生まれ育ったふる里がダムの湖底に沈められるかもしれない…
いまだふる里に住む親せきや友人たちは、理を尽くし、体を張って抵抗しているが、
何が何でもダムを造りたい県は、「土地収用法」という法律を錦の御旗として、
力づくで土地を奪い取ろうとしている。
県への怒りとふる里へのあふれる想いを歌った短歌を紹介します。
作者は元こうばる住民で、今は県内の他所に住んでいる男性です。
「収用法」
「収用法」 お上の都合に あはせし法 幾百年の 里死守すべし
ダムつくる 白紙撤回 対峙すも 里の山畑 人は揺るがず
百年に 一度あるか無しの 水難の 責負うことの 摩訶不思議なり
耐へに耐へ 県の口説きを 凌ぎきぬ ただ此処に住む 何処がいけない
金で釣る 金で面張る 金せびる 「ダム協力金」の 税虚しかり
あまた有る 金食ひ虫の ダム事業 利権の温床 手離す勿れと
家の鍵 掛けることなき 習はしの 廃れゆくなり ダムのこと故
石木ダム 蟻地獄のごと 待ちまちて Uターンできぬは 面子なる由
法に悖り 理に悖り 情にも悖る 石木ダム 即時中止をすべし
「収用法」 悪法のなかの 極めつき 理に適はざる 時の切り札