ついに強制収用の手続きに踏み出した長崎県。
もはや地権者だけの問題ではない。
川棚町民や佐世保市民だけの問題であってはいけない。
県の事業なのだから、県民の多額の税金が投入される事業なのだから、
県民自信が関心を持って考えるべきこと。
でも、多くの県民は「よくわからな〜い」というのが実情。
で、少しでもわかるために、まずは話を聞いてみましょう。様々な立場の人に。
そういう意図なのかどうかはわかりませんが、石木ダム問題について、
西日本新聞が連載を始めました。とても読み応えがあります。
何回まで続くのか不明ですが、とりあえず、18日〜20日までの3回分をまとめて転載します。
今年度から県土木部長に就任された浅野氏の話には、正直がっかりです。
いつも柔らかな言動で、これまでの官僚的、上から目線の部長さんとは違う、話し合える方のように感じていました。
というのも、昨年から何度か公開質問状を出しましたが、今年3月までは企画監が対応するだけ。
しかも、質問に答える必要はないというのが彼の答えでした。
それは企画監の答えというより、それは河川課長の答えであり、土木部長の答えだったはず。
ところが、5月以降、話し合いがもたれるようになり、そこには必ず新土木部長の姿がありました。
だから、私たちは、浅野部長は地権者の理解を得るためには、ちゃんと話し合いをしなければならないことを理解している人なのだと思っていました。
地権者の疑念を払拭するための説明責任を自覚している人だと感じていました。
しかし、このインタビューに答えている浅野部長はまるで違います。
これが部長の本音だったのでしょうか。
「ダムの必要性については、われわれは前から説明して来ている」
「理解が得られていないのは、見解の相違と言わざるを得ない」
その見解の相違を解決するべく、私たちは「県の主張のここが納得できない。県がそう判断する根拠を示してください」と具体的に質問するのですが、県はその根拠を示す具体的な資料やデータは示さず、同じ説明を繰り返すばかりです。
それでは見解の相違が縮まるはずはありません。
その努力をせずして「ご協力いただくしかない」と結んでいるのは、これから話し合いを続けても、それは形だけのものですよということなのでしょうか。
結局、県自身は石木ダム計画を精査する意思はさらさらなく、ただ「理解せよ、協力せよ」と押し付けるだけ。浅野部長も、その方針に沿って仕事する官僚に過ぎないということなのでしょう。残念です。
川原で暮らす地権者の思いを実にしっかりまとめてあります。
石丸さんが日頃おっしゃっていることが、そのまま文字化されている。
石木ダムのことを何も知らない読者でも、3回ほど読んでくださったら、きっと、その本質が伝わってくると思う・・・そんな記事でした。
推進派の会長さんの話は、私には初耳でした。
予備調査を始めたころの長老たちの条件闘争、強制測量を県に促しておきながら「知らなかった」とコメントした当時の川棚町長の嘘などバラしています。
反対同盟13世帯との昔の思い出や記念写真を大切に持っていることを語るなど・・・
フェアないい人!と思いながら読み進みました。
ところが、ところが、最後に来て、「十分な損失補償金が出るうちに、理解してほしい」「建設できなければ・・・町も大損する」ときた。
うーん、残念!
こりゃダメだ。
ここの違いなんですよね。13世帯はお金ではない。お金を求めてはいない。お金では動かない。本当の豊かさを求めているのだけれど、それが、この方には理解できていないようです。
明日は誰が登場するのか、識者とはどなた?
楽しみです。