裁決申請決定に対する抗議声明

県の暴挙に対して、私たちは抗議声明を発表することにしました。
先ほど佐世保市政記者クラブにFAXしたところです。
荒削りでやや感情的かもしれませんが、今の気持ちを率直に記しました。

 

                          

       石木ダム問題での裁決申請決定に抗議する

 

中村法道長崎県知事は、石木ダム建設反対地権者のうち4世帯の所有地について

権利取得と明渡しの裁決を申請する方針を決定しました。これは強制収用に直結

するものです。

私たちは、今回の決定方針に強く抗議します。同時にただちに決定方針を撤回す

ることを求めます。これほどの暴挙は、近年の行政史上でも類を見ないものです。

 

第一に、建設に反対する地権者を半世紀以上に亘って苦しめ続けてきたうえに、

その基本的人権、財産と居住の自由を奪い取るというものです。

 

第二に、先に石木ダム建設ありきで、そのためには、ありとあらゆるごまかしを

駆使して、ダムの必要性を説明してきました。

 

第三に、そもそも「強制収用はしない」というのが最初の県知事選挙での公約で

した。これほどの明白な県民への裏切りはありません。県知事失格です。

 

第四に、その知事が決定した権利取得・明渡し裁決申請が、いったいどんな重大

な事態を招くことになるのか、「その覚悟」が問われます。「現に生活している

住民を権力の力で追い出してまで」家・土地を奪ってのダム建設など、戦後日本

の行政史上、かつてなかった暴挙です。このことによってもたらされる「対立と

混乱」の責任はすべて県知事が負うべきです。

 

第五に、石木ダム建設の治水目的も利水目的もその根拠は全く失われています。

無駄な公共事業そのものです。被害は基本的人権と財産を奪われる反対地権者

だけではありません。無駄な税金投入は、福祉や暮らしをよくするための、本来

得られるべき財源が奪われる県民もまた被害者です。

 

私たちは、前近代的で人権を無視した強制収用への道、県の収用裁決申請決定の

方針に強く抗議します。

同時にただちに決定方針を撤回することを求めるものです。

                                                                    

裁決申請へ 決定!

速報!

ついに決定。県は自ら泥沼へ足を踏み入れてしまいました。

NHKニュースから転載させて頂きます。

 

石木ダム 強制収用の手続きへ

石木ダム 強制収用の手続きへ

長崎県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダムをめぐり、中村知事は、建設に反対している地権者の土地を強制的に収用できる「裁決申請」という手続きを行うことを決めました。
石木ダムを巡っては、一部の地権者との用地交渉が難航していて、去年9月、国は土地収用法に基づいて事業に公益性があるかを検証し、地権者に土地の明け渡しを求め、強制的に収用することが可能となる「事業認定」を行いました。
「事業認定」の有効期限が、9月8日に迫る中、中村知事は26日午前、対応について佐世保市の朝長市長や川棚町の山口町長と話し合い、土地収用法に基づいて強制的に土地の明け渡しなどを求めるための「裁決申請」の手続きを行うことを決めました。
これを受けて、県の「収用委員会」では今後、中立的な立場で県側と地権者側、双方から意見を聞くなどして土地の補償額や明け渡しの時期などを決めることになります。
記者会見した中村知事は、「話し合いによる解決に向けて努力してきたが、期限までに解決するのは困難でやむを得ず裁決申請をするしかないと判断した」と説明しました。
一方、裁決申請を行ったあとも、引き続き強制的な方法によらない土地の取得に向けて、地権者との交渉を続けたい考えを強調しました。
建設計画が決定されてから、およそ40年を迎え、難航してきた石木ダムの建設は大きな転機を迎えることになります。

08月26日 13時13分