欠陥ダムの代表格?底抜けの大蘇ダム

熊本県産山村にあるヒゴタイ公園でヒゴタイを堪能した帰り、

友人の案内で寄り道したヒゴタイ大橋。

ん?川の色が草と同じ緑色!

もしや、川ではなくダム湖?

橋を中ほどまで進んで下を見ると・・・

 

やっぱり、遠くにそれらしきものが・・

ダムでした。

地図を見て確認。

これがあの悪名高き大蘇ダム!

当初事業費は130億円の見込みだったのに、595億円に大幅増加!

2005年3月に堤体が完成して試験湛水を行なったところ、貯水池の土壌に浸水が確認され計画延期。

2009年度からは、一部で農業用水の利用が開始されているが、計画の半分程度。

農林水産省は、2010年度から漏水対策を行っており、その事業費約8億4千万円は全額国費。

2013年度からの総事業費126億円は、国が7割を負担し、

残る3割を大分県、熊本県、竹田市、阿蘇市が受益面積に応じて負担することとされているらしい。

 

「ダイヤモンド オンライン」に詳しい解説記事が出ていました。

たいへん参考になる記事です。抜粋して転載させていただきます。

 

誰も責任をとらず、湯水のように注がれる修復費用
“底抜け”大蘇ダムに振り回される住民たちの失意

http://diamond.jp/articles/-/21290

 日本は世界に冠たるダム大国で、建設の実績と技術力の高さで他国を圧倒している。しかし、その一方でとんでもない欠陥ダムを生み出していた。代表事例が、水の貯まらない底抜けダムだ。ダム湖の底やのり面から水が漏れ出し、計画通りに貯水できないという欠陥品である。

  熊本県の大蘇ダムと北海道の東郷ダムが、その「底抜けダム」である。いずれも農水省が農業用ダムとして建設したもので、完成後に水漏れが発覚し、水利用ができずにいる。

 九州農政局は当初、水を待ち望む受益農家らに対し、この重大事実を明らかにしなかった。黙ったまま伏せていたのである。しかし、土地改良区の関係者が試験湛水のデータなどが示されないことなどに不審を抱き、水漏れの事実を突き止めた。こうして水漏れダムの存在が初めて、表面化した。

 大蘇ダムは阿蘇カルデラの北東斜面に造られた。周辺一帯はいわゆる火山灰地である。地盤が悪く、地元の人たちは当初から「水を貯めるのは難しいのではないか」と、語り合っていた。そもそもダムを造るような場所ではないと心配していたのである。

 大蘇ダムの事業着手は1979年で、当初の計画では事業費は約130億円と見積もられていた。それが約700億円にまで膨れ上がり、その上、実際に水を利用できるまで40年以上も待たされることになる。民間企業でこんな仕事をしていたら、間違いなく懲戒解雇ものだ。というより、会社そのものが存続し得ないはずだ。しかし、日本の役所の世界は極めて異質なところである。「水漏れ欠陥ダム」を造った責任を農水省の誰かがとったという話は、聞こえてこない。

 欠陥ダムの建設に関わったお役人が誰1人、責任を取らぬまま、血税が投じられるのはどう考えてもおかしい。納税者として到底、納得できない話である。