強制収用の可能性発言についての申し入れ文書

                                             2013年9月20日

長崎県知事

中村 法道 様

石木川の清流を守り川棚川の治水を考える町民の会

石木川まもり隊

水問題を考える市民の会

石木川の清流とホタルを守る市民の会

 

              強制収用の可能性発言についての申し入れ

 

 国交省九州地方整備局は、9月6日土地収用法に基づいて石木ダム建設について事業

認定の告示を行いました。事業認定理由は、一方的に起業者の立場に立ち、まともな検証

なしに公益性・公共性を認めるという不当なものです。失われる利益には、若干の動植物、

環境があげてあるだけで、そこに生活している13世帯約60人の存在は全く無視されてい

ます。戦後のダム建設事業において、全く異例の「蛮行」が強行されようとすることは断じて

許すことはできません。

 この日の記者会見で、中村県知事は驚くべき発言をしました。

「強制収用は別途手続きが必要だが、しかるべき段階で決断を求められる」(9月7日長崎

新聞)「理解が得られない場合は(強制収用が)選択肢としてありうる」(9月7日西日本新

聞)という極めて重大な態度表明です。

 第一に、県知事のこの態度表明は、事実上の強制収用宣言に等しいものです。それは

50年間に及び揺るぎもせず確固とした反対の態度を貫いている地権者の理解が得られな

いことは明白だからです。

 第二に、中村県知事が県知事選挙での「強制収用はしない」という公約への違反になる

ことです。また、県議会など公の場で、この間言い続けてきた「強制収用はしない」という県

知事の言明にも真っ向から反します。事業認定申請の目的について「それは地権者との話

し合いを進めるためのもので、強制収用するためではない」と言って事業認定申請の撤回

を拒んできた経過からみても理解を得られるものではありません。

 県知事の「強制収用も選択肢としてありうる」とした県民を裏切る態度表明に怒りを込めて

抗議します。直ちにこれらの言明を撤回することを求めます。

 そして、公約の通り「強制収用は行わないこと」即ち「収用裁決申請は行わないこと」を表明

するよう求めます。

                                                     (以上)