今日の記事の共通語?「とどめた」「とどまった」

昨日の署名提出のついて、今日の新聞各紙が報じています。

 メンバーは「・・・回答してほしい」と求めたが、西本部長は「市長と・・・に伝える」と答えるにとどまった。

と書かれています。

 

 求められた文書での回答については「検討する」と述べるにとどめた。

と書かれています。

 

・・・などと訴えた。西本部長は「市長や関係部局に伝える」と答えるにとどめた。

と書かれています。

 

 

 昨夕は、テレビでも3つの局がニュース番組の中で報じていました。 

石木ダム反対で2万筆の署名提出

長崎県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダムについて、建設に反対する6つの市民団体が、30日、佐世保市役所を訪れ、およそ2万人分の署名を提出して建設の即時中止を求めました。
石木ダムをめぐっては、県の収用委員会が建設に必要な土地を強制収用する際の補償額などを決める審理を開こうとするたびにダム計画に反対する地権者や市民が実力で阻止し、こう着状態が続いています。
30日は、ダム建設に反対する6つの市民団体の関係者らおよそ20人が佐世保市役所を訪れ、西本眞也総務部長に土地の強制収用を断念し、ダム建設を中止するよう求める1万9354人分の署名を提出しました。
この中で市民団体の代表、松本美智恵さんは、「計画から半世紀たっても実現のメドもたたないことが本質的に必要でない事業であることを示している。人口減少によって全国的に水の需要が減る中、佐世保だけが増えるというのはダムの必要性を示すためのねつ造だ。
破綻した事業に、税金や水道料金を投入するのはやめるべきだ」と述べました。
これに対し、西本総務部長は、市長と副市長、それに水道局長はいずれも公務のために対応できなかったと説明した上で、「申し入れの内容は正確にお伝えします」と答えていました。
03月30日 19時14分 NHK

 

石木ダム・佐世保市にも2万人の署名提出

県と佐世保市が東彼・川棚町に計画している石木ダム建設事業に反対する地権者や市民団体が、中止を求めて佐世保市におよそ2万人分の署名を提出しました。 

佐世保市を訪れたのは、石木ダム建設に反対する「石木川まもり隊」など6つの市民団体のメンバーおよそ20人です。石木ダムをめぐっては、県が、反対する地権者の土地を全て強制収用するための手続きを進めています。メンバーは、石木ダム建設事業の中止と、土地の強制収用をやめるよう県と佐世保市に求め、署名を集めてきました。そして今月14日の県に続いて、きょうは佐世保市の朝長市長に宛てた1万9千354人分の署名を、担当者に手渡しました。市民団体メンバー「大金をつぎ込みダムを造るより、差し迫った老朽化対策に使うべきだという声が高まっている、その声を市民の願いに応えて」応対した職員は「署名と、いただいた話の内容は、市長や水道局長に伝えたい」と、答えるにとどまっています。
2016年3月30日 19:02 KTN

 

 

約2万筆の署名、佐世保市長に提出

本日午前11時、佐世保市役所副市長応接室にて、お預かりしていた署名19354筆すべてを

朝長則男佐世保市長へ、やっと提出しました。ホッ!

夕方のNHKニュースでも早速報じてくれました。

 

でも、受け取ってくださった方は市長ではなく、総務部長でした。

4人ともお忙しかったそうです。

私たちは3月議会が終わるのを待って、

その翌週の28日(月)〜31日(木)のいずれの日でもいい、

時間も何時でもいいとお願いしたのですが、面会は叶いませんでした。

4人の方は、その4日間いずれもフルに予定が詰まっていたというのでしょうか?

市長は確かに今日は東京出張のようですが、昨日も一昨日も在庁していたはず。

県への提出の際は土木部長が対応しましたが、

佐世保市は水道局長さえも出てきませんでした。

 

私たちは用意した要請文と共に、署名19,354筆を総務部長に手渡しました。

内訳はこうです。

実は署名は2種類ありました。

1つは3月14日、知事に提出したものと同じ、強制収用はやめて下さいという署名

こちらの総数は18,667筆。(14日の時点より2筆だけ増えました)

もう1つは佐世保市長と水道局長に宛てた署名で、こちらは687筆で、

合計19,354筆というわけです。

 

後者の署名は、

佐世保市の財政を圧迫する石木ダム建設を中止し、漏水対策に徹底的に取り組むことを求めます

という表題で、実はかなり古いものなのです。

2009年の秋から冬にかけて集めたものです。

 

この年の9月議会に水道料金の値上げ案が提出されました。

値上げの理由は2つ。

老朽化した施設更新費用と新たな水源(石木ダム建設)の財源確保でした。

人口減少による水需要減少で料金収入も減少、財源確保が難しい、

料金を値上げせねば経営が行き詰まる、というものでしたが、市民は猛反発。

新たなダムなど要らない、そのお金を老朽化対策にまわせば値上げしなくても済むはず。

そこで私たち「石木川まもり隊」と「市民ネットワークさせぼ」の2団体は、

翌月から署名運動を開始したのです。

しかし、12月議会で値上げ幅を圧縮した案があっさり可決成立すると、市民も諦めムード。

署名運動も下火となり、1000筆に満たない署名は提出の時期を逸してしまい、

いずれ何かの機会に提出しようと、大切に保管していたのです。

 

今回、1月の断水騒ぎで再び、水道施設の漏水対策が関心と注目を集めました。

ネット署名のコメントにも税金や水道料金を有効に使ってほしい、

ダムではなく水道施設の整備に使ってほしいとの声がたくさんありましたが、

実は6年以上前から、ダム建設よりも漏水対策を多くの市民が望んでいたということ、

それを知ってもらう良い機会だと思い、合わせて提出させて頂きました。

 

そのような説明の後、同席した方々からもいろんな訴えがありました。

Sさん:石木ダム問題は長年の懸案事項です。以前は市民の関心も低かったが、最近では、本当にこのダムは必要なのか?もういらないんじゃないか?それよりも目の前の問題(老朽管対策)にお金を使ったほうがいいんじゃないか?という声が広がってきています。そういう市民の声に対して、市長さんの率直な意見を聞かせてほしい。

Mさん:2036年には佐世保市の人口は20万人を割り込むと言われています。これ以上の水源確保は必要ありません。石木ダムは断念していただきたい。どうしても心配だとお考えなら、佐々川の水利権を求めるべきです。佐々川には使われていない遊休水利権が農業用23,200トン、九電4800トンなどがあります。これらの水利権の転用を県に求めてください。そうすればダムなど造らなくても十分対応できます。
 
Eさん:どうしても必要ということであればきちんとした根拠を示していただきたいです。転入してこられた人から佐世保市は水道料金がずいぶん高いと聞きます。ダムを造るお金があるんだったらまずは補修にお金を使ってほしい。いくらダムを造っても漏水が止められなかったら、水が無駄になっていくだけです。
 
早稲田市議:今回提出されたコメントにもありますが、「石木ダムは佐世保市民の願い」という懸垂幕や看板、あれはもう市民の願いではなくなっているので取り下げてほしいですね。そのことも市長と水道局長にお伝え下さい。
 
Uさん:もう決まったことだからと言ってズルズルと流されていく、立ち止まってきちんと検証しようとしない、それが怖いと思います。一度決めたことであっても、おかしいという疑問が出されたときは、立ち止まって耳を傾けるべきです。
 
このような様々な訴えに対する感想を求められた総務部長は、こう言いました。
 
 
山下市議:これだけの切実な声を聞いても、総務部長では答えられることに限りがある。
     だからこそ、市長・副市長・水道局長にお願いしたわけですよ。
     これからは、しかるべき人が対応するようにしてほしい。
 
Yさん:部長さんは先ほど伝えるとおっしゃったけれども、伝えた後どうするのか対応をお聞きしたい。
 
総務部長:まずは皆さんの話を正確に伝えます。
     その後その対応の仕方といいますか、お答えの仕方も含めて検討させていただきたい。
 
M:その検討した結果は、いつ、誰にいただけますか?
 
総務部長:そのことも含め、どういった形でできるのか併せて検討させていただきたい。
 
Yさん:答えがないってこともあり得るんですか?
 
総務部長:いろいろ選択肢はあろうかと思います。
 
 
 
最後に早稲田市議が「市長や水道局長のコメントを文書でいただきたい」とまとめ、
 
みんなも「お願いします」と言ったところで、ちょうど時間となりました。
 
総務部長は、果たして、約束を守ってくれるだろうか?

部長が伝えても、市長や水道局長が文書を出してくれるだろうか・・・?

 
 
 
しかし、今日のやり取りは、多くの記者の前でおこなわれました。
 
佐世保市長が何のコメントも出さなかったときは、記者の皆さんから質問されるはずです。
 
2万筆近い署名を受け取ってどう思いましたか?
 
622件のコメントを受け取ってどのように感じましたか?
 
要請文や提出者の訴えに対しては、どのように返答されますか? と。
 
 
 
それでもやはり、直接お返事を頂きたいです。
 
今日、市役所を訪ねた18人の心からの願いです。 
 
 
 

「濁る水」チラシ、アーケード街で配布

春の日差しは暖かいけれど、風は冷たい昼下がり。

島瀬公園前のアーケード街でチラシ配りをしました。

4月16日公演予定の演劇「濁る水」の案内チラシです。

とっても芸術的でしょ?

でも・・・芸術的過ぎるのか? ちょっと怖いイメージなのか?

なかなか反応がよくありません。

あまり受け取ってもらえず、避けて通る人が、いつもより多い気がしました。

 

それで、途中から、裏面を見せて配るようにしました。

 が、やっぱりイマイチ・・・。

それでも、実行委員のメンバー7人と、助っ人も4人も!来てくれて、頑張りましたよ〜

茶色の服を着ている助っ人、Rちゃんは、なんと中学生です。

可愛いRちゃんが配ると、やはり受け取る人が多いな〜

右手前の女性は早速目を通していますし、後ろの女性も手を伸ばしているようです。

 

Rちゃんは、部活を早退して手伝いに来てくれました。

もちろん、先生にはちゃんと理由を伝えたそうです。

そして、先生にも、この演劇公演について宣伝してくれたようです。

頼もし〜い!

そして、そんな活動を認めてくれる先生も素敵ですね。

 

観に行こうかな・・と思っている方、

まだチケットに余裕はありますが、お買い求めはお早めに〜

特に15時〜の部をご希望の方はお急ぎください。

ご予約は、チラシ裏に明記された電話番号(佐世保教会)へ。

500円お得な前売りチケットは、佐世保教会だけでなく、

下京町にある南国食堂「地球屋」☎0956−23−9899と、

そのお隣の「てとて舎」☎0956−76−8266と、

元町にあるアウトドアショップ「フリーダム」☎0956−24−8224でも買えますよ。

もちろん、ここ「石木川まもり隊」でも受付中です。 

 

 

賛成少数、でも、勇気凛凛

今日は佐世保市議会3月定例会最終日。

本会議において、様々な議案について委員会報告があり、その後裁決がおこなわれました。

私たちが提出した請願についても、結果はわかっていましたが、

どのような質疑討論があるか、興味を持って傍聴に出かけました。

 

まず久野都市整備委員長より審査報告がありました。

①市民への情報提供を求めるという趣旨には賛同するが、

水道局は水道管の老朽化に対し既に計画的に整備を行う考え方を示しており、

財政的な観点からも引き続き長期的計画的に行うことが適切である。

②また個人所有の水道管に対し費用の助成を行うよう水道局に求めることは困難である。

よってこの請願には賛同できないなどとの意見があり、採決の結果賛成少数で不採択としました。

続いて質疑に入り、山下議員から、次のような質問が出されました。

請願者は老朽化の実態を把握してもらいたい、

そして具体的な更新計画を示してもらいたい、

そしてそのためにはいくら費用がかかるのか、その財源確保計画を示してもらいたい、

そう言っている、これが請願項目であります。

この請願項目に対して、老朽化の実態は明らかになったのでしょうか?

具体的な更新計画は示されたのでしょうか?

いくらお金がかかるのかその財源確保計画は示されたのでしょうか?

お答えいただきたい。

 

委員長の回答は、

  委員会では山下議員から出されたような質議はありませんでした。

と、それだけ。

つまり肝心な質問は何もなかったということ。

委員たちはそのようなことを知ろうともしなかったし、関心も無かったのか?

 

その後討論に入り、早稲田議員から力強い賛成討論がありました。

漏水対策に関して国は、計画的な施設更新による有効率の向上を目指せと言っている。

給水人口10万人以上の事業体に置いては、有効率の目標値は98%以上と示されています。

本市の実態はどうか?

平成25年度の有効率は89.4%、無効になった水量は一日に9,762トン。

また26年度の実績は89.8パーセントで一日の無効水量は9,193トン。

こんなに水を無駄にしています。

これまでも佐世保市水道局は漏水調査と更新に取り組んでこられましたが、

いまだに10パーセントの漏水があるという事は、これまでの漏水対策に課題ありという事。

水資源が少ないと言われている佐世保市にとって、漏水対策こそが喫緊の課題。

請願者は、1月の断水を貴重な経験として、これ以上水を無駄にしてはいけない!

との切羽詰まった思いで、そういう市民を代表して請願に踏み切られたんだろうと、

私はそう推測しています。

水道局は早急に対応すべきです!

 

続いて山下議員も賛成の弁を述べられました。

1月の断水被害はひどいものでした。

どんなに水瓶に水があっても水道管が破損していては水が届かない。

水というライフラインの大切さを改めて教えてくれることになりました。

だから老朽化の実態を把握して、具体的に整備計画を詰めてもらいたい。

いくらお金がかかるのか、財源確保計画をちゃんと示してもらいたい。

これが請願の大事な中身になっている。

じゃぁどれほど漏水をしているのか。

先ほど早稲田議員からも数字が示されましたが、私は別の角度から示してみたい。

(私たちが趣旨説明の際提出した長崎市との比較の数字を全議員に公表)

今や為すべき事は老朽化対策!

せっかくそこに有る水を大切に使用していく。

そのために行政がきちんと責任を果たしていく。このことが喫緊の課題であります。

 

その後裁決に入り、予想通り社民・共産の4議員以外は全て反対、よって不採択となりましたが、

お二人の賛成討論は、きっと他の議員の心にも届いたに違いない・・

少なくとも、私たち請願者は、そう思いたい。

 

これからもメゲズに訴え続けていきましょう〜というメールがたくさん届いています。

水道管の老朽化対策を求める請願、不採択!

昨日、佐世保市議会都市整備委員会において、市民有志16名が提出した請願21号の審査結果が出されました。

委員長を除く7名中、賛成派1名(社民党)のみで、他の6人(自民・公明・市政クラブ・緑政クラブ)の委員は反対、よって不採択となりました。

私たちにとっては予想通りの結果でしたが、マスコミの方は驚いていました。

何で反対なんですかね?

請願の内容は、ごく当たり前のことが書かれているような気がしますけどね、と。

ですよね〜

私たちが請願した事項は次の3つです。

 

1.全ての水道管を点検し、老朽化の実態を早急に把握し、具体的な更新計画を市民に示してください。

2.また、その更新計画を遂行するための費用を算出し、着実に遂行できるよう財源確保計画を市民に示してください。

3.個人所有の水道管の破裂や漏水を未然に防げるよう、老朽化対策について市民への情報提供に努めて下さい。

上記のことを佐世保市水道局に求めてください。

 

これの何が問題なのでしょう?

各会派から
その理由が述べられましたが、内容はだいたい同じようなものでした。
 
それを
まとめると次の4つです。
 
反対理由
 
今回の断水は個人宅の水道管の問題で水道局の施設ではない。
 
 情報提供は大事だが、それを受けて管理するのは個人の責任である。
 
老朽化対策は大事だが、水道局は現在アセットマネジメント構築に向けて計画的にやっている。
 
 先送りしているわけではない。
 
対策をもっと早くということだが、財政的なことを考えると急にはできない。
 
 市民への負担が大きくなるので、やはり長期計画で進めていくしかない。
 
④個人所有
の水道管更新への助成は適当ではない
 
 
 
 
聞いていて、勘違い・すれ違いを多々感じました。(もしかしたらわざとすれ違ってる?)

その1:私たちが問題にしていたのは、水道局の水道管の老朽化についてです。

個人所有の水道管対策ではありません。

(付け足しで述べたことを逆にメインにして反対の理由とされてしまいました)

その2:水道局が何もやっていないとは言っていません。

「水道ビジョン」だとか「アセットマネジメント」だとか、市民にとっては意味不明の、厚労省の指導に沿った取り組みがなされているのは知っています。

しかし、机上でいかに立派な計画書を作っても、老朽管の更新を急がなければ漏水はなくならず、むしろ水道管破裂による断水の可能性は大きくなるばかりです。

その3:財政的なことを考えると、更新を急ぐことは難しく長期計画でいくしかない?

その発想を変えてほしくて請願をしたのです。

結論ありきでは現状打開はできません。まず何よりも重要なのは情報提示。

厚労省が策定した新水道ビジョンの理念は「地域とともに、信頼を未来につなぐ日本の水道」です。

そして重点的な実現方策の1つが「住民との連携(コミュニケーション)の促進」です。

市民に積極的な情報開示をせずにどうして連携がとれるでしょう?

老朽化した全ての水道管の更新には莫大な費用がかかると聞きますが、それがいったいどのくらいのものなのか、私たち市民は皆目見当がつきません。

だから示してほしいと言っているのです。

それがわかってから、では、その費用はどうしよう?

水道料金を値上げする?

いやいや、一般会計から補てんする?

いやいや、今有る無駄を取り除き、その予算をまわす?

など市民自身も熟慮して、必要な財源確保を目指すことが大事!なはずですが・・・

 

なぜか議員の皆さんは、そうは思わないようで・・・不思議です。

いや、不思議でもないかな?

佐世保市議会は石木ダム建設促進決議をあげてますからね。

毎年、市が県や国へ要望する最重要課題として石木ダム建設促進を掲げるのを認めてますから。

石木ダムの予算を老朽化対策に回してほしい〜なんて市民の声が盛り上がっては困るのでしょう。

だから、市民には何も考えないでもらいたい。

難しいことは市や議会が考えるので、市民は黙って従ってほしい。

本音はそんなところでしょうか?

 

昨日の委員会の結果を知り合いの佐世保市民20人ほどにメールで伝えたら、

こんな返信をいただきました。

 

請願内容のポイントは個人の水道管でなく、佐世保市の「水道本管の老朽化対策」でしょう?

不採択の意味が私には理解できませんね。

漏水が1日に4トントラックで1750台分程度ありますから、まずこれを減らすことですよね。

そのためには「水道本管の老朽化対策」と思いますよ。

 

え?1750台?

びっくりポン!です。

先日この方から佐世保地区の漏水量を聞かれたので平成26年度の実績値として、

7,035㎥/日と伝えました。

それを4トントラックでは何台分になるかと計算されたのですね。

とてもわかりやすいですね。

しかし、佐世保市全体で考えれば漏水はもっとあって、

26年度は、7.951㎥/日でしたから、

4トントラックでは1988台分です。

 

4トントラックの大きさがピンとこない方のために別のたとえを考えてみます。

佐世保市民の一人一日の水の使用量は平成26年度の場合188リットルだったので、

一日の漏水量は、42,293人分の水を無駄にしたことになり、

1人で使うとしたら、115年分の水量で、

一生かかっても使いきれない水の量を一日で無駄にしているということですね。

 

2003年6月、国連アナン事務総長が発信したメッセージには愕然としました。

世界の20億人が水不足で命の危険にさらされています。

6人に1人は、安全な飲料水をいつも利用できずに暮らしています。

水関連の病気は8秒に1人の子どもの命を奪っています。

 

現在はずいぶん改善されてきました。

昨年6月の、ユニセフ(国連児童基金)とWHO(世界保健機関)の共同発表によると、

1990年以降、26億人が安全な水にアクセスできるようになり、現在世界の人口の91%が安全な飲料水を利用しています。

15年前には、毎日2,000人の子どもが汚れた水や不衛生な環境に起因する下痢で亡くなっていましたが、現在その数は1,000人以下まで減っています。

とのことで、ユニセフ等の努力の成果は素晴らしいと思いますが、

それでもまだ一日に1,000人近い子どもがきれいな水が飲めなくて亡くなっているのです。

 

ドラえもんのどこでもドアがあれば、佐世保市の漏水を、この子たちに届けられるし、

汚れた水で亡くなる子は一挙にゼロになるのに・・・などとアホなことを夢想してしまいます。

 

話がすっかり横道に逸れましたが、とにかく、

佐世保市議会議員の皆さん、

もう少し、水問題を真剣に、石木ダムにとらわれず考えてくださいね〜

 

 

届きましたか?18,665筆の重み

ご報告が遅れましたが、去る3月14日、地権者を含む5団体は、強制収用反対署名

「石木ダム建設のために13世帯60人が暮らしている土地を 強制収用しないでください!」

長崎県にようやく提出しました。

県内外から寄せられた合計18,665筆の署名です。

 

2014年9月6日から集め始めましたから1年8ヶ月もの時間が経過しています。

集めるのに時間がかかったわけではありません。

昨年3月末までに提出するつもりでした。

私たちは、知事に直接渡したいと願いました。

石木ダムは県営のダムです。

起業者は長崎県であり、そのトップは知事です。

強制収用の手続きを進めるのも止めるのも知事の権限です。

そして、強制収用した後、行政代執行を行うのも知事です。

このあまりにも非民主的な強制収用を止めるには、

知事本人への直訴こそが重要だと思ったからです。

 

私たちは秘書課の方に要請しました。

日時はいつでもいいです。

知事のお時間が取れる時に合わせます。

場所もどこでもいいです。

知事からのお返事を待っていますと。

しかし、知事からは何の返事もありません。

代わって、河川課職員から、河川課の方で受け取りますとの返事。

冗談じゃない!

あなた方に渡して済むなら、とっくにそうしていますよ。

私たちは待ち続けます。

と言い続けて1年が経ちました。

 

もう私たちも諦めました。

中村知事とはそういう人なのだと見限りました。

自分の考えに反するような署名は受け取りたくない、という器の小さな方なのか、

反対派にはとにかく会いたくない、という心の狭い方なのか、

いずれにしても、この貴重な県民の意思を直接手渡せば考えてくれるのではないか、

というような甘い願いはバッサリ断ち切ることにしました。

 

そして、地権者を除く4団体から数人ずつが参加して、

署名提出にあたっての要請文 と共に土木部長に手渡しました。

 

また、参加者からは、

「知事選前、知事は強制収用しないと言っていた、公約違反ではないか」

「地権者のお一人が一昨日亡くなった。あなたたちは地権者が死ぬのを待っているのか」

「話し合いを続けると約束したのに、その後拒否し続けているのは何故か」

など様々な質問や意見が出されましたが、誠意ある回答は最後までありませんでした。

 

この署名は本当に知事の手に渡るのか?

それさえも怪しいものですが、今回は、知事であろうが、土木部職員であろうが、

是非目を通してほしいものを渡しています。

それは署名者のコメントです。

今回提出した署名の中には、ネット署名2,858筆が含まれています。

その中には、たくさんのコメントが付されていました。

それも印刷して渡しています。

 

その中から一部を紹介します。

 

長崎県民から

*ダム建設は町民の願いだという看板が近所に立てられている。とんでもない!
 
少なくとも私と母はまったく望んでいない。建設されないことをこそ願っている。

*今年のお正月に帰省した折、数十年ぶりに虚空蔵に登りました。
 川原地区を訪れたのも数十年ぶりです。
 あんなに素晴らしい古里をダムの底に沈めてしまうなんて絶対許せません。
 遠く東京の片隅から応援しています。頑張ってください!

*佐世保に生まれ育ち39年、水の豊かさに困ったことはありません。
 こんな無駄な予算を長崎の教育、福祉に使ってほしいと切に願います。
 ダムは要りません!
 
*佐世保市民ですが、私達が納める税金を使うのであれば漏水対策に投資して頂きたい
 と思います。また、個人的な意見ですが、
 人様の穏やかな暮らしを犠牲にしてまで豊かな暮らしは望みません。

 それ以前に、近年の配水実積からもダムが私達佐世保市民にとって意義あるものかも
 今となっては疑わしいものです。
 「石木ダムは佐世保市民の願いです」のスローガンの撤廃を重ねてお願いしたい所存です。
 
*今まで何の興味も持たなかったことを後悔しました。

 こんなことが地元で起こっていたなんて。
 勉強不足で知識も何もありませんが、出来ることはしたいです。
 
*長崎県知事、佐世保市長、
 あなたのご実家がここにあってもダム工事を強行しますか?
 
*公共事業は止められない時代はおわりました。国営諫早湾干拓事業をみてください。
 市民、住民は未来永劫不幸を背負うことになりますよ。
 
 
他県民から
 
*ダムはムダ!

 川辺川ダムを止める為にドレだけの人が叫んだ事でしょう。
 ハッキリ言います。
 林業をキチンと保護し間伐材を伐採し治水力有る野山が有れば
 必要なダムなど 日本のドコにもありませんっ!!!

*ダムはもう要らない。
 宮ヶ瀬ダムで懲りました、自然破壊はもうゴメンだ。
 貴県も諫早湾のギロチン映像で懲りてませんか?

*私の住んでいる滋賀県の比良山系でも一度も土石流の出たことのない小川に
 百年に一度の大雨のためといって、高さ11m、幅18mのダムが、
 私たちの反対を押し切って作られました。
 国土を破壊するダムに反対する素晴らしい運動ですね

 
*道を間違えたぞ?分かれ道まで引き返えそう。いやここまで来たんだ、
 今更引き返すのは大変だ。このまま進め、進め、何とかなるさ。
 これが山で遭難する人が陥る考え方です。
 本当に必要なダムだったのか?もう一度ふり出しに戻って考えてほしい。
 このまま進めば必ず遭難するよ。
 
*誰のために必要なのか?何のために必要なのか?
 お役人の方、胸に手をあてて考えてみましょう。
 壊さなくてよい自然は極力残すべきです。
 
*今まさに佐世保と沖縄で、日本が民主国家なのか否かの踏み絵が行われている・・・
 
*日本の貴重な自然は国民自身で守らなければなりません。
 一度決めたことは絶対に止めない行政を止めるのは、国民の声と行動だと思います。
 
 
海外からも91筆の署名が寄せられ、コメントも23人の方からいただきました。
コメントを下さったのは、アメリカ、カナダ、イギリス、オランダ、フィンランド、
韓国、フィリピン、パラオなどです。
 
お一人だけご紹介します。
 
映画『ダムネーション』プロデューサーのマット・シュテッカーさんからのコメントです。
 
 
Matt Stoecker                      Santa Barbara, CA  
 
Dams are an outdated and destructive technology
 
that has no place in a 21st century
 
that values the environment and rights of this community.
 
 
 
 
 
今日の川原です。
地権者の方から写メールで送られてきました。

川原は「ほたるの里」だけでなく、「菜の花の里」でもあるのです。

明るく生き生きと力強く咲く菜の花は、川原の地権者そのものです。

おやおや・・・風で倒れたのか?イノシシの仕業か?

この土地の「無断での使用を禁止します」の看板が、棺のように横たわっています。

安らかにお眠りなさい。

菜の花たちのささやきが聞こえるようです。

 

 

水道管の老朽化、対策と財源確保計画、迅速に

佐世保市民有志は、佐世保市議会3月定例会に、以下のの請願書を提出しました。

これに対する委員会審査が、今日、都市整備委員会にておこなわれました。

請願文書の補足説明として、次のような資料を提出しました。

 

  ★佐世保地区の1月の貯水率と配水量

表下に記しているように、1週間の断水の間も佐世保市のダムの貯水率は91%を超えていた!

という事実を委員の皆さんに伝えたかったからです。

これを見れば、

どんなに水源確保ができていても、それを運ぶ管が破損していたら断水に繋がる

ということが一目瞭然。

そして、そのような水道管の破損は寒波による凍結だけではない。

常日頃から慢性的に市内のあちこちで漏水している。

それを示す資料として、次のものを提出しました。

 

これは、佐世保市と長崎市の漏水量を比較したものです。

漏水量そのものは測れませんので、

総給水量から有効に使われた「有効水量」を引いた「無効水量」が漏水量と見做されています。

佐世保市のデータは、3月14日の都市整備委員会で審議された28年度水道事業会計予算の委員会資料から得たもので、

長崎市のデータは、長崎市上下水道局のサイトから入手しました。

それを表にして比較してみると、びっくり!でした。

上の表では見にくいので、一部を拡大して貼付すると、

 

こういう事実が明らかになりました。

人口も給水量も長崎市の60%台の佐世保市が、漏水量だけは120%台  

昨夜資料を作りながら、見間違い?計算間違い?と、何度も疑ってやり直しました。

佐世保市の漏水対策が長崎市と同じレベルだったら、無効水量も同じ60%台になってるはずです。

仮に給水量と同じ66%だとしたら、7850✕0.66=5181となり、

佐世保市の漏水量は、5,181㎥/日に抑えられるはずです。

実際には、9748㎥/日なので、9割増しの漏水ということになります。

 

佐世保市で漏水が多いのは、地勢的な要因によるものだと、市長も水道局長も説明してきました。

しかし、同じように斜面地の多い長崎市(坂の勾配は佐世保以上だと言われています)で、

これだけ漏水を押さえているということは、やはりやる気の問題です。

地形のせいにしないでください。

もちろん、それも要因だけど、地形は変えられないのですから、

じゃあどうしたらいいのかと、対策に頭を使うべきです。

お金を使うべきです。

人も使うべきです。

その努力を怠って、「お願いします!石木ダム」などと言わないでください。

 

3/14の委員会で頂いた資料によると、

平成25年度の佐世保地区水道管の経年化率(法定耐用年数40年を超えた管の割合)は、19.2%でした。

平成19年度時点では9.3%だったので、わずか6年で10%も増えています。

このままではますます老朽管が増え、水道管破裂の危険性が高まり、断水の可能性も増えるでしょう。

水道局長はいつも言います。

「安心安全な水を提供し続けるのが私たちの使命」と。

いつ破裂するかわからない水道管をかかえたまま、安心して暮らせますか?

(水道局職員の方も、本当に気の休まる時がないのではないかと、お察しします)

職員も市民も安心して暮らせるよう、取り組むべき課題の優先順位を考えるべきです。

 

しかし、委員の皆さんの反応は冷ややかでした。

*今回の断水は水道局の水道管ではない。個人所有の給水管で、ほとんどは給湯器の配管破裂。

*寒波による断水と老朽化を無理やりこじつけているように感じる

*水道局も老朽化対策はある程度やっている

*水道局も情報は提供している。市民の無関心が問題

*なんでも行政を頼るのではなく、個人の給水管は個人の責任で守るべき

あ〜あ

あの、すんごい漏水量の資料を目の当たりにしても、問題意識を感じない方々のようです。

*情報提供してる?どんな?慢性的水不足なら聞き飽きるほど聞いてますが。

 佐世保市は漏水がこんなに多いです。

 あなたの家のそばの道路の地下に埋まってる配水管はもう耐用年数を超えています。

 鉛管は漏水しやすいし、体にもよくないので早く替えた方がいいです。

 なんて、教えて頂いてます?

*ある程度の対応しかやってないから漏水が減らないんでしょ?

 議員さんたちはそれでいいとお思いなんですか?

*なんでも行政に頼ろうなんて思っていません!

 私たちが出したお金=税金や水道料金=を必要なところに使って頂きたいだけです。

 個人の給水管は個人が整備するのは当然だけど、その余裕がない家だってあるでしょ?

 シングルマザーの3人に2人が貧困だという現実ご存じないのでしょうか?

 三度の食事が満足に食べられない子どもたちがいます。

 そんな家で、給水管が古くなったからといって、すぐに更新できますか?

 そういうところは放っておくのですか?

 その結果破裂して断水を余儀なくされても自己責任。

 そういう家が数件あったために他の家庭まで断水の巻き添えを食ったら、

 貧困家庭を恨めとでも?

そんな反論が頭の中を駆け巡っていました。

そして、こんな質問を受けました。

 老朽化対策を急げと言うなら費用はどうするのですか?

 大村市のように水道料金を値上げする?それとも他からもってくる?

正直に言いました。

 私自身は他からもってくればいいと思っています。

 (石木ダムの予算を使えばいいでしょ!)

 でも、いろんな考え方があると思うから、それは一人ひとり考えることです。

 そのために、市民に現状を知らせ、対策を実行するための予算額を伝え、

 それをどう工面するか皆で考えることが必要だと思い、この請願を提出したのです。

 

帰宅したら、神奈川在住の方から、こんな情報がメールで寄せられていました。

 東京都では、漏水防止対策の推進により、

 60年前には30%以上あった漏水率を、2009年には3%に低減させた。

 この対策の結果、年間約3億3千万m3(人口250万人規模の都市の水道
 使用量に相当)の
漏水防止を実現。

 また、温室効果ガスである二酸化炭素排出量を年間約6万5千トン削減する
 効果も生み出している。

 このように漏水防止対策は、貴重な水資源の有効利用のみならず、
 地球温暖化防止にも有効な対策でもある。

 

収用委員会、場所を変えて強行

今日は7回目となる収用委員会の日。

会場は長崎振興局の2階会議室。

会議室前には朝から地権者や支援者たちが集まっていました。

下で待機する収用委員たち。

一度だけ会長たち数名が階段の途中までやってきて、

「委員会を開催させてください」「補償に関する意見を聞かせてください」と懇願。

もちろん通すはずもなく、数分で諦めて下りて行きました。

そして、10時過ぎ、委員の入場を妨害され審理が開けないとして、

「午前の会議は中止します」「午後は予定通り」と言い残し去って行きました。

 

そして2時間半後、再び現れた県職員を見下ろしていたら・・・

 

一人にこやかな表情の職員が・・・。そして何人もの地権者が声をかけます。

「あんたには苦しめられたけんねー、黙って行ったらいかんよ。一緒に飲もうでー」

「もうすぐ桜も咲くけんで」

「いやー、静かに行かせてくださいよ」

地権者と軽口をたたき合っているのは、石木ダム建設事務所長の古川氏。

6年間も所長を務め、この春定年退職する彼を温かく追い出そうとする地権者の皆さん。

 

心の中がほんわかしてきたところへ、

収用委員会から突然、会場変更の通告。

2〜3人の職員以外は、古川所長も含め皆、引き揚げていきました。

なるほどね〜

そういう手があったんですね〜

どうしたら会場に入れるか?

ここでと言っておいて、離れた場所に急きょ変更する。

反対派が駆けつけても、その時すでに遅し。委員は会場入りしてしまってる。

とこういうシナリオだったんですね〜

怒って詰め寄る地権者たち。

妨害される以上仕方がないと説明する職員。

 

確かにそうですよ。

妨害していますよ。収用委員会が開かれないように。

でも、それは当然でしょ?

「審理」の開催は家屋の収用につながるのですから。

審理は収用が前提で、その補償額と明渡し時期を決めるためのものですから。

地権者が協力できるわけないじゃありませんか。

 

私たちは職員の方々に恨みはないのです。

でも、協力はできないのです。

必要のないダムのために土地を奪うような行政の横暴は許せないからです。

 

地権者の女性たちが2人の職員を取り囲んで訴えていました。

うったちはね、安心して暮らしたかと。

お金は何も要らんと。

少ない年金でゆっくり暮らしたいだけ。

あんたは何年生まれね?昭和46年?

あんたの人生以上の長い間、うったちはこがん闘いば続けとっとよ。

自分たちの生活を守るために。

そうやって闘いを続けながら、何人死んでいったか知らんやろ?

 

一職員に言ったところで何がどうなるものでもないのはわかっている。

わかっているけれど、言わずにはおれない想いが、彼に伝わったでしょうか?

無表情だったけれど、たぶん心に刺さったはず・・と思いたい。

この地権者の思いを少しでも理解して、何らかの形で知事に伝えてほしい。

直接伝えてほしい。

 

地権者の妨害をどうかわすか、防ぐか、なんてことを考える前に、

なぜ地権者がここまで妨害を続けるのか、

その意味をまず考えるべき!

 

結局今日は、地権者欠席のまま審理は開かれ、県側は、2世帯の家屋の明渡補償額を提示。

裁決から180日以内に家屋を明け渡すよう求めたそうです。

 

 

第37回 3.14団結大会

川原公民館の前に全員集合!

今日は第37回3.14団結大会の日。

3.14とは3月14日ということ。

今から36年前の1980年3月14日、石木ダム建設絶対反対同盟が再結成され堅い団結を誓いました。

以後、毎年その日を記念して同盟員だけでなく支援者も集まり、

石木ダム計画が白紙撤回されるまで頑張ろう!との思いを新たにしてきました。

そして、37回目の3.14を前に、今日団結大会が開かれたというわけです。

 

大会は1時からで、その直前に、同盟の皆さんが集まって記念撮影。

言いだしたのはカメラマンの村山さん。

写真集「石木川のほとりにて」を出された、あの村山さんです。

だから、ほら、みんな笑顔!

 

午後からの団結大会に先立って、午前中、男性たちは石木川の大掃除。

高く伸びたヨシを刈り取って、河原で燃やしたり、

堰などに引っかかっているヨシやゴミを取り除いたり、

こちらは、薄くぼやけた文字を上書きして・・・くっきり!

「環境保全地域」「ネコヤナギ盗伐禁止」「ほたるの里」などなど、

勝手に命名、勝手に設置。

誰かのお墨付きを得るのではなく、自分たちで決め、自分たちで守る。

誇り高い人々です。

掃除が終わって公民館にやってくると、公民館では、まだ団結大会の準備中。

中では、女性たちが大会後の交流会のご馳走作りに大わらわ。

 

いよいよ大会が始まり、

例年通り、同盟を代表して岩下さんの挨拶、石丸さんによるこの1年の振り返りがありました。

そして来賓挨拶トップバッターは、石木ダム対策弁護団の高橋弁護士。

まずはじめに、今取り組んでいる事業認定取消訴訟(行政訴訟)と、工事差止仮処分申し立て(民事訴訟)の概要について、たいへんわかりやすい説明がありました。

そして、強調したい3つの事実とそのポイントが語られました。

① 13世帯がこれだけ反対している=13世帯の生活を強制収用によって破壊した例はかつてない

② 13世帯以外がこれだけ反対している=石木ダムの建設によって損害を受ける人がこんなにいる

③ 50年間造られていない=要らないということ

しかし、他人=裁判官や弁護団=をあてにしてはいけない。

皆さんの意思で皆さんが頑張ることが裁判官を動かし、知事を動かすことになる。

 

次に登壇されたのは、真島省三衆議院議員。

2月25日の衆議院予算委員会第8分科会で石木ダム問題を取り上げ、事業認定の不当性を追及した、その大要が語られました。

思わず笑ってしまったのは、治水安全度と流量予測値の怪。

真島議員:長崎県は石木ダム合流地点より上流は30年に一度の治水安全度で、合流地点より下流は100年に一度の安全度に設定している。100年に一度の大雨が降った時の流量計算はおかしいのではないか?その時は上流部にも100年に一度の大雨が降るはずで、しかし上流部はその対策ができてないので、越水して周辺に流れ出てしまうのではないか?

国土保全局長:ご指摘の点につきましては、現在裁判で係争中でございまして、訴訟の場において国の考えを述べ、対応したい。

裁判を理由に質問に答えようとしない官僚に頭に来た真島議員は委員会終了後、答弁者を呼んで、もう一度尋ねたら、上流の越水は認めたそうです。

しかし、県の計画流量はそれほど間違っているとも言えないと思うとのこと。

え!?なぜ?

「一度溢れた水が、また石木川に戻ってくるかもしれないから」

この答えには、聞いてる私たちも思わず吹き出してしまいました。

 

続いての登場は、パタゴニア日本支社長辻井隆行さん。

石木ダム問題に出会って、

「人権や環境の問題がこれほど極端に蔑ろにされていることに、個人的に憤りを感じた」

「僕たちパタゴニアにできることは分厚いカーテンを開けること」

と辻井さんは言う。

カーテンを開けた時に見えてくる景色。それを伝えたいと。

その景色とは、きっと石木ダムに繋がる人権、税金、環境等々の現実なのでしょう。

そういう問題を知って、それでも石木ダムが必要と佐世保市民は思うのか?

事実を伝えることが大事だと思う。

そういうことを「個人的にライフワークとしてもやっていきたい」と。

 

来賓の後は、県内支援団体からの挨拶やメッセージを伝え、

地権者の決意表明、決議文の採択、そして、団結ガンバローで閉会となりました。

 

閉会後はすぐにご馳走がいっぱい並んだテーブルが運ばれてきて、乾杯の後は、

写真を撮るのも忘れて、食べて、しゃべって、笑って・・・。

しばらくして、左隣の初対面の方とお話してみると、83歳の佐世保市民の方で、

子どもの頃こうばるに住んでいたとのこと。

 

昔、ここは公民館ではなく太子堂だったんですよ。

聞いています。あそこに今も祀られているんですよね。

と、聖徳太子像が安置された扉を指すと、

そう。その上に書かれた文字が読めますか?

と言われ、

そう言えば、汚れなのか模様なのか、読み取れない字があり、

何と書かれているのか前からずっと気になっていたのでした。

教えてほしいと頼むと、

あれは漢文読みするんですよ。

行者道を譲り、耕者畔を譲る。

 

なるほど〜

行き交う人は道を譲り合い、田を耕す人は畔を譲り合いなさいってことなんですね。

そうか・・・。

そうやって、譲り合いの精神で田畑を耕し、ふる里を守ってきた人々にとって、

道も畔も奪われるなんて言語道断、許されることではないでしょう。

 

この額は、佐世保市長の市長室にこそ飾りたい・・・ 

 

 

 

佐世保でダムネーション試写会

2月27日夜、久しぶりに映画『ダムネーション』を観ました。

実は4回目です。

山梨県の清里、福岡、佐世保、そして今回も佐世保で。

観るたびに静かな感動と共感が沸き上がる不思議なドキュメンタリーです。

 

佐世保では2回目。

1回目は昨年1月アルカスのホールで、主催者の1人として会場の片隅で時々観る程度でしたが、

今回は縁あって、上映会を予定している方々の仲間内の試写会に参加する機会ができましたので、

観客としてじっくり観ることができました。

 

会場は『雑類書店』という珍しい素敵な本屋さん。

http://d.hatena.ne.jp/zoruibooks/about

 

そして主催者は獣医でDJでもある不思議なMさん。

 上映後、Mさんは私たち来場者に語り掛けました。

 

この映画の中で、サケの人工孵化のシーンがありました。

人間が造ったダムによってサケが遡上できなくなって、漁獲量が激減すると、

今度はサケを増やすために、

生きているサケを殺して卵を取り出し、人工孵化で育てる・・・。

 

人間は、確かに傲慢だと思います。

僕は獣医ですが、犬猫、特に犬は、この頃、

自力で、交尾やお産や子育てができなくなっています。

 

僕の好きな都築響一さん(写真家で編集者)は言っていました。

「モチベーションは怒りと焦りだ」と。

 

僕もそうです。

最近、何か怒りとか焦りのようなものを感じています。

 

今の佐世保はあんまりおもしろくない町だし、

でも、漫然と見ているのはどうかと思うし、

何かアクションを起こせたらいいな、と。

 

そのとっかかりとして、今日『ダムネーション』を皆さんと一緒に観れて、

とてもよかったです。

 

同感です。

会場には若い人がたくさん来ていました。

生後7ヶ月の赤ちゃんもいました。

大きなお腹を抱えたお母さんもいました。

 

その全ての人の瞳が釘付けになったシーンがありました。

ダムが撤去されて、自然の川が戻ったとたん、サケが波のように押し寄せてくる光景です。

光を浴びて、踊るように、歌うように泳ぐサケ。

生命の讃歌そのものでした。

 

声にならない歓声が会場に満ちているのを感じました。

 

きっとまたどこかの会場で、同じ感動が伝えられることでしょう。

まだご覧になっていない方は是非、次の機会をお見逃しなく!