事業認定取消訴訟第1回口頭弁論 報道スクラップ

第1回口頭弁論について新聞各紙はこのように報じました。

 

石木ダム訴訟 第1回口頭弁論 「声の無視、どこまで」 原告ら意見陳述 /長崎

(毎日新聞長崎版2016年4月26日)http://mainichi.jp/articles/20160426/ddl/k42/040/377000c

 県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、水没予定地で暮らす反対地権者ら109人が国を相手に事業認定処分の取り消しを求めた訴訟の第1回口頭弁論が25日、長崎地裁(松葉佐隆之裁判長)であった。

原告の地権者らは意見陳述で「私たちの声はどこまで無視されるのか」と訴えた。国側は答弁書で「事業認定は裁量の範囲内で違法性はない」として請求棄却を求めた。

 訴状などによると、石木ダムは1975年に国が事業認可。当初から反対運動が巻き起こり、県などと地元住民の対立が続く中、国は2013年に事業認定を告示した。

現在、水没予定地で反対地権者13世帯約60人が生活しており、県は用地の強制収用手続きを進めている。原告らは「事業は公共性、必要性を欠いている。手続的にも民主主義とかけ離れた手法がとられており違法だ」と主張している。

 弁論では、原告を代表して地権者の岩下和雄さん(69)と松本好央さん(41)の他、原告代理人の弁護士3人が意見陳述した。

岩下さんは「県や町は議論を避け、工事を強行し続けてきた。私たちの声はどこまで無視されるのか。不要なダムのため、故郷を売ることはあり得ない」と訴えた。

松本さんは「生まれ育ったこの土地を子供たちに残したい。ごく普通の暮らしを続けたい。願いはただそれだけだ」と述べた。

次回期日は7月19日の予定。

 原告らのうち24人は昨年12月、「判決確定までに回復困難な損害を被る可能性がある」として、長崎地裁に事業認定の執行停止も申し立てており、25日は同申し立ての第1回審尋もあった。

国側は意見書を提出し、「事業認定の執行で重大な損害が生じるとはいえず、緊急性もない」として、申し立ての却下を求めた。

 弁論後、原告団と弁護団(馬奈木昭雄団長)は長崎市内で報告集会を開いた。

馬奈木団長は「国は、事業の遂行で何が奪われることになるか全く理解しておらず、国民の生活を何とも思わない恥ずかしい行政だ」と批判し、「皆さん、一緒に闘い抜きましょう」と呼びかけた。

 

 

 

25日夕方のテレビニュースでも各局伝えていましたが、ネット上に出ているのは以下の2局のみ。

 

                           NHKニュース 4月25日
石木ダムの取消求める裁判 

長崎県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダムについて、地権者たちがダムの事業認定の取り消しを求めた裁判が25日、長崎地方裁判所で始まり、原告側がダムには公共性はなく必要ないと訴えたのに対し、国側は洪水対策などのために必要だとして訴えを退けるよう求めました。
石木ダムをめぐって建設に反対する地権者など110人は、生活基盤を破壊し憲法で保障されている生存権を損なうなどとして、国が行ったダムの事業認定の取り消しを求める裁判を起こしています。
25日は長崎地方裁判所で第1回の口頭弁論が行われ、ダムで水没する地区に家族9人で住む松本好央さんが「地元住民の人権を無視し、強制的に進めなければ実現できないダムにどんな公共性があるのか」と述べ、ダムは必要ないと訴えました。
一方、国側は「洪水対策や水道用水の確保のために必要かつ有効な施設で公共の利益は大きい」としてダムが必要だとする書面を提出し、原告の訴えを退けるよう求めました。
石木ダムの建設をめぐって長崎県は去年8月、4世帯が所有するおよそ5500平方メートルの農地を強制的に収用したほか、ダムの建設用地12万平方メートルあまりを収用するための手続きを進めていますが、具体的な工事は地権者らの反対で進んでいません。
次回の裁判は7月19日に開かれます。
長崎地方裁判所の前では25日の裁判に先立って、地権者と支持者あわせて80人余りが横断幕などを掲げて石木ダム建設の反対を訴えました。
弁護団長の馬奈木昭雄弁護士は「石木ダムの建設によって、地域の営みや人としての尊厳が奪われてしまいます。きょうの裁判は、決して奪われてはならないものを守り抜く戦いの第一歩です」と述べました。
続いて地権者の1人で原告の岩下和雄さんが「県によって私たちの土地が失われようとしています。
ほんとうにダムが必要かどうか、裁判で問いたい」と訴えました。

 

 

石木ダム事業認定訴訟で地権者ら意見陳述

KTNテレビ長崎 2016年4月25日 18:43

石木ダム建設事業をめぐり、土地の強制収用を可能にした国の認定を取り消すよう求めた裁判の第一回口頭弁論が、長崎地裁で開かれました。石木ダムをめぐる裁判はこれが初めてで、地権者は「ダムは生活基盤も奪う」と訴えました。

石木ダム建設絶対反対同盟 岩下和雄さん「私たちのふるさとに生きつづける、ここに生活するために石木ダムに反対しております、本当に必要か、まずそれを問うて、安定した生活を勝ち取っていきたい」石木ダム建設予定地の地権者およそ40人など建設反対派は、長崎地裁で初めて開かれた事業認定取り消し訴訟に臨みました。石木ダムをめぐっては、2013年に、国が、事業の公益性を認め、土地の強制収用が可能になる「事業認定」をしています。これに対し原告の地権者109人は、治水や利水面でダムの必要性は極めて低く、手続きにも問題があるなどとして、事業認定の取り消しを求めています。きょうの口頭弁論で、事業認定をした国は全面的に争う姿勢を示しました。事業に反対する地権者の松本好央さんは、「ダムは家や土地、豊かな自然といった物理的なものだけではなく、私たちの日々の生業といった生活基盤そのものを奪う」と、訴えました。判決が出るまでの間は手続きの差し止めを求める仮処分の申し立てについても、国は却下を求めています。