定例記者会見から見えてきた県の意向

8月12日 定例記者会見での中村知事の発言を振り返ってみます。
 
 
記者の質問と知事の回答の要旨をまとめてみました。
 
 
○記者(朝日新聞社)
石木ダムについて、公共事業評価監視委員会はゼロベースで検証していくと言っているが、仮にその検証の中でダム建設の根拠の部分に何らかの異議みたいなものが生じた場合、知事はそれについてどういうふうに対応していくのか。
 
○知事
ダム事業の工期を見直すために公共事業評価監視委員会の評価を頂く必要があり、そのための手順を踏んでいるわけだが、事業の必要性そのものについてご意見をいただく場になるんですか?そういう可能性もあるんですね?
(と、河川課長に問いかけ、課長が「はい」と答えると)
まだ審議の途中なので、結果を待って、対処方策等については検討する。
 
○記者(NBC)
本格的工事に入る見通しと、地権者との衝突を避けるため、一旦工事をストップさせて地権者側が求めている事業の必要性についての話し合いを行う考えがあるのかどうか聞きたい。
 
○知事
今回の付け替え道路の工事については妨害禁止の仮処分の決定も出ているが、一部の反対者がゲート内に入って職員や施工業者の通行を妨げるという違法な状態になっている。
この工事については、数年前も一旦中断をして話し合いの機会を持ったことがあったが、ご理解をいただくには至らなかった。今、中断をするのは難しい
 
○記者(NBC)
前回は仮処分を申し立てたわけだが、追加でさらなる法的措置等については考えていないのか?
 
○知事
これ以上の法的措置というのは、現実的になかなか難しい面がある
 
○記者(NBC)
8月24日にいよいよ最初の強制収用、権利の移転が行われる。今後は家屋なども控えているが、粛々と進めていく考えなのか?
 
○知事
8月24日の期限までに明け渡していただけるものと思っている。その後も順次裁決申請手続を進めている。もちろん静穏な状態の中で、生活再建とか地域振興等について話し合いであれば、私も十分対応したい。
 
○記者(KTN)
「明け渡していただけるもの」という見通しみたいなものはあるのか?
 
○知事
現段階では予測しがたい状況である。
(つまり単なる願望)
 
○記者(KTN)
そうなると、このまま明渡期限を迎えてしまって権利が移っていくという形になるが、そのことに関して改めてどういうふうに思っているのか教えてください。
 
○知事 先ほど申し上げたように、これまで長きにわたってさまざまな話し合いの機会、あるいは協議のお願い等もさせていただいた経過があるわけでありますけれども、結果としてご了解が得られない状況になってきたわけであります。事業自体は、やはり地域の安全・安心を確保するという意味では、欠かせない事業であると思いますので、そういったことで一連の事業認定の申請、裁決申請手続きを経て裁決決定いうとことになったわけでありますので、8月24日、最初の明渡期限が到来するわけでありまして、これは土地が主体になりますので、所有権は自動的に移ってくるという形になるのではないかと思っております。
 
○記者(KTN) そうならざるを得なかったということに関しては、いかがですか。
 
○知事 確かに、話し合いの中で解決できるというのが一番望ましい形であったというのは、それはもう改めて申すまでもないことでありますが、なかなかこれだけの時間を要したにしても、なお理解がいただけてないという状況から、こういった手続きに取り組んできた経過があるわけでありますので、そういった中でこれからもその時々の情勢に応じて判断をしていかなければいけないと思っております。
 
 
石木ダム事業について(4)
 
○記者(NBC) 石木ダムの件で最後にもう1件だけ。
先ほど、「静穏な状況であれば話し合いをしたい」というふうにおっしゃったわけですけれども、地権者側は、ダムの必要性についてやっぱり話し合いの場を持ちたいと。知事は繰り返し、「ゼロベースの協議はできない」とおっしゃっていますけれども、こういう状況になってきている中で、静穏な場であればダムの必要性についての話し合いということに関しても応じようというお考えが今の段階であられるのでしょうか
 
○知事 ダムの必要性については、これまでもずっと説明、協議をさせていただいてまいりました。もうご承知のとおり、さまざまな専門的な課題、技術的な問題等についても、繰り返し、繰り返しご質問をいただいて回答してきた経過があるわけです。そういう中で、なおご理解がいただけてないということであります。
したがって、これからも、事業はまさに必要不可欠なものだと思っておりますので。先ほど申し上げたのは、生活再建であるとか、地域振興とか、そういった面を含めて、「静穏な状況の中で地権者の皆様方と話し合えるような場があれば」というお話を申し上げたところであります。
 
 
 
 
★まず、公共事業評価監視委員会について大事なことが2つ判明しました。
 
①ダム事業の工期を見直すために公共事業評価監視委員会の評価を頂く必要があるということ。
 
②今回の再評価では、事業の必要性そのものについても議論されるだろうということ。
 
★付替え道路工事については、中断するのは難しいし、阻止行動への法的措置も難しい。
 
★8月24日、最初の明渡期限がくると、所有権は自動的に移される。
 
★静穏な場であれば、生活再建であるとか、地域振興とかの話し合いには応じるが、ダムの必要性についての話し合いに応じるつもりはない。
 
 
知事は、何が何でも「ダムの必要性」についての話し合いは拒否すると言いながら、
公共事業評価監視委員会では議論されると言う。
 
不可解ですね。
同委員会での結論はもう決まっている、必要無しとはならない約束になってるとでも?
 
評価監視委員会の皆様、知事の思い込みを正してくださいまし。
 
公明正大な評価をお願いします!