石木ダム事業認定の取り消しを求め、110人の地権者がついに立ち上がりました。
うち、地元に住んでいる地権者は48名で、残り62名は共有地権者の皆さんです。
15:30に提訴。
その後、記者会見と説明会が開かれ、弁護団がこの裁判の意味を、地権者が今の心境を語りました。
弁護団は、この裁判は「事業で失われるものは何かを問うものだ」と、その意義を強調しました。
弁護団長の馬奈木昭雄代表弁護士は、
この事業で奪われるものは、単に土地や家といった財産だけではない。
先祖代々守ってきた自然・文化・人の営みそのものが奪われる。
人が人として生きる権利、人間の存在そのものが奪われようとしている。
人の生活を奪うにはそれなりの理由が要る。「みんなのために」なるものでないと。
公共事業とは本来そういうもの。だけどこのダムにはそれがない。
「みんなのために」となる「みんな」がいない。
県はダムの必要性は説明しないで、金の話をして追い出そうとしている。
それは不動産屋の仕事。知事は不動産屋なのか?
と訴えました。
その奪われようとしているものをより具体的に鍋島弁護士が説明し、
利水の問題点を八木弁護士が、治水については緒方弁護士が説明しました
そして再び馬奈木弁護士が
しかし、どんなに正しいことを訴えても、それで裁判に勝つわけではない。
正しいことを言えば裁判所が認めてくれると思うのは幻想。
仮に裁判に勝っても、知事や市長がすんなり負けを認めるかはわからない。
これまでは県民市民の声を聞かないできたが、それはおかしい。
主体は私たちだ。
県民市民の声が通る社会にしたい。
そのための裁判だ。
と伝えました。
そして地元地権者として、
石丸さん:最後の手段であるべき強制収用を県はいとも簡単にやってのけた。
憲法上、許されないことだ。
私たちは長いものに巻かれたくない。
正しいことを示していきたい。
岩本さん:利水についても治水についても、県の言ってきたことはおかしい。
我々が調べたことを訴え、人事を尽くして天命を待つ。
その結果がどうであろうと、
それでも県が行政代執行をやるというなら、我々は地獄の底まで付き合う。
岩下さん:この訴訟の結果が出るまで、県は付替え道路などの工事を中断すべきだ。
この裁判には時間がかかると思われるが、
その期間が長ければ長いほど、ダムが要らないことが証明されるはず。
我々はこれからも阻止行動を続ける。温かいご支援をお願いしたい。
と訴え、会場は大きな拍手に包まれました。
その後、記者団からの質疑があり、最後はガンバロー!のシュプレヒコール。
地権者の皆さんは一様に笑顔。
勝利への自信に溢れていました。
これほど強い弁護団が味方についているのだもの。
そして、昨日の伊勢谷友介さん、いとうせいこうさん、小林武史さんたちの訪問も、
大きな希望と力を与えてくれたに違いありません。
※訴状はこちらです。