裁判長、起きてください!

行政による横暴が実行に移される可能性があるとき、頼りとするのは司法。

今回石木ダム事業認定についても、それはおかしい、まちがっている、

と感じている人々は少なくない。

いずれ、事業認定の取り消し訴訟や執行停止訴訟が始まるでしょう。

 

でも、その司法の場は期待できるのでしょうか?

期待したいけれど、今日のこのブログを見たら・・・

10月9日「裁判長、起きてください!」です。

http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-a94e.html

 

政策エッセイストまさのあつこさんのブログ「晴れの日は楽しく、雨の日は静かに」に

掲載されていたおもしろい記事です。

クスッと笑い、その直後にため息のでるような内容でした。

 

「このデータは、控訴人にとっては、八ッ場ダムへの支出は違法である、ということを立証する一つの重要な根拠であり、それを3人の裁判官に示したことになる。

根拠は全部で34点にも及んだ。証人は、裁判長の顔を見上げて、弁護士の質問に答えながら一つひとつ丁寧に論証していった。

ところが、この論拠を審理する3人の裁判官のうち、真ん中の一番高いところに座っている裁判長が、寝ていたのである。

裁判長、起きてください!

傍聴人として、取材者として、そう言って起こすべきだっただろうか。」

 

「審理中に寝ていて、これが公正な裁判なんだろうか。

果たして、この人は、その判決文に自分の名前を記すことができるのだろうか。」

 

「この珍事をツイッターでつぶやいたら、連動させているFacebookから、「だから法廷は撮影禁止なのです。そう思います」とある弁護士から届いた。」

 

まさのさんの記事はいつもユーモアをもって書かれているけれど、

そこにある現実はかなり深刻です。  

 

稲刈りしていても・・・

川原に秋がきました。

コスモスが咲き乱れ

柿が色づき

稲刈りも真っ盛り・・・

 

川原の稲刈りの様子がユーチューブにアップされています。

 

この動画を撮影し投稿したのは、ほーちゃん。

石木ダム建設予定地に住んでいる若い女性です。

稲刈りをしている男性は、彼女のお父さん。

3日前の「報道センターNBC」でも、稲刈りをするお父さんの様子が放映されていました。

 

お父さんはその時こう語っていました。

  普段は平常心で働いているが、頭の隅には必ずダムのことがある

  そういう苦しみを早くなくしてもらいたい・・・

先日も「事業認定されたが、私たちは来年もここで稲を育てていく」と語っていました。

その微動だにしない信念も、苦しみとともにあるということを、あらためて思いました。

 

こんな住民の苦しみなど、何も感じないかのように、

県の担当者はインタビューに答えて、こう語っていました。

  県内35ダムのうち、7ダムが事業認定の告示を得ましたが、

  そのすべてが、強制収用せずに、すべて話し合いで解決されています。

だから、川原の住人も、そのうちギブアップするに違いないと、高をくくっているようです。

 

何事にも例外はあるってことに思い至らないのでしょうか。

かつては「1億円出すから売ってくれ」と言われていたとか・・

そんな甘い誘惑にも耳を貸さずに意思を貫いてきた人々だってことを知らないのでしょうか。。

 

石木ダムは長崎県にとって、初めてのケースになるでしょう。

事業認定の告示までいったのに、収用裁決申請が出せず、中止に至る初めてのダムか、

強制収用まで突き進んで、日本中から非難を浴びて撤退せざるを得なくなる初めてのダムか。

・・・いずれにしても、石木ダムは完成しないダムです。 

 

事業認定の取り消しを求めて

10月4日長崎新聞の一面に掲載された記事です。

およそ一ヶ月前の9月6日、石木ダムの事業認定が告示されました。

それを伝える新聞テレビの報道を見た人はどう思ったでしょうか?

先日、「石木川まもり隊」の活動を応援してくださっている「パタゴニア」に行ったとき、

店員さんが話してくれました。

 

このブースで石木川の写真などを見た長崎からのお客さんがおっしゃってました。

「ああ、いいとこだよね。でも、もうダムができるって決まったんでしょ?」って。

事業認定って、そういうことなんですか?と。

 

そうかー。誰でもそう思うよねー。

でも、この石木ダム建設予定地に住む地権者の皆さんは、全く諦めていないんですよ。

その証拠が、この記事です。

反対地権者13世帯全員がこの認定処分を不服として、審査請求書を提出する予定です。

個人的にすでに提出した方もいます。

 

また、地権者だけではありません。

地権者を支援する一般県民、国民も、誰でも請求できます。

詳細はこちらです。

http://suigenren.jp/news/2013/09/30/4915/

 

昔はお上のやることはまちがってない、逆らえない、と思わされてきました。

でも、お上もかなり間違っていた、

その最たるものが、あの戦争(第二次世界大戦・太平洋戦争)であり、

原発だったと思います。

もちろん、それ以外にもイサカンだの水俣病だの、たくさんの過ちを重ねてきた。。

私たちは、そんな過ちをしっかり見つめて、それを司法の場で正してもらうべきだと思います。

行政の過ちを行政自身が糾すことはほとんど有り得ないので、

それを司法の場に持ち込むのは、私たち国民の権利であり義務です。

 

事業認定がなされても、それは石木ダム問題の終わりではなく、始まりなのです。

本当の闘いはこれから・・・。