インフラマネジメントの観点から 石木ダムは必要か? 

今日は佐世保市議会一般質問を傍聴。

目的は、山下市議の石木ダムのための収用裁決申請を撤回せよとの議論を聴くためでした。

昨日の家庭訪問で得た川原の人々の思いとその言葉が、しっかり、切々と伝えられ、

議場はしんとして、議員も行政側も傍聴席も誰もが聴き入っているように感じました。

それでも市長の答えは相変わらず「二度と市民に渇水の苦しみを与えたくない」から、

水道局長は「水の安定供給が我々の使命」だから、石木ダムは必要であり、

「最後まで話し合いによる解決を望む」と答えていましたが、

その空疎な答弁に満足した人はおそらく誰もいないでしょう。

 

山下議員の持ち時間が終わり帰るつもりでしたが、予定表を見ると、次の質問者は永田議員でインフラマネジメントについて質問するらしい、これは、もしや石木ダムにも関係するかも…と思い、そのまま傍聴。

やや聞き取りづらいところもありましたが、とても重要なやりとりが展開されましたので、要点をメモしておきます。

 

まず初めに、8月17日付の朝日新聞記事の紹介。

上水道ピンチ かさむ施設の改修、料金アップ次々

http://digital.asahi.com/articles/ASG8C3FZTG8CUTNB007.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG8C3FZTG8CUTNB007

インフラマネジメントは今後の財政に大きく影響するものであり、しっかりとした調査分析が必要なことを述べ、取り組みの現状をまず質しました。

まず、財務部長より、全庁的な取り組み状況が説明され、続いて水道局長が答弁。

水道局長:本市の場合、他都市と比べて老朽化が進んでいる。計画的な維持管理は重要課題である。今年度中に施設台帳の整備を完了し、来年度は施設再構築基本計画に着手し29年度までに完了、30年度からの運用を目指している。

永田議員:既存のインフラの維持費用のめどがたっていない段階で、新たなインフラ整備をおこなうことについては、慎重にすべきではないか。

財務部長:人口減少、財源減少の中での新規インフラは、真に必要なものに集中しておこなうべきと考えている。

永田議員:石木ダムについてはどうか?3月議会で水道料金への影響について質問したら、石木ダム関連で1世帯当たり4000円増との説明があった。老朽化対策などただでさえ負担増の要因がある中で、さらに負担を増やすダム建設が本当に適切なのか、今後の負担額を市民にきちんと示した上で議論すべきではないか。

水道局長:安定供給確保が最大の課題であり、老朽化対策など必要な事業は確実に行っていくが、その中でコスト削減に努めるのでご理解頂きたい。

永田議員:安定供給確保が必要ということは共有されている、そのための方策としてダムを造ると決めた、しかし今インフラの維持経費が大きく膨らむことがわかってきた。この新たな要素を精査して市民に提示し、今のままの方針でいいのかと問うべきではないか。

 

最初の山下議員の心に訴える質問の後、永田議員の頭に訴えるシビアな質問を受け、

水道局長はかなり苦しい答弁に終始していました。

今日のやりとりを多くの佐世保市民が見ていてくれたらな〜