石木ダム促進市民の皆さん、話し合いしませんか

4月27日、「石木ダム建設促進佐世保市民の会」の理事会が開かれました。

新聞報道によると、国への陳情活動や、バスの車体広告、看板設置など、

例年通り、今年度の活動計画などが決められたようです。

その運営資金100万円が、すべて市の助成金であることも例年通りです。

 

例年通りでないのは、まもなく事業認定の可否が判断されるだろうとの見通し。

「今年が本当の勝負の年」という意識。

出席者からは「地権者の説得はこれ以上無理」との声もあがったそうです。

 

その方の認識は正しいと思います。

でも、無理だからあきらめようということでは、もちろんないようです。

説得しなくても、事業が認定されれば用地の強制収用が可能になるからいいのだ・・

と思っておられるのでしょうか。。

 

その前に、私たち佐世保市民同士で、話し合いませんか?

今年が勝負の年というならば、

まず市民が主体的に、真っ向勝負の議論をしましょうよ。

 

今日、私たちは、公聴会の録画を使って、3回目の学習会を開きました。

録画を見たあと、様々な感想や意見がどんどん出されました。

 

推進派の人が、相浦川の水量が昔に比べて減ったと述べていたが、

私は、その人と同じ地域に住んでいるが、そうは感じない。

それより、水が必要と思うなら、なぜ川を大事にしないのか?

相浦川にはゴミがたくさん投げ捨てられている。

この川から自分たちの飲み水が作られていると思うと、もっときれいにしたいと思う。

また、県境をはさんで国見の佐賀県側に入ると落葉樹がたくさんあって、保水率の良い森となっている。

が、佐世保側にもどると針葉樹ばかりだ、

佐賀県の川のように水量を豊かにしたければ、なぜ森を育てようとしないのか?

というようなお話や、

公述人に応募された時の原稿を読みながら紹介してくださった方もいました。

とてもよく調査研究されていました。

 

その他様々な意見や感想が出されましたが、ダム賛成の意見は全く出てきません。

今日も推進派の方は誰も参加されなかったのか…と残念に思っていました。

お一人だけ、何も語られない方がいましたので、「何か感想を…」と求めましたが、

「いや、いいです」と言われて口を固く結んでしまわれました。

 

後で友人に聞きますと、やはりその方は推進派の方だったようです。

せっかく来てくださったのに…、ご意見を聞きたかったです。

残念です。

 

 

「推進市民の会」の皆様、学習会はあと1回残っています。

最終回は、5月12日(日)14:00〜させぼ市民活動交流プラザにておこないます。

よかったら是非いらしてください。

こちらの勉強会に行くのは嫌だと思われるなら、

そちらで勉強会なり、意見交換会なり開いてください。

私たちはいつでも参加させていただきます。

 

同じ佐世保に暮らす者どうし、顔を合わせて、じっくり語り合ってみませんか?

 

 

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一からわかる 石木ダム

 

一週間前の記事になりますが、朝日新聞にこんな記事がありました。

ご覧になった方も多いでしょうか?

 

「一からわかる」のタイトル通り、さすが新聞記者さん!

こんなややこしい、法律や行政に関する難しい話を、実にわかりやすく整理して書かれています。

 

その整理されたポイントは何かというと、

 

1.石木ダムをめぐってこの4年間に進められてきた3つの行政手続きとは、

  ①長崎県による再検証=平成10年12月〜12年6月(結果=継続)

  ②佐世保市による再評価=平成13年1月〜3月(市の結果=継続、国の判断待ち)

  ③国による事業認定手続き=平成9年11月〜(公聴会まで終了、次は・・・)

 

2.再検証や再評価で、何も見直されていない、何も変わっていない。なぜか?

  それは、「再検証」をおこなったのは、推進の立場の関係市長の首長だけで、

  「再評価」をおこなったのも市の自己点検だけだったから。

  それでは本当の意味の再検証や再評価にならない。

 

3.今後の焦点は国交省九州地方整備局の判断

  仮に事業認定されても、

  県は「(土地の強制収用は)現時点で考えていない」と言ってるけれど、

  どうだろうか。

 

そうなんです。

土地の強制収用は「現時点で考えていない」ということは、

イコール「将来は考える可能性有り」ということ。

どんな将来かというと、地権者の意思が変わらず、土地を売ってくれないという将来で、

こちらの可能性はほぼ100%に近いわけだから、

やはり将来は「土地の強制収用を考える」ということになるのです。

 

強制収用してまで必要なダムですか?

それをもう一度、わたしたち佐世保市民一人ひとりが考えてみなければなりません。

 

その参考材料になる学習会を明日、おこないます。

 

「丸ごと再現 石木ダム公聴会」第3回

日時:4月28日午後2時〜4時

場所:させぼ市民活動交流プラザ

 

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第3回「丸ごと再現 石木ダム公聴会」

シリーズ「丸ごと再現 石木ダム公聴会」も、あと2回となりました。

まだ、聞いてない方で、お時間のある方は、是非聴きに来てください。

もちろん、1回目や2回目に参加された方も。

 

3回目は、再び佐世保市民どうしが、佐世保の水問題を真剣に考え、

石木ダムが必要かどうか、それぞれの意見を述べます。

 

市民のSさんは「必要」、Mさんは「不要」と訴えました。

それぞれが、どんな理由でそう判断しているのか、耳を傾けてみませんか?

 

それを聴いて、あなたはどう思うか、

どちらの意見に共感するか、語り合ってみませんか?

 

日時:4月28日(日)14:00〜16:00

場所:させぼ市民活動交流プラザ 2階 A会議室

 

お待ちしています。  

 

 

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佐世保市の需要予測は「極め付きの虚構」

なぜか今頃、こんな記事が掲載されました。

佐世保市・石木ダム工場用水予測 学者ら「極めつきの虚構だ」

この見出しの記事は、毎日新聞長崎版の取材前線 2013年04月22日の記事です 。
http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20130422ddlk42010279000c.html

「これだけひどい水需要予測は、全国のダム計画でもここだけだ」。

全国125人の学者でつくる「ダム検証のあり方を問う科学者の会」(共同代表、今本博健・京大名誉教授)が3月11日に批判したのは、川棚町に計画される石木ダム事業を再評価した第三者委員会に佐世保市が示した水需要予測だ。

特に約5倍に跳ね上がるという工場用水の予測を「極めつきの虚構だ」とバッサリ。建設反対派の批判をよそにダムの事業認定手続きは進むが、工場用水の需要予測を改めて検証した。【柳瀬成一郎】

同市の工場用水は、景気低迷などの影響で右肩下がりで推移している。1998年度の日量3167トンが11年度には1890トンに落ち込んだ。

にもかかわらず、市の需要予測は2024年度には約5倍の8979トンにまで増えるとした。主な理由は、造船業の佐世保重工業(SSK)が水の洗浄を伴う修繕部門を強化するからだという。

11年度1166トンだったSSKの日量が、15年度には約5倍の5691トンになると見積もった。同じ日に2隻がドックに入った場合も視野に入れ、洗浄用の水を一気に使うと想定したという。

「SSKが船の洗浄に集中して使う場合、その最大量を確保するのが市の責務」だと説明する。

一方、SSKは「数値は当社の予測ではなく、市が予測したもので、コメントできる立場ではない」と明確な数字は示していない。

科学者の会は、SSKの過去9年の修繕船の1日平均水量が「約330トン」と指摘して、微増にとどめるべきだと批判した。

使用量が急増すれば、年間の水道料金も数億円増えるとして、「民間企業では現実離れしてしている使用量だ」と批判。第三者委に意見書を提出したが、議論の材料にはされなかった。

建設に反対する地権者の石丸勇さん(63)は「ダムをつくりたいがための数字合わせの需要予測だった」と市の予測を批判した。

◇ ◇
石木ダムを巡っては、事業の再評価とは別に、土地の強制収用につながる事業認定の手続きが着々と進んでいる。今後は、強制収用の是非が最大の焦点となる。佐世保市の水需要予測やダムの治水面など事業の「公益性」が判断材料となる。

 

科学者の会が、この意見書を提出したのは、3月11日で、

水道局がこの「虚構」に基づく水需要予測を公開したのは1月の再評価1回目の時で・・

ずいぶん時差があるな〜という感じもしますが、

でも、それがかえっていいかも。。

みんな忘れかけていたかもしれない。

 

それに少し関連しますが、一昨日図書館でこんな資料を見つけました。

「長崎県水道事業概要」の平成22年度版です。

このデータをご覧下さい。

 

丸印をつけているのが、佐世保市です。

佐世保市の一人一日平均給水量は329ℓで、✔をつけているところは、

佐世保市の給水量よりも少ないところです。

 

水道局はいつも佐世保市が最大の水不足都市であるように宣伝してますが、

一人あたりの給水量は県内でも、中くらいではありませんか。

これってどういうこと?

長崎市民も、佐世保市民より少ない水で生活しているようですよ。

もう少し詳しく見るために、いくつかの項目を選んでまとめてみました。

 

<colgroup> <col width="206" /> <col span="2" width="97" /></colgroup>

      長崎市    佐世保市
給水人口 393,848 240,411
一日最大給水量(m3) 129,520 89,768
一人一日最大給水量(ℓ) 329 373
一人一日平均給水量(ℓ) 295 329
年間給水量(千m3) 42,337 28,873
年間生活用水(千m3) 30,642 16,811
年間業務営業用水(千m3) 6,818 6,662
年間工場用水(千m3) 720 1,393
有収率 90.4 86.2
有効率 94.6 89.0

H22年度の給水人口、佐世保市は長崎市の61%です。

が、一人当たりの一日平均給水量は佐世保市のほうが多くて、長崎市の115%です。

でも、生活用水はぐっと下がって55%、やはり佐世保市民は節水しています。

じゃあ、何にそんなに使っているのかというと・・

やっぱり!工場用水の多いこと!長崎市の約2倍です。

佐世保市はそんなに工業都市なのかな〜???

佐世保市民の皆さん、そう思います?

 

佐世保市が工業都市というよりも、

他都市では工業用水の利用が進んでいるのに、佐世保はそれが遅れているということ?

長崎の造船所では船の洗浄には工業用水が使われているのに、

佐世保の造船所では水道水が使われているように…そういうことかもしれませんね。

雨水、再生水などの利用も進んでいないし…。

 

水不足と言いながら、なぜ市はそのような指導をしないんだろう?

やはり、それも、石木ダムを造るため?

だろうな〜

 

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何もするなと言ったのはどこか!

少し前になりますが、先月23日の公聴会のときの地権者の発言について、

石木ダム建設促進特別委員会で取り上げられ、

一人の委員から、その公述について精査をするよう要望が出されました。

 

その公述内容とは、以下の通りです。

 

佐世保市の水源対策が実施されていたら、あのような大きな渇水被害はおきなかった、

それを不可能にしたのは県だったと、当時の市長が語ったという重大な発言です。

その真相は市民の誰もが知りたいところです。

 

4月12日やっと、その調査結果が水道局からもたらされました。

 

 

私たちは、これを見て唖然としました。

1.地権者の岩下氏と市長が会ったかどうか、その事実を問題視しています

2.市長の発言内容自体(佐世保市独自の水時給計画をことごとく件に拒否された)を

  裏付ける記録や証言などについては、何も調べていません

3.市長から話を聞いたという本人には何の問い合わせもせず、市や県の担当者にのみ

  聞くというやり方〜これで調査と言えるのか?

 

そこで、今日4月19日、私たちは佐世保市水道局に再調査を要請しました。

そしてまず、ご当人の岩下さんに、そのときのことを詳しく語ってもらいました。

そして、その岩下さんの話を客観的に裏付ける資料を提示しました。

それは、当時の新聞記事です。

 

当時、引退間際の桟氏に、朝日新聞の福地記者がインタビューしています。

「渇水」の欄には、まさに岩下氏に話した内容と同様のことが、

より具体的に書かれていました。

 

大型タンクによる水貯蔵を検討したり、波佐見町で水がめの可能性を調べたりした。

こういう時、県は『石木ダム計画に影響しないように』と釘を刺してきた。

 

渇水対策費について県庁で話し合っているとき、

『佐世保は渇水対策を何もやっていない』と言った部長に、

『何もするなと言ったのはどこか!』と声を大きくしてしまった。

 

などの発言が記録されていましす。

「こういうことなので、再調査をお願いします」と言うと、

K経営管理課長は、それはできない、もう再評価は終わっているからとの返事。

 

これには、一同、一瞬???、続いて怒りが湧き上がりました。

K氏は何もわかっていない。

なぜ地権者がここに来たのか。

私たちが何を求めているのか。

私たちは評価をやり直せと言っているのではない。

かつて水に困っていた佐世保市が、真剣に対策を考えていたとき、

それを邪魔していたのが県だったと、元市長が証言していたのだから、

その事実関係を調べて明らかにして欲しいと言っているのに、

なぜわかってもらえないのだろう。。

 

K氏は、県をかばっているのだろうか?

県に睨まれたくないのだろうか?

とにかく石木ダムを造りたい一心なのだろうか?

 

いずれにしても、これで、地権者の佐世保市に対する心象は、

大きく損なわれてしまいました。

 

事業認定申請などして自分たちに刃を突きつけているが、

県と同じ共同事業者という立場上、やむを得ず、やらされている側面もあるのかも…

ダム以外の対策をやりたくても、なかなかやりにくい面があるのだろう、

桟市長が言っていたように…

そんなわずかな好意的見方は、完全に消されてしまいました。

 

いえ、今からでも間に合います。

結果はどうであれ、まずは調査をしてください。

桟市長時代に、どんな水自給計画が示されたのか、

それがどこまで進んで、なぜボツになったのか、

ついでに桟市長以後のことも調べて示していただけるとなおいいのですが…

 

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丸ごと再現 石木ダム公聴会 その1

4月13日(土)、シリーズ「丸ごと再現 石木ダム公聴会」の1回目を開催しました。

参加者の多くは、公聴会に行けなかった方々だったので、

やって良かったな〜と思いました。

また珍しく、若い方(女子大生)の参加もあり、嬉しかったです。

 

でも、石木ダム賛成の方々の参加が得られなかったのは残念でした。

参加者のお一人が、

お互いに自分たち仲間同士で話している。

賛成反対双方が同じ土俵に上がらないと、話し合いはできない。

と、おっしゃいました。

その通りですね。

 

推進派の方が、もし、このブログを見てくださっていたら、

あらためてお誘いします。

一緒に顔を合わせて、話し合ってみませんか。

そちらからお誘いがあれば、私たちはいつでも喜んで伺いますよ。

また、今回のシリーズ「まるごと再現 石木ダム公聴会」は、あと3回あります。

 

2回目

日時:  4月21日(日)15:00〜17:00

公述人: 起業者(長崎県+佐世保市)と水問題専門家

 

3回目

日時:  4月28日(日)14:00〜16:00

公述人: 推進派佐世保市民と反対派佐世保市民

 

4回目

日時:  5月12日(日)14:00〜16:00

公述人: 地権者 

 

※  会場はすべて「させぼ市民活動交流プラザ」A会議室

 

以上です。

推進派とか反対派とか関係無く、とにかく、共に公聴会の公述に耳を傾けて、

感想を語り合ってみませんか。

 

要らな〜い!と言われ、困ってる当別ダムの水

他人事ではありませんぞ。

 

これは、北海道のダムの話ですが、無関係と笑っていられます?

当別ダムは昨年完成したばかり。

これでやっと安定水利権が得られ、水道用水が確保できたと万々歳の写真もありますが…

http://www.town.tobetsu.hokkaido.jp/sogo/kouho/kouho_tobetsu/2012/2012_11.data/24-11-2.pdf

 

実際は、企業はダムの水なんか欲しくなかった。

だって高すぎるから。

これまで通り安価な井戸水を使いたいと、今月から供用が開始されたダムの水は未使用。

このままでは料金収入が得られないとして、小樽市と石狩市は道に補填を求めているそうな。

 

いずこも同じでしょう。

佐世保の企業だって、コストはなるべく抑えたいはず。

こんなに急にジャブジャブ水道水を使おうなんて考えるはずがありません。

でも、その有り得ないことを平気で予測するのが、ダム村の方々なのでしょう。

造船業で修繕船が増えるからとか、

佐世保テクノパーク(工業団地)には井戸水を使用している企業があり、それを水道水に変換するとか、

いま造成中の工業団地のためにあらたな需要を確保する必要があるとか、

いろんな理由をつけて、こんな有り得ない推計値をはじき出しています。

 

県や市にいくら言っても、聞く耳を持たないので、

やっぱり、水道料金を払う私たち市民が聞く耳を持つしかないのですよね〜

 

当別ダムのこの現実を、他山の石としましょう〜

 

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「シリーズ 石木ダム公聴会」のお知らせ

   

 

お知らせです。

推進派、反対派、双方の意見が出された公聴会を聴き逃した皆さんのために、

公聴会を録画で再現します。

そこで語られた公述を見て、聴いて、

何かを知ったり、感じたり、

他の人の感想を聴いたり、語り合ったりして、

自分の考えを深める材料にしていただけたら嬉しいです。   

 

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新水道ビジョンが目指すもの

厚生労働省は3月29日、「新水道ビジョン」を発表しました。
 
 
 
そこには、このように書かれています。
 
 
第1章 はじめに
 
平成25年現在、水道をとりまく状況は、水道ビジョンを公表した9年前や改訂した5年前とは大きく変化しました。
その一つが、日本の総人口の減少です。
統計データによると、日本の総人口は平成22年頃、1億2806万人を最大値として、以後、減少傾向に転じています。
現在の年齢別の人口構成や出生率の状況を踏まえると今後の人口の減少傾向は確定的であり、このことは水道にとって給水人口や給水量も減少し続けることを意味します。
 水道ビジョンの改訂までの時代は、水道は拡張を前提に様々な施策を講じてきましたが、これからは、給水人口や給水量の減少を前提に、老朽化施設の更新需要に対応するために様々な施策を講じなければならないという、水道関係者が未だ経験したことのない時代が既に到来したといえます。
 
 
人口減少については「第4章 将来の事業環境」のところでも述べられています。
 
日本の人口の推移は、少子化傾向から減少の方向を辿り、2060年には8600万人程度と推計され、3割程度減るものと見込まれています。
また、水需要動向も減少傾向と見込まれ、2060年には現在よりも4割程度減少すると推計されています。
 
 
「第5章 取り組みの目指すべき方向性」の中では、このように指摘しています。
 
水道施設の管理・運営における課題の一つに老朽化施設への対応があります。
人口や給水量が漸減しつづける一方、老朽化施設の更新需要が増大する時代には、どの施設をいつ更新するのかという計画性をもった資産管理が水道事業の経営方針に求められます。
これまで水道事業者は将来の最大給水量を見込んで施設整備を行ってきました。
今後、水道事業者は、施設の更新時に、当該施設の余剰分を廃止して規模を縮小するのか、あるいは一定の目的のために更新して保有するのかという、難しい判断を迫られることになり、事業規模を段階的に縮小する場合の水道計画論の確立が必要といえます。
 
 
そして「第6章 方策の推進要素」の中では、このように謳っているのです。
 
将来の我が国の総人口が半数程度にまで減少した時代に、水道が理想の姿をもって、地域の利用者の信頼を得て水を供給し続けるためには、これまでの右肩上がりの常識を排し、新たな事業環境に順応し適応すべく、関係者が挑戦する意識・姿勢をもって取り組みを進める必要があります。
このため、新水道ビジョンでは、これまで経験してきた様々な事故、事件等の事例を教
訓に前向きな対応で調査研究を怠らず、水道関係者の「挑戦する意識・姿勢」を重要視し、これを「挑戦」として方策の推進要素に位置付けることとします。
 
 
 
これが本気なら、厚労省の水道課自体が素晴らしい意識改革を起こしたと言えます。
 
これまでのように、安心安全を謳い文句に、ダムなどの水源開発を良しとしてきた体制から脱皮して、
 
全国の水道事業者にも勇気を持って変化を受け入れ挑戦しろと呼びかけているかのようです。
 
 
だから、佐世保市水道局の諸君、
 
かつてのように水需要が右肩上がりで増加する時代は終わったんだよ。
 
その変化を受け入れなくちゃ・・それに適応しなくちゃ・・
 
石木ダムを造ってる場合じゃないんだよ。
 
需要が減ることを前提にした新しい施策を考え、
 
実現する勇気を持って欲しい。
 
それが君たちの生き残れる道なんだよ・・
 
 
私にはそう言ってるように聞こえますが、水道局長さんにはどのように聞こえるでしょうか?
 
 
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大村湾

ここ一週間のうちに2回も西海市に出かける用があり、西海橋を渡りました。

満開の桜と針尾瀬戸の渦潮と、両方を見に来た観光客でいっぱいでした。

私も橋を渡りながら車中から見下ろすと、たくさんの渦ができ、潮の流れはかなり激しいものでした。

でも・・・その流れが激しいのは、こんなに狭い場所だからです。

これが大村湾の衛生写真です。(Wikipediaより)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%9D%91%E6%B9%BE

まるで湖のようです。

が、上の方に1箇所、隣の佐世保湾と繋がった隙間が見えるでしょ?

ここが針尾瀬戸で、その上に西海橋がかかっているのです。

もう1つ、地図上部の真ん中辺りに川のように見える青い帯、これが早岐瀬戸と呼ばれるもので、

この2つの瀬戸によって、大村湾はかろうじて、海として存在しているのです。

しかし早岐瀬戸は狭いところで、幅10mほどしかありません。

まさに川のよう・・・。

 

Wikipediaによると、

繋がっている佐世保湾と比べて、干満の時間が約3時間も遅れる。

佐世保湾と同じ水位になる前に佐世保湾の水位が逆の変化を始めるため、

結果的に大村湾内は干満の差が小さくなってしまう。

佐世保湾の最大の干満差が3mほどあるのに対し、大村湾のそれは1mそこそこである。

水深は、激しい潮流によって抉られる針尾瀬戸で最深54mに達するが、平均水深は15mにすぎない。

潮の流れが緩いため、海底は細かい砂泥やヘドロが堆積し、ほとんどが砂泥底である。

湾口部の水質は悪くないが、湾奥部では排水による汚染が問題となっており、

1970年代から赤潮や貧酸素水塊が頻発するようになった。

沿岸地域の下水道の整備は始まったばかりで、環境改善が待たれる。

と書かれています。

 

本当に心配な大村湾です。

外海から大きく閉ざされたこの大村湾だからこそ、清流石木川の流れ込みが重要なのです。

石木ダムができると、新たに一日40,000トンの水が、佐世保に送水されます。

ということは、今まで大村湾に流れていた水が流れ込まなくなるということです。

その水量は、年間1,460万トンにもなります。

 

海の水の入れ替えも少なく、その上、川の水の流入まで減ってしまったら、

大村湾はどうなるのでしょう?

今でさえ瀕死の状態と言われているのに…

 

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