対話の必要性を説く長崎新聞

今日の長崎新聞には、石木ダムに関して2つの記事がありました。

どちらも大きな扱いです。

 

まず初めは、一面のコラム「水や空」

知事が地権者と会って話し合うことの重要性を示唆しつつ、

その会合が「帳面消し」などでは何の前進も得られないだろうと書かれている。

と同時に、その面談申し入れの経緯もチラリと触れられていて興味深い。

知事が本当に「胸中静かに期するもの」があって、面談の決意をしたのなら、

「ダム事業へのご協力をお願い」などと条件をつけずに、

ただ「会って話し合いましょう」と書くべきだった・・・

その文書は河川課長名で出されているので、条件は課長の意思かもしれないが、

河川官僚などに遠慮せず、地権者とじっくり話し合ってほしい。

 

こちらは、11ページの3分の2のスペースを割いての「記者の目」

イサカン問題と石木ダム問題に対する県の対応について、正論を吐いている。

イサカンに関しては、「開門調査は白紙に戻して撤回すべし」と国に迫り、

石木ダムに関しては、「ダムの必要性を白紙に戻しての議論はできない」と地権者を一蹴する。

どちらも国によって判断されたのに、全く正反対の態度を取っている矛盾をまず指摘。

 

その上で、いやいや、矛盾どころか実は一貫している。

県として決めたことは誰が何と言ってもやり抜くんだという姿勢、

聴く耳持たぬと言う態度は一貫している。

でも、それでは何も解決しない。

県はもう少し懐の深さを持って、地権者と対話すべきだと説いている。

 

そして、これまで同様‶先送り”するだけでは「問題に振り回される住民があまりにも不幸だ」

と書かれていました。

本当にその通りだと思います。

県はそろそろ本気になってほしい。

本気で石木ダム建設を考えているのなら、本気で地権者の疑問に答えるべきです。

第三者の判断だとか、国のお墨付きだとか、責任転嫁したまま強制収用への道を突き進むなら、

イサカンの失敗を再現するだけ。

それでは、住民だけでなく県民もあまりにも不幸です。

 

知事が面談申し入れ

知事がやっと地権者との話し合いに応じた!
との情報に一度は喜んだのですが、よくよく聞いてみると、その話し合いの中身は、
「ダム事業への協力へのお願い」
これでは、地権者は応じられません。
 
 
石木ダム 建設反対の地権者に知事が合同面談申し入れ

 東彼杵郡川棚町に計画されている石木ダムをめぐり、中村知事は、きょう建設に反対する地権者に、合同面談を申し入れました。 ただし、これはダム事業への協力を求めるものだとしています。

 中村知事は、石木ダム建設予定地である川原地区で、建設に反対する13世帯の地権者との合同の話し合いの場を来月1日に設けたいと、弁護士を通じて申し入れたと発表しました。 面談の内容について、県は「ダム事業への協力のお願いと話し合いの機会」としています。 この面談は地権者側が求めていた説明会とは別としていて、後日開かれる予定の説明会には、知事は出席せず、前回と同様、土木部長が出席するということです。 これに対し地権者側は、「公開質問状の回答の説明なら受けるが、ダム建設への協力を求める話し合いには、応じられない」としています。 地権者側の弁護士は面談に応じるか検討するとしています。

 

県はなぜ、このような態度を取り続けるのでしょうか?

ダム建設をお願いしたい気持ちはわかります。

しかし、その前に、まず相手の話を聞き、それに答え、その後お願いするのが、

お願いする者としての筋道ではないでしょうか?

一方的にお願いを押し付けるのは「お願い」ではなく、お願いという名の「強制」でしかありません。

 

権力者としての上から目線ではなく、お願いする者として立場をわきまえた行動をしてほしいものです。

また、地権者はお願いされる者として、上から目線で言っているのでは決してありません。

地権者は対等な話し合いを求めているのです。

住民と行政、双方が対等な立場で川棚川の治水対策を議論しよう、ダムが必要なのか考えよう、

と言っているのです。

確かに形の上では以前それらしき意見交換もやりましたが、あくまでも手続きを踏んだだけ。

理解が得られるような話し合いにはなっていませんでした。

法的な手続きさえ踏めば、後はどうにでもなると考えていたのでしょうが、

それは住民の思いを無視するやり方です。

立場の違う者同士が理解し合うためには、やはり話し合うことしかないのです。

その一番大事なことを、これ以上避けるのは、もうやめてほしい。

一日も早く、本当の「話し合い」のテーブルにつくべきです。

 

 

地権者との集団面談に知事応じる意向

25日の定例記者会見で、石木ダムについて知事はこのように語りました。

やっと、地権者と向かい合って話す機会が得られそうです。

ただ、その時期については、どうもあやふやです。

「できるだけ早い時期に」と言いながら、

「どういう形でお願いしたらいいのか検討してみたいと思っております」と言う。

いや、地権者の方から何度も「〇月〇日に川原公民館にお越し下さい」とお願いしてるのですから、

「うん、わかった」と言えばいいだけの話だと思うのですが…

記者会見の全文(石木ダムに関するところだけ)を貼付します。

 

○記者(NHK) 石木ダムの関係なんですが、先週、地権者の方に県の方から説明会というのがありました。その場で改めて地権者の方から、知事ご本人との面会といいますか、話し合いを改めて強く要望していましたが、それについての知事のお考えを聞かせてください。

○知事 もともとは昨年末に公開質問状という形で個別の質問項目をお示しいただいて、それに対する説明の場を持たせていただいているわけでありますが、ご質問の内容が非常に技術的、実務的な内容のご質問をいただいているわけであります。したがって、現段階では、その分野の専門家である土木部長をはじめ土木部の方で対応をさせていただいているところであります。
 ただ、ご承知のとおり、石木ダム事業というのは、昨年9月に事業認定がなされ、裁決申請まで残された期間もあまりございません。私どもは、最後の最後まで任意交渉によって解決を目指していかなければならないと思っており、13世帯の地権者の皆様方と改めて話し合いをさせていただくような機会がいただけないのか、できる限り検討をしているところであります。

○記者(NHK) 地権者側は、たしか今週をめどにみたいなお話もあったと思いますが、いつぐらいまでに検討結果というのは決められるおつもりでしょうか。

○知事 それはご質問をいただく内容次第だと思います。お尋ねいただいた項目については、今のダムの設計に当たっての基本的な考え方や、数値等についてのお尋ねがほとんどだと思います。それについては、その都度、できるだけ早くお返しし、説明させていただくことになると思います。
 ただ、そうは言いながらも、先ほど申し上げたように期限のある話ですので、そういった手続も、残された期間がなくなりつつあります。よって、もう一度、地権者の皆様方と話し合いをさせていただけないかということを、今模索しているところです。

○記者(NBC) 関連して、今言われたところですが、専門的な部分の質問とかというところに対して、土木部長とか専門の方が行かれてお答えするというのはあると思うんですが。何と言いましょうか、これまでの経緯というものもあって、やはり知事と直接話をしたいと地元の反対の方が言われているわけですから、やっぱり知事が直接行かないと、なかなか問題が解決しないんじゃないか、話が先に進まないんじゃないかと思っているんですが、そこについて、知事、いかがでしょうか。

○知事 今、ご要請をいただいているのは、先ほど申し上げたとおり公開質問状から始まった一連の具体的な、実務的な内容についてのご質疑をいただいている状況です。そこで私が出かけていって細かく説明をさせていただくということが必要であれば、それはそういう場も考えないといけないと思います。ただ、話を聞きますと、やはり技術の専門家として対応をしなければいけない分野がほとんどであるという状況ですので、今申し上げたような形で対応させていただいております。

 しかし、もっと大きな話、これまでの経過ですとか、具体的な考え方であるとか、そういった部分についても含めて、しっかり県の考え方なりご説明させていただき、お話をお聞きいただくような機会がいただけるのであれば、それは私も積極的に出かけていきたいと思います。

○記者(NBC) 先ほどの(石木ダム事業の)続きで。必要があれば現地に行かれると、それは収用委員会に諮る前にということでよろしいんですかね。

○知事 できるだけ早い時期にそうした機会をいただけないかと考えておりますので、これから、どういう形でお願いしたらいいのか検討してみたいと思っております。

○記者(長崎新聞社) 今のお話は、集団で会うというお話ですか。これまで個別に会うと言われていることから変わりますよね。

○知事 これまでは、個別にお会いして、さまざまな生活再建等含めて相談をさせていただく機会をいただきたいと申し上げてきたんですが、なかなか応じていただけるような状況ではありませんので、そこは13世帯の地権者の皆様方が一緒だというお話であれば、そういった点も含めて考えて検討していかなければならないと思っています。

○記者(長崎新聞社) 皆さん集まった場に、知事が行かれるご意向もあるということでいいんですね。

○知事 (うなずく)

 

石木ダム説明会 ダムなしで洪水防げる

今日の西日本の記事のタイトルにご注目!

昨日の説明会の核心を捉えていますね〜

 

こちらは、朝日新聞の記事です。

浅野部長の言葉がきちんと紹介されています。

 

こちらは長崎新聞の記事。

 

宮崎記者は、この日だけでなく、前日にも石木ダムをめぐる記事を大きく掲載しています。

知事との「面談実現が焦点」と指摘。

知事もそろそろご決断を・・・!

 

NHK

石木ダム 県が地権者に説明

石木ダム 県が地権者に説明

長崎県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダムをめぐり、建設に反対する地権者側の要請を受けて、長崎県は21日、現地で説明会を開きましたが、大きな進展はなく、地権者側は改めて知事本人の説明や新たなデータの提供を県側に求めました。
石木ダムをめぐっては、国が去年9月、地権者から土地を強制的に収容することが可能となる「事業認定」を行い、建設に反対する地権者との対立が深まっています。
21日は地権者側の要請に応じて、長崎県が現地で説明会を開き、はじめに浅野和広土木部長が「これまでの県の説明では十分ではなかった部分もあり、改めて説明をしたうえで、意見交換をしたい」と述べました。
説明会では、地権者側の弁護団がこれまでの河川改修によって、洪水被害は、ダムがなくてもある程度防げるのではないかとただし、県側は、河川改修が完全に終われば理論上は対応できることを認めました。
一方で、県側は、100年に1度の水害を想定するとダムが必要になると説明し、これに対し、弁護団からはそうした予測の根拠となる具体的なデータなどの提供を求めました。
また、地権者側は改めて知事本人の出席を求め、県側は、検討したうえで回答する考えを示しました。
06月21日 20時15分

 

NBC 06月22日
石木ダム 住民説明会

県と佐世保市が東彼・川棚町に計画している石木ダム事業で県は、21日、事業に反対している地権者らに説明会を開きました。石木ダム事業をめぐっては県が強制的に土地を収用できる事業認定を受けたことから地権者は反発を強めています。これまで、地権者らはダムの必要性を中村知事、自らが説明するよう求めてきましたが内容が専門的であるとして土木部長らが地元へ出向き説明会を開きました。この中で、地権者らはこれまでに行われた河川改修によって治水目的のダムがなくても川棚川流域で過去に起きた4度の大きな洪水被害は防げるのではないかと指摘ー。県も、これを認めました。また、ダムの必要性の根拠となるデータなどを開示して説明するよう要請しました。地権者らは改めて知事との面会を求めており県の回答期限を来週いっぱいとしています。
 
 
KTN
石木ダム・4年ぶりに現地で県と地権者面会
 

県と佐世保市が東彼・川棚町に計画している石木ダム建設について、県はきのう現地で地権者に対する説明会を開きました。説明会は、きのう石木ダム建設予定地である川原地区で行われ県の担当者が地権者と意見交換を行いました。説明会では県の浅野土木部長などが治水面でのダムの必要性を強調したのに対し地権者側からは県の根拠を質す声が上がりました。過去の洪水被害により川棚川は改修などが進められていて、県側は過去と同程度の降雨ならば水害は防げると答えたものの、100年に一度の災害への備えを理由にダムの必要性を繰り返しました。地権者側は改めて治水の根拠となるデータを開示するよう求めるとともに知事出席の下で説明会を開くよう要請しました。

 

県説明会 in こうばる  

やっと県の方から川原へ説明に来てくれました!

石木ダム計画について、地権者の疑問に答えるために。 

土木部長に河川課長、河川課企画監、石木ダム建設事務所長など勢ぞろいです。

でも、大事な方が欠けています。

この事業の最高責任者である県知事です。

知事は、「地権者の皆様とお会いして話がしたい」と何度も言ってきた。

地権者も知事に是非おいでくださいと弁護士を通じて要望した。何度も。

でも、今日もやってこなかった。

冒頭そのことについての抗議と「次回は必ずおいでいただきたい」と要請した後、本題に入っていきました。

 

今回は県からの説明資料が用意されていました。

やっと前向きに説明する気になってくださったようです。

昨年度までは、「事業認定でダムの必要性が認められたんだから、今さら説明をする必要はない」

「石木ダム必要性の理由は認定庁の資料を見て下さい。県からは何も答えられない」

と門前払いを繰り返していたのに・・

大きな変化です。

やはり、土木部長というトップが代わったおかげでしょうか?

だとしたら、今回の人事異動は石木ダム問題にとって大きなプラスとなるでしょう。

この大事な局面において、話し合いのできる環境は何より大事です。

話し合うことによってのみ双方に理解が芽生え、打開の道が生まれるのですから。

 

で、今回いくつかお答え頂いた中で、とても重要なことがわかりました。

下の表をご覧ください。

これは過去の水害の被害状況を示した表ですが、

平成2年の洪水以後、川棚川の河川改修をおこなった結果、流下能力が増えたので、

いま仮に平成2年7月2日と同じ雨が降っても、洪水の心配はない

とのこと。素晴らしい!

でも、これは過去2番目に大きな洪水でしたから、1番大きい昭和23年の雨ではどうなの?

との質問に、「大丈夫とは言えない」という返事。なぜ?

この時の流量が山道橋付近で1000〜1100m3/sだった。

現在の流下能力は1000m3/sなので、100m3ほど足りない。

でも、あと100m3くらいじゃない?足りない分の改修工事はしないの?時間かかるの?

と弁護団。

  いえ、たいしてかかりません。

でもやる気はないんでしょ?と地権者。

  やります。計画してます。

それはいつ?

いえ、具体的な時期はまだ・・・

とのことでした。

 

つまり、石木ダムがなくても、過去の洪水には耐えられるのだそうです。

過去川棚町に大きな被害をもたらした時と同じ規模の大雨が降っても、

あと少し残っている河川改修を済ませれば、大丈夫ということ。

それなら、莫大な時間もお金もかかる石木ダム建設は必要ありませんよね〜?

 

いえ、過去の洪水には耐えられても、それだけでは不十分です。

100年に1回の洪水に耐え得るような河川整備計画を策定しており、

その場合石木ダム無しだと1400m3/sとなり・・・

 

その100年に1回ってのがおかしい。納得できません。

上流域では30年に1回の洪水を想定した対策で良しとしているのに、

石木川合流地点より以下では100年に1回の洪水を想定してするなんて・・・

同じ一本の川なのに!

やはりどう考えても、石木ダムを造りたいための数字合わせにしか思えません。             

  

日弁連のニュースに石木ダム!

日弁連公害・環境委員会のニュースに、石木ダムについての記事を執筆しました。

とのメールをもらって、早速その記事にアクセスしました。

こちらです。

http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/committee/list/data/enviroment/news_57.pdf

このニュースの正式名称は「日弁連公害対策・環境保全委員会ニュース」というようです。

その57号の5ページに、その記事はありました。

ご本人の許可を頂きましたので全文掲載させて頂きます。

 

 

長崎県に対し石木ダム事業の中止を求めていきます

              東京弁護士会 西島 和

 2013年12月19日、日弁連は「長崎県が計画中の石木
(いしき)ダム事業は、治水・利水の必要性に乏しく、
環境影響について適切な配慮がなされていない上、住民
との覚書による合意に反するもので、そのまま事業を継
続することは容認できないものであるから、中止すべき
である」とする「石木ダム事業の中止を求める意見書」
を公表し、長崎県へ提出しました。
1 ダム検証有識者会議による異例の要請
 「計画ができてから延々時間を要して、進んでいない。
平成28年完成というが、実現性はあるのか」「地権者
(土地所有者など)の協力の見通しはどうなのか」。ダ
ム事業検証にかかわる国の有識者会議における審議の際、
鈴木雅一委員はこのように述べ、石木ダムは事業継続の
要件をみたさないのではないかと指摘しました。有識者
会議は、事業継続は妥当としたものの、「事業に関して
様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得ら
れるよう努力することを希望する」との異例の要請を付
しました。当委員会はこれに着目し、「地域の方々の理
解」が得られる見通しはあるのか、現地を視察すること
にしました。
2 予定地・川原(こうばる)視察とヒアリング
 2013年2月、当委員会の委員と長崎県弁護士会の環境
委員が、ダム予定地の川原(こうばる)地区を視察しま
した。川原の風景は、石木川の流れる山あいに棚田が折
り重なって続く、のどかで美しい風景です。川原公民館
に、地権者13世帯の人たちが集まってくれました。地権
者らは口々に、先祖から受け継いできた農地、ふるさと
への愛着と、長崎県や利水事業者である佐世保市に対す
る不信を語られ、「これ以上いじめないでほしい」「早く
ダム(建設に脅かされる生活)から解放してほしい」と
訴えられました。その中で、県と地元住民が「地元の同
意なくダム建設をすすめない」という「覚書」を交わし
ていたことがわかりました。地権者らの不信感は、県が
この覚書を守らないということも影響しているようでし
た。
 同年7月には、ダムによって水害防止の恩恵を受ける
とされる川棚川下流住民の聞き取りをしましたが、聞き
取りをした範囲では、「ダムがなければ水害が防止でき
ない」と考える住民はいませんでした。また、長崎県・
佐世保市水道局にもヒアリングを行いましたが、ダムが
必要であることの十分な根拠は示されませんでした。
3 意見書の内容
 意見書では、ダムの目的とされている①佐世保市の水
道用水の確保(利水)、②川棚川の氾濫による水害の防
止(治水)、について、予測される人口減少や、節水
型機器の普及等で生活様式が変化したことにより、利水
の必要性は乏しくなっていること等、川棚川流域の水
害防止という目的を達成する方法として石木ダム建設は
適切でないこと等を指摘し、さらに、ダム建設による環
境影響への適切な配慮がなされていないことを指摘しま
した。
 また、長崎県は、1972年、予定地の地質調査をするた
めに「県が調査の結果、建設の必要が生じたときは、改
めて地元3部落と協議の上、書面による同意を受けた
後、着手するものとする」という内容の覚書を地元住民
とかわしています。意見書では、長崎県が「同意」を得
ないままダム建設へ向けた手続を進めることは契約違反
にあたり、地権者らに有形無形の苦痛を与えるもので、
行政への信頼性を損なうこと等を指摘しました。
4 意見書実現へ向けて
 長崎県は、地元13世帯の家や土地をとりあげる「収
用」に必要な「事業認定」を2013年9月に得ています。
今年3月にはダムの付け替え道路建設のための入札を実
施しました。ダム建設が強行されようとしています。
 2014年4月21日の朝には、中村法道(なかむら・ほう
どう)長崎県知事が突然、川原地区の地権者13世帯を戸
別訪問しました。予告なしの訪問に地権者らは「ダムは
絶対に造らせない」「死んでも立ち退かない」などと反
発し、地元の報道機関は「県は地権者との交渉を続ける
一方、着々と関連工事の準備を進めていて、両者の溝は
いっそう深まっています」(KTNテレビ長崎)などと県
の行為を批判的に報じました。中村知事は、報道機関の
取材に「(地権者の)ご理解を得たい」と話しましたが、
ダムが必要だとする根拠を示さず、契約に違反して権力
的な「収用」の手続を進める相手から「ご理解を」とい
われて理解できる人がいるでしょうか。
 長崎県が必要性の乏しいダムを中止し、川原の人たち
が平穏な生活を取り戻され、川原の豊かな自然環境がま
もられるよう、意見書の実現を求めていきます。

 

ここに書かれているように、日弁連の調査団の先生方がお見えになったのは昨年の2月のことでした。https://ishikigawa.jp/blog/cat16/653/

でも、その後どうなったのか、な〜んにもわからなかったので、

私たちもす〜っかり忘れていたら、12月19日、突如、長崎県と佐世保市に意見書提出!

とのニュースが舞い込んできて、みーんな驚くやら喜ぶやら・・

 

ちょうどこのころは、石木ダム対策弁護団が結成されたばかりでしたし、

弁護士の先生方って、やっぱり頼りになるな〜、正義の味方だな〜って感じで感動!

 

あれからまたまた月日が経って、約半年。

その意見書も忘れかかっていたところへニュースのお知らせでした〜

 

天災は忘れた頃にやってくる・・

日弁連も忘れた頃にやってくる・・

ただし、こちらは元気を連れてやってくる・・

 

県 事前協議拒否 なぜ?

5月19日の長崎県との面談を踏まえて、地権者を含む5団体と弁護団は、

やはりどうしても知事と会って直接話をしたいとの文書を5月23日に県に提出しました。

6月6日、回答が長崎県土木部河川課長から届きました。その内容は、

もう十分に話し合ったし、説明もしたけれど、あらためて説明を求められたので、

説明の場を設けるとして、日時と場所が提案されていました。

しかしそれは、たった1時間の設定

「やればいいんでしょ」という県の思いが見え見えです。

そして、説明は知事ではなく土木部がおこなうと書かれていました。

 

そこで弁護団は重ねて知事に来て頂きたいことを記し、

説明会の具体的な持ち方について事前協議の申し入れ をおこないました。

 

それに対する回答が今日示されました。

まだ回答書は入手していませんが、長崎新聞によると、

説明会については「土木部長をはじめ河川課長が出席し説明させていただく」

内容については「河川管理者として治水面についての説明を予定している」として、

事前協議を開く必要はないとの考えを示したそうです。

 

なぜ土木部はこれほど知事を私たちから遠ざけるのか?

なぜ事前協議さえ拒むのか?

 

自信がないから?としか私には思えません。

知事が話し合いに応じたら、反対派の正論に負けてしまう。

国交省からやってきた「有能な官僚」なら、どんな正論もはぐらかす術を身につけている。

事前協議などしたら話し合いの時間を引き延ばしてくるだろうし、

他にもどんな注文をつけられるかわからない。

とにかく逃げるが勝ち!とでも思っているのでしょうか?

 

一度決まったことはやり抜くだけ。

敷かれたレールの上をただ走るだけ。

公共事業の意味も、目的も、一度決まったら決して省みない。考えない。

社会がどんなに変化しようと、県民がどんなに損をしようと、

先輩から引き継いだ任務を全うし、次の人に手渡すだけ。

何も考えてはいけない。立ち止まってはいけない。

県民の声を聴いてはいけない。

住民の思いを受け止めてはいけない。

 

と、目や耳を必死に塞いでいるようにみえます。

それでいいのですか?

土木部長さん、河川課長さん、河川課職員の皆さん、

本当にそれでいいのですか?

                

 

小国川漁協、最上小国川ダムを容認

6月8日、山形県の小国川漁協は総代会を開き、最上小国川ダムについて話し合いました。

 

アユ釣りのメッカ?最上小国川に治水目的の穴開きダムの建設が決まったのは2006年。

しかし漁協はダムができれば清流が失われアユの生育に打撃を与えるとして、反対してきました。

その先頭に立っていた組合長の沼沢氏が、心労のため命を絶ったのは4ヶ月前のことです。

新しい組合長高橋光明氏は、あらためて組合員の意思を確かめることにしました。

 

約3時間半にわたる議論の末、ダム建設を容認するかどうかの無記名投票を実施。

結果は、賛成57票、反対46票で、賛成票が過半数を占めました。

 

高橋組合長は10日県庁で吉村知事と会談し、ダム建設を容認すること、

しかし、漁業権の補償については同意を得ていない、まだ時間がかかることを伝え、

知事も「それまでは本体工事は進められない」との認識を示したそうです。

 

執行部は、なぜ総代会の受け入れ決議に漁業権の変更について触れなかったのか?

それは、漁業権に触れていた場合、特別決議になり、3分の2以上の賛成が必要になるから。

漁協の定款は「漁業権またはこれに関する物件の設定、得喪または変更」について、

総代会の3分の2以上の賛成を求める「特別決議」が必要だと規定しています。

今回賛成派が上回っていたとはいえ、3分の2にはほど遠い差だったので、

漁業権に触れれば、ダム建設そのものも認められないことになるとわかっていたからでしょうか?

 

でも、ダム建設を認めることは漁業権とも繋がっているので、別問題ではないと思うのですが。

今後、県が詳しい補償案を漁協に示した後、漁協は再び総代会か組合員総会を開き決議するらしい。

稚アユ中間育成施設の老朽化や井戸水の枯渇の問題に直面している漁協は、

それらの対策を早急にやってほしいと訴えているようです。

 

結局は県と漁協の利害の一致をはかるのでしょうか。

目先の利害の。。。

漁師や、趣味の釣り人など、漁協組合員にとって本当の利益とは、いったい何?

最上小国川が清流であり続け、アユがたくさん元気に棲み続けることではないでしょうか。

 

こうばるホタル祭り 2014

今年も大賑わい!

いえいえ、ここ数年ぶりの大賑わい!大盛況の「こうばるホタル祭り」でした〜

 

いつものように、朝からお手伝いのため公民館へ行くと、

おばあちゃんたちが隅っこで、茹でて刻んだヨモギを細かくほぐしていました。

これをもち米と一緒に捏ねて、ヨモギ餅を作ります。

お餅の準備はこちら。

男性陣がもち米を炊いています。

この日は男も女も、大人も子どもも老人も、川原の住民総出で準備をします。

川原公民館は、この日、戦場のような調理室と化すのです。

奥の方では、つきたてのお餅を丸めるおばちゃんたちがいて、

外では、J子さんが、一人黙々とホタル団子の皮を捏ねていました。

早朝のバスに乗って手伝いに来てくれたパタゴニア福岡スタッフの I さんも、

材料の下ごしらえや、できた惣菜のパック詰めを手伝ってくれました。

 

午後6時ホタル祭りのスタートです!

今年のライブ会場は、この大きなテントの中。

トップバッターの和太鼓「壱鼓」に続き、サンシンを弾きながら歌っているのは、

佐賀県から来てくれたマンディななこさん。

素晴らしい歌声に、み〜んなうっとり!

 

こちら、「石木川まもり隊」のブースでは、

強制収用反対の署名活動や、ニュースレター「滴」を紹介したり…

物販コーナーでは、ブックレット、「ダムのツボ」、うちわ、缶バッジ、ポストカード等々、

たくさん展示しましたが、やはりTシャツの売れ行きがダントツでした。

そして、Facebook「石木川まもり隊」に「いいね!」してくださった方には、

ステッカーをプレゼントさせていただきました。

マンディななこさんも「いいね!」してくださいましたよ〜

 

ライブ会場では、長崎の「うたごえ」の皆さんによる「会場の皆さん一緒に歌う会」で盛り上がり、

ここ川原(こうばる)のことを歌った歌「川原のうた」は、初めと終わりと2回も演奏して下さいました。

また、祭り会場には一見不似合なピアノの生演奏もあり、静かな癒しのひと時も味わうことができました。

 

そうこうする内に外はだんだん暗くなり、人の数もますます増えてきました。

こちらでは、おこわ、山菜のお煮しめ、しし肉の佃煮、ホタル団子、お餅、

そして石木川の水で育った「こうばるのお米」を買う人たちでごった返してました。

「干しまむし」がアクセサリー?!ではなく、

イノシシの牙を使ったアクセサリーと、

干しマムシは薬用?健康増進のため?でしょうか?

 

ヤキソバや鶏の手羽先、とうもろこしには長蛇の列ができていました。

 

お腹がいっぱいになった子どもたちは、金魚すくいに興じ…

おや?地元のSさんは、女の子に囲まれて何をしてるのかな〜

と覗いてみたら、「ほたるかご」の作り方を教えていました。

男の子たちも真剣に挑戦しています。

 

ステージでは、再び「和太鼓衆 壱鼓」の皆さんが熱演です。

 

8時半、ステージ終了。

お客さんたちは三々五々、石木川に沿ってホタル見物。

私たちも後片付けをしてブースを撤去し、やっと9時40分頃川べりに向かいましたが…

ホタルさんたちも、もうお休みの時間のようで…

乱舞とはいきませんでしたが、

でも、ソロダンサー数匹による優雅な舞を見せてもらいました。

少数精鋭、川原の住民のような力強い舞でした。。

来年もまた会いましょう〜