?」と尋ねたら、

「ありません。オーバーフローしたときは、そちらの下水道から流れていくだけです」というお返事。

なんとまあ、もったいない話ではありませんか。

市民はお風呂の残り湯で洗濯したりして大事に水を使っているのに、

余った水は、ただ捨てるだけ?

それが法律上正しいこと?

水利権というルールはあっても、その運用を工夫することで、

無駄なダム建設をしなくてもいい状況に近づくことができるのに。。

 

あ、そうか。

ダムを造りたい県は、そういう状況には絶対近づけたくないから

ルール違反にはより厳しくなるのでしょうね。。

 

 

向こうに見える建設現場は、建設中の北部浄水場(仮称)です。

完成は2年後の予定です。

本格稼働は27年4月から。

その時の浄水能力は、一日50,600㎥だそうです。

 

これは大問題だと思います。 

なぜなら、北部浄水場完成後は、佐世保の北部地区の浄水能力は、

50,600+14,000(柚木浄水場)=64,600㎥となりますが、

一方、現在の水源量は、安定水源と不安定水源合わせて、68,600㎥あるのです。

水道局は、不安定水源は流量が不安定であてにならないといいながら、

毎日取水しています。

 

そこにせっかく取れる水が68,600あっても、浄化する設備が64,600分しか受け入れないなら、

当然取ることができません。

水不足と嘆く水道局が、なぜこのような施設計画を立てるのか・・・。

 

 

これは貯水池の下を走るトンネル。

ちょっと歩いてみたいような、怖いような・・・

 

11時過ぎ、見学終了。

案内してくださった水道局の方にお礼を述べ、次の予定地佐々川へ。

佐世保市の北部から隣の佐々町に流れていく2級河川、佐々川です。

長さも、流域面積も、2級河川としては県内第1位の川です。

ここを弁護士さんたちに見ていただいて、維持流量の問題、遊休水利権の問題など

これまで調べてきたことを、Mさんがざっと説明しました。

(時間もないし、小雨も降るし・・・ゆっくり説明できなかったのが残念!)

 

昼食後、スピカにて、市民へのヒアリングが始まりました。

限られた時間の中で、いかに効率よく伝えるか・・

 

☆ 市民は水不足とは感じていない〜「ライフさせぼ」のアンケート結果、井戸水の利用など

☆ 再評価のやり方の問題点

☆ でっちあげの水需要予測

☆ 再評価のための第三者(?)委員会の実態

☆ 「石木ダム建設促進佐世保市民の会」の実態

☆ 石木ダム反対署名コピー、勤務時間に職員動員の石木ダム促進大集会

 

などなど。

私たちの拙い説明では十分にご理解いただけなかったでしょうが、

資料に関しては、それぞれ精一杯準備しました。

お帰りになってから、じっくりお読み頂くことを期待しています。