一足早い福袋?

とても面白い記事を見つけました。

いえ、友人が見つけて教えてくれたんですけどね。

そう。これは、先日(12/19)の佐世保市議会「石木ダム建設促進特別委員会」の様子ですね。

請願者の趣旨説明も委員会の反応も実に的確に伝えていますし、記者の感想コメントがまたいいですねー

約半世紀という時間の中に消えた「願い」と「税金」は誰のものだったのか?

会議は過去のため?未来のために開くのか?

 

この記事が掲載されていたのは、なんと「ライフさせぼ」の新年号!

新年号がポストに入っていたのは28日で、パラパラとめくって見たのですが、こんなふうに赤や金色がまばゆい広告記事がいっぱいで、その時は気付きませんでした。

で、もう一度あらためて見てみると…

おや?あれ?あれあれ??こんな広告も…

広告というか、シンポジウムのお知らせが全面掲載されていました。

実は、ちょうど今日、このチラシ、もらってきたばかりなんですよ。

友人のお店「てとて舎」に置いてありました〜 

 

なんと!見覚えのある方々ですねー

橋之口さんは、佐世保市議会の希望の星!のような方ですし、

藻谷浩介さんは、あの目から鱗の「里山資本主義」の提唱者じゃありませんか!

その隣の櫻澤香さんという方は知りませんでしたが、紹介文を読むと、知る人ぞ知る、すごい女性。

リイ・ヴィトン売上ナンバー1で、銀座「蜂の家」など様々な店の経営者として大活躍とか。

そして、右端の方は、先ほどの記事に出ていたパタゴニアの辻井社長ではありませんか!

テーマも内容も面白そう!

しかも無料!?

これは是非聴きに行かなくっちゃ・・・

買ったばかりのカレンダーに書き込みましたー 

 

ライフ新年号は私にとって嬉しい情報がいろいろあって、一足早い福袋のようでした・・・

 

第2次通行妨害仮処分 第1回審尋

年の瀬も押し詰まった28日、長崎地裁佐世保支部で、仮処分の審尋がおこなわれました。

今回の仮処分は、県が10月28日に申し立てた通行妨害禁止の仮処分です。

石木ダム事業に関連する道路工事の現場への通行を阻止行動によって妨害されたとして訴えられた、いわゆるスラップ訴訟で、2014年に次いで2回目となります。

前回は23名が訴えられて16名が仮処分を受けました。

今回は19名が訴えられています。

その19名を応援するために今回も多くの市民が門前に集まりました。

 

審尋終了後、場所を中部地区公民館に移して報告集会がおこなわれました。

弁護団の平山弁護士から次のような報告がなされました。

 

今日の審尋について、

・県からの申立てに対しては却下を求めた。

・来年1月20日までに保全の必要性緊急性に関する書面を提出し、また、出来る限りの認否(誰がいつどこでこういうことをしたか)をしたいが、人数が多いのでその日までに全員の認否は難しいと伝えている。

・また認否するだけでなく、それが妨害にあたるのかどうか、憲法上の問題、工事の必要性についても主張する予定で、それらの主張は2月末までに提出する。

・次回の審尋は1月24日午前10時、3回目の審尋は3月6日の午後3時半の予定。

こちら側が申し立てた工事差し止めの仮処分について

・12月20日に却下の決定が出された。

・この件についての争点は、次の3つだった。
①被保全権利の必要性(工事によって侵害される権利があるのかないのか)
②保全の必要性の緊急性
③行政訴訟法第44条違反(この工事は公権力の行使だから仮処分の申し立てはできない)にあたるのか

・佐世保支部の判断は、保全の必要性の緊急性がないというその1点だった。今やっている工事は全体の一部に過ぎないし、本体工事もまだ着工されていない、土地の収容もされていない部分があるということで、権利の侵害が差し迫ったものでは無い、今その工事を止めなければという緊急の必要性は認められないということ。

・この決定をどう評価するか?
我々の申し立てが認められなかったのは残念だが、44条でバッサリ切っていないところは評価できる。裁判所は違反するともしないとも明確な判断はしていない。保全の必要性が認められれば差し止めの可能性もあるという余地を残した判断だと言える。

・いずれにしても負けたので、今日不服申し立てをしてきた。抗告者は137名。

・抗告審は福岡高裁でおこなわれ、裁判官がこちらの申し立てを認めれば差し戻しとなり、抗告理由がないと判断すれば審尋を開くことなく抗告を認めないということになる。こちらとしては審尋を開いて工事の必要性について審議を尽くすべきだと主張していく。


このあと参加者から質問や意見がいろいろ出されましたが、その詳細は今後の裁判の行方に関することで詳細はさし控えます。

 

また、緒方弁護士から、
・皆さんが感じておられる差し迫った危険、緊急性の問題について、頑張って主張していきたい。

田篭弁護士から、
・今回は皆さんがマスクや帽子をつけて行動したので、県は人物特定に時間がかかり、仮処分申立をおこすのに時間がかかった。この状況をつくりだしたのは皆さんの頑張りによるものだと思う。

などの感想も述べられました。

最後に岩下さんから、参加者へのお礼の言葉と今後への決意が示され、大きな拍手が送られました。

 

債務者となった19名も、支援者も、悲壮感は全くなく、笑顔で「来年もがんばろうね〜」の挨拶が交わされていました。

ちょうど昨日できあがったばかりの『滴』にも注目が集まり、あらたな購読申し込みが何人も!この表紙が皆さんの思いと重なっていたからでしょうか。

 

ペーパーの『滴』は印刷費や送料がかかるので、年間購読料を頂いていますが、メール添付での「滴」は無料です。

ご希望の方はmichi30@hyper.ocn.ne.jp までご連絡ください。

 

2015年度に激増した1日最大給水量の謎

昨日のブログ記事を読んで下さった方から、ご質問を頂きました。

図1「佐世保市の1日最大給水量、1日平均給水量」のグラフですが、これを見ると、2015年かなあ、いきなり一日最大給水量が跳ね上がっているように見えますが、これはどういう理由なのでしょうか? あまりにも不自然に、予測値もはるかに上回ってしまっています。
記事内に解説があるのかもしれないのですが、画像が小さくて読むことができず、…今後も継続するのか、一時的なものなのか?など、いろいろ理由を考えていますが、…もし、おわかりでしたら、教えていただければ幸いです。

そう。誰でも不思議に思いますよね。説明不足でした。申し訳ありません。
新聞には、このように書かれていました。赤線を引いたところです。



2015年度(2015年4月〜2016年3月)の1月というのは、つまり今年の1月ですが、長崎県内を記録的な大寒波が襲いました。
零下という寒さに慣れていない本県では各家庭の給水管に布を巻くなどの対策もせず、給水管が凍結。ひびが入ったり破裂したり…大寒波が遠のくと同時に、凍っていた中の水が溶けてあちこちから噴水のように漏れ出したのです。
これが当時の給水量の記録です。

23日=67,377m3

24日=61,715m3

25日=107,790m3

26日=99,679m3

27日=91,786m3

データが示すように、それまで1日の給水量は6万台だったのに、膨大な漏水によって、一気に4万㌧も増えました。
しかし、この水は使用されたわけではありません。ただ、漏れ出したのです。無駄になったのです。
使用されるどころか一気に漏れて配水池が空っぽになったために断水した家が7200世帯にもおよびました。

最高で1週間も断水が続いた地域もありました。お風呂も入れず、トイレの水も苦労して川から運んできたりしたところもあったようです。

一方、ダム湖の貯水率は当時80%を超えていました。

このとき私たちは学んだのです。いくら水源を確保していても、水を運ぶ水道管が壊れていては水は使えないってことを。

やっぱりダムよりも漏水対策が大事!

漏水対策を優先すべし!

ということで、「ダムよりメンテ」が私たちの合言葉となりました〜 
 

長崎新聞がまとめた石木ダム利水問題

今日の長崎新聞はほぼ1ページを使って、石木ダムの利水問題を取り上げていました。

 

まず右側の記事は水需要予測について。実績と予測の乖離をどう見るか?

市と反対派の間にある深い溝とは・・・。

近年はずっと1日最大給水量も1日平均給水量も右肩下がりなのに、予測は右肩上がりという事実。

これをどう見るか?

あなたはどう見ますか?

どう見ても予測が過大で、実績を無視している。

しかもダム完成予定年度に合わせるように急増している。

石木ダムの必要性を示すための数字合わせであり、つじつま合わせ…と私たちには見えます。

しかし、市の主張はこうです。

安定供給を第一に考えれば、予測と実績は離れて当然。

へー!ずいぶん居直っていますねー。

実績と離れていいのであれば、それは予測値とは言わないでしょう?

計画値とか希望値とか名称を改めた方がいいのでは?

 

生活用水も、同じ。実績は減っているのに、予測は増えるって?

ダムを造って水の供給が増えれば、使用量も増えるはずという考え方。

なぜ今のままじゃいけないのでしょう?

消費は美徳?

足るを知る生活がこれからは求められるのに…

なんだか逆行しています。

 

左側には水源についての意見がまとめられていました。

 

この中で、利水計画について市はこのように述べています。

現在安定水源は7万7千㌧あるけれど、あと4万トンを石木ダムで補うと。

でも、先ほどのグラフで見たように、近年の使用量は平均で7万トン前後。

安定水源でおつりがきます。

1日最大使用量でも7万7千㌧くらい。

それなのになぜ、4万トンも新たな水源が必要なのか?

 

厚生労働省の厚生科学審議会 (水道事業の維持・向上に関する専門委員会)は、「給水需要に見合った施設規模への見直し」を提言しています。

人口減少と共に給水需要が減っているのに、施設を大きくするのはおかしいと。

このような提言にきちんと耳を傾けるべきです。

 

まさにその通り。

今年1月の大寒波による水道管凍結破裂による漏水の被害は記憶に新しいところ。

菅が漏れていては、水源の水が家庭まで届かないことを私たちは実感しました。

新たな水源よりも漏水対策。

新たな施設を増やすよりも、今有る施設のメンテナンスをしっかりして有効活用する。

 

それこそが、今求められている持続可能な社会への道だと思います。

 

 

 

「差し迫った状況にない」?

今日の長崎新聞「論説」を読んで、思わず大きく頷きました。

小出久論説委員は、
県は「工事再開に司法のお墨付きを得た」ことになるが、「決して強引にことを進めてはならない」「今ここで立ち止まり、事業の進め方を再検討すべきだ」
と釘をさしています。

裁判所に対しては、
仮処分という措置には、「著しい損害」や「緊急の必要性」が求められるが、地権者等の暮らしが「平穏」といえる状況か?決してそうではない、むしろ「長期間にわたって平穏な生活を奪われている」
と指摘しています。

全くその通りです。

毎日毎日、家事や農作業もそっちのけで阻止行動に出ていかなければならない。
真夏の炎天下でも、マスクやサングラスで顔を隠して立たねばならない。
雨の日も雪の日も休むわけにはいかない。
土日には、全国各地から励ましに来てくれる支援者を手料理で饗さねばならない。
地域には、しょっちゅうマスコミがやってきて、カメラがまわっている。
物理的にも精神的にも休む暇のない、「平穏」にはほど遠い状況、
それがここ数年の川原の日常です。
そういうことを地裁佐世保支部は、あまりにも知ら無さ過ぎる!
知ろうとしなかった…。

 

「差し迫った状況にない」という判断が、これまで様々な不幸を招いてきました。

ストーカー被害者の訴えを、「差し迫った状況にない」と判断して保護しなかったために殺された女性たちが何人もいます。

いじめの状況を「差し迫った状況にない」と感じて教師が真剣に対応しなかった結果、いじめがエスカレートし、自殺に追い込まれた子どもたちがたくさんいます。

超長時間労働による肉体的・精神的疲労が「差し迫った状況」だと誰かが気づいて、むりやり会社を休ませていたら、過労死せずに済んだケースは沢山あると思います。

当事者にとって本当に差し迫った状況かどうかを他人が理解するには、書類だけじゃダメなんです。

地裁の裁判官のように、現地に来て、自分の目で見て、耳で聴くのが一番です。

それができなければ、せめて地権者本人の訴えを聞いてほしかった。

たぶん仮処分という裁判の仕組みの中では、そんなことはできないのでしょうが。

裁判制度を何も知らない者の戯言かもしれません。

でも、「差し迫った状況にはない」との言葉に唖然として、黙って通り過ぎることはできませんでした。

 

地権者の内の4世帯の農地は既に強制収用されてしまったのです。

明け渡しを命じられているのです。

そこで米を作り野菜を作るのが、心身ともに生きる糧となっている人々の土地が書類上は既に奪われたのです。

次は住んでいる家を奪われようとしているのです。

それを知っていて「差し迫った状況にない」と判断されたのかと、叫びたくなりました。

 

でも、長崎新聞の論説を読んで、少しだけクールダウンできました。 

 

裁判官 雨の中 現地視察

雨の中、透明傘をさし、黒っぽいスーツ姿の男性ばかり15,6人がぞろぞろと歩いていく光景はちょっと異様な感じでした。

このうち裁判官は3人だけ。他は書記官や、地権者、双方の代理人弁護士など。

こうばる広場やこうばる公民館、江川橋(平成2年洪水の真相を知るポイント地点)などでは10分以上の説明時間が取られましたが、地権者の各家々での説明時間はわずか2分と制限されたものでした。

地権者の皆さんは、家に上がって頂く時間も惜しいので、雨のかからない駐車場や作業場などで対面し、家族の紹介、現在の生活状況、そしてここに住み続けたい思いを短く訴えるだけでした。

それでも、わかってほしいことは事前に文書でしっかり伝えてあったので、ただここで顔を合わせて直接訴えることができた、それだけでも大きな意味があったと、皆さん笑顔でした。

この視察は非公開の進行協議ですから、マスコミも同行はできません。

私はたまたま、1軒のお宅でのやり取りを目撃していたのですが、

「この家は126年前の建物です。私の家族の歴史が詰まった家です」

「ここの米は、なしてか美味しかとです。私も…に2回出しましたが、2回とも1番になりました」

最後尾で聞いていたので、何に出品?されたのか、町内で1位なのか、県内で1位なのかわかりませんでしたが、この方が言おうとしていたことは十分伝わってきました。

どうして美味しいのか、言わなくても、皆わかったはずです。

そして、彼の奥さんは「ずっとここで暮らしたいです。ただそれだけが私のねがいです」と言葉少なに言って、深々と頭を下げました。

鼻の奥がツーンとしました。

裁判官の方々もきっとそうだったでしょう。

そうであってほしい

 

新聞が伝えた 石木ダム工事差止め却下

工事差止却下の決定について、翌日の新聞には全紙に掲載されました。

中でも、長崎新聞は、1面トップ。

まず、決定内容の要点を紹介。

*「工事続行を禁じる緊急の必要性がない」として却下した。

*「平穏に生きる権利などが侵害される」という反対派の主張は退けられた。

*生命・身体の安全、人格権などの被保全権利については、存在するかどうかの判断を回避した。

*税金が有効、適切に利用される権利については、認めなかった。

*工事の必要性についての言及もなかった。

これを受けて、両者のコメントを紹介。

*中村法道知事「県の立場が認められたものと考えている。スムーズに推進できるよう引き続き努力をしていく」

*石木ダム対策弁護団「決定の内容を精査して、今後の対応を検討する」(福岡高裁への抗告を検討)

 

その上で、この決定に対する「解説」を掲載。

とてもわかりやすい!

特に「この決定は工事が止まっている「今」だけを切り取ったもの」

「将来、住民の暮らしや自然がが奪われる本質には目を向けていない」

「住み慣れた地で生きる権利は、被保全権利に当たらないのか?」など。

 

社会面にもトップで大きく掲載。

反対派の思いは…

*なぜ分かってくれないのか!

*期待はしてなかった

*ダムのことを考えないでいい暮らしがしたい

*納得できない!高裁で改めて無駄な事業であることを訴えていく

 

一方、推進派は…

 

「工事を続行して良いとの判断が明確に示された」?

 確かに。

工事差止を却下したということは、工事を続けて良いということ。

 

でも、実際問題として、明日から工事は進むでしょうか?

たぶん、現地の状況は、おそらく何も変わらないでしょう。

昨日と同じ光景が明日も明後日も続くことでしょう。

 

この決定が問題解決に繋がるものではないことは明らかです。

 

 

毎日新聞

 

朝日新聞

読売新聞

 

西日本新聞

小沢一郎さんからの手紙

もう?

さすが!大物政治家!やることが早い!

と絶賛する人あり。

早過ぎない?ちゃんと調べてくれたのかなぁ・・

と不安視する人あり。

 

ともあれ、末次精一さんによる「小沢一郎の国交省ヒアリング報告会」が18日午後、急きょ開かれることになりました。

 

小沢さんが川原を訪ねたのは、今月6日(火)のことでした。

 

報告書の日付は12日(月)だったので、ヒアリングされたのは8日(木)か9日(金)でしょうか?

6日の夜は佐世保にいらしたので、帰京は早くても7日…。

ということは、帰京した翌日か翌々日?

やはり即、行動される方なんですね〜

末次さんが読み上げて下さったその報告書がこちら。

添付資料は4枚。

1.石木ダム建設事業〜事業概要、事業費、ダム検証結果など

2.石木ダム建設事業について〜事業の経緯、必要性、今後の対応方針

3.石木ダムの位置(航空写真)

4.過去の主な洪水・渇水〜写真と新聞記事

 

内容は、ほとんど、県のHP(「石木ダム建設事業」)や、これまでの説明会資料に書かれていたことばかりでした。

目新しいことと言えば、事業費のところだけ。

〇平成27年度まで 167.3億円

と記載されていました。

つまり、これまでに必要のない事業のために167億円も使ってしまったということですね。

あと118億円ほどで道路を造り、転流工事をし、ダム本体を造ろうというのでしょうか?それだけで済むとはとても思えません。

他ダムの例が示すように、工事が始まってから、補正、補正で予算を積み増していくのでしょう。

 

もう1つ、確認できたこととして注目したいのは「今後の対応方針」です。

・長崎県からは、石木ダムは治水・利水両面から効果が期待されることから、今後も地元住民のご意見を伺いながら丁寧に事業を進めていく意向と聞いている。

つまり、長崎県は「地元住民のご意見を伺いながら」やっていくと国には伝えているのです。

実際には意見に耳を傾けるどころか、質問にも答えない。

公開質問状を提出しても、国が認定したことだから説明する必要は無いと住民には門前払いです。

この現状を小沢さんから国にしっかり伝え、糾してもらいたいものです。

・国としては、事業者である長崎県の意向を尊重しつつ、引き続き技術面、財政面から必要な支援を実施していく。

やはり国は県と二人三脚で公共事業を推し進めたいようです。

不要な事業でも…。

県(行政)の意向だけを尊重し、県民(国民)の意向は無視してもいいのか?

県民、特に地域住民が半世紀も反対を続ける事業を強行して良い結果を生むはずがない。

イサカンの轍を踏まないよう、小沢さんには再度国交省に意見してもらいたい。

公共事業を熟知している小沢さんの言葉は、きっと重く伝わるはず…。

 

工事差止仮処分申し立て、却下!

ついに長崎地裁佐世保支部の判断が示されました。

石木ダム工事差止仮処分申し立ては却下されました。

私たちの敗訴です。

なぜ、どういう理由で、そのような判断に至ったのか、私たちはまだ何も知りません。

仮処分の裁判は一般の裁判の判決と違って法廷の場で明らかにされるわけではありません。

その決定書は弁護団に渡されます。

今頃は弁護団で精査、分析、今後の対応について検討がなされていることでしょう。

私たちはその報告を待つしかありません。

 

今はとりあえず、マスコミ報道に注目してみましょう。

まず、NHK長崎のTVニュースによると…

石木ダム自体が不要なので、それに伴う工事は全て不要であり,
その不要な工事によって,地権者の権利が侵害されようとしている,
として,私たちは工事の差し止めを求めたのですが…

長崎地裁佐世保支部の渡邊英夫裁判長は、「権利侵害の緊急性もない」として、申し立てを却下したようですが…全く現状誤認です。

工事は道路工事だけではありません。

ダム本体工事も含みます。

ダム工事をするということは、地権者の土地を奪うことであり、財産権や生活権、居住権など様々な権利が奪われることです。権利の侵害そのものです。

工事を認めるということは、ダム建設を認める事であり、現在進行形の強制収用の手続きを進めることであり、緊急性は大いにあります。

4世帯の家屋については、審理は既に終わっており、いつ収用裁決が出てもおかしくない時期に来ています。

今日の決定で、司法のお墨付きを得たとして採決が出されたら、それでも「権利侵害の緊急性もない」と言うのでしょうか?

 

中村知事のコメント:
県の主張が認められたものと思っている石木ダムは必要不可欠だという考えは変わらず、事業がスムーズに進むよう、地権者の方々などに理解していただきたい。

佐世保市長のコメント:
この判断が、今後事業の着実な進展に繋がっていくものと期待しております。

 

この裁判は、石木ダム事業そのものについて必要性の議論はしないままでした。

当方は要求したのですが、県側は避けて通りました。

なのに、知事も市長も石木ダムにお墨付きが与えられたかのような錯覚に陥っている?

それとも敢えてすり替えているのでしょうか?

 

ダムの必要性についてはまだまだこれからです。

事業認定取消訴訟。

私たちは、こちらでしっかり闘います。

県の皆さん、逃げないでくださいね。

 

パタゴニア日本支社長、佐世保市議会で陳述 

今日、佐世保市議会石木ダム建設促進特別委員会での請願趣旨説明を傍聴しました。

石木ダムについて公開で議論する場を求める請願。

県議会で不採択となったあの請願。

佐世保市にも提出されていました。

そして今回は、WTK実行委員の一人である辻井隆行さんが趣旨説明をされました。

そう。あのパタゴニア日本支社長の辻井隆行氏。

自然保護を社是とするアウトドア衣料メーカー「パタゴニア」の辻井さんです。

佐世保ではかなり有名になっているかもしれません。ダム反対者として。

でも、それは少し誤解があるようです。

その誤解を解くためにも、あえて佐世保市議会で陳述しようと思われたのでしょうか。

 

その発言の全てをここでお伝えできないのが残念です。

議会傍聴者には録音録画が禁じられていますから。

私の読み辛いメモとおぼろげな記憶を駆使して、そのエッセンスをご紹介します。

 

*私たちはダムに反対しに来たのではありません。

*私はグローバル企業の一員として、世界や日本で、一度決められた事業が、多角的な議論によって方向を転換した結果、市民も、行政も幸せになり、より持続可能な地域発展に繋がった事例を学んできました。そのような経験から立場を超えたオープンで透明性のある議論が行われることを切に願っているのです。

*長崎県や佐世保市が説明を重ねてきたのは知っています。しかし、現実として石木ダムのことをよく知らない、わからないと思っている若い方々が多いのも事実です。

そして、同じような例として昨年の安保法案に関する話をされました。

*首相も与党議員も十分説明を尽くした。国民の理解も進んだ。と言っていましたが、新聞各社の世論調査では、大多数が議論は不十分と答えました。
朝日新聞74%、毎日新聞78%、読売新聞82%、日経新聞78%、共同通信81.6%

そうなんですよね。
当局は説明したと思っても、市民国民に伝わっていないことはよくある話!

*もし、佐世保市民に対する世論調査が実施され、8割、9割の方々が「説明は十分」「議論はしつくした」と答えられ、その上で「ダムが必要」と言うのであれば、それは佐世保市民が本当に望んでいることになるのだろうと思います。現時点ではどうでしょうか?

*事業者が「十分な説明をした」と認識されている一方で、「不十分だ」と感じている方が多いのはなぜか?その理由の1つは、お互いの話に耳を傾ける「対話」が行われてこなかったからだと思います。

そうですよね!
私自身の反省も含めて、私たちは互いに主張し合うばかりでした。
相手の話に耳を傾け、対話すること無しに合意形成は絶対に生まれません。

*石木ダムが作られるのか、作られないかに関わらず、今回の請願書が国民・県民・市民の願いとして正当に扱われ、賛成、中立、反対の立場を超えたオープンで公正な議論が深まる、そうした公開議論の場が実現することを切に願っております。

 

委員の皆さんは、ある種の緊張感を持って、時に頷き、時に真剣な眼差しで聴いていました。しかし、質疑はそれほど活発ではありませんでした。出された質問は2つだけ。

橋之口委員:請願事項で「公開の場で議論する」とありますが、これは佐世保市が設置して市民に呼びかけることを求めているのですか?

辻井さん:市がそういう場を設けて頂くのを願っていますが、民間もしくは市民サイドがそういう場を設定して、市の関係者もそこに参加して議論するという形でも良いと思います。

林委員:様々な立場の人が公開の場で議論をと求められたが、事業認定を含めこれまで様々な公開の場での説明議論等があり、その時の対象者は限られた人々ではなかったはずですが。今までの場ではそれが十分ではなかったということですか?

辻井さん:これまでそのような場を持たれてきたことは私も理解していますが、当時十代だった方が20代になり社会を担う立場になっています。知らなかった、知りたいという若い方々と私はこの2年間でたくさん出会いました。禍根が残らないよう、より多くの方が納得した形で物事が進められることが大事ではないかと考えています。

 

そして、30分の休憩後、委員会再開。討論の後採決となり、今回もと言うべきか…全会一致で請願は否決されました。反対の理由はこうでした。

 

市民クラブ:
これまで長い間、県と市は地権者や市民に対し説明や意見交換を重ね、その中で事業認定がなされた。地権者の理解が得られていないのは残念だが、県としても必要性は十分説明されてきたし、今後も県自らが?なされると思う。よって賛同できない。

緑政クラブ:
これまで長い時間をかけて様々な立場から議論されてきた。すでに議論は尽くされているので、あらためてやる必要は無い。

市政クラブ:
市民の何故に真摯に答えるのは事業者として当然のことだと思う。今後も真摯な対応をするよう市に申し添えたいと思う。ただ、市は県と共同で事業を進めるという立場なので、市が主体として呼びかけの場を設けるというのは適当ではない。信頼関係が無い中で市当局が主体となって話し合いの場を作っていくということはなかなか理解が得られないだろう。

自民党:
県は推進する立場で討論を進めてきた。いま老若男女で議論するのは望ましくない。県も度々説明の場をもってきた。県の立場を重視したい。平成6年渇水の時のような思いは絶対に後世にさせてはいけない。

公明党:
長い歳月をかけて議論されてきた経過があるし、今は法廷の場にも及んでいる。時間軸の中で安易に時を重ねることはできない。議論は大いに結構だが、公開の場に差し戻すというのは、これまでの経緯や法的手続きを軽視することになるので、不採択。

林(緑政クラブ補足):
緑成会としては請願が出されて以後、会派で議論を重ねてきた。また、辻井さんの説明を会派に持ち帰り、さらに議論した。その結果は永安委員の報告の通りだが、少し補足したい。賛成・中立・反対の立場での公開議論の場は当然必要。しかし、一定の時期を経て、この時期にあらためて公開の場での議論というのは、時期的に遅い状況になっている。

草津(自民党・個人的な意見):
時間軸を後ろに戻すわけにはいかないというのはわかるが、市当局が市民に対して情報発信を少し怠けていたということは認めざるを得ない。しかしこの委員会は石木ダム建設促進委員会。何回討論を重ねていけば新たな結論が導き出されるのか私には理解できない。

 

まとめてみると、反対理由はこういうことのようです。

①公開の場での議論は何度も重ねてきた。議論は尽くした。

②佐世保市は共同事業者であり、市が主体となって議論の場を呼びかけるのは適当ではない。

③信頼関係が無い中で市当局が主体となってやるのは難しい。

④今は法廷の場に及んでいる。議論を差し戻すのは、法的手続きを軽視することになる。

 

いずれも言い訳にしか聞こえません。やらなくていい言い訳探し。 

①については重々理解した上で、でも現実がそうではない、そう思っていない若い世代がたくさんいる、だから、もう一度やりませんか?禍根を残さないために。と辻井さんは言ってるのに、全然わかっていない。それともわからないふり?

②はヘンです。市民と市の水問題について話し合うのに、どうして県に遠慮するのでしょう?

③も言い訳になりません。市が主体でなくてもいいと辻井さんはおっしゃっていましたよ。民間とか市民団体が主催してもいいって。

④言い訳の常套句。隠れ蓑。逃げないでください。

 

結果はいつもと同じ、全会一致の不採択でしたが、特筆すべき嬉しいことがありました。
会派の意見とは別に個人的な見解を述べた委員が2人もいたこと。
特に草津委員の発言には驚きました。

市当局が市民に対して情報発信を少し怠けていたということは認めざるを得ない。

この委員会は石木ダム建設促進委員会。
 何回討論を重ねていけば新たな結論が導き出されるのか私には理解できない。

 

議員としての良心&苦悩?

辻井氏の真意が、きっと少しだけ届いたのでしょう。