今日も9時半ちょうど、県の職員と測量業者らがやってきて、地権者と押し問答。
マイクが向けられている辺りが最前線です。
地権者の皆さんによる手作りのプラカードの間から、かろうじてダム事務所長の顔が見えます。
所長は今日も「調査をさせてください」とお願いするばかり。
昨日、地権者の皆さんはきっぱり拒否したはず。
それでも、「対象地権者5世帯6人全員の意思は直接聞いていない。意思を確認したい」と言われ、
では、「立ち入り調査を拒否する旨の文書を用意しよう。それを出せば、もう来ないか?」と尋ね、
「約束する」とのやり取りが昨日あったので、地権者側は、その文書を用意して待っていました。
しかし、その約束をした次長さんは姿を見せず、所長は、明日も明後日もお願いに来ると言うので、
文書も渡しませんでした。
地権者の皆さんは意外と怒らなかったので不思議に思って訊いてみると、
「いつものこと。県の話はあてにならん。いつも私たちは騙されてばかりだから信用しとらん」
「まあ、約束した次長も帰ってから所内で大変やったろうし、所長も本庁からいろいろ言われて、来ざるを得んとやろう〜」
と、悟りの心境?
県が帰った後は、早くもお昼の用意が始まりました。
向こうで、りねん君が何やら木の枝と格闘していると思ったら・・・
かまどに薪をくべているおじさんのところに、木の枝を届けてくれました。
そっかー、燃料調達に頑張っていたんだね〜
偉いなー!
火の周りで皆さんとおしゃべり。
笑って、笑って、体はぽかぽか。そのうち、いい匂いが・・
しし鍋です。
ここで採れた野菜と、この山でしとめたイノシシを使って、お味噌だけは市販品でしたが、
美味しい美味しいしし汁のできあがり。
昨日は午前中にもう1回県がやってきたので待っていましたが、全く来る気配もなく、
皆いい匂いに我慢できず、お昼前に、もう食べることにしました!
おにぎりや、漬物、酢の物、しし肉の佃煮も用意され、みな大満足!
空気の美味しい里山で、あったかくて美味しいものを頬張ると、誰もが笑顔。身も心もほかほか…
しかし、これで終わりではなく、
午後になると、また1時半頃、御一行様がやってきて、午前と同じやりとりを繰り返しました。
本当に時間とお金の無駄。
そのお金は私たちの税金なのに・・
「調査をやらないと皆さんの財産が低く査定されて、皆さんの不利益になるんですよ」
わかってないな〜
地権者は売らないと言ってるんだから、高い低いは関係ない。
いくらであろうが、この土地を手放すこと自体が不利益なんですから。
そこがどうしてわからないかな〜
すぐそばの団結小屋の立て看板を見よ!
真ん中の小さな看板には、こう書かれています。
権力や金の力では 人の心は買えない
千万億万積まれても 嫌いは嫌い
好きは好き
いいですねー
わかりやすくて。
川原の地権者の皆さんは、自然豊かな環境で、田畑を耕して収穫の喜びを味わう生活が好きなのです。
いくらお金をもらっても、自然の乏しい環境で生きがいのない生活は嫌いなのです。
手前に見える茶色の小さなものは、木枝ではなくオイモ!
香ばしくて甘くて、久しぶりに焼き芋の美味しさを堪能!
西海市、福岡県の中間市、熊本県の玉名市、遠くから応援に駆けつけてくださった皆様、
本当にありがとうございました!
貴重な時間とお金を費やして来てくださったことに対し、私は感謝することしかできませんが、
地権者の皆さんの気持ちは、しし鍋とおにぎりと焼き芋がしっかり伝えてくれたことでしょう。