「川原のいま」中

昨日に続き「川原のいま」です。

2回目の今日は、先日の県公共事業評価監視委員会にフォーカスし、

県・佐世保市と地権者の主張の違いが整理されています。

 

治水面については、

県と市:100年に1度の大雨の時、川棚川の氾濫を防ぐには石木川にダムを造るしかない。

    他の代替案(遊水地案・放水路案・河道掘削案など)よりコスト的に有利。

地権者:100年に1度の大雨の時の推定流量が過大。

    代替案としては堤防の嵩上げの方がはるかに経済的。

 

利水面については、

県と市:今後の水需要の増加と不安定水源解消のために石木ダムは是非とも必要。

地権者:水需要の予測は過大で、建設のための数字合わせ。水は足りている。

 

というように、県市と地権者の間には見解の大きな隔たりがあります。

そして、

公共事業評価監視委員会:住民の理解を得て進めるべき。

弁護団:大型公共事業は行政ではなく住民が決めるべき。

などの意見も紹介しつつ、結局は、

「推進」「反対」双方が原点に返って、話し合いのテーブルに着くことが求められている。

と結ばれています。

 

その通り!

地権者の皆さんは、いつでも椅子を用意して待っていますよ〜 

 

 

毎日新聞「川原のいま」

毎日新聞にこんな特集記事がありました。

「川原のいま」石木ダム建設

とありますので、連載記事のようですね。

今日はラッピングバスに焦点を当て、「川原のいま」というより、

「佐世保市のいま」(石木ダムに対する佐世保市民の意識の現状)を伝えています。

 

ダム推進派の「水不足の抜本的解消のためには是非とも必要」という意識と、

ダム反対派の「水は足りているし環境破壊を引き起こすので不要」という意識の対峙。

でも、現実は、市民がそれほど対立しているわけではない。

市民の多くは無関心。

推進派の車体広告費は全額市が出したもの。

だから、この対立は、行政(佐世保市)と石木ダムに関心のある市民の間にあるもの。

そして、どちらにも共通しているのは、

「市民の皆さん、石木ダムにもっと関心を持って!石木ダムは私たちの問題ですよ」という想い。

もっと自由に、もっと気軽に「石木ダム、どう思う?」と気軽に語り合えれば、

こんなにお金をかけて広告を出す必要もないんですけどね〜

 

新聞各紙の声の欄で見られるのは、いつも反対派の意見ばかりです。

今日の長崎新聞「みんなのひろば」にも、こんな投稿が寄せられていました。

 

同感です。

佐世保市は市民団体の名を借りて、石木ダム建設を推進したりしないで、

その必要性を正々堂々と市民に向かって説明して下さい。

 

再評価の必要はない?

昨日の佐世保市長定例記者会見の内容が今日の新聞に掲載されています。

やはり、お忙しい市長さんは勘違いしておられるようです。

「大きく社会情勢が変化しておらず必要はない」というお考え、これは勘違いでしょ?

県の公共事業評価監視委員会資料p3には、

今回の再評価の理由として「社会経済情勢の変化(工期変更)」と明記されています。

つまり今回6年も工期を延長するということ自体が情勢の変化なのです。

だから県は委員会を開いて治水について議論し現地調査もやったのです。

中村知事も定例記者会見で、

「ダム事業の工期を見直すために公共事業評価監視委員会の評価を頂く必要があり」

とおっしゃっていましたよ。

朝長市長は昨日「県と歩調を合わせながらやっていく」と明言なさったのですから、

是非とも県に倣って、利水について再評価をやって頂かねばなりません。

 

一方、谷本水道局長は、水需要予測は長期的なものであり、

「一年一年数字が違うからと言って再評価するのはいかがなものか」とおっしゃっていますが、

こちらは無責任極まりないご発言です。

水需要予測というのは、水道料金収入の予測にも繋がり、水道局の経営に関わることです。

一般企業なら、こんな無責任な社長は即刻退陣を迫られるでしょう。

 

ここ数年水需要が上がったり下がったり不安定な状況なら、私たちも様子を見ます。

しかし、現状はそうではありません。

平成18年度以降毎年減り続けています。

当局が予測を出した平成24年度時点でも、過去10年間で一日最大給水量は2万㌧も減少してました。

約10万㌧が8万㌧になったのですから2割の現象です。

にもかかわらず、予測は急増でした。

信じられない予測でした。

案の定、その後の実績とのズレが大きいので、私たちは問題にしているのです。

 

一般企業なら、売上が2割も減少している、それも毎年減少を続けているとなれば大問題です。

しかし、佐世保市水道局は心配もせず、

「大丈夫、そのうち増加するだろう。毎年実績値と比較したりしなくともよい」

「予測が外れていたからと言って再評価するのはいかがなものか」とおっしゃる。

 

水道局長さんのこの「鷹揚さ」は、どこからくるのでしょう?

料金収入が減っても水道局が潰れるわけじゃなし、値上げすれば済むこと。

前回再評価の目標年度に達した頃は、私はもう別のポストに変わっているから関係ないし…

ということ?

だとすれば、私たち市民はもちろん、佐世保市水道局の職員の皆さんにとっても悲劇です。

 

市長さん、水道局長さん、

勘違いに気づき、「鷹揚さ」を改め、

より良い水道行政のために、佐世保市民のために、石木ダム再評価は必ずおこなってください!

 

近々私たちへの回答が文書で送られてくるとのこと。

文書はお待ちしていますが、

文書だけでなく、直接ご説明頂くことを私たちは要求しています。

文書の意味を私たちが誤解するといけませんので…

そちらの方も是非叶えて頂けますよう、よろしくお願いいたします。

 

他紙の記事も追加します。

 

説明は済んだ?

昨日の長崎新聞「記者の目」を紹介します。

記者の目に映った県公共事業評価監視委員会は検討が不十分だった。

利水面を含め議論が徹底されていないから。

県と佐世保市はさらに説明責任を果たすべきだ

佐世保市の水需要予測は妥当なのか。反対地権者のみならず、疑問に思う人も多いだろう。

「県と佐世保市には、第三者の専門家を交えた公開の検証を実施してほしい」として、

利水予測 公開の検証を」とのタイトルが付けられています。

 

これはまさに石木ダム問題を注視する多くの県民の要望であり、多くの佐世保市民の願いです。

ところが、今日の定例記者会見で、朝長市長は「説明は済んだ」と一蹴しました。

 

NHK NEWSWEB 2015年(平成27年)8月28日[金曜日
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5033903821.html

石木ダム”説明は済んだ”

佐世保市の朝長則男市長は反対運動が続く石木ダムの建設計画について、「ダムの必要性について説明は済んでいると思う」と述べ、住民に対して理解を求める段階はすでに終わったという認識を示しました。
これは28日、佐世保市役所で開かれた定例の記者会見で朝長市長が記者からの質問に答えたものです。
この中で朝長市長は石木ダム建設用地の強制的な収用をめぐり、およそ5500平方メートルの土地の所有権を移転する手続きが終わったことについて、「今後も法律に定められたルールにのっとって県と歩調を合わせながらやっていく」と述べました。
また朝長市長は、「市長になってから毎月現地に赴いて説明させてほしいと言ってきたが、なかなか応じてもらえなかった。ダムの必要性について説明は済んでいると思う。今後は法律の手続きの中で解決していくことになる」とも述べ、住民に対して直接、理解を求める段階は終わったという考えを示しました。

 

「ダムの必要性について説明は済んでいると思う」

全然済んでいません!

評価監視委員会の委員の先生方も済んでいないと言ってたじゃないですか。

新聞記者さんだって、さらに説明責任を果たすべきだと書かれてるじゃないですか。

勝手に終わらせないでください。

 

「法律に定められたルールにのっとって県と歩調を合わせながらやっていく」

それはいいことです!

ぜひ県と歩調を合わせて、工期変更に伴う石木ダム事業の再評価を実施してください。

 

「市長になってから毎月現地に赴いて説明させてほしいと言ってきたが、

 なかなか応じてもらえなかった」

ごまかさないでください!

市長が説明しようとしたのは土地の補償交渉であって、石木ダムの必要性の話ではありません。

ダムの必要性に関わる説明をしに来たのは昨年7月11日。たった1回だけでしたよね。

 

「住民に対して直接、理解を求める段階は終わった」

とんでもない!

これから住民の理解を得ながら進める、というのが事業継続の条件ですよ。

力尽くで強行するとの意思表示だとしたら、まるで封建時代の悪代官のよう・・・

佐世保のイメージ丸つぶれ。

全国市町村中第6位の人口流出がますます増え、出生率はますます低下するでしょう〜 

 

 

県よりも酷い佐世保市

今回は治水の面での評価ということだが、
 
 公共事業というのは波及的な影響を及ぼすものである。
 
 治水の安全面だけでなく利水や環境の面からも、
 
 いろいろ天秤にかけながら総合的に判断することが重要で、
 
 そういった場をぜひ持っていただきたい。
 
 また県民から出された疑問に対しては、説明責任を果たす努力をしていただきたい

 

この言葉は、公共事業評価監視委員会の中で委員の1人が示した意見です。

まさに正論だと思います。

しかし、「土建屋行政」と称される、公共工事大好き長崎県政においては

正論無視の現状があります。

ここ1年以上、県は石木ダムについて県民の疑問に答えることを拒否してきました。

「事業認定という国の判断がでているから」と、説明責任を放棄しています。

 

そして、その上をいくのが佐世保市です。

佐世保市は説明責任どころか、回答責任さえも拒否しています。

私たち佐世保市の2団体が、石木ダムの再評価を求めて申し入れを行ったのは21日でした。
https://ishikigawa.jp/blog/cat09/1014/

その時、担当部局である水道局からは誰一人出席が無く、

対応した総務部長では何を尋ねても当然ながら「わかりません」なので、

私たちは水道局の方と直接会って話したい、

その日時や場所は水道局の都合で決めて頂いていいので、お知らせください。

その場を持てないと言うなら、その理由は何なのかを含めて連絡頂けるよう伝えてください。

と、お願いしていました。

 

ですが、今日まで何も連絡はありません。

申し入れ時に同席して下さった市議の方には昨日朝、当局の職員が説明に来たそうです。

市議が「その答えを申し入れた市民団体に直接伝えるべき」と返すと、

「そうします」ではなく「持ち帰って相談します」だったそうです。

 

そして今朝、市議が「どうなりましたか?」と電話すると・・・

水道局:申入書の中身は要望であり、要望についてその都度回答する必要はない

 市議:市民の要望に対し、それに応えられなくても、
    出来ないとか今はわからないとか、返事をするのは当然ではないか

水道局:相談してまた連絡する

こんなやりとりだったそうです。

 

市民の要望に応える必要はない?

それが佐世保市政の本音ですか?

市の政策は、役人の役人による役人のためのものであれば良いと?

 

要望に応えられるかどうか、現時点での見通しも答えない、

要望に応えられない、あるいは応える気が無いなら無いと、それさえも答えない、

すべて無視

市民無視でかまわないと、それが佐世保市の方針ですか?

それではあまりにも酷い。

県よりも酷い。

 

役人って何ですか?

皆さんの給与の財源は何ですか?

「公僕」という言葉は死語ですか?

「公務員」の英訳は civil(public) servant(official) ですよね?

servant の意味はご存知ですよね?

水道局の皆さんのお給料は税金ではありませんが、

やはり市民が支払った水道料金から賄われているのですよね。

 

市民を見下し無視するのは止めて頂きたい。

 

石木ダム用地 初の強制収用

今日の長崎新聞です。

一面トップの記事が石木ダムです。

長崎県民にとって、このこと(石木ダムのための強制収用)がどんなに重大な問題であるか、

この記事の位置が教えてくれています。

なぜそんなに重要なのか。

石木ダム事業が事業採択されて以来、初めての強制収用だから。

40年かかっても説得できず、力ずくでおこなう土地の収用だから。

そんなの自分には関係ない、と思う県民も少なくないのでしょうが…

 

こちらは社会面です。

県は、国による事業認定の”お墨付き”を盾に今回の強制収用を正当化しているが、反対地権者との話し合いに向けた努力を怠る中でこうした強権的な手法を用いることは、いくら理論武装したところで「下策」と言えよう。

強制しないと造れないのは「失政」を認めているようなものだ。

と報道部記者は解説しています。

そして地権者は、「小屋に立てこもってでも明渡しには応じない」と怒りを込めて断言しました。

 

もし自分が地権者の立場だったら…

もし権力者のやりたい放題の県政になったら…

想像してみてほしい。 

 

権力って強かね・・・

今日の新聞は、全紙が石木ダムについて大きく報道。

8月24日、土地の最初の明渡し期限を迎えた地権者の思いと、

同じ日に開かれた県公共事業評価監視委員会の評価結果と、

2つのテーマを伝えていました。

 

いつも元気な声で、威勢のいい話し方をするサカエさんですが、

「権力って強かね・・・」と言って震えたという。。。

                                長崎新聞 2015.8.25

継続は認めるが、地権者の理解が得られる話し合いの場を持つべき!

今日、石木ダムに関する3回目の公共事業評価監視委員会が開かれました。

今回も私たちは事前に、委員の皆さんに2つの資料送付し、審議の様子を傍聴席で見守りました。

 

今日は委員長を含め6人の出席でしたが、質問したのは委員長も含め2人だけ。

最も多くの質問をしたのは前回同様委員長でした。

委員長も、もう1人の委員も、大学院の工学研究科の先生方です。

そのような方々にしか理解できないような専門的な説明を専門外の委員にするのですから、

この種の委員会が形骸化しがちなのは無理もないような気がします。

実際、私自身も企画監の説明がわからず、メモをする手が止まることもしばしば・・・。

メモを見ながら質問のハイライトをまとめると、

 

委員長:現地調査の際に地権者の方から提示された堤防高と計画高水位のグラフを見ると、すでにほとんどの部分で現況堤防高が計画堤防高を上回っているようだが・・
 
企画監:確かに堤防高で見ていけばデコボコのグラフになって計画高を超えるところもあるが、我々はあくまでもハイウォーターで管理するので・・
 
(ハイウォーターで管理する?その意味を考えているうちに説明は終わっていた*_*;)
 
 
委員A:石木川の治水計画を1/100(100年に1回の大洪水に耐え得る計画)に設定する理由は?
 
企画監:石木川の場合は越水した場合に・・
 
(傍聴席から「石木川は過去に1度も氾濫したことはなかよ」などの声があちこちからあがり、説明が聞こえませんでした。実際、私も理解できません。石木川と合流地点より上流の川棚川の治水計画は1/30で、それは下流域よりも川のそばに住宅などが少なく被害が少ないからと説明していたのに、そこよりもはるかに人口の少ない石木川流域を1/100に設定するなんて、堤防嵩上げ案の費用を大きく見積もるための工作にしか思えない…)
 
 
委員長:緊急性については県はどのように考えているのか?
 
河川課長:昨年の広島や四国の例を見てもわかるように、最近の雨は集中的・局地的・激甚的な傾向を示している。そのような雨はいつどこで起こってもおかしくないので、川棚川においても、その対策として石木ダムを早期に着工して早期に完成させたい。
 
(そう言いながら、河川整備計画に沿った河川改修をまだ完成させていません。それが完成すれば過去の洪水には対応できると県自身が認めているのに。また、実際には堤防高が極端に低く、一番氾濫の危険性のある川棚川最下流部は整備計画も無いまま放置されています。それは河川課ではなく港湾課の管理区域だから関係ないと言って…)
 
 
委員長:それでは対応案について議論していきたい。起業者からの資料や説明は一応国のマニュアルなどに沿っているようだ。反対派の資料も拝見し、そのような見方もあるだろうとは思うが、県の説明が明らかに間違っていると否定するようなところまではいかないと思う。ただ現地に行き、地権者の方の思いとか、これまでの経緯とか色々お聞きして、やはりなんとかもう少しきちんとした議論ができないものかと思った。そこでこの委員会の意見としては、事業の継続は認めるが、地権者の方と県がちゃんと話し合う事を委員会としてお願いする形でまとめたい。何かご意見は?
 
 
委員A:専門家ではないので出された情報をどう読み取っていけばいいのか・・我々では能力が足りない。専門家を交えた議論の中でお互いに合意に至っていただきたい。
 
委員B:今回は治水の面での評価ということだが、公共事業というのは波及的な影響を及ぼすものである。治水の安全面だけでなく利水や環境の面からも、いろいろいろいろ天秤にかけながら総合的に判断することが重要で、そういった場をぜひ持っていただきたい。また県民から出された疑問に対しては、説明責任を果たす努力をしていただきたい。
 
委員C:私はこの事業の必要性は高いと思う。この前の大雨で、西海市では3時間に183ミリの雨量を計測している。早急に備えが必要。
 
委員D:安心安全を担保するという意味で私も必要であると思うが、地権者の方の考えと隔たりがあるようなので、できるだけご理解をいただく努力というのはやっていただきたい。
 
 
 
特にB委員の発言の後には会場から拍手がおこりました。
 
県は、このことを忘れないでほしい。
 
 
 
 
今日のTVニュースの記事も貼付します。
 
 
長崎 公共事業評価監視委員会
 
 
 
長崎県が行う公共事業の妥当性を評価する県の委員会は、24日の会議で川棚町に計画されている石木ダムの事業について審議した結果、事業の継続は認めるが、地元住民の理解を得て進めるべきだとする意見書をまとめる方針を決めました。
 
県の公共事業評価監視委員会は完成まで時間がかかっている公共事業について有識者などが事業の妥当性を評価し、継続すべきかどうか知事に提言する組織です。
 
24日の会議では、県が完成までの工事期間を6年延長する方針を示した石木ダム事業が議題となりました。
 
県側は事業目的の1つである治水対策について、川底の掘削や堤防のかさ上げなどの代替案との比較をコスト面などで行いながら、100年に1度の雨に備えるためダム建設が必要であると主張し、委員からも必要性を否定する意見は出ませんでした。
 
ただ事業に反対する地権者がいることから、委員長を含めた3人の委員から「地元の理解なくして事業を進めるのは妥当ではない」という意見が出されたため、委員会は事業の継続は認めるが、地元住民との話し合いを行い理解を得て進めるべきだとする意見書をまとめる方針を決めました。
 
委員会は早ければ来月にも意見書をまとめ、中村知事に提出する予定です。
 
公共事業評価監視委員会の中村聖三委員長は、「地権者の方が納得していないことが大きい。責任者である知事と話し合いたいという地権者の意見は当然。委員会の意見を最大限尊重してもらいたい」と話していました。
 
 
 
 
反対地権者の土地 24日付けで強制収用(長崎県)
 
[ 長崎国際テレビ2015/8/24 17:49 http://news24.jp/nnn/news8744523.html
 
 
県が川棚町に計画する石木ダム建設事業が採択されて40年、大きな節目を迎えている。反対地権者の一部の土地が24日、明け渡しの期限を迎えた。初めての強制収用となる。
 
収用委員会の裁決を受け、県への明け渡し期限を迎えた岩永サカエさんの畑。25日以降、自分のものとして使用できない。午後、県庁では反対地権者や支援者が緊急の抗議活動を展開し、県の姿勢を批判した。
 
一方、事業の再評価をしていた第三者の委員会は6年延長して継続する県の方針を認めた。
 
中村知事への答申には「反対地権者の理解や納得が得られるよう話し合いを求める」との意見を加えるという。県は反対地権者13世帯全ての土地や家屋について強制収用する手続きを開始している。
 
 
 
石木ダム 公共事業再評価委員会が事業の継続を認める
 
 
 
長崎市で石木ダム事業の必要性を再評価する県の委員会24日が開かれ、ダム事業の「事業の継続」が認められました。
 
委員会は長期間に渡って未着工の公共事業についてその必要性を再評価するものです。
 
今月10日の現地調査で、地権者らが「川棚川の改修工事を行えば洪水は防止でき、ダムの必要性はない」と訴えたのに対し、県側が「費用対効果や水位流量など示し代替案と比較しても石木ダムは必要」と説明しました。
 
その後の審理の結果、委員会は地権者と県は話し合いを続けるべきとしながらも、県の方針通り「事業の継続」を認めました。委員会は、この結果を意見書としてまとめ、中村県知事に来月中にも答申する予定です。
 
 

再評価申し入れを伝える新聞各紙

今日は西日本、長崎、朝日、読売各紙に記事が掲載されていました。

 

いずれも私たちの主張と市(西本総務部長)の対応を伝えるものですが、

西日本新聞の記事には、水道局のコメントがありました。

「県の再評価が済んだ段階で、利水事業を所管する厚生労働省と相談したい」と。

なぜ県の再評価が済まなければいけないのでしょう?

県も市も早く工期延長を決めて、工事を進めたいはず。

どちらも併行して再評価をすることによって、全体の結論が早く出せるのに・・。

 

考えられるケースは1つだけ。

万一県が事業断念という結果になったら、佐世保市だけで石木ダムを建設する財政力は無い。

県が断念なら市も断念せざるを得ないので、そうなると再評価の必要がなくなる。

だから県の再評価が先、という言い訳は理解できます。

 

しかし、県の再評価が「継続」になれば、佐世保市は利水面での再評価をしなければならない。

なのに「厚生労働省と相談したい」と言う。

何を相談するんだろう?

県の結論が「継続」なので市の再評価は必要ないでしょ?免除して〜とでも泣きつくつもり?

そんなことは許されません。

県の再評価はあくまでも治水に関してと言っているのだから、

利水に関しての再評価は必ず佐世保市が実施する責任があるはず!

 

しかも、石木ダム本体工事の2.5倍もの関連事業費、253億円

これを負担するのは佐世保市民ですから。

県には関係ないのですから。

昨今の資材高騰、人件費アップの流れの中で、確実に予算も増額されるはず。

いったいどのくらい増えるのか・・・

そのコストの見直しこそ、市がやらなくて誰がやるでしょう?

 

国立競技場のようないい加減な計画は二度とごめんです! 

 

県に見習って、佐世保市も石木ダムの再評価をせよ

今日、私たち「石木川まもり隊」と「水問題を考える市民の会」の2団体は佐世保市を訪れ、工期延長に伴う利水面での再評価をおこなうよう佐世保市に申し入れました。

16時からという遅い時間帯でしたが、NHKの夕方のニュースで早速報道されました。

http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5034291641.html

佐世保市も石木ダム再評価を

長崎県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダムについて、建設に反対する市民団体が21日、佐世保市役所を訪れ、市に対しダム事業について再評価し見直しを検討すべきだと要望しました。
佐世保市の慢性的な水不足の解消を目的の1つとする石木ダムの建設をめぐっては、長崎県は今月、事業の工期を見直した結果、6年延長し平成34年度に完成させるとする工程を明らかにしています。
これを受けて、県の公共事業評価監視委員会が工期を延長する石木ダム事業の妥当性を評価する議論を進めていることから、21日、ダム建設に反対する佐世保市の市民団体のメンバーら3人が市役所を訪れ、西本眞也総務部長に対して佐世保市でも事業について再評価すべきだと求めました。
具体的には、一部で過大だとの指摘がある水需要の予測や、最近の資材費や人件費の高騰などをふまえ市民が負担することになる建設コストなどをいま一度見直すべきだとしています。

これに対して西本総務部長は、朝長市長と担当部局に伝えると回答しました。
見直しを要望した市民団体「石木川まもり隊」代表の松本美智恵さんは、「利水に関しては私たち佐世保市の問題。市民にもいろんな意見の人がいるので、水道局にはしっかりとした分析をしてもらいたい」と話していました。

 
 
 
私たちが提出した申入書はこちらです。

補足説明に使ったグラフはこちらです。

 

黒の折れ線が実績値。赤の折れ線が2012年度再評価の時の予測値。

予測の2年後の2014年度の予測91,717㎥に対して実績は77,099㎥ですから、その差14,000㎥以上。

今後その差は開くばかり。

工期延長で新たな目標年度となる2022年度を見てみると、その差3万㎥以上!

今こそ、この架空予測を見直す絶好のチャンス!

と訴えたのですが・・・

 

市の対応は大変残念なものでした。

19日に市長への申入書も沿えてアポを取ったのに、

市長どころか、2人の副市長の1人も出席せず、その上水道局から誰一人も同席しませんでした。

対応したのは総務部長のみ。

総務部長は何を言っても「伝えます」「私はお答えできません」を繰り返すばかり。

 

かつてはこのようなことはありませんでした。

市長が出てきたことはありませんが、必ず副市長と水道局長、あるいは副市長と水道局事業部長など、

ある程度お答え頂ける立場の人が同席していました。

佐世保市はいつからこのような市民無視の態勢になってしまったのでしょう?

それともこれは私たち石木ダムに反対している市民にだけの対応なのでしょうか?

その理由は?

考えられる理由は2つしかありません。

その1.議論したら自分たちに勝ち目はないから。
反対派のデータは事実なので、それを元に追及されたら、認めるしかなくなる。
それは絶対にできないから、逃げるしかない。

その2.予測が正しいかどうかなどどうでもいい、議論するだけ時間の無駄。
ダムを造ると決めたら造るしかないのだから、見直しなんてとんでもない。
いろいろ言いたい市民には勝手に言わしておけばいい。相手にしないのが得策。

そんなふうに考えているのでしょうか…

だとしたら、とても悔しいし、悲しい。

以前の水道局はそうではなかった。

立場は違っても、市の方針に異論を唱える者であっても、その声にきちんと耳を傾けてくれたのに…

この対応の変化は水道局長の指示によるものなのか、市長部局の指示なのか・・

 

いずれにせよ、私たちの申し入れには答えて頂きます。

再評価をするのかしないのか?

しないならば、その理由は何なのか?

文書での回答だけでなく、その理由が納得できるよう私たちに説明をして頂きたい。

その日時や場所はそちらのご都合で決めて頂いていいので、お知らせください。

その説明もしないと言うなら、説明しない理由は何なのか、教えてください。

そのように総務部長さんに伝えました。

少なくとも、その約束だけは守ってください。