8月26日、長崎県立大学(佐世保校)において戸田清教授による「環境社会学」の集中講義があり、今年も石木ダム問題を取り上げてくださいました。
資料の一つとして、昨年の「石木ダム全国集会」における、ほーちゃんの紙芝居と嶋津氏講演の録画(ユーチューブ)http://www.youtube.com/watch?v=ZWEqY5n1voMが使われました。
それを観た学生さんたちの感想を、少しだけご紹介します。
ダムの建設は莫大なコストがかかる、生態系が破壊されるといった問題があり、デメリットのほうが多いのではないかと思う。住民の意見は行政に反映されないような仕組みがあるので、改善されなければいけないと思った。
地元住民(佐世保市民の間違い)も57%が建設に反対しているにもかかわらず、行政が「市民の願い」というように掲げているのには驚きました。また、ダム建設のために水需要の架空予測や保有水源の過小評価をするなど、市民に誤った知識を植え付けており、ダムが建設されればその費用を負担することになる市民の正しい情報を知る権利を侵害していると感じました。
ビデオに出てくる紙芝居が家にあり、読んだことがありました。読んだときは、石木ダム反対についての一方的な意見だなと感じましたが、今回の授業で内容を理解することができました。
石木ダムの建設が考えられ始めてから50年も経過していることに非常に驚いた。石木ダムの話は何度も聞いたことがあったが、こんなにも石木ダムを作ることによって悪影響があるとは知らなかった。市民は石木ダムの建設に半数以上が反対しているのに、行政はそれを無視し、市民の税金を使って様々な取組みを行っていることに腹が立った。地域を活性化させるには、ダム建設以外にできることがあるのではないだろうか。
伝えることの難しさ、大切さをあらためて感じます。
「紙芝居が家にあり読んだことがあった」けど、その時は「一方的な意見だと感じた」という。
嶋津氏の講演とセットで観ると、客観的・科学的根拠が示され納得できたのでしょう。
「石木ダムの話は何度も聞いたことがあった」が、その実態については「知らなかった」という。
学生さんだけでなく多くの人が、きっとそう・・・。
テレビや新聞で報じても、自分とは関わりのないことだと思っている限り、その情報は右から左に通り過ぎるだけ。
でも、学ぼうという意思を持って観ると、そこに理解や疑問が生まれるのでしょう。
環境社会学という、これからの日本をつくっていく上で大事な学問を学んでいる若者たちに、身近な事例として石木ダム問題を提示してくださっている戸田教授に心から拍手を送りたい…