1世帯19万円の負担!

6月24日佐世保市議会本会議で、速見市議が石木ダムについて質問し、

水道局長が答えました。

その中のいくつかを順不同で紹介します。

 

市議:石木ダム建設に係る市の負担は、関連事業も含めると298億円にもなる。

    そのうち今後の負担はいくらで、それは1世帯あたりどのくらいの額になるのか?

局長:今年度以降支出する額としては約202億円で、1世帯あたり約19万円になる。

市議:市民の理解が得られると考えているのか?

局長:これまで市議会において予算決算の承認をいただいており、

    石木ダム建設促進決議も過去3回いただいていますし、

    また「石木ダム建設促進佐世保市民の会」の活動や、

    市民アンケートで毎年「水の安定供給」を要望する声が強いので、

    理解は得られるものと考えている。

 

水の安定供給=ダムではないでしょう?

ダムしか考えていない証拠!

議会が促進決議をしても、ヤラセ市民団体が要望しても、

私たち一般市民は、今後1世帯あたり19万円!もの負担があることなど

ぜ〜んぜん知らされてなかったんだから、

理解できるわけないでしょ!

 

市議:桟元市長の発言について、地権者や市民から再調査が求められているのに、
    未だ回答がないのはなぜか?

局長:客観的判断ができる新たな資料入手の可能性は低く、真相究明は非常に難しい

 

新たな資料を入手する努力はしたんですか?

どんな努力をしたのか、回答書で具体的に示してくださいね。

 

市議:SSKの修繕船の一日平均使用水量を実績最大332トンから4431トンと
    10倍以上にした根拠は?

局長:332トンというのは平均使用水量であり、水道事業者としては最大需要に対応する
    必要があるので、ピーク時に備え4400トンを見込んでいる。

市議:前回の再評価では平均値を使っていたではないか。なぜ今回は変えたのか?

局長:大口需要者であるSSKが経営方針の転換をされたことにより、実態調査を行い、
    その利用状況が詳細に分かったので、それに即して見直したものである。

 

ならば、そのSSKが、その経営計画を再び見直し下方修正したんだから、

水需要予測も再びやり直すべきでしょう?

佐世保市水道局の名誉にかけて、まっとうな予測を今度こそ出してみませんか〜 

 

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励まされた市民の声

 

長崎新聞6月22日の「声」の欄に掲載された、市民からの投稿です。

長崎市民でありながら佐世保の水需要の実績と予測についてよくご存知のようですし、

事業認定のこともしっかり把握しておられるようなので、

読後すぐは、石木ダムに反対している長崎の市民団体のメンバーの方かと思っていました。

が、そうではありませんでした。

 

普通の市民の方が、このような思いで、石木ダム問題を見守っていてくださることに、

大きな励ましと勇気をいただきました。

 

そして、その2日後、本明川ダムについて書かれたデスクノートにもです。

 

本当にダムで水を供給する必要があるのか?

これは、現在計画中の多くのダムに共通する疑問です。

人口がどんどん減っていくというのに、

現実には、給水量はどんどん減っているというのに、

自然破壊や巨額の財政負担を招いてまでダムが必要か?というのは、

ごく素直で当然の疑問ですよね〜 

 

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そうきたか・・・

6月20日、佐世保市議会本会議で、山下市議はいつもの如く石木ダムについて熱く鋭く質しました。

それに答える川久保水道局長も、いつもの如く冷静に、暖簾に腕押し、糠に釘の答弁です。

しかし、今日の答弁には唖然・・そうきたか・・という感じ。

こういう方が官僚として出世するんだろうな〜

 

市議: 今回の水需要予測について、毎日新聞には「極めつけの虚構」との見出しの記事が出た。

     それは全国125名からなる「科学者の会」が、こんなにひどい予測は全国にも例がない、

     特に5倍にも跳ね上がる工場用水の予測は「極めつけの虚構」と言って批判したからだ。

     そこまで言われて平気なのか?その「科学者の会」を名誉毀損で訴えるつもりはないのか?

     また、その先生方は互いの主張を公開の場で議論しようじゃないかと言っている。

     汚名返上するためにも公開討論を受けて立とうという気はないのか?

 

(名誉毀損?なーるほど。汚名返上の討論会?うまいな〜)

 

局長: その水需要予測を含め我々の主張は、事業認定の公聴会の場で述べたし、

     いま議員が言われた反対の立場の方も主張も述べられた。

     それらのことを含め、双方の意見を聞いた事業認定庁がこれから第三者機関である

     社会資本整備審議会にはかり、審議される。

     そこで水受給計画を含めた石木ダムの公益性が判断される。

     つまり手続きが進行中なので、今はその判断を待つべき時である。

 

(そう逃げるのか〜なるほどな〜)

 

市議: 長崎市は今回の再評価で必要な開発水量を7500トンから0にした。諫早市も半減した。

     佐世保市だけは相変わらず4万トンも新たに必要という根拠はどこにあるのか?

 

(さて、この現実について、どう説明するのかな?)と思っていたら…

 

局長: 今回長崎市は、前回の7500トンからゼロにしたが、認可水源に占める割合は4%。

     一方佐世保市は、平成19年度に既に6万トンから4万トンに修正しており、

     その減少分2万トンの認可水源に占める割合は15%である。

 

(えー!そうくるのー!そんなところから関連付けるのー?!)と、目がテンになってしまいました。

 

質問の意図は「今」です。

これから数年後の水需要予測をするのに、近年の実績を踏まえて他都市は減少に転じているのに、

なぜ佐世保市だけが増えるのか、しかも4万トンも!という質問なのに、

過去の経緯を持ち出して説明するなんて、すり替えもいいとこ!

 

しかも、6万トンから4万トンに修正したのは、19年じゃなくて16年です。

今から9年近く前の話。

しかも、その6万トンは、昭和50年に事業計画が認可された時の計画水量で、

当時の目的は針尾工業団地のための工業用水確保だったはず。

その工業団地の誘致に失敗し利水の必要性がなくなった時点でダム計画は撤回すべきだったのに

そのままずるずると引きずって・・

少なくとも必要水量6万トンは、とっくの昔に見直さなければならなかったはずなのに、

それがやっと平成16年になって4万トンに下方修正したというお粗末な話で、

しかも、2万トンくらいの減少じゃあ少なすぎたのに、認可水源割合が多いと胸を張るなんて・・・

 

水道局長にかかると、こんなにも上手くすり替えて、言い訳するんですね〜

そうそう、少し昔、「ああ言えば上祐」という言葉が流行りましたっけ。

ご存知ですか?

言い訳というか、ディベートが上手で、何を言っても言い返す上祐(じょうゆう)さんという人がいて、

「ああ言えばこう言う」を文字って「ああ言えば上祐」って言われていたこと、

思い出しました。

 

そう言えば、雰囲気が少し似ていらっしゃるような・・・

 

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ヨソクという名のサギ

長崎市の水需要減少によるダム計画からの撤退のニュースに接して、

あらためて佐世保市の水需要予測を点検してみて、気づいたことがあります。

 

今回の工場用水に関する予測がひどすぎることはすでに指摘してきましたが、

いまの率直な感想は「サギ(詐欺)だ〜」と言いたいです。 

 

なぜかと言うと、佐世保市が示した工場用水の需要予測はこうでした。

   2011年度実績=1890m3/日 → 2015年度予測=6604m3/日

わずか4年間で、3.5倍にも急増です。why?

それは、SSKが経営方針を変え、修繕船の売上を2倍に増やす計画があるので、修繕船を洗うための水の使用量が激増すると考えたのだそうです。その考えで予測した結果、

   SSKの2011年度実績=1166m3 → 2015年度予測=6604m3

なんと、5.7倍に水増し! 

売上が倍増すると、なぜ水の使用量が5倍以上になるのか???

呆れ返った『ダム検証のあり方を問う科学者の会』に「極めつけの虚構」と批判され、

予測をやり直すべきという意見書を提出されても知らん顔、

科学者の声に真摯に耳を傾けようとはしませんでした。

 

ところが数日前、SSK(佐世保重工業)の新中期経営計画とにらめっこしていたら、

その売上2倍という情報そのものが事実ではないことに気づきました。

SSKのこの資料をご覧下さい。

 

 

この円グラフに示された「艦艇・修繕船」の売上(赤い部分)は、

確かに13%(2011年度実績)から25%(2014年度)に倍増していますが、

これは売上の割合であり、売上額そのものではありません

売上高そのものは、 

 

 

661億円(2011年度実績)から、400億円(2014年度予測)に減少しているのです。

ということは、修繕船の売上そのものは

86億円(661億の13%)から100億円(400億の25%)、つまり、わずか1.16倍にしかならないのです。

2倍になるのは売上比率で、売上額は1.2倍にも満たないのに、

売上が2倍になるからドック入りする船の数も2倍になると説明し、

その結果、水の必要量は5倍以上になると予測!

これを詐欺と言わず、何と言えばいいのでしょう?

こんな予測を誰が信じるでしょう?

 

水道局長さん、市長さん、ホントにホンキで、こんな予測を出されたのですか? 

おそらく誰一人本気ではないでしょう。

 

なぜこんなデタラメな詐欺のような予測を平気で出せたのか…

それは、誰も責任を取らなくて済むからでしょう。

 

SSKのような一般企業は、そうではありません。

厳しく問われます。

自分の地位や将来がかかっています。

だから、わずか半年前の経営方針でもすぐに修正・撤回をするのです。

 

水道局長は数年で交代。

5年後の再評価の時期にはもういない。

次の局長が、「前回の予測と現在の実績は大きく乖離していますが、その理由は…」

と、リーマンショックや異常気象などのせいにしてきた先輩同様、言い訳すればいいのです。

 

誰も責任を問われず、誰も責任を取らない。

それがサギ同様のヨソクを許しているのだと思います。

そのヨソクに基づいてダムが造られ、自然も地権者の暮らしも破壊されたら… 

 

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たった5分で何が言える? 何がわかる?

 国土交通省九州地方整備局は15日、本明川ダムの検証結果(ダム案「有利」)について、

諫早市民に説明し、意見を聞きました。

5人の市民の意見は賛否が割れたようですが、驚いたのは、その時間です。

1人の発表時間をなんと、約5分に制限していた!そうです。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/369665

 

このニュースを見て、唖然としました。

5分で何が語れるでしょう?

なぜ反対なのか、なぜ賛成なのか、その理由がたった5分で言い尽くせますか?

九地整の方々は、たった5分の陳述を聴いて、その胸の内を理解できますか?

エリートであるお役人は、一を聞いて十を知る能力の持ち主だと自信をお持ちなのでしょうか?

 

何のための「説明会&意見を聴く会」だったのでしょう。

ただ形だけ。

アリバイ作りをしただけ。

本当に住民にわかってもらおう、理解してもらおう、なんてこれっぽっちも思っていない…

ってことがよくわかりました。

形だけを整えればそれでいい。

市民の思いなんてどうでもいい。

造ると決めたら造るんだ。

そうだったんですね、やっぱり…

 

八ツ場ダムについてこんな記事がありました(http://blogos.com/article/64312/)が、

納得です。

 

本来必要のないところに堤高131メートル、幅336メートルのコンクリートの壁がそびえ立ち、自然や遺跡など文化遺産も豊かな吾妻渓谷がダム湖の底に沈む時、総額で5000億円超の税金が浪費され、とてつもない生態系の破壊が起きる。しかし、それがわかっていても、八ッ場ダムの工事は今また再開されようとしている

しかし、それにしてもなぜ日本の公共事業は、その正当性や妥当性を失った後も、止まらないのだろうか。

国策だの国家意思だのと言われるが、それは一体誰が決めているものなのか。

ダムのような大規模公共事業の計画を立てるのは霞ヶ関の中央官僚だ。

彼らは霞ヶ関の役所の中で鉛筆を舐めながら、日本全体の水需要などを計算して、彼らなりに良かれと思った事業を提案する。そして国が持つあらゆる手段を使って、それを実現しようとする。

それを実現することが彼らの仕事であり、そしてまたそれが日本の国益に適っていると彼らは考える。

そして、国は政治学者ホッブスが怪物リバイアサンに喩えるほど強大な権力を持つ。

それが駆使されれば、どんなに地元の反対があろうが、どんなに馬鹿げた事業であろうが、最後は押し切られることは必至だ。そしてそれは誰にとっても不幸なことでもある。

 

(青字編集は私です)

 

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今こそ再評価!

今朝の長崎新聞です。

先日に続いて本明川ダムの規模縮小について、

今回はQ&A方式で、わかりやすく書かれています。

 

この中で、利水が撤退した理由は、

想定していた水の需要が見込めなくなったから、と伝えています。

 

そして、利水の見直しに至った背景について、

記者は「もともと過大だった感は否めない」と見ており、

なぜ今修正したのかについては、

「将来つじつまが合わなくなるのが目に見えていた」ので、

「今撤退しておくのがぎりぎりのタイミングだと判断したんじゃないかな」と推測しています。

 

同感です。

そして、それは、佐世保市にも当てはまることです。

  もともと水需要予測は過大だった。

  このままでは将来つじつまが合わなくなる。

しかし!佐世保市は今回も修正しなかった。

撤退するタイミングも逃してしまった。

 

なぜでしょう?

なぜ佐世保市は修正する勇気を持たないのでしょう?

 

今も将来も不要なものを莫大な費用をかけて造ることのツケは、

必ず市と市民に降りかかってくるのに・・

 

一般企業の場合は、予測の誤りに気づけばすぐに修正します。

SSKがそうです。

 

佐世保市は、今回の水需要予測で、工場用水を激増させました。

「科学者の会」からは「極めつけの虚構」とまで酷評されましたが、

その虚構をひねり出したのは、SSKの経営方針でした。

 

 

昨年10月にSSKが発表した「向こう3ヵ年の経営方針」では、

修繕船の売り上げを、13%から25%に倍増するということでした。

そこに水道局は目を付け、SSKの工場用水の需要を大幅にアップさせ、

工場用水全体を急増させたのですが、

ところが、そのSSKが、昨年度の予測は甘かった、そんなに売り上げは伸ばせそうもない

と、先月見直しをしたのです。

そして、5月17日「新中期経営計画」を発表しました。

 

ご覧下さい。

新たな計画では、修繕船の売上は、昨年度の23%から3年後には27%にする、

つまりわずか4%のアップということです。

 

今年1月、佐世保市が示したSSKの工場用水の予測では、

3年後にはなんと現状の5倍!にまで水増ししていました。。

 

SSKが売上の下方修正をしたのですから、

佐世保市も、その修正を受けて水需要予測を見直すべきではないでしょうか?

売り上げはわずか4%しか増えないのに、

水の使用量は5倍にもなるという予測を、まさかそのまま…ってことはありませんよね〜 

 

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本明川ダムから撤退 賢明な長崎市

6月1日の長崎新聞に大きく報道されたこのニュースが話題になっています。

 

本明川ダム(国営)計画に利水参画していた長崎県南部広域水道事業団が、撤退することになりました。

その理由は、

1.長崎市の新たな水需要予測によると、本明川ダムに水源を求める必要がなくなった

2.よって長崎市は、同事業団から撤退する

3.長崎市が撤退したら、ダム負担金以外の施設整備費の国庫補助がなくなる

4.そうなると水の供給単価が2倍以上に跳ね上がる

5.同事業団としては継続が難しくなったので解散することにした

ということのようです。

 

長崎市は、近年の水需要の減少を冷静に受け止めて将来を予測、

結果、5年前は、日量あと7,500m3必要だとしていた水が、今回はゼロになったのです。

 

長崎だけではありません。

諫早市も、5年前は9,600m3必要と言っていたが、今回は4,800m3に半減。

 

両市の水道局の予測が誠実におこなわれた結果でしょう。

そして、同企業団が解散すれば、時津町と長与町、諫早市の代替水源はどうなるのか、

それは、浄水方法の変更や、河川の水利権の増量などを検討したいとしています。

 

佐世保市水道局も、同じ県内の仲間を見習ってほしいものです。

水需要減少の現実をしっかり受け止めて、

無駄なダム建設から撤退する勇気を学ぶべきです。

そして、どうしてももう少し水源が必要というのなら、

ダム以外の代替水源を真剣に探すべきです。

 

昨日の毎日新聞によると、

長崎市が撤退を決めた理由を田上富久長崎市長は、

「生活様式の変化や節水意識の向上で1人当たりの生活用水が減少したことなどによる」

と説明したそうです。

私たちが公聴会で指摘したことと全く同じですね〜