山形県の小国川漁協組合長 沼沢勝善さんの訃報は、
私たちに大きな衝撃を与えました。
ダム建設に反対の声を上げ続けた方の無念の死です。
昨日告別式が執り行われたそうです。
「最上小国川の清流を守る会」共同代表による弔辞がご自身のブログに掲載されていました。
一部ご紹介させていただきます。
今日も小国川は、流れています。
清らかな、川が流れています。
アユ、サクラマス、イワナ、ヤマメ、ハナカジカ、が数多く泳ぎ、
そして夏は、子ども達がザッコしめする。
釣り人が全国から訪れる豊かな川が、今日も流れています。
それは、貴方が信念と行動をもって守り続けてきた小国川です。
流域小委員会は10人の委員会、9名のダム推進論者に囲まれた中で一人、
沼沢さんだけが、小国川や赤倉温泉で起きている真実を語り、
ダムによらない治水を訴えておられました。
昨年末山形県と水産行政が、漁業権の剥奪を楯にしダム建設を強要するという
法的にも不当といえる脅しをかけてきました。
権力の巨大な圧力からどうしたら小国川を守り、組合員の方々を守れるのか。
毎日毎日ずっと、懸命に全身全霊で考え続けておられました。
そして、ついに貴方を死に追いこんでいった。
この政治や行政の病理、理不尽に、私達は、憤りをもたずにはいられません。
貴方は出席した「協議会」の中で、漁協の代表としてこう述べています。
改めて噛みしめたいと思います
最上小国川は、ダムのない川であるが故に、
ことさら「清流小国川」として広く知れ渡り、
最上町と舟形町のかけがえのない観光資源であり、
流域の人々に計り知れない多くの恵みをもたらしていることは
誰もが認めることであります。
小国川漁業協同組合は、川に生息している魚族の生態系を守る事
及び繁殖保護に努めることを使命として、永年努力しております。
ダムが造られれば、これまでの自然環境に変化を及ぼし、
特に河川の生態系に悪影響が及ぶことを回避することはできません。
生息している魚族の生態系を守り、これらの増殖保護を行いながら
良好な漁場を維持していくことを使命とし、豊かな自然環境を後世に
引き継ぐため努力している私共小国川漁業協同組合は、
ダム建設を看過することはできないのです。
小国川に育っている魚種は、質、量とも一級品として多くの人々から
認められ、自然豊かな素晴らしい川として羨望され、
たくさんの釣り人が訪れるのです。
恵まれた自然環境は、人の手によって造られたものではありません。
多くの豊かな漁場があり、「清流小国川」として広く世間に認められ
ている大きな観光資源を未来に引き継ぐためにも、
最上小国川の治水対策はダムに依らない対策を要望します。
全身全霊で語られた、その言葉を私達は絶対に忘れません。
沼沢勝善さんのご冥福を心からお祈りいたします。